緑地-ryokuchiの観てきた!クチコミ一覧

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ドウトク

ドウトク

!ll nut up fam

studio ZAP!(東京都)

2025/06/12 (木) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん出演。
餓(うえ)チームを観劇。3チーム制。

何度も再演されている人気演目。エンタメ要素はなく、メッセージ性の強い演目です。

2月に公開されたキャスト募集には以下の条件が書かれていました。

死刑囚52:主人公(男性30代〜)
死刑囚313:暴力的な殺人鬼(男性20代〜)
死刑囚489:純粋な殺人鬼(性別問わず20代〜)
死刑囚23:猟奇的な殺人鬼(性別問わず20代〜)
死刑囚159:芸術的な殺人鬼(性別問わず20代〜)
死刑囚043:望まない殺人鬼(性別問わず30代〜)

真田さんは前回と同じく489役。普通の演目であれば「不思議ちゃん」に分類されるかも知れません。この演目では「純粋」という表現で納得です。

ネタバレBOX

オープニングが前回とだいぶ違いましたね。6人順番に呼称=番号の紹介があったのは良かったです。前回は無かったと記憶しています。

そのあとの展開は前回とほぼ同じ。
演者さんの個性が、とくに52と313に表われるような気がします。前回は朧チームを見ましたが、見るからに313の方が体格で勝っているので、52が疲れた状態でそのまま挑むのが不自然にも見えたのです。
今回の餓チーム52の大力さんは大柄で、313の麻生金三さんと良い勝負になりそうでした。見た目の勝ちそう・負けそう はけっこう大事な要素な気がします。

最後に489は52に自分を刺させるのですが、前回は52が戸惑いながらも自分の意志として刺したと記憶しています。今回は489が52の腕をつかんで自分の方に強く引き寄せて刺されました。比較すると52の意志が薄いと感じました。台本では表現されない範囲です。前回と変えたのかチームで差があるのかは分かりません。

489は真田さんしか見てないのですが、演者さんによって印象が大きく違うのは想像できます。メッセージがあるとすれば、そのキーになる役割と思います。52は後悔するのでしょうか、それとも?

159の百餅さんの、目をギョロギョロさせた演技が印象的でした。劇中で気になってしばらく観察していたところ、まばたきしない時間がすごく長いんですね。心配してしまいました。

この演目は全員ほぼ出ずっぱりなので、ずっと演技をしていることになります。上演時間は80分くらいかな、自分のような素人には想像もできない長時間。いまさらながら、舞台役者さんはすごいです。いつも敬意をもって拝見しています。
学園戦士薔薇戦士II

学園戦士薔薇戦士II

フリーハンド / オフィスケイ

新宿村LIVE(東京都)

2025/04/16 (水) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

倉田瑠夏さん出演。

新宿村LIVEはどこでも見やすくて好きな劇場です。ただし注意点が。椅子の足に引っかかって転びかける人が続出しています。形状の問題もあるのですが、色のせいもあるかも知れません。暗い劇場では見づらいのです。

さて今回の舞台。シリーズもので、前作は副題「痴漢退治はお任せあれ」。痴漢の冤罪が主題でした。今作は副題に「ホストの毒牙からJKをお守りします」と。社会的なメッセージがこめられていると思いますが、それはそれとして、前作同様楽しい舞台でした。

小鮒幸子さん。前作より前に2022年の「ザ・ファイナル・セカンド」でも拝見してました。シーンは別でしたが倉田さんと共演でしたね。いわゆる特攻ものの現代シーンで、いい味を出されていました。もちろん今回も。

吉田来深さんは前作のちょっと前に「貧乏神シャバダバ」で。弁護士を名乗っているが実は・・という役で。お話も良かったし、吉田さんもはまってて素晴らしかったです。

福原英樹さんは前作のあと、「商店街グランドリオン」で拝見してました。来る7月に同じバルスキッチンさん「七夕スターダスト」にもお名前がありますね。楽しみにしています。

※こりっちのタイトルが「学園戦士」となってますが正しくは「学園探偵」です。

ネタバレBOX

行方不明の相原優子は、実はホストの上條聖也のところに自主的に行っていた。
大柿誠さん演じる聖也。自分では根っからのワルと言ってますが実はそうでもなかった、というのが気に入りました。救われる話だと思います。
降臨SOUL ~是非ニ及バズ~

降臨SOUL ~是非ニ及バズ~

降臨SOUL製作委員会

六行会ホール(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さん出演。
ご結婚されてからもペースを落とさず舞台出演を続けてくださって、ありがたいです。風憐火斬のときに書きましたが、アイドリング!!! OGで結婚後も舞台を続けられているのは倉田さんだけなのです。

「戦国降臨GIRL」の最初は2012年だったでしょうか。その世界観を引き継いだ人気シリーズ「降臨SOUL」も3作目。
このシリーズ第1作のプレスリリースによれば「舞台ヨルハの初演をプロデュースしたチームが再び集結」とのこと。そりゃあ凄いものが出来るわけです。
「ヨルハ」は舞台の後、ゲームも話題になり、アニメ化もされてます。メディアミックスというのですかね。降臨SOULもスマホ版のカードバトルゲームを展開するとのこと。ヨルハのように成功するといいですね。

ネタバレBOX

前回のエンディングで示唆されたとおり、徳川家康と真田幸村が新登場。

自分にとっての幸村のイメージは戦国BASARAの松村龍之介さん。不思議と、それに近いものを感じました。衣装が赤いことだけではなく。

家康はびっくりでした。想像もしなかった設定と戦い方、気に入りました。歌の力で太平の世を築くわけですね。そう言えば戦国BASARAの家康も武器を持たずに絆の力でパンチするという、なかなかのものでした。ありですね。

本多忠勝の高見彩己子さん。アクションが得意な方という印象で、最初に拝見したのは2017年「SOUL FLOWER」「雷ケ丘に雪が降る」で、その後「メイカ」「イリクラ」など、アンサンブルで何度か拝見。前回もそうですが、カッコいいですね。これまでの経験が花開いたと、勝手ながら思っております。

倉田さんの汐崎弥生と、根岸愛さんのアシカガ=響子の関係。次回作での展開にも期待します。
ジョダンダンジョ

ジョダンダンジョ

WaVe’S

ブディストホール(東京都)

2025/04/17 (木) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

関谷真由さん出演。
今は男装ユニットの風男塾で活躍されてますが、それを知られた上でのオファーではなかったそうです。結果、ぴったりでしたね。アイドリング!!!32号だったころはその片鱗も無かったです。風男塾に入って新たなキャラクターを生み出したと、こちら側としては思ってます。ご本人はがどう思ってらっしゃるかは分からないですが。

五十嵐啓輔さん、いつの間にか父親役がハマるくらいになったんですね。2016〜2018年に鬼斬など数本で拝見し、それ以来久しぶりでした。感慨深いです。

ネタバレBOX

主人公夫婦である一平&明美の若いころのシーン。途中まで誰なのか分からないところが良いですね。そしてそれが分かる瞬間。お見事でした。コメディな馴れ初めも味がありました。

マンホール「膝コン!」による切り替わり。離婚が成立したら発生しなくなる、ということなのですね。気づくのに時間がかかりましたが、なるほど、と。よく考えればおかしな話ですが、自然と受け入れられました。
誰かの為の、其れまでと、此れから

誰かの為の、其れまでと、此れから

EXE.ROCK Entertainment

ザ・ポケット(東京都)

2025/05/14 (水) ~ 2025/05/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

後藤郁さん出演。日曜の大千秋楽を観劇。

去年は意外にも(?)ぱすてるからっと さん2本。K-farceさんのコメディ舞台もあって計3本。ファン目線で、充実した年だったと思ってます。

今年は初めての舞台出演。今回の EXE.ROCK Entertainment さんは初めてですね。どんどん出て欲しいです。

さてこの舞台。カーテンコールで演者さんたちは「重い話」とおっしゃってました。表現が適切かは分かりませんが、チャレンジングな内容だと感じました。

よく考えられてるし、良いお話だったと思います。客席ではすすり泣きも聞こえました。終わり方がかっこよかったですね、その手があったかという感じです。

自分は日曜の千秋楽を観ましたが、土曜の公演は心療所主宰の姉妹は出てないそうですね。どうやったんだろうと気になります。ブルーレイ化が決まったとのこと。両方のパターンが入ってるならぜひ買いたいです。

ネタバレBOX

宮永薫さんはぱすてるからっとさんの「悪役令嬢イミテーション」で後藤ちゃんと共演されてましたね。他でも数本拝見してます。今回の見せ場、簡単ではないと思いますが、とても良かったです。

後藤ちゃんは「ザ・後藤郁」で安定感抜群でした。夫と子供がいる役は、浦安鉄筋家族のオカンを除けば初めてかな。今年達する年齢が節目であることは数年前にご自身が予告されてます。新しい役どころにも期待します。

シェークスピアも良かったですが。劇中で言及された映画、グレイティストショーマン、ショーシャンクの空に、ローマの休日。いいですねえ。絶妙なところを選んだと思います。

細かくてすみませんが記録も兼ねて気になった所を書きます。

犬飼のセリフ「お耳にしたいことが」は変ですね。相手に伝えたいのだから「お耳に入れたいことが」です。

人を数える時が「1名、2名」で死んだ時に残るのは「名前」というくだり。唐突で、話の流れに合わないです。

悪い人だけ特定の方言にする、というのはやめたほうが良いと思います。その方言の人に失礼になりかねません。
音楽劇 『PHANTOM of the SHOGIKAIKAN』

音楽劇 『PHANTOM of the SHOGIKAIKAN』

E-Stage Topia

上野ストアハウス(東京都)

2025/04/23 (水) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

真田林佳さん出演。
25日のマチネと27日の大千秋楽を観劇。

E-Stageさんの詰将棋シリーズ。一昨年の「煙詰」、昨年の「ヴァンパイア」に続く第3弾は、なんとミュージカル。すごかったです。数日経った今も音楽と歌が頭の中でリフレインしてます。

傾斜の盤上に駒が置かれている、不安定な足場。演者さんはその上で激しく動き回り、踊ります。駒はズレたり別のマスに蹴とばされたり。「駒の化身」の皆さんがタイミングを見計らって直すところも、このシリーズの見どころだったりします。

怪人の要求が書かれた手紙。地下水路と船。仮面。落ちるシャンデリア。あらゆるシーンが映画「オペラ座の怪人」を思い起こさせ、楽しかったです。アマプラで映画を予習しておいたことで、より深く楽しめました。

3作連続で参加となった真田さん。存分にご自分のキャラクター、特長を発揮されてました。どんな役でも役以上の存在感があります。年齢不詳のマダム・ケイは原作のマダム・ジリーでしょうか。

駒の化身の皆さんがどんな役割をするのかも、楽しみのひとつです。今回は政田圭敬さんの「銀沙」など、かっこいい名前がつきましたね。将棋会館の対局室の名前なのですね。

ネタバレBOX

冒頭で、と金が「会長」という偉い人なことにまず驚きました。なにしろ前作「ヴァンパイア」では出番が1回しかない「と金の精」でしたから。自分はあえて棋譜を知らずに観劇したので と金がたくさん登場することを知らず、そこから驚くことができました。

オープニングパフォーマンス。玉将の力強い歌声。駒を裏返して血のような赤を表現。最後、次々に駒を盤上に打ち付けるところなど鳥肌が立ちました。撮影した動画を何度も見てます。

金将の「ぶっころニフ!」は最高でした。カルロッタのように声に細工をされたわけですね。

怪人の王将はクリスティーヌの角行に強く執着。角行は怪人に舟で連れていかれ、意識を失う。追いかける幼馴染の飛車はラウルですね。

舟のシーンは映画さながら。どうやって進んでるかと思ったら化身の戸嶋陽さんが押してました。なるほど船長と呼ばれるわけですね。
舟の進路に置いてある持ち駒を政田さんが退避させて、あとから戻すところ。目の前で見れて楽しかったです。
ブレーメンの音楽隊~ビカムアイドル~

ブレーメンの音楽隊~ビカムアイドル~

フェアリーテイルシアター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2025/03/29 (土) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

持田千妃来さん出演。29日ソワレのAチーム、30日ソワレのBチームを観劇。

29日のマチソワがAチーム、30日のマチソワがBチーム。持田さんはBチームなので30日だけの予定だったのですが、急遽Aチームにも代役で出ることになりました。発表されたのは当日お昼ごろだったかな。めずらしい機会ですし、ちょうど渋谷に用事があって会場の参宮橋までバス一本で行けることを知り、29日のソワレも観劇しました。

どちらのチームもですが、表情豊かで動きもあって飽きさせませんでした。朗読劇はともすると本に目を落としたままになってしまいがちですが、そんな心配はなかったです。

ネタバレBOX

持田さんの役はロバ娘ルシア。事前にはそれが主役とは知らなかったです。3匹組アイドル、朗読劇の位置どりは向かって右ですが、センターですね。

語り部のAチームベルべるさん、Bチーム岩田裕耳さん。ぜんぜん違う感じなのが面白かったし、楽しめました。鶏娘ヒルダ役の宇野心晴さんと桃崎あやかさんもですね。違いを楽しめること、両チーム観劇の醍醐味でもあります。

オレンジ担当、青担当、緑担当の3人組というのが斬新に感じました。赤もピンクもいないとは。あとから犬娘エルザが赤担当で加入しましたね。

ルシアは灰になった魔法使いの生まれ変わりということでしょうか。
テストメントとエリザベスの関係は、師弟ですかね。2回拝聴しましたが把握しきれませんでした。

なお、童話の「ブレーメンの音楽隊」とかほぼ関係ありませんでした。
権乱業火~懊悩の信念~

権乱業火~懊悩の信念~

SAB-on

ザ・ポケット(東京都)

2025/04/09 (水) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

玉川来夢さん出演。
当日券で土曜のマチネを観劇。女性陣のアフタートークがある回で、MCを担当されました。13人も参加するアフタートークはあんまり無いと思います。笑いの絶えない楽しい時間でした。MCのおかげかもしれませんね。
SAB-onさんといえば2019年の「比翼の人」で。双子の2役を演じ分けたのをよく覚えてます。その後2年ほど舞台出演無かったのでもう無いのかと心配しましたが、再開されたときは嬉しかったものです。

中尾拳也さんといえば「戦国BASARA」。素手で戦う徳川家康が色んな意味で最高でした。

椎名亜音さんはつい最近「九龍の玉漿」で拝見したばかり。千秋楽が3月23日だったので、中16日で今回の初日だったわけで。さすがのプロですね。

今回の演目は続きもので、第4弾なんですね。それだけ続くのは人気あるからでしょう。満席に近かったです。
見て納得でした。面白いです。分かりにくいところはあるのですが、分かりやすくする努力に好感を覚えました。

ネタバレBOX


人物の名前、つまり命名が良いですね。誰がどの組織か簡単に判別できます。雷火組の雷星、雷光、狼火組の狼流、狼明といった具合に一文字目が決まってます。ものすごく、素晴らしく、良いです。
舞台では誰がどこの組織に所属しているという話はよくあるのですが、セリフに名前が出てそれがどこの組織の人か判別する、というのはホントたいへんだったりします。それがきれいに解決されてます。
いろんな舞台見てきましたが、命名の分かりにくさに疑問を覚えるものはけっこうあるのです。この舞台はその一点をとってみても、分かりやすくする努力が感じられます。

玉川ちゃんは「業白」。「業」という政府側の組織の人間で。悪役と言ってよいですね。珍しいと思って見てましたが、まったく違和感なく。
「白と黒の同窓会」の映画版で演じたときのしゃべり方を思い出しました。そういえばそれもSAB-onさんでしたね。
パンフレットには「主な出演作」が。オーバースマイル。ナナステ。思い出されます。
If you don't know ai

If you don't know ai

皇帝ロックホッパー

上野ストアハウス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん出演。29日のBチーム、30日のAチームを観劇。

先日、3月16日に開催された事前イベントにも行きました。行っておいてよかったです。何人かの方、とくに永石匠さんと倉本琉平さんの素に近い感じを知った上で観劇することで、より楽しめた気がします。倉本さんが演じた「ユウタ」は素とあんまり変わらない、というのは言い過ぎでしょうか。事前イベントで感じたイメージにぴったりの役でした。

事前イベントでは舞台に関することはあまり話題にならなかったです。何を言ってもネタバレになりそうで、とのこと。そんなこともあって、複雑なシナリオなのかなと想像して観劇に臨みました。

主演のテジュさん演じる真白ユジンは、絶妙でしたね。諺の意味を知らないという条件を自然にクリアしてます。まっすぐな好青年を見事に演じられてました。実は最年長。そうは見えないですよね。
去年の「真夜中のオカルト公務員 The STAGE」でアザゼルという悪役を好演されたのを覚えてます。今回は180度違った役どころでした。

真田さんがいつもと違う雰囲気で出演されるということで注目してました。想像以上にいつもと違って驚きました。すごく良かったので、こちらの路線もぜひお願いしたいです。

ネタバレBOX

真田さんの演じる可愛らしくも薄幸な人妻は「新妻 愛」。不自然な名前だと思ってましたが、マッチングアプリのための偽名だったということで納得です。本名は小百合。
ユジンと関わる3人がヒロイン級で、よく見るとほかの2人も「真愛実」「結愛」というように愛の字が入ってます。

***

舞台の内容について。大きく2つのテーマがあると理解しました。
ひとつは人間の感情・欲求・幸福の追求が、「ボタンのかけ違い」で悪い結果を招くこと。
もうひとつは「AI」。エーアイです。

冒頭のカチャカチャというキーボードの音はコンピュータを象徴するもの。これはAIの伏線。
「ai」は「アイ」と読まれ、エンディングだけ「エーアイ」と読まれました。最後に種明かしをしたわけですね。

4人が「別の世界線の過去」に行ったところから先は、語り部(アラタ)による「AIモデルのトレーニング」と解釈しました。AIすなわち人工知能を育てるためのシミュレーションです。

ユジンは幸福度を上げるよう行動します。小百合(愛)と関わった。ユジンも小百合も不幸になってしまいました。
ユジンはやりなおして、真愛実と関わった。もっと悪くなってしまいました。
再度やりなおして、結愛と関わった。もっと悪くなって、ユジンも結愛も死んでしまいました。

最後の語り部のセリフ。「なかなか上手くいかないものですねえ。(中略)もっと色々な感情を覚えさせ、人間を超える完璧なものを作り上げなければ」。AIモデルのトレーニングは、たった3回なわけはありません。膨大な回数のシミュレーションが行われることでしょう。

最後に登場人物全員が出てきて、機械のように前を向いてお辞儀をしました。カーテンコールではありません。劇中です。最悪のバッドエンドに見えるけど、それはシミュレーションのひとつに過ぎない、ということを確認させてくれました。見ている方は救われます。

過去に戻らなかった世界があるはずです。ユジンとカレンがくっつくと良いですね。最も良い結果になるような気がします。良い結果とは「みんなの幸福度の合計が高い」かな。ノゾミの幸福度は下がるでしょうけれどもね。

以上はあくまでも私の解釈です。この解釈にも矛盾はたくさんあるでしょうが、それはそれで。

***

小百合の夫「タイシ」の永石匠さん。いい人とは言えない役回りでしたが、事前イベントで永石さんを拝見していたことで「きっと本当はいい人なんだろうなあ」と思ったり。

冒頭のダンスでは、みなさん裸足で素敵な踊りを披露されていました。思い返すと、栗原大河さんの「ノゾミ」がみんなを人形に見立てて糸で操る様子を表していましたね。

空港のシーン、旅立つ2人が手ぶらなのはかなり違和感がありました。飛行機に乗るようには見えません。

ユジンが倒れているところ「救急車呼んでくる」「私も行く」でどこかに行くのは不自然だと思います。携帯で呼ばない理由が見当たりません。呼んだうえで「人を呼んでくる」とか「AEDとってくる」とかにするのが良かったのではないかと。
九龍の玉漿

九龍の玉漿

ENG

六行会ホール(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

持田千妃来さん出演。

九龍城と呼ばれるところは、イギリスの支配下にあった香港地区の中でも清国の飛び地だったところで、のちに清国が倒れ、イギリスの法も中国の法も及ばない状態になり、そこに大量の人が入り込んできて、どこの法も及ばないので建物も無計画に増築され・・・と理解してます。

持田さんはENGさんの常連ですね。クレプトキング、メイカ、ハイドクナイフ、gagap。これまでは強かったり元気だったり、武器をもって立ち回ることが多かったですね。さて今回は。

中村龍介さんは13年前の「体感季節」が強く印象に残っています。そのイメージで見ていたので、個人的には今回の役がとても新鮮でした。風格を感じました。

演者さんは総勢24人、大迫力でした。セットもすごいですね。全体から細かいところまで、複雑な九龍城の雰囲気を感じることができました。
ダンスの迫力もいつもながらすごいです。振付はフーグー役で出演もされている中野裕理さんですね。最初に拝見したのは2017年のTHRee’S だったと思います。その時も出演されつつ、振付にお名前がありました。先日の「CHICACO」でも拝見してますが、いつも大活躍で。

ネタバレBOX

「杨劉帆」という表記に強い違和感がありました。簡体字にこだわるなら「杨刘帆」というように「劉」も変わります。香港ならば普通は簡体字は使わないので「楊劉帆」になると思います。

舞台の内容について。ストーリーはよく分かりましたが、納得感はありませんでした。

シミズアスナさんと舞川みやこさんの熱演、最高でした。高田淳さんも。それだけにもったいなかったです。不可解なところや混乱を引き起こすところは、脚本としては狙った結果だとは思いますが、個人的には合わなかったです。

火事の真犯人は、ストーカー的な地下の人だった。クインの父親を燃えるランタンで殴って、燃え広がった。それが演劇のエンディング。うーん。
「それが真相だったのか、あの伏線はこれだったのか」とかなればいいんですけど。そういうわけでもなかったです。

舞台『CHICACO 2025』

舞台『CHICACO 2025』

Alexandrite Stage

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2025/02/14 (金) ~ 2025/02/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん出演のTatami(畳)チームを観劇。

Alexandrite Stage さんと言えば2019年の「どうしても、妻が死ぬ。」です。結末にほんとびっくりしました。こりっちにエントリーが無いので感想書けないのが残念なのですが、今からでも登録してもらえないですかね。

それはさておき、今回の「CHICACO」。何度も再演している人気シリーズなのですね。観劇して、納得です。チーム初日の2/16に行ったのですが、すでに台本が売り切れてました。

3チームそれぞれ専用の、厚くて立派なチラシ(フライヤー)が用意されてました。嬉しいご配慮です。

真田さんは衣装からセクシー担当かなと思いきや、想像以上に面白キャラで。獅子の如くで初めて拝見したときを思い出しました。
中野裕理さん山崎恭輔さんと3人組で息ぴったり。SNS情報では「なかなか息が合わなかった」とのことしたが、ぴったりだったと思います。
その山崎さん、プロフィールを見るとまだ23歳と。2人に負けない面白さだったので、これからが楽しみです。

古野あきほさんは最近拝見したところでは昨年末の「星空ハーモニー」で、24歳の先生役でした。いつまでもお若いです。

大力さんは「空の匣庭」のサンダルフォンでしたね。その朗読劇版では複雑な暗い過去を表現し、演劇版ではその過去を踏まえた心情を表現されてました。どちらもメイクがすごい役だったので、今回、素のお顔を初めて拝見できました。

翔太役の松田浩毅さん。出てきてすぐ「この端正な容姿と元気なお声は最近どこかで」と思ったのですが思い出せず。あとから気づきましたが、去年「シオンの眠るとき」で開演前の案内をされていた方でした。アンダーキャストで参加されていたのでした。

ネタバレBOX

ちか子が息子の翔太の名前を何度も呼ぶところ。泣きました。いちばん涙が出ました。

大力さんの声「むすめ!」が突然聞こえて驚きました。どうやら屏風の裏に隠れて顔を出してたらしいのですが、僕の席からは見えず。ちょうど、「差し入れの花」がかぶっていました。

「7年後」に「もうすぐ七回忌」と言われましたが、七回忌は「6年後」のはずです。
魔法少女育成計画 F2P the STAGE

魔法少女育成計画 F2P the STAGE

オッドエンタテインメント

博品館劇場(東京都)

2025/02/06 (木) ~ 2025/02/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。
2回朗読劇を上演したこのシリーズ、満を持しての演劇舞台化ですね。これまでとは独立したストーリーのようです。
オッドエンタテインメントさん製作。所属の持田さんはこれまでアンサンブルとして参加されてました。今回は「もな子」役で。ひとりだけ名前が特徴的ですが、特に意味は無さそうです。

原作の漫画の無料部分(全21話中第2話まで)を読んで臨みました。最初のシーンはそこを読んでたおかげで分かりました。読んでないとちょっと難しかったかも。

ネタバレBOX

最初のシーンは、結界の中に「すぴのん」が入ったあとで。ともに行動していた主人公の「アルマ」が入ろうとして、弾かれているわけです。人数に上限があるため、ということはあとで分かります。

あらためて、原作の漫画を全部確認しました。舞台での変更箇所はけっこうありますが大筋は同じのようです。

「ファン」は原作ではもっと短い命です。舞台ではキャストの出番を考えて話を変えたのかも知れませんが、生かされるところと再登場のところ、不自然に感じました。
人事部門に「ジェリーマリー」というキャラがいますがこれも短いです。舞台では省略したようです。
「ミース」は原作でも存在感薄いですが、舞台では名前が出てくるだけでした。

ちょっと驚いたのですが、原作では「もな子」が登場してこれから戦うという時に連載打ち切りになってるんですね。舞台でも登場はほぼエンディング寸前ですが、ひとりでレジスタンス全員を相手して段違いの強さを示しました。持田さんの特技でもある殺陣。錫杖を使った大立ち回りでした。
最後は「ステラ・ルル」の「ルルクラッシュ」という技を受け止めてエンディングです。さあ、どうなったんでしょうね。連載再開を期待します。

結界の中の人数に上限がある、だれか死んだら次が入れる、というのはいいですね。分かりやすいです。
レジスタンス以外のキャラは人事部門と研究部門と監査部門があってそれぞれ所属しているのですが、残念ながら分かりにくかったです。部門の対立があるので所属がけっこう重要だっただけに。原作でも分かりにくいので、舞台としては仕方ないかもしれません。
花と龍

花と龍

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2025/02/08 (土) ~ 2025/02/22 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

森田涼花さん出演。
KAAT 神奈川県芸術劇場。4年前の「王将」での1階アトリウム特設会場は衝撃的でした。今回は5階のホール。そう、普通はホールですよね。

前方を占める桟敷席は早々に売り切れ。一階席と値段同じなのでそうなりますね。自分は当日券で行ったところ残席から選ばせてもらえました。後ろの方の下手端になりました。

Xで写真投稿しましたが開場中開演までは舞台上に屋台があって、買って飲み食いできます。縁日そのものです。マッサージまであるのは驚きました。
食べ物はパン、焼き鳥、焼きそばなどありますが私は売り切れで買えず。そこは残念でしたが300円のケーキ2個買って食べたのでなんとか大丈夫。

一階席までは座席で飲み食いして良いのです。椅子にカバーがかけてありました。お酒やラムネなども売っていて劇場との調整は大変だったと思いますが、演劇界収入アップの可能性を示す試みだと思います。

神奈川公演は昨日終わりました。これから富山、兵庫、福岡と。各劇場でも屋台があるのでしょうか。あれば良いですね、いい雰囲気なのでおすすめです。

なお、休憩込み3時間の演目なので、屋台で食べるつもりで空腹で行って売り切れだと厳しいでしょう。「持ち込みはご遠慮ください」とのことですが、売り切れ時は許してもらいたいですね。

ネタバレBOX

新ロイヤル大衆舎さんは2017年と2021年の「王将」、そして今回3本目。全てに参加している客演者は森田さんだけだと思います。ありがたいことです。
今回は遠目でしたが、変わらぬ森田さんらしい演技がよく見えました。舞台の地域としては関門海峡あたりですが関西弁の役で、ちょうど良かったですね。

主演の福田転球さんは前作王将でも今回でも、流石でしたね。龍の彫り物を得たあとの感情の高まり、間男とマンを(劇中演技で)激しく追い込むところ、素晴らしかったです。

ちなみに屋台と演目はほとんど関係ありませんでした。
WORKER ANTS と 働かないアリ

WORKER ANTS と 働かないアリ

五反田タイガー

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2020/03/18 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

高橋胡桃さん出演。
2020年の3月。結果として高橋さん、引退前の最後の舞台になりました。

五反田タイガーさんの第7弾。高橋さんは4つ出演。あとの3つは「花街花魁クロニクル」「Casket」「OH MY GODDESS」。

ミュージカルのように、ときおり歌唱ライブのシーンが入ります。そういえばサイリウムを売ってました。客先にも出張販売してて、けっこう買う方がいましたね。

蟻、キリギリス、蜂、カタツムリなど。それらを表現する衣装はまるで学芸会のようですが、それはそうなりますよね。「Casket」と同じテイストでした。

昆虫の物語、なのに涙を誘うのはさすがですね。リーダーの東ななえさん、いつもながら良かったです。

ネタバレBOX

引退する高橋さんの集大成、にはなりませんでした。役はガーディアンのひとりであるアゲハチョウ。大事な役とは言えず。
3番目に名前があるのは集客力のなせる業だったと思います。分かる人には分かりますが、2016年の「雪のプリンセス」を思い出しました。
冥途遊山(めいどゆさん)

冥途遊山(めいどゆさん)

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/01/03 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

外岡えりかさん出演。

1月5日の予定が空いたので、何かないかな・・と、こりっちの「上演中の公演」を眺めてました。たまたま見つけて、当日券で観劇しました。剣チームです。

この時期の舞台公演は年末年始に稽古や準備をすることになります。必然的に少ないですよね。

「ざ☆くりもん」さんのサイトを見たところ、グループ会社のところにシアターグリーンがありました。なるほど、そういう事情もあるのかな、と。空きがちなところに埋めたいですよね。

シアターグリーンはお寺の隣にあります。パンフレットを読んで知ったのですが、くりもんさんの主宰はそのお寺の方なんですね。輪廻転生とか七日ごとの審判のこととかの説明が書かれていて、とても分かりやすかったです。なんとなくしか知らなかったことを、舞台と照らし合わせて理解することができました。

外岡さんを舞台で拝見するのは2016年8月以来でした。その「歩いてみやがれ」ではかなり特殊な役なので横におくとして、初舞台の2010年「桃色書店へようこそ」から「ゴジラ」「ペロン」「レプリカ」「シュタインズゲート」「見よ、飛行機の高く飛べるを」「兵隊日記 ツムグ」「読モの掟」「明るいお葬式」と、今回も同じ系統の外岡さんでした。良い意味でお変わりなかったです。

7人の男女混合のダンサーさん。鬼だったり花魁だったり、華やかでダイナミックで、見入ってしまいました。

ネタバレBOX

善六が地蔵の前で息絶えるところから始まります。その後の鬼との会話で、「鬼滅の刃の〜」といった、時代を超えたギャグが入りました。このおかげで雰囲気というか舞台の見方を掴めるので良かったです。その後のスマホを鳴らすところやジブリネタのギャグなども、すんなり受け入れられるのです。

冥官の使った文言に「手練手管(てれんてくだ)」というのがあったのですが、その言葉は知りませんでした。人をだます方法、といった意味だそうです。嘘に関することだとは雰囲気で察しましたが。

外岡さん演じる葛城が猫というのは、よく考えればヒントがたくさん出ていましたが気づかず。勘太からあっさり去っていくところ、猫らしくて良かったですね。

最後に勘太は畜生道に行って猫になったのかな、と思いましたが台本によると犬なんですね。猫の葛城と仲良さそうで、こちらもハッピーエンドでした。

善六が鬼としてあきを迎える。両名とも悲しい人生ではありますが、最大限のハッピーエンドでしたね。良いお話でした。

田業はバッドエンドなわけですが、生まれが貧しいということで同情してしまいます。はっきり、可哀そうです。

ところで、善六と田遊は刺し違えたのでどちらも同時期に死んだはずです。でも冥途遊山に田遊はいないんですね。というのは野暮なツッコミでしょうか。
星空ハーモニー2024

星空ハーモニー2024

Poppin'Shower

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/12/25 (水) ~ 2024/12/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さんが日替わりゲスト。♭(フラット)チームを観劇。

いつもながら、出演者をあまり把握せずに臨みました。

シミズアスナさん出演されてたのですね。「失創セブンスプレイ」「gagap」で拝見してますがメイクが強烈だったので素顔を存じ上げず、今回はじめて拝見できました(遠目ですが)。

横道侑里さんは役のイメージにぴったりな、見事な主演でした。「ゲズントハイト」ではじめて拝見したとき、なんかすごい役者さんだなあと思った記憶があります。

藤代海さんは10月の「歌舞伎町ビターナイト」で強烈な演技を拝見したばかりで。自分としてはその目で見てたので、誘惑に取り乱すところは「これぞ藤代さん」でした。違和感ゼロです。

持田さんはいつ出てくるのかな、と思ってずっと見てました。舞台に見入って忘れかけてた頃、いつの間にか自分の近くに立ってらして、びっくりしました。上手(かみて)のG列の後ろです。

メモ DVD収録のゲストシーンは渡邉ひかるさんのみとのこと。

ネタバレBOX

舞台の「日替わりゲスト出演」というのは、多くはワンシーンのコメディの時間だったりします。今回まさにその王道で。役名が「ながれぼしひかる」というところからして。
「本当に高校生ですの?」「ええ、17才ですわよ」のやり取りは笑って良いのかどうなのかですが、とにかく笑いの絶えない時間でした。
日替わりゲストの方々の中では、持田さんと池澤さんがいちばん若いんですね。他の方はどんなやりとりだったのでしょう。

終盤の合唱のシーン。直前に階段を登ってハケた演者さんたちは、実は上手にある階上席に座って合唱を見守ってました。蜂須さんも。自分が後方席なので気づきましたが、多くの人は知らなかったでしょう。
本気の合唱。演者さんたちも鑑賞する。素敵な時間でした。

龍人(たつと)の「この距離ならギリギリ聞こえる」という発言。終盤の父との会話の距離はそれより明らかに遠く、声量も小さかったです。こちらはまず「聞こえないはず」と思いますので、矛盾を感じざるを得ませんでした。
B面〜煙が漂うその先は〜

B面〜煙が漂うその先は〜

JUNK!

萬劇場(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

真田林佳さん目当てで観劇。Bチーム。

B面とはどういう意味かな、と。A面に対してのもの。表と裏、それとも善と悪?
フライヤーに働き蟻の話が。必ずサボる蟻が2割ほど存在する。取り除いたら他の蟻がサボる。割合はともかく実社会でもそれに似たものは感じます。

舞台はちょっと複雑なストーリーだとあらかじめうかがっていたので、最初から集中しておおよそ理解できました。パンフレットの相関図がありがたかったです。

風間役の小栗諒さんはいろんな舞台で何度も拝見してます。白狐丸や迦具土神遊児のイメージが強かったですが、今回の真面目な刑事役も似合いますね。

猪越役のちむらゆーりさんは2017年の「GHOST MIX」で拝見して以来でした。当時の表記は「千村佑陸」。ぶっ飛んだ主人公がすごく印象に残っていました。今回の出演を把握しておりませんでしたが、出てこられて間もなく「あの人だ!」と分かりました。

真田さんの黄菊雛乃。登場シーンはそれほど多くなかったですが、しっかり存在感がありました。Xのプロフィールに「声が低い」とありますが、それを生かしたセリフに重みがあります。舞台センターで目立つところがありました。そこはご自身によるアレンジなのかな、と。目の前で見られてよかったです。

変わった役名ですが、花札からとったのでしょうか。猪と蝶はいるけど鹿はどこに・・・と思ったら「ディアー」がそれですね。

ネタバレBOX

立花が日向に「3人」でカマをかけるところ。のちに風間が種明かしをしますが、ちょっと難しくてロジックが分からなかったです。

焼き肉店の店主とバイトが、白龍会の二人なのか役者さんが兼任しているのか、登場時には判断できずに迷いました。舞台あるあるだとは思いますが。正解は終盤で分かります。
リア女王

リア女王

イノセントギアカンパニー

サンモールスタジオ(東京都)

2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。

原作の「リア王」はシェイクスピアの17世紀の作品。日本語訳にはいろんなパターンがあります。今回はクレジットに「訳:小田島雄志」と。いくつかの訳書で確認したところ、今回舞台の言い回しは確かに小田島版でした。「その愛は言葉を貧しくさせ、唇を閉じさせます」とか、いいですねえ。

もともと「リア王」は3~4時間かかるそうです。セリフの量がとても多いんですね。それを2時間に収めるためでしょう、セリフも動きも目まぐるしく。演者のみなさんの努力のたまものですね。

小田島氏はある本のあとがきで「父と子の問題は、永遠のテーマかも知れません」と結んでいます。王は娘たちの本心を見抜けず。グロスター伯も同様でした。その行き違いが悲劇を生んだというわけです。

「リア王」では王の3人の娘は女性ですが、ほかはほぼ男性です。今回の「リア女王」ではほとんどが女性という設定になっています。女性同士の婚姻や恋愛が話に登場しますが、それは物語にはあまり影響なかったと思います。脚色の狙いがあったとしたらすみません。くみ取れませんでした。

持田さんのエドマンド。女性として描かれましたが、悪党としての表現がすごかったからでしょうか、自分には原作と同じ男性のエドマンドに見えました。それが違和感を消してくれたのかも知れないですね。

ネタバレBOX

今回舞台は公式に「ネイハム・テイト風」とされています。シェイクスピアのオリジナルと「テイト版」は、実はかなり違います。

たとえば冒頭の順番が違います。今回はテイト版と同様、いきなりエドマンドのモノローグでただならぬ先行きを予感させます。悪党として描かれるエドマンド中心の話であることが強調されることになります。実はオリジナルのシェイクスピア版では冒頭は王宮で三女を追放するまでのシーンで、エドマンドはいません(訂正:いますが目立ちません)。エドマンドのモノローグは2番目のシーンなのです。強調したいところが違うのですね。

オリジナルでは、主要な人物で生き残るのはオールバニ公とエドガーのみです。エドマンドは兄エドガーとの決闘で。兄弟の父グロスター伯はその少し前に息絶え。王の次女リーガンは長女ゴネリルによる毒殺。ゴネリルは自死。フランス王妃になっていた三女コーディーリアはエドマンドの刺客により。リア王はその悲しみのなかで。ケント伯は王の後を追うことを宣言して終幕します。悲劇ではありますが、悪党はみな死ぬ、生き残ったのは一部の善人というわけです。

テイト版は「悲喜劇」とも言われるように、ある程度ハッピーエンドになっています。フランス王は登場せず、コーディーリアとエドガーが恋仲で、最終的に結婚します。リア王、ケント伯、グロスター伯も生きています。ただしエドマンド、ゴネリル、リーガンは死にます。やっぱり悪党はみな死ぬ、というわけです。

そして今回の「リア女王」は。上に書いた人物が全員生きているんですね。悪党も改心したことになっています。「喜劇」と銘打っていて、悲劇をできるだけなくしたんでしょうか。自分の感想としては、都合がよすぎるなあ、というのが正直なところです。

コーンウォール公と、刺し違えた名もなき衛士はどの版でも死んでしまいます。公爵の妻であるリーガンが未亡人になることがポイントのひとつなので、そこは変えにくかったでしょうね。

ちなみにテイト版には道化はいませんが、今回は採用したのですね。小田島氏の訳書に子供向けの本があり「道化は実は賢くないとできない仕事」と解説されています。道化のセリフに含まれる多くの皮肉には、本を読んでやっと分かるものもありました。頭がよくないとできないのは間違いありません。
 コネクト・ライフ

コネクト・ライフ

ぱすてるからっと

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

後藤郁さん出演の星チームを観劇。
ぱすてるからっとさんの舞台に出演されるのは2本目。そもそも出演が意外でしたが、2本目はさらに意外でした。もちろんありがたいことです。

後藤さんはやさしすぎると言ってもいいくらい、穏やかな声をお持ちです。今回はシャーロックホームズ役ということで、男の役は難しいだろうな、と思ってました。序盤で「私は最先端の女なのよ」とセリフに入っていたのは良かったです。男だと思って見る必要はない、という分かりやすさがありがたかったです。

ぱすてるからっとさんはいつもダンスシーンがあります。いつもながら激しいダンス、素晴らしかったです。初日は終演後にその撮影会もあり。自分はカメラに疎いのでスマホで撮るだけではありますが、ありがたいですね。

ネタバレBOX

ツバメが言う「ジュネーブ発の特別列車を経由して船に向かう」の意味が分かりませんでした。ジュネーブはスイスです。イギリスから行くにはそもそも船で渡る必要があります。こちらの頭の中は「???」です。

ホームズとワトソンが列車で移動しているときの会話も「???」でした。「港で大陸への船を待つ間に追いつかれる」と言って、やり過ごすために降りた駅が「ストラスブール」。大陸の都市です。「いったいどこにいるの?イギリスにストラスブールがあるの?」と大混乱です。

答え合わせ。

列車移動のあたりはシャーロックホームズの「最後の事件」から借用したもの。では「最後の事件」ではどうなっていたかというと。ホームズはカンタベリーでモリアーティ教授をやり過ごす。その後ニューヘイブンから船で大陸に渡り、ブリュッセルを経由してストラスブールへ、という流れ。

借用する際に誤解したのでしょうね。「最後の事件」のくだんの部分を読んでみたのですが、かなり分かりにくかったです。誤解しても仕方ないかも知れません。しかしジュネーブとストラスブールが大陸なのは調べればすぐ分かることなので、そこは残念に思います。
シオンの眠るとき

シオンの眠るとき

縁劇ユニット 流星レトリック

サンモールスタジオ(東京都)

2024/10/30 (水) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演の花チーム。
月チームを観劇済みなので、複雑な人物関係は頭に入っています。余裕を持って楽しむことができました。

主役の蛍火(けいか)役の鈴木翔吾さん。月チームの岡さんとは表情がぜんぜん違って見えました。表情の作り方が違うのかな。どちらが良いということはないですが、それぞれ個性があって良かったです。

劇団6番シードの椎名亜音さんと藤堂瞬さんが夫妻の役ということで息ぴったり。
椎名さんは何度も拝見していますが最近では5月の「ほぼほぼ心霊スポット」での豪快な演技が印象的でした。激しい感情表現がほんとにお上手で、今回もさすがでした。
藤堂さんも何度も拝見しています。もっともお気に入りは2019年の「熱海殺人事件」の「水野朋子物語」で、冒頭から迫力に圧倒されました。今回も期待通り、迫力ありました。

花奏和音さんは3年前「おいてきぼりの桜の園」での主演が強烈でした。今回は秘密を知っているお医者さん。袖の下のお金の受け取り方が月チームの清田さんとはだいぶ違って、さりげないけど嬉しそう、でしたね。

優希クロエさんは「将棋無双第30番」の伊藤宗看がすごかったです。今回は進藤静香の娘のレイラ役。月チームの葵さんとは180度違う印象でした。優希さんは葵さんと比べると明らかな大人に見えるので、葵さんと同じセリフに少し違和感が。見る順番が違えば逆だったのかもしれません。

持田さんは相続権をもつ貴依子(きいこ)。安井先輩という、相思相愛の彼氏がいる役。ご本人もおっしゃってましたが、持田さんが恋愛に絡む役は珍しいです。朗読劇では「Unknown」がありましたが、演劇としては60本以上見てますが記憶にないです。新しい持田さんを拝見・発見できました。

夕莉(ゆうり)役の黒木美紗子さんは2018年「音楽劇ヨルハ」のリリィでした。その後も何度か拝見していますが、やはりなんといってもリリィの印象が強く残っています。

その夕莉。花チームには最大の見せ場がありました。

ネタバレBOX

幼馴染で蛍火を家族と思っていた夕莉は「良かったね」と去ります。蛍火は取り繕おうとしますが拒絶されます。

ここからが月チームと違うところ。

蛍火は追いかけます。夕莉は蛍火を抱きしめて言います。私だけのものでいてほしい、不幸なままでいてほしい、と。さきほどの銃を取り出し、蛍火の背中から自分に向けて押し当てます。もし撃てば貫通して二人とも、という位置です。
蛍火は抱きしめたまま「いいよ」と言います。夕莉は銃の位置を変え、自分の首だけに向けます。そして再び、蛍火の背中に押し当てます。
暗転して数秒後、銃声が響きます。

沢田美佳さんがSNSで「Flowerの分岐脚本を担当」「正直、完成した台本の別パターンを考えるのはめちゃくちゃ難しかったです」と書かれています。つまり、花チームの方があとから考えられたところなのですね。

もし花チームを先に見て、月チームを見たらどうだったでしょう。個人的には、月→花の順でラッキーでした。

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