カツが投票した舞台芸術アワード!

2008年度 1-10位と総評
キラリ☆ふじみで創る芝居『大恋愛』

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キラリ☆ふじみで創る芝居『大恋愛』

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ

何といっても今年ダントツの1位。
雪が降り積もる中2時間半かけて見に行っても全く後悔しないどころか、もう一度見たいと思いました。
演劇の見方を変えてくれた作品。

おいでおいでぷす

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おいでおいでぷす

青年団若手自主企画 岩井企画

一度見たら凄い面白かったので、普段演劇を見ないし岩井秀人さんの名前も知らない友人に紹介したら友人もハマりました。
それだけでも、この作品がどれだけ素晴らしかったか判ります。
ギリシャ悲劇を現代の若者のキャンプに置き換える妙技と脱力感に打ちのめされました。

すてるたび(公演終了)

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すてるたび(公演終了)

五反田団

五反田団は「偉大なる生活の冒険」「さようなら僕の小さな名声」と充実した作品を発表していてどれも横並びで良かったのだけど、黒田さんの頑張りとイスと照明だけであれだけの世界を作り上げた、この作品に一票です。

トランス

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トランス

中野成樹+フランケンズ

多田淳之介演出作品は他も素晴らしかったけど、この作品はポップで判りやすかったです。逆に判りづらいけど忘れられない作品作りも多田氏の魅力なので迷うけど、肩の力を抜いて作った「トランス」に一票。見ている側も方の力を抜いて見れました。

俺を縛れ!

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俺を縛れ!

柿喰う客

若手では、今年はシアタートラムで公演を始めてフランス、王子小劇場、吉祥寺シアターと大活躍だった柿喰う客が一番楽しめました。
初の時代劇ということだけど特に何かが変わるということも無く、いつもの柿らしい作品でありながら力強さを増した作品。「柿は少人数の方が面白い」と思っていたけど考えを改めさせられる舞台でした。

霊感少女ヒドミ

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霊感少女ヒドミ

快快

小指値から名前を変える最後の作品。それまでの小指値の良いところと、その後の快快となってからのジャンルの垣根を越えた自由奔放さを併せ持つ、微妙なバランスの取れた過渡期の作品。
ストーリーは別に大した事ないのだけど、演出のアイデアと遊びでここまで作品は面白くなるのだなと感心しました。
今年活躍した若手のひとつでしょう。

毛頭ーMOUTOU-

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毛頭ーMOUTOU-

角角ストロガのフ

今年の新人賞を決めるとしたら、間違いなく角角ストロガのフ。
いきなり公演の「毛頭」はいきなりと銘打ちつつも構成、演出、舞台美術、どれを取ってもレベルが高かったです。
第1回公演の「鮮やかな食卓」も好きだけど、爆笑したこちらを敢えて。

幸せ最高ありがとうマジで!

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幸せ最高ありがとうマジで!

パルコ・プロデュース

本谷有希子さんは今年はこれしか上演がなくて寂しかったです。
でも、舞台は大笑いの中に悪意を込めて、本谷さんらしい、そしてパルコ初進出に相応しい内容でした。
文化人にならないで、演劇を作ってほしいです。。。

ハート

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ハート

掘出者

劇団掘出者はとても透明感のある舞台を作る、今年年以降が楽しみな劇団です。戯曲、演出、演技、舞台美術と何とも完成度が高いです。
繊細なテーマと難しい演出に挑んだこの作品に一票。

「マンヂウ団地妻」 

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「マンヂウ団地妻」 

あなざーわーくす

個人的にとても楽しめたので、ぜひ一票投じたかった作品。
演劇の楽しさを素直に伝えてくれる素敵な作品でした。狭いまんぢうカフェという空間で生み出した一体感は、他では作ることが出来ない唯一無二の存在。もっと沢山あなざーわーくすさんの作品を見たいです。

総評

2008年はキラリ☆ふじみの「大恋愛」が飛びぬけて印象に残っています。
赤いマットを会場の真ん中に据えて、会場をロミオ席とジュリエット席に二分して、会場の全てを使い切った演出。全てが印象に強く残っていて、再演不可能な作品。
それを見れただけでも良かったです。
これを見て演劇の見方が変わりました。

多田淳之介氏、岩井秀人氏、前田司郎氏、松井周氏と青年団関係の方々が活躍されて、それぞれに充実した作品を発表して小劇場界を中堅として支えてくれました。
2009年ももちろん期待してしまうのでした。
特に東京から離れる東京デスロックの行方が気になります。

柿喰う客、快快という若手が活躍して躍進した年でもありました。
現代口語演劇だけが演劇ではない、小劇場だからこそもっと実験的なしてほしいと思うので、若い人たちが演劇界の現状に風穴を開ける活躍をしてほしいと願うのです。
今年は「キレなかった14歳☆りたーんず」にも期待してます。

新人賞を選ぶとしたら角角ストロガのフ。
第1回公演からレベルの高い舞台を作りあげていて、すっかり虜となってしまいました。
2009年は躍進の年となると思うので、まず2月の王子小劇場の公演を楽しみにしています。
もうひとつ、新人として良いのか判らないけど、劇団掘出者は2008年新しく出会えた中で飛びぬけた存在でした。

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