満足度★★★★
パンフを劇場に落としてきたようで、手元にないので思い出しつつ。
上野原高校の「演劇部にて」は、延々と繰り返される芝居の練習が、まるで合わせ鏡のようで、そこに紛れた狂気に虚構と現実が混濁した感を受けた。精華高校の「おしゃべりはやめて」は、とにかく面白かった。と同時に歪な母娘関係の娘が母に抱く心の機微が良い。タイトルと劇中の“おしゃべりはやめて”のフレーズは学生の視点ではないな、と観ながら思っていたが、この脚本は大阪の劇団の作品とのことで、腑に落ちた。名古屋南高校の「キリトラレ」は、他のテーマでも応用の効くフレーム感を感じる作品だった。
高校演劇を観るのはおそらくほぼ初めてだったが、普通に面白い3作品だった。