天使よりも綺麗な私たち
劇団「やぶ~ぶ~」
ひつじ座(東京都)
2020/02/06 (木) ~ 2020/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/02/07 (金) 19:00
主人公の青年が抱えるコンプレックス、主人公の恋人の秘密、主人公が小学生の時に出会った変わっている少女、主人公があるときから見えるようになる不思議な雰囲気で、幻影のように現れたり、消えたりする女性、奇妙で謎めいた掃除婦、天候が相当悪い為に泊まったホテルの浴槽で偶然のように発見した女性の遺体、そして自分たちが犯人だと誤解されないために謎を解き、犯人を突き止めようとすることなどの要素が折り重なって、先が読めない展開と、唐突に来るコメディ要素、いきなり主人公の夢のシーンになったり、夢から冷めたあとの痙攣であったりの次々と展開されるシーンと観ていて飽きなかった。また、ミステリー要素にサイコ·ホラー要素、幻想的な場面に前衛的でありながらもアグレッシブなダンスシーン、そして不条理な物語展開と従来の密室殺人ミステリー劇のイメージをことごとくぶち壊していて、誰が犯人なのか考えつつも、いつの間にか作品の世界の中にのめり込んでいけたので、新しいミステリー劇が誕生したという感じがして、観終わった後に自分の中ではとても感慨深く、満足感があった。そして、余韻を残しつつ、曖昧な終わり方に、安易にハッピーエンドやバットエンドに持っていくよりも観客の想像の余地を残していて、良いと感じた。
ニギル
!ll nut up fam
千本桜ホール(東京都)
2019/12/24 (火) ~ 2019/12/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/28 (土) 19:00
「にぎり」では、ブラックコメディであり、ナンセンスコメディでもあり、爆笑できる場面もあるかと思えば、急にシリアスな場面になったり、愉快な場面にもなり、全体的に面白かった 。
自分は途中まで、亡くなった人たちが順番に何もない空間にいて、そこが実は天国または地獄かの、いずれにしてもあの世に変わりはない所に来ているのではないかと、キャラクターの記憶の断片から捻り出される言葉や独白から連想したが、物語の最後の方で予想を大幅に裏切り、かつ自分が想像もしなかった展開に、目を見張ると同時に笑え、何気ない皮肉も作品の最後の方から感じ取ることが出来た。
汚れた世界
無頼組合
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/12/06 (金) ~ 2019/12/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/12/06 (金) 19:00
主人公のグンが、怪我をしたことによって徴兵されない代わりに、映画ではなくて記録映画をとるよう政府から強いられている友人のため、恋人のため、自由を束縛して実質の監視社会を創設して徴兵を強要する政府を欺くため、政府に支配され、監視社会になり、自由を束縛されているのに、どうせ変わらないと諦め、見てみぬふりをする人たちを変えるため、自分が最終的に犠牲になる可能性も十分わかった上で、一世一代の芝居を打ち、友人に記録させることにより、自分の存在意義を見出し、自分のやりたい事をやろうとすることで、自分なりの自由を勝ち得ようとする、逆境にも負けない不屈の精神に感銘を受けた。
グンの芝居に途中まで私は騙されたが、中からグンが本当にやろうとしていることがだんだんわかってきた。また、自分のやろうとすることを相手が何を言おうがお構いなしに断行しきろうとする、自分の考えを貫く不屈の精神、現代人にはほとんど失われている、自分に出来る限りのことで自由の権利を保持するために努力すことが大事なことで、諦めたり政治に関心を示さなかったり、メディアから顔を背けることがどんなに恐ろしく、政府が指摘するより前に自粛する事の怖さ、政府による管理社会、自由を束縛する社会の危険性がこの作品を通じて示唆されているように感じられ、自由の権利を勝ち得る為には、常に矛盾している世の中の事柄に疑問の目を向け、無関心にならず、他人に流されず、諦めず、自分なりの確固たる信念を持ち、現状に満足せず、常に自分なりの自由を追及していくことが大事だと改めて実感した。
演劇×オペラ「マクベス」
若い演奏家の為のプロジェクト
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2019/11/21 (木) ~ 2019/11/22 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/11/22 (金) 17:00
オペラの場面と会話劇の場面、交互に入れ替えているのと、オペラと会話劇が複合している場面もあったりと画期的な演出がされていて、斬新だと感じた。
オペラと会話劇で、笑える場面や、舞台会場を題材にした自虐の笑いと歌を題材にした自虐に 、差がつけられていて面白かった。
8人の女たち
T-PROJECT
あうるすぽっと(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/11/15 (金) 19:05
お屋敷の主人であるマルセルが、7人の女性達の主人に対する秘密を暴くため、主人の奥さんの子供の姉妹のうち、道化的役割を担っている中性的で弁舌が立ち、妙に大人を客観視することに長けている妹に頼んで、主人人が殺されたと言う芝居を打ってもらう。そして7人の女性が誰が犯人かを言い当てるため、相手の隠し事を暴露し合うが、それを聞いていた主人は、最終的にその膨大な7人の女性達の秘密に耐え切れず、自害してしまうという、とてつもなく悲劇的な結末に自分の身体に衝撃が走り、暫くの間動けず、思わず身震いした。
この密室推理劇はコミカルなキャラや何事にも大袈裟なキャラ、狂言回しに道化キャラと面白くて魅力的な人物がたくさんいるので、それぞれの特徴や個性が引き立ち、最初は誰が誰だかわからなくても、段々とそのキャラたちの世界に入り込んだかのような錯覚に陥っていく。また、コメディ的要素と緊迫感がある密室推理劇のシリアスな要素が合わさっていて見事だった。
私は休憩前の前半で4人まで絞り込む事ができたが、後半の種明かしシーンの少し前にその4人では確実にないことが分かり、もっと意外で身近な人物であることを発見し、今まであまりに堂々としていたので犯人から除害していたので、つくづく灯台もとぐらしだと感じた。
妖異幻怪物語
月ねこ座
浅草九劇(東京都)
2019/11/01 (金) ~ 2019/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/11/01 (金) 19:00
エンタメファンタジー作品だったが、いわゆる2·5次元演劇などと違って、見た目がいい役者ばかり使わず、キャラごとに強烈なぐらいの個性が引き出されていて良かった。また、主人公の男の子が妖怪たちに振り回されつつ、ツッコミも入れるようなコミカルなシーンと、人間よりも妖怪の方が上だと考える敵対勢力が登場する場面、それらとの戦闘シーンなどのシリアスシーンが見事にミックスされていて、全体のバランスが良かった。
戦闘シーンにおいて、ほとんどの役者が戦っていたが、刀と刀をぶつけ合ったりなどの肉弾戦は緊迫感があり、観客の集中力を高めたと感じた。また、バク転や跳躍などの身体能力が高く、とても演劇を勝てとする役者達というよりも東映アクションクラブと同等か、或いはそれより少し劣る程度に目を見張る身体力があると感じ、感心した。
インドの神の物語 三部作連続上演!
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2019/09/18 (水) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/29 (日) 12:00
ワーサルシアター八幡山という劇場が、飲食OKという最近では珍しい演劇の劇場の形態で、飲食しながら朗読劇を観るのも、またシュールでした。
また役者さんが登場人物になりきりつつ、たまにアドリブが結構あったり、内輪ネタ笑いがあったりと、変化に富んでいて面白かった。そして、朗読劇なので一人何役もこなしていて、ほとんど詰まらず、間違えず演っていて、さすがプロの役者だと思いました。戦争シーンなどでは、効果音も役者がやっていて、徹底した本格的な朗読劇だなと実感しました。ちなみに、インド神話3部作の中の「マハーバーラタ」を見ました。役者の言葉だけで話が進行していくのに、物語の世界が不思議と頭に入ってきて、想像力を掻き立てられ、本来の朗読劇とはこういうものだと実感しました。
昭和歌謡コメディVol.11〜ツキジーヒルズ青春ハクション〜
昭和歌謡コメディ事務局
ブディストホール(東京都)
2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/07 (土) 13:00
昭和歌謡コメディは2部構成でした。1部は演劇でしたが、役の個性が強すぎて笑え、また笑えるシーンが多く、ある青春番組をパロった感じで決まったかに見えたが、結局ある生徒の問題は解決せず、みんなで団結してダンスの甲子園的なものを目指して突っ走るはずが、肝心の本番の日になって、担当の先生が教頭先生に出すのを忘れていたことがバレるという、抱腹絶倒な話で面白かった。
2部は歌謡ショーだったが、謡の合間に少コントがあったり、自分の知ってる曲も少しあったり、最近話題になっていて去年のアカデミー賞にも輝いている映画に出てくる曲がいきなり掛かったりと面白く、ノリに乗ることができました。
鬼〜贋大江山奇譚
むさしの芝居塾
現代座会館(東京都)
2019/08/09 (金) ~ 2019/08/12 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/08/12 (月) 18:00
人は他人を鬼として見て生きているが、相手を貶め、思いやりのかけらもあらず、自分が幸せになる為なら、平気で人を裏切り、罵り、他人の人生を崩壊させ、自分が得をしていれば、他人がどうであれ無関心で良いのか、と私自身にこれらのどれか1つでも当てはまるものがあるか、あったとしてこれからそれにどう向き合っていけば良いのかと言うことを、この劇を通して、考える良い機会になった。
幻想のリチェルカーレ
フリスティエンターテインメント
キーノートシアター(東京都)
2019/07/25 (木) ~ 2019/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/26 (金) 19:00
16世紀ぐらいの話、21世紀中盤の学校の話、21世紀のオリンピックの架空競技を巡るドラマ、そしてそれらの話に大きく関与する未来の話と複雑な重曹構造で、そこに過去の人物や某アニメキャラのパロディなどの笑いの要素も盛り込まれていて、そして今までの4つのリンクする話が実は21世紀に生きる少女が仲の良い友達に自分が構想中の小説のプロットを話して聞かせていたという作りになっており、ここまで若手の小劇団で劇の構造が複雑で考えさせられる話を上演したと言うことに驚き、意外に感じた。最初ビジュアル的にライトノベルなどを下敷きにした2.5次元舞台のようなものかと思ったが、いざ見てみて中身もしっかりしていて見直した。老若男女誰が見ても、鑑賞に耐えうる、教養や知識があり複雑で自分が見ているものが本当か疑いたくなり、ダンスなどのシーンは非常に前衛的かつ実験的作品だと考える。
さよなら3月 また来て昨日
青山学院大学演劇研究会
吉祥寺櫂スタジオ(東京都)
2019/07/06 (土) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/07/07 (日) 15:00
タイムカプセルによって未来に引き起こされる騒動を防ぐ為、未来から時間警察がやって来たり、担任の女性教師に対する、元生徒会長の密かなる想いだったり、といろんな人の思惑が絡んでいて、そこにコメディ要素も加わっていて面白かった。
しかし、キャラクター性はハッキリしていたし、物語も良かったが、もう少し複雑で、物語に深みが持たせられれば、より良かったと思う。
小さな音楽劇 星の王子さま
千夜一夜座
プーク人形劇場(東京都)
2019/06/28 (金) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/29 (土) 17:00
ほぼ原作を比較的忠実に再現していて、「大切なものは目に見えない。ものは心で見る」ということが、1輪のバラがいろいろ注文をつけるのに嫌気が差して、小さな星を出るが、違う星で色々な人に出会い、そして最終的に飛行士と出会い、成長し、バラと結ばれる。このことは、人は成長し、変わる事ができるんだと、この舞台は感じさせてくれました。
想い出の鐘が鳴る街/想い出はコンビーフに乗せて
ねこのしま
APOCシアター(東京都)
2019/06/18 (火) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/22 (土) 15:30
「思い出はコンビーフと共に」では、男の子が今は亡き猫やお父さんの面影を求め、最終的に、もと飼っていた猫にそっくりな猫の飼い主探しに、お母さんもそれを手伝い、ある写真館の前に着き、ふとお父さんが1年前に撮った写真を見つけ、お母さんが今まで息子に辛く当たり、亡き夫を忘れようとしても忘れられない所から、それを一生懸命に克服し、乗り越えようとする姿に感動した。
「思い出の鐘が鳴る街」では、実は○○な孤児院出身の少年と、実は△△な戦士で頑張り屋な少女が出会い魔王を倒しに行くのだが、最終的に自分たちの記憶が蘇り、悲劇的な結末に突き進んでいき、記憶を消すに至り、果たしてそれが不幸か、それとも幸福なのか!?なんとも言えない気分になった。
暁の帝〜朱鳥の乱編〜
Nemeton
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/06/13 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/14 (金) 19:00
飛鳥時代、壬申の乱後の世界を舞台に繰り広げられる、愛憎陰謀渦巻く物語。兄弟同士でどちらが天皇になるかで争わなければならなくなり、最終的に兄のほうは、クーデターを起こすことを勧めた蘇我氏に利用された挙句、斬殺され、弟は蘇我氏と相討ちになってなくなった。この一連の悲劇を見た皇后は7日の間引き籠るが、その悲しみを乗り越え、天皇になる姿に凛々しさを感じ、今の政治にも通じる所を見て、深く考えさせられ、母としての子を思う気持ちに感動した。
怪盗協奏曲
ZERO BEAT.
ザムザ阿佐谷(東京都)
2019/05/28 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
鑑賞日2019/06/01 (土) 18:00
怪盗が活躍し、相手を欺き、大金を盗み、相手の大会社の社長がショックで唖然とするレベルの華麗な騙しテクニックに、その展開が予想外の結果を招いたので驚いた。
玉響ノイズ〜空蝉に、風光る〜
えび
シアター風姿花伝(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/07 (金) 19:30
お父さんが亡くなったことへのショックから立ち直れないで、感情が無いような放心状態でいる少年が、少し変わった人たちに合うことで変わっていき、自分とは何者なのか、自分の個性とは何なのか、ということを考え、成長していったことに感動した。
自由を我らに
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2019/05/28 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/01 (土) 13:00
現代まで続く、日本国憲法を口語訳していく作業において、疑問が飛び交うなか、最終的に元々書いてあった文章のままでいいことになり、近年日本のA,S首相が改憲を訴えているご時世と考えると感慨深く感じた。
Otogi ~bis dann~
FAM
上野ストアハウス(東京都)
2019/05/22 (水) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/05/26 (日) 16:00
主人公の男を中心に話が展開し、命や仲間との友情、何の目的で生きるのかについて考えさせられる。
プロパガンダ・コクピット
ミュージカル座
光が丘IMAホール(東京都)
2019/04/18 (木) ~ 2019/04/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/18 (木) 18:30
座席1階H列6番
この作品は、平和や自由、本当の幸せとは、真実とはについて考えさせられました。