FIGの観てきた!クチコミ一覧

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閻魔の王宮

閻魔の王宮

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2023/12/20 (水) ~ 2023/12/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台の上で演じられると言うより、舞台の上に置かれた長テーブルの上で演じられ(時々下に降りるが)、しかもその長テーブルの真ん中の部分が廻り舞台になっているという変わった演出。同じ俳優が2役演じるので、それがわかっていないと最初は混乱するかもしれない。ストーリーはまあまあ面白い。鄧小平時代の中国が物語の舞台として設定されているのもなにか象徴的な意味合いが感じられる。

藁

TinT!

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

毎年暮れは、ひっそりと行われるTinT!の公演を楽しみに観ている。毎年、マニアックだがたまらなく興味深い歴史題材を突いてくるが、今年はチャウシェスク。あの壮絶な歴史的事件のエッセンスを、2組の夫婦の対峙のみの舞台で表現してしまう台本の洗練され具合に感嘆する。日本の近隣にも同じような国がありそうな・・・。ついつい今から来年の暮れを期待してしまうが、主宰者にはリラックスして続けていただきたい。

#34「闇の将軍」四部作

#34「闇の将軍」四部作

JACROW

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/12/08 (金) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やはり狩野和馬氏のこの演技は高く評価せざるを得ない。敬意を表する。
台本もよくできている。緊張を孕みながら多くの登場人物を巻き込んで淡々と進んでいく政治ドラマの作りがすばらしい。長時間観ていてもまったく厭きない。
「家族か敵か使用人・・・」あの人、ほんとにそう思っていそう。

令和5年12月文楽公演

令和5年12月文楽公演

国立劇場

THEATRE1010(東京都)

2023/12/04 (月) ~ 2023/12/14 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

国立劇場が休館して別の劇場での公演なので雰囲気が変わってしまうのではないかと心配したが、観ている限りそれほど違和感はなかった。やる側は、いろいろ勝手が違ってやりにくいところもあるのだろう。

東京ローズ

東京ローズ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ほぼ全編歌が入るとは思わなかった。主人公を演ずる俳優が次々交代するのはちょっと面白い。

#01 わが闇

#01 わが闇

イノセントギアカンパニー

上野ストアハウス(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ナイロン100℃が何度か再演しているこの作品を今回初めて観たが、不必要でウザいだけのキャラが何人も出てきて無駄な動きでストーリー進行を滞留させるのでイライラさせられる。二人の作家が全然作家らしく見えない時点で致命的。トラウマになっていいはずの毒母親のエピソードもその後の展開には何の関係もないし、某妹の出現はまったく不要、レイプシーンも意味がなく不快。ダラダラ3時間続いてあのオチはなんだ・・・。今回の演出がたまたま酷いだけなのか、もともと原作が凡庸すぎるのか。後者であろうから同カンパニーの第二弾に期待したい。

空ヲ喰ラウ

空ヲ喰ラウ

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/11/28 (火) ~ 2023/12/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いつもこの作家が創り出す独特の世界と物語に魅せられる。それを具現する舞台美術と俳優たちの演技の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。

シモン・ボッカネグラ

シモン・ボッカネグラ

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2023/11/15 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

抽象性の高い現代的な舞台演出はそれなりに興味深いが、終幕の、ごつごつした岩場の荒野のような場面は少々違和感を否めなかった。黒い太陽が降りてくるので、何かネガティブな暗示をしているのだろうけど。
歌は抜群。イタリアオペラとしては、バリトンやバスの低い男声がメインになる珍しいオペラだがどの歌手も申し分なく、唯一の女声のソプラノも十分。

モモンバのくくり罠

モモンバのくくり罠

iaku

シアタートラム(東京都)

2023/11/24 (金) ~ 2023/12/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ストーリーと結末自体は何ほどでもないが、とにかく登場人物たちがシリアスになるほど客席に笑いが起こる面白さがある。モモンバの小屋の雰囲気も良い。

「慈善家-フィランスロピスト」「屠殺人 ブッチャー」

「慈善家-フィランスロピスト」「屠殺人 ブッチャー」

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2023/11/17 (金) ~ 2023/12/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「慈善家-フィランスロピスト」
いわゆる社会派ドラマということになろうが、社会の矛盾や正義よりも個々人の行動の矛盾や内面の打算、現実との折り合いが印象づけられ、一筋縄にはいかない作品と感じられる。今回はちょっとわかりにくいがやはり意外な(というより一枚上手な)結末が用意されている。

無駄な抵抗

無駄な抵抗

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/11/11 (土) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

超常現象風のことは起きず、すべての列車が通過してしまう駅のエピソードが本筋の物語に象徴的に絡んでくるなどオーソドックスな手法のストーリー展開になっているが、ところどころ笑いを取りにくるのはいつもと同じ。なかなか面白い人物相関図のストーリーが静かに進んでいく。古代ギリシャの階段状の円形劇場を模した広場で、登場人物同士の会話を上段に座った他の登場人物が観客のように聴いていたりする演出は興味深い。イキウメのこの路線の芝居をもっと観たい。

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「尺には尺を」を初めて観た。修道士の正体を明らかにするまで少々引っ張りすぎに思えたが、全体としてはW.S.らしい言葉の言い回しや登場人物それぞれの利己的さや滑稽さなど面白く、また意外に奥が深い。
ソニンは凄い俳優になったものだと驚いた。朗々とした口調や良く映える演技力は舞台向きと思う。

剥愛

剥愛

ロ字ック

シアタートラム(東京都)

2023/11/10 (金) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

悪い作品ではないが、強いて言えばストーリーや演出に若干不自然さが残り、言いたいことが今ひとつ伝わってこない印象。舞台装置はよく作り込んでいるが、シアタートラムの舞台の大きさと合っておらずアンバランスな感じはする。

ヘンリー四世

ヘンリー四世

G.Garage///

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

二部作を一晩でやってしまうのだが、原作のエッセンスを巧く抽出して欠けるところなく面白く魅せてくれる。演者の特徴によるのか、なかなか機知に富み狡猾な側面が引き立つフォルスタッフ像で、なるほどと思わされる。リチャード二世の時と同様、あの狭く細長い舞台でシェイクスピアの遠大な作品世界を創造してしまうとは、まったく恐れ入る。素晴らしい公演。

にしむくさむらい

にしむくさむらい

劇団まっとーば~

シアター風姿花伝(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

朗々としたセリフの発声、生気のない行進、何度も繰り返されるどこか遠い所を見つめるシーン、生演奏などによってこれまた独特の雰囲気がある別役芝居になっている。

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「終わりよければすべてよし」
セリフがややゆっくり読み上げられ、仕草含めて古風な演技の印象。バートラムを演じる涌井氏があまり悪者に見えず少々違和感が残る。ペローレス役の亀田氏が巧い。
シェイクスピアの喜劇ではああいう後説?がしばしば入りますね。

ドン・カルロ

ドン・カルロ

東京二期会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2023/10/13 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

歌手の歌、舞台美術は文句なし。ただ、演技の演出はどうも意図がよくわからなかった。終幕のカルロは、ロドリーゴの死の間際にそっぽを向いていたり、変にシニカルだったりと、歌詞の内容と矛盾する演技が付けられている。エンディングの先帝は、なんでああなっているの?混乱させられる。こういう演出を見せられると、オペラは演奏会形式で純粋に音楽だけ鑑賞するのでも良いと個人的には思ってしまう。

イェルマ

イェルマ

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

出だしのなま暖かい雰囲気が途中からどんどん激変して驚かされた。というより、これ変わりすぎじゃないのと正直感じる。主役とシニカルな老婆役が好演。

令和5年8・9月文楽公演

令和5年8・9月文楽公演

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一部を鑑賞。そのため四段目の途中までしか観られなかったが、第二部の四段目の続きと五段目も観るべきだった。

アナトミー・オブ・ア・スーサイド【9月11日~20日公演中止】

アナトミー・オブ・ア・スーサイド【9月11日~20日公演中止】

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2023/09/11 (月) ~ 2023/09/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明通り、実験的というか前衛的な構成の台本で、これを上演するのは技術的にかなり難しいと思われるが、この劇団は意欲的に挑戦している。冒頭の会話場面からいきなりハードルが高い。母、娘、孫という時代の異なる3つの物語が舞台上で文字通り同時に進行し(容赦なく会話が重なるので聞き取れないことも)、時として同一のセリフが同時に発せられたり、別の時代の登場人物の言葉が関連したりする。3世代で時代を変えて同じ葛藤や不安が繰り返されることを印象づけるかのようだ。

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