
1
音楽劇 金鶏 二番花
あやめ十八番
序盤の演出から一気に引き込まれ、
あっという間に作品の世界に没入していました。
視覚的な仕掛けや空間の使い方が非常に巧みで、
観客の想像力を心地よく刺激する構成だったと思います。
物語が進むにつれ、感情の流れと演出が丁寧に重なり合い、
気づけば登場人物の心の動きに深く共鳴していました。
今年いくつか舞台を観てきましたが、ここまで余韻が長く残った作品は珍しく、
「今年のベスト作品かな」と感じながら観ていました。
台詞や歌詞の一部に少し聞き取りづらいところがあったものの、
全体としてのエネルギーと集中力が非常に高く、
むしろその密度の高さが生の舞台ならではの魅力になっていたようにも思います。

2
草創記「金鶏 一番花」
あやめ十八番
一番花、二番花のどちらもとても楽しめました。
今回は音楽劇とはまた違った魅力があり、
演出の抑揚や台詞の間合いが心地よく、
物語としてはこちらの方がより自分の好みに合っていたと感じます。
中でもキツネが登場する場面には、
独特の緊張感と空気の張りつめたような感覚があり、
とても惹きつけられました。舞台上の静けさと不穏さが美しく交差していて、
印象に残るシーンのひとつです。
あの終わり方は予想していなかった。

3
白貝
やみ・あがりシアター
物語の意味が見えてくるとともに、
観客を一気に惹き込む舞台。
序盤は繰り返しの表現、登場人物が多さ、シリアス、コメディの切り替えなど
情報が一度に詰め込まれている印象を受けたため、集中力が一瞬途切れそうになったけど、
中盤以降は登場人物の関係性や物語の主軸が徐々に明確になり、一気に引き込まれていった。
特に伏線の張り方と、その回収の巧みさには感心させられ、
構成力の高さが光っていた。
山で消えた理由は、最後まで謎のままにして幕を閉じるのだろうかと思っていたから驚いた。
帰りの電車の中で◯は、いくら丁寧に洗ってもアレルゲンを完全に除去できないという事実を初めて知り衝撃を受けた。

4
逆光が聞こえる
かるがも団地
最高の一言に尽きる素晴らしい舞台

5
あたらしいエクスプロージョン
CoRich舞台芸術!プロデュース
あの限られた空間を、
堀越涼さんはまるで新たな景色へと
変えてしまうように、巧みに生かしていた。
次々と繰り出される私好みの演出に心が揺さぶられ、
気がつけば舞台の呼吸に寄り添っていた。
演者さんたちは一人で幾つもの影をまとい、
場の空気を自在に編み替えてゆく。
なかでも金子侑加さんは、
声色さえ軽やかに変化させ、
そのたびに物語の表情がふっと変わるのが
面白くてならなかった。
狭い劇場なので仕方ないが
結構、見切れやかぶりが多かった気がする。
終盤の舞台の下から登場するシーンで
その人より前にいた演者さんの後ろ姿で見えなかった。
上手側、階段付近。
チケットの売り方が細かすぎて
座席指定型のSS、S、A席くらいで
土日は+500または1000円にしたほうが
買いやすいような気がした。
こういう挑戦はいいと思う。