Jruleの観てきた!クチコミ一覧

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その鉄塔に男たちはいるという+

その鉄塔に男たちはいるという+

MONO

四日市市文化会館 第2ホール(三重県)

2020/03/01 (日) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★

前半は新作部分、後半は再演部分となっており、どちらも印象的な言葉が織り交ぜられている。新作部分は最近の作品のテイストと話の閉じ方の柔らかさを強く感じる一方、再演部分は作り手の若く尖った閉じ方を感じる。繋ぎが少ししっくりこない。また全体的にMONOらしい自然で軽快な会話が抑え気味に感じられた。

再演部分の蟻とキリギリスの件とラストは、本公演の状況の写し絵の様でもあり、娯楽に興じる観客とてキリギリスだな、と思いながら観ていた。

蒲実里 卒業できる公演

蒲実里 卒業できる公演

名城大学劇団「獅子」

PICO2(愛知県)

2020/02/28 (金) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★

2つの短編を繋いで、ストーリーの位相をシフトさせた感じで、2作品の交差を感じた。1作目はテンポが良く、2作目はカスタネットとシャボン玉がクスリと笑える。以前観た作品でも思ったが、オノウチハルカ脚本は、外部の人が演出すると途端に柔らかい作品に変わって面白い。

『ハンザキ』

『ハンザキ』

演劇組織KIMYO

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2020/02/27 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇組織KIMYO、初演は観ていないが、率直に言って凄く面白かった。ストーリーとしては東海地方で観劇した公演を挙げると、「くだんの件」と「机上の空襲」を思い出す造りで、分かり易い。特に、起承転結がハッキリしており、特に転が強調されている。キャスティングも良く、特に山三郎さんの件は雰囲気抜群で、安定感のある野田さんを主演に据えたのが良い。派手さとスピード感のある演出が売りの劇団(だと思っている)だが、スピード感に偏重しすぎずバランスが取れ、全体を通して台詞と動作のテンポが丁度良かった。ここ数年で劇団として成長を感じる。

一つ掴み切れなかったのは、舞台美術を回転させる人物たちとストーリーの関係性である。単にゲームでのNow loading...的なものだろうか。

443.75km

443.75km

南山大学演劇部「HI-SECO」企画

ナビロフト(愛知県)

2020/02/21 (金) ~ 2020/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/02/22 (土)

脚本が事前に公開されているが、未読で観劇。
話は難解、駄菓子屋と政治、矮小化と肥大化を繰り返す世界観、これまでと今、そしてなにより“これから”を強く感じた。The卒業という印象が強く残った。

ロケットペンシル×ドレッドノート

ロケットペンシル×ドレッドノート

やみ・あがりシアター

王子小劇場(東京都)

2020/02/19 (水) ~ 2020/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/02/24 (月)

昔の戦艦・ロボットアニメの複合パロディ、かと思いきやそれを装飾としたある事件(事故?)の残り火。壮大なパロディで暈され、あまりの不透明感に翻弄されてしまったが、昔の事件と結びつくラストで眼前が一気に晴れた。最後が包丁ではなくリモコンなのが、前作ラストでも窺えた辛口なところ。

ネタバレBOX

第16回公演にちなんでなのか、アニメ内の“16”本のロケットペンシル、往路7本復路7本破壊用1本予備1本、砂嵐(ノイズ)が聞き取れる/取れない、ドレッドノート...そして片道切符となるアニメのストーリーは、演劇人である自分たちを盛大に揶揄している様にも感じられる。
もしラジ

もしラジ

サスガノ企画

G/Pit(愛知県)

2019/05/16 (木) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

 錚々たる顔ぶれの企画公演。あらすじは既に説明されており、コメディ路線。中でもイヌイの飛び道具感が面白い。ただ、ストーリー故か、幾らか政治色を感じてしまって、(人によるだろうけど)個人的には世界に入り込みにくいところもあった。また複数回観に来ている観客が多かったようで、開演前に会場で作品内の大ネタが少し耳に入ってきてしまったのが残念なところ。仕方ない。
 それを除けば、総じて言えば面白い作品。

日出下町三丁目の夕日

日出下町三丁目の夕日

妄烈キネマレコード

ナンジャーレ(愛知県)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/09 (木) 20:00

ほぼ女子トークのみで構成されており、アドリブかと思うほど自然な会話が紡がれる。出演者が女性6人、素に近いキャラクターの様。傍から見ていて何について話しているのか分からなくなる瞬間もあって、そこがよりリアルっぽく感じた。最後は、ゆるく温かな、いつまでも続いて欲しいなと思える時間を確かに感じた。この劇場でここまで造り込んだ舞台セットは初めてみた。

サンカイ

サンカイ

やみ・あがりシアター

サンモールスタジオ(東京都)

2019/02/27 (水) ~ 2019/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

会場に入って、1フロア分だけでなく、上の階と下の階の一部も舞台として見せているのがなかなか思わせぶりだな、と。7階建集合住宅各階6様の離別騒動のさなか起こる蛇騒動。各階の場面をライトや窓明かりを色分けしている拘り。ただ観劇しつつ法則性を掴むのはなかなか難しい。同じ間取りで巻き起こる騒動の群像劇が、映像の重ね合わせの様で、「頭がみていることと~(略)。」が、幹で意味深い。面白い設定に面白い展開。

三平方定理

三平方定理

廃墟文藝部

spazio rita(愛知県)

2019/02/09 (土) ~ 2019/02/10 (日)公演終了

満足度★★★★

初めて観た小劇場演劇が廃墟文藝部の作品で思い入れがあるが、ここ2年ほどは観ておらず、久しぶりに短編公演を観に行った。

この団体の特徴は兎に角、「魅せ方」に拘っているところだろうか。今作は劇場ではなくフリースペースを用いて、プロジェクタの投影を空間の角へ映すことで、役者の影絵と投影の別の物語の連想も誘導しているかの様であった(勝手な解釈)。

短編3作のうち、気に入ったのは「蟻を殺す」。先生役の山川さんの優し気なように見えて白く淡く不透明な印象が面白い。

Fly Me to the Moon, A.N.D…

Fly Me to the Moon, A.N.D…

劇団テアトロ☆マジコ

千種文化小劇場(愛知県)

2019/03/01 (金) ~ 2019/03/03 (日)公演終了

満足度★★★

遅ればせながら書いておく。

この劇団が作る作品の世界観や役者が好きで、ここ数年観に行っている。今作も、世界観、美術、役者陣それぞれ良い。だが、観客を楽しませようとしているのは分かるが、とにかくネタが盛り込まれ過ぎていて、作品全体が冗長気味に感じられた(特に中盤)のが残念。上演時間2時間を超えるのは最初から分かっているので良いが、2時間半を超えられると集中力の維持が難しい。

いい加減にしろ、どうもさようなら

いい加減にしろ、どうもさようなら

喜劇のヒロイン

ナビロフト(愛知県)

2019/01/17 (木) ~ 2019/01/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

遅ればせながら書いておきます。

気楽な大学生活と非日常を面白可笑しく描いた話。だが観終わると自嘲的な観点で描かれている様にも感じた。絡み合う多重構造。想像の余地も残され、見応えのある、とにかく面白い作品だった。

他の方も書かれているが、確かにヨーロッパ企画を思い出させる。

おべんとう

おべんとう

劇団ビーチロック

ナビロフト(愛知県)

2019/01/12 (土) ~ 2019/01/13 (日)公演終了

満足度★★★★

少々遅ればせながら。

大阪を舞台に沖縄を背にして、母亡き後の父と息子の軋轢が描かれる。序盤、観ていて感じていた父と息子の間のアンバランスさが、中盤を境に消えていたことに観終わって気づく。母の存在で成り立っていたものが、その辺りを境に埋められつつあったということだろうか。父と息子にありがちな事とも思えるが、それでもやはり温かい話で良い話。

ハイタン2! (ハイスクール短編演劇祭)

ハイタン2! (ハイスクール短編演劇祭)

ハイスクール短編演劇祭

ナンジャーレ(愛知県)

2019/04/30 (火) ~ 2019/04/30 (火)公演終了

満足度★★★★

パンフを劇場に落としてきたようで、手元にないので思い出しつつ。

上野原高校の「演劇部にて」は、延々と繰り返される芝居の練習が、まるで合わせ鏡のようで、そこに紛れた狂気に虚構と現実が混濁した感を受けた。精華高校の「おしゃべりはやめて」は、とにかく面白かった。と同時に歪な母娘関係の娘が母に抱く心の機微が良い。タイトルと劇中の“おしゃべりはやめて”のフレーズは学生の視点ではないな、と観ながら思っていたが、この脚本は大阪の劇団の作品とのことで、腑に落ちた。名古屋南高校の「キリトラレ」は、他のテーマでも応用の効くフレーム感を感じる作品だった。

高校演劇を観るのはおそらくほぼ初めてだったが、普通に面白い3作品だった。

いつもの致死量

いつもの致死量

こわっぱちゃん家

王子小劇場(東京都)

2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

横に広い舞台を5~7つに区切り組み合わせ、場面と同時に前後の火種や残り火を映しながらストーリーが進む。群像劇をリアルタイムで同時描写しているようでもある。この作品、MCMというゲームアプリが観客に如何に面白いと思わせられるかが重要だろう(たぶん)。それに対して役者陣は、演出の要望に見事応えており(たぶん)、観劇中にMCMにまつわるとある事故の余波による紆余曲折に疑念を抱くことはなかった。前に進むことが様々で、どの登場人物・役者も魅力的で、優しい作品だった。一点、観劇して湧いた感動に対して、このタイトルはあくまでも傍観者の視点からのもので、キャッチーで作品を表し悪くないとは思うものの、何故かギャップを感じてしまった。

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