アイーオウ!吉川の観てきた!クチコミ一覧

341-360件 / 364件中
砂漠の音階

砂漠の音階

風琴工房

シアター風姿花伝(東京都)

2007/10/30 (火) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

期待していたよりは少し残念な仕上がり。
大正から昭和にかけてということで
台詞も古い言い回しになっているのですが
これがオールドスタイルの演技を誘発してしまって
どうもしっくりこない。
演技が大きい分、逆に登場人物の情熱が薄く見えてしまって
もったいないなぁと。

ネタバレBOX

当時の素朴な空気感を表現するためか、
前半の進行が、かなりまったりと感じてしまい、
逆に、ラストの実験が成功に関する部分や
笹野鈴々音の恋話は唐突に帰結した感じが。

「紅の舞う丘」で感じた
舞台を包み込む
「柔らかくて暖かいベールの様なトーン」が、
今回は、はっきりと感じられなかったのが
もったいないなぁと。

道成寺

道成寺

劇団山の手事情社

赤坂RED/THEATER(東京都)

2007/10/30 (火) ~ 2007/11/01 (木)公演終了

満足度

う~ん。残念ながら好みではなかったです。
漆塗りの飯椀の中に盛られたご飯を、
ナイフを使ってフォークの背中に乗せて
器用に食べてるって感じがして...。

棄憶~kioku~※『38℃』より演目変更

棄憶~kioku~※『38℃』より演目変更

G-up

ギャラリーSite(東京都)

2007/10/29 (月) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

速報!これは絶対に観逃すな!
ストレートプレイとしては今年のベスト5に
確実に入る「とてつもない強度を持った演劇」
好き嫌いはあれど、これは観ておいた方が良いです。
というか観ないとダメでしょう!

ギャラリーという場所の特性上、
役者と観客の距離が物凄く近く、
臨場感(声の反響も含め)が半端じゃない。

ネタバレBOX

しかもそこで演じられるのは、
太平洋戦戦争当時の「封印された日本の過去」に
関わった男たちの話。
そこで交わされる内容は、
「見聞きしてはいけない負の記憶」
異様な臨場感のせいで、まるでその場に偶然
居合わせてしまった錯覚に陥る程の緊張感が。
その瞬間から物語の行方から目が離せなくなる。
まるで彼らの共犯者にさせられてしまった様に、
最後の最後まで。

一癖も二癖もある7人の侍(=役者)たちが
正に真剣勝負でぶつかり合う、めったに観れない作品。
若手はもう少し頑張れ!

初日ゆえの荒さはあれども大満足。
さて、問題はもう一回いつ観るか!
陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>

陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>

乞局

アトリエヘリコプター(東京都)

2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★

≪劇場版≫反吐がでそうになる会話と感情。
いかにもツーンとした臭いのするような
蒸し暑い汚れた部屋の中で交わされる
反吐がでそうになる会話と感情。
いかにも乞骨らしい世界。

惜しむらくは、ニュースタイル演劇なのに
オールドスタイルの演技が混じってしまっている点。
頑張って観続けるが、脳が拒否をし始めて
後半の一部は欠落。

ネタバレBOX

「戸籍」と「死因」の扱いは、
もう少しボリュームを増やさないと
仕掛けとして面白みに欠ける気が。

ラストの種明かしは、意図的かもしれないが
ボヤケてしまっているのはもったいない。
もっと鮮やかに落とす方法はあると思われ。

ま、来月のギャラリー版に期待というコトで。
0.7+0.5≠1.0+0.2

0.7+0.5≠1.0+0.2

ミナモザ

サンモールスタジオ(東京都)

2007/10/25 (木) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度

本井博之(コマツ企画)大健闘。
M.C.エッシャーの「上昇と下降」を
模したような美術に佇む白い眼帯姿の本井博之。
というだけで否が応でも期待値が上昇するが、

ネタバレBOX

いつのまにかその期待値は下降し始める。
まさに「上昇と下降」の演劇。

雨に閉じこめられた美術館で起きるミステリー?
オールドスタイルというか、もう少女漫画演劇。
悶絶。
オセロー

オセロー

岡崎藝術座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/10/25 (木) ~ 2007/10/30 (火)公演終了

満足度

壁は厚かった!
シェイクスピアの「オセロー」を
どの様に現代日本に持ち込むか!に挑戦するも
やはり壁は厚かった。

ネタバレBOX

舞台中央にせんべい布団が敷かれていて
バカボンのパパの様な格好の元老院議員や
オセローの部下が一升瓶をラッパ飲みしていたりするも
グッと引きつける引力を持った世界観では無かったなと。

三条会の「ロミジュリ」やバズノーツの「マクベス」は
同様の試みを、強靭な美意識もって演出することで
その壁をぶち壊すことに成功したが、
そこまでのパワーが感じられず、
面白くないわけではないが、残念な仕上がりに。

ラストの混沌とした状態を表現したシーンも
中途半端で雑な印象しか受けず。

こういう手法なら
鉄割アルバトロスケットがやった方が
もっと面白くなるんじゃないかなと。
月並みなはなし[07再演版]

月並みなはなし[07再演版]

時間堂

王子小劇場(東京都)

2007/10/19 (金) ~ 2007/10/29 (月)公演終了

満足度★★★

人間の様々な感情や思考のやりとりが楽しめます。
自己実現の欲求。希薄な根拠。
挫折。後悔。本音。恨み。そしり。面食らい。
人間の様々な感情や思考を引き出す仕掛けの
ニュースタイル演劇。

ネタバレBOX

生死の問題ではなく、
希望に向かうという明るさが
物語の前提になっている分、
舞台全体の緊張感はやや低いが、
後味の良い仕上げに。

リアルな演技を要求する戯曲だと思うのだけど
オールドスタイルの演技になってしまう人が若干いて
もったいないなぁと。
「私の知っている男は、これだけ」

「私の知っている男は、これだけ」

mon(2008年解散。現在は青年団若手自主大久保企画)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★

昨日掴み損ねた部分を確認するために再び観劇。
やはり山崎皓司(小指値)の
変化(変態=形態が変化する方)が面白すぎる。

ネタバレBOX

かぶりものなど使わずに、
強靭な身体表現でやってのける凄さ。
人→犬→謎の魚(タツノオトシゴっぽい)
→バイク(運転者&車体。さらに大久保亜美とタンデム)
→ホオジロザメ(フェイスパック使用)→インコ。

昨日より、まったり感が減り
観やすいテンポにはなったが、
全体的にフラットな印象で
どこに的を絞って観れば良いのかが掴めず、
次の展開に期待し辛い。

いなくなってしまった女の子について
全員がインタビューに答える。
というのが物語の大きな柱なのだけど、

いなくなったことが大事件ではない。
いなくなったことでさらに別の事件も起きない。
必死で彼女の行方を探す人もいない。
彼女のコトをとても愛おしく語る人もいない。
むしろ彼女の事を聞かれているのに
自分の話ばかりしだす人たちが
人格障害っぽくて、そっちを膨らませる方が
個人的には面白くなった気が。

もうちょっと作り手の観せたい要素を
エッジを効かせて提示すると
グッと面白くなると思われ。
ゆらめき

ゆらめき

ペンギンプルペイルパイルズ

吉祥寺シアター(東京都)

2007/10/17 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度

あ~。ダメでした。
生理的に会わなかった。

ネタバレBOX

追い込まれた登場人物たちが
何かにつけて、やたらと切れ気味に
怒鳴り合いながらコミュニケーションする。
というのが基本フォーマット。

しかもやたらと饒舌にしゃべりすぎる。
この点は劇中でもツッ込む台詞として
2回ほど出てくるので、
明かに意図的に書かれているはず。

実生活において私自身が、
こういう個人的な感情が、
その人の言動や行動の原理になっている人物を
最も毛嫌いしているので、
登場人物の殆どがそんな状態のこの芝居は、
とても凝視に耐えられるものではなかったです。

関西生まれでない複数の役者が
関西弁風の変なイントネーションで話す
シリアスな芝居を観続ける。というのに匹敵する位の
耐えられなさですね。(笑) 面白さを感じられたのは
マンションの部屋の上3分の1をスパッと
取っ払ったセットと、
(ラスト近くはその上部を切り取られた壁を
小林高鹿が乗り越えるという暴挙にでるシーンは笑った。)

ラストに坂井真紀が、鎌倉に遊びに連れて行く約束を
反故にして眠っている旦那役の戸田昌宏に
馬乗りになって首を絞めて終わりかと思ったら、
そのまま大立ち回りの大喧嘩になり、
箸やおたまや泡だて器なんかを鬼の様に投げつけたら、
果物ナイフが背中に刺さってしまい、
変に気弱になって甘えだす旦那と
ちっちゃく勝ち誇った笑顔の坂井真紀との
プチハッピーなコントラスト。の2つ。

でもこのラストは、ちょっと日和ってる気が。
「私の知っている男は、これだけ」

「私の知っている男は、これだけ」

mon(2008年解散。現在は青年団若手自主大久保企画)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★

役者陣の動作が面白い!
前半のセラピー参加者に扮した
役者陣の動作が面白い。

特に山崎皓司(小指値)が良い!
改めて物凄い表現の強度を持った役者だと確信。
大久保亜美も「ポンポン」(ハイバイ)に出演した時に
良い佇まいの役者だと思っていたけど、
今回もとても魅力的。

ネタバレBOX

全員がニュースタイルの演技で、
イマドキの若者言葉でリアルに会話が進み、
後半から、いなくなってしまった誰かについて
インタビュー形式で語っていくのだけど、
テキストが全く頭の中に入ってこない!
それぞれが語る断片的な情報から、
その誰かの人物像が頭の中で全く形に出来ない?
あげくは男の子がいなくなったと思っていたら、
女の子だった!?

後半の印象が散漫で、テンポも単調だったのが
その原因か?特に複雑な言葉も使っていないのに...。
う~ん。明日もう一回確認しに行くかも。
犯さん哉

犯さん哉

キューブ

PARCO劇場(東京都)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

間違いなくNo.1のデタラメな傑作。
先日の「ろりえ」と昨日の「犯さん哉」を通して
強く感じたこと。それは、
「既成概念に囚われず、恐れるものが無く、
確固たる自信を持って作られた演劇は、
鳥肌が立つくらい素晴らしく&最高に面白い!」
ということ。

演劇とはテーマやストーリーが無ければいけない。
この劇場ではこういう内容もので無ければいけない。
この入場料に見合う内容のもので無ければいけない。
演劇好きな人にも演劇を初めて観る人にも
楽しめるもので無ければいけない。
演劇とは観客を感動させるもので無ければいけない。
などなど。
そんな決まりは、どこにも無い。

作り手の、
「こんな場所で、こんなことが実現できたら
面白いだろうなぁ!考えただけでワクワクするなぁ。」
という強い欲求と、
それを実現させるために、既知のものから未知のものまで
自力やら他力やら地球上に存在するモノや情報を総動員して
纏め上げる行動によって、
どこにも存在しなかった世界を創造することで、
出来上がった演劇。
「誰に何を言われようが、これ以上のモノは無い!」
と断言できる演劇ならば、
受け手の好き嫌いはあれど、それは間違いなく傑作であろうと。

緻密に計算された無駄の積み重ねと
役者に圧し掛かる罰ゲームのような負荷
「犯さん哉」700本近く観た演劇の中で
間違いなくNo.1のデタラメな傑作である。

ぬるいバスは時々とまる

ぬるいバスは時々とまる

東京Ne+wS

駅前劇場(東京都)

2007/10/19 (金) ~ 2007/10/23 (火)公演終了

満足度★★★

普通に面白い。
観終わった後に
「嫌~な」とか「怖~い」とか
「馬鹿馬鹿し~」とか、
心の中に強力な足跡をつけてくれる演劇が好きなので、
ちょっとモノ足りなさはあり。

ネタバレBOX

路線バスが突然何も無い空間に次元移動して、
たまたま乗り合わせたイマドキの人たちが
精神的に追い込まれた状況の中、
イマドキな人間のイヤラシイ本性をさらけ出したり
なんとか理解しあって力を合わせたり。

よく出来たニュースタイルのSF芝居。
普通に面白い。
しいていうなら、一般ウケ狙いか?ラストが普通にハッピー。
それ故に作品自体が軽い印象で、
登場人物の感情の動きや行動を振り返るしか出来なくて、
物語の背後にある何かを、反芻して掘り下げたりとか
考えさせられる劇構造をもうひとつ作って貰いたかったなと。
魚

とりととら

新宿眼科画廊(東京都)

2007/10/18 (木) ~ 2007/10/22 (月)公演終了

満足度★★

夫婦の幸福なニュースタイルの会話劇。
1人目の子供が生まれる前から
2人目の子供が生まれるまで?の
夫婦の幸福なニュースタイルの会話劇。

ネタバレBOX

気になったポイントを以下列記。
1.幸福な夫婦の話だと思われるが、
その夫婦を包む舞台の空気が、
「ほわっ」とか「ほっこり」とかの
幸福感が感じられない。
照明のせいなのか?
美術(殆ど無いけれど)や小道具類のせいなのか?
これは奥さん役の人の声がハスキーで
クールな印象だからなのか?
後藤飛鳥とか望月志津子とか五反田団の役者なら
しっくり来るのかも。
2.様々なきっかけで時間が飛び、
その先の話が観れるのだが、
移り変わりが、鮮やかでない。
派手なきっかけが必要ではないとは思うが
移り変わりの時に解像度がグッとあがるとか、
おっ!そう来たの。とか、思わせる演出が欲しい。
3.枕代わりに使っていたクッションを
奥さんが服の中に入れて妊婦になったり、
床に敷いた布の中に潜り込んで遊んでいた子供が、
海亀の産卵に見たてたり、
演劇ならではの楽しい嘘が面白いのだけれど、
時間の経過に比べて、見た目に分かり易くはあるの、
それ故ちょっと「ぞんざい」な気が。

全体的を通して情報の出し入れが
狙いより上手くいかなかったということかな。
15 minutes made vol.2

15 minutes made vol.2

Mrs.fictions

ザムザ阿佐谷(東京都)

2007/10/18 (木) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

「ろりえ」の衝撃の正体を確認するために再び!
再び観劇。
来年の4月25日~28日に
旗揚げ本公演「ヤクザとアリス」を
早稲田どらま館でやるようなので楽しみ!

ちなみに今回出演している
梅舟惟永は劇団競泳水着の「なだれる」で
妹役をやっていた人で、 良い佇まいの女優さんだなと。
客演の高木建はタカハ劇団の「もう一度スプーンを曲げよ。」で
隣人のすぐキレル若者役の人だった。
今回もプチ暴力的なのがお似合い。



ネタバレBOX

虎のこ「三途の川の手前で」
間と滑舌が悪いなぁ。
リアルでシリアス路線より
キャラクター芝居に徹した方が
もっと面白く観せられると思う。

多少婦人「嘘→lie」
前半のテンポと
録音した声の芝居のテンションが悪い。
漫画のふきだしの様なモノを
小道具っぽく使った方が良かったのでは?
後半部は芝居のスピードが
一定に見えるのがもったいないので
もっと可変させた方が良いのでは?

ろりえ 「アイスコーヒー」
やっぱり凄い!何だコレ?
画作りはポップで、コミュニケーションはパンク!
テキストはプログレで、心に突き刺さる歌謡曲!
アンコールはサンバで悪夢のイリュージョン!

来年4月の本公演は、
早稲田どらま館ではありえないコトをやります!とのこと。
そう!演劇はそれでないと!
どこでも観れる様なモノには興味はナシ!

圧力団体イクチヲステガ 「『昇華』奔流の果て、静謐の畔」
やはり後半のネタバレ部分が弱い。
前半の閉じ込められた空間の
緊張感のあるシーンを短くして、
後半はせっかくカレーなので
インド映画風にもっとバカバカしく壮大に
歌い踊りエスカレートすれば、かなり好み!

M.O.E(もえ) Project「天使のオシゴト」
「頑張ってね、お兄ちゃん!」
の台詞で、やはり大爆笑!するも
役者陣の演技のブレが気になる。
イタイ芝居はキャラクターが
ブレずに暴走していくコトが
最低条件だと思うので。

柿喰う客 「傷は浅いぞ (未放送版)」
深谷由梨香はもう少しメイクした方がカワイイ。
特に眉とアイメイク。
スピード感とテンションの高さが面白みを増すが、
細かい部分が雑になってしまっているのは
いかがなものかと。

やはり役者が若い分、
強度が足りないのがもったいない。
この戯曲を三条会にやって頂きたいなと。
たぶん相当面白いはず。

Mrs.fictions 「秋にまたない」
初見で華が無いと感じたの理由は、
ストーリーのせいでないことに気づく。
ト書きのような説明セリフを
役者が話すというギミックが
リーディング公演の様で、
演劇のダイナミックさを
放棄してしまっているような気が。
キャバレー

キャバレー

パルコ・プロデュース

青山劇場(東京都)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

ツートップがパンチ不足
ダンサーが登場するシーンは
華やかでとても良いのだが、

ネタバレBOX

芝居やピンになった時の
松雪泰子、森山未來のツートップがパンチ不足。

秋山菜津子、小松和重は職人技で可笑し味を生み出すも、
ツートップのパワーに合わせているのか
80%位に見える。

短いながらも振り付けの康本雅子のソロもあって良かった。

阿部サダヲ、村杉蝉之介、平岩紙の大人計画トリオも
思ったよりも地味だった印象。

てか、松尾スズキをもってしても
オールドスタイルの翻訳劇は肌に合わない。
よるべナイター

よるべナイター

FUKAIPRODUCE羽衣

サンモールスタジオ(東京都)

2007/10/18 (木) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

男と女が歌い!踊り!悶え!叫ぶ!
アングラチックなメイクや衣装。
独特のペインティングされた画を壁や床に敷き詰め
男と女が歌い!踊り!悶え!叫ぶ!
奇妙なミュージカル「ミョージカル」

前回にも増して、
オリジナルソングの完成度が高くなっていて面白い。
惜しむらくは、歌の連続で芝居部分が少なくなった分
全体のエネルギーの密度が詰まりすぎて
逆に歌のインパクトや歌詞の面白さが
半減してしまっている気が。
芝居で助走をつけて歌で一気にジャンプ!
という繰り返しでパワーをあげていく方が
良いと思うのだけど。

15 minutes made vol.2

15 minutes made vol.2

Mrs.fictions

ザムザ阿佐谷(東京都)

2007/10/18 (木) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

「ろりえ」が凄すぎる!
驚愕。
今年のベスト5に入るぐらいの衝撃!
「小指値」とは別のベクトルの最新型の口語演劇登場!

週末の予定を変更してでも
是非「ろりえ」を体験してみて下さい!

ちなみに「モエプロ 」「柿食う客」「多少婦人 」もなかなか。

ネタバレBOX

虎のこ「三途の川の手前で」
イケメン2人によるストーリーの進み方が遅めな
オールドスタイルな演技のストレートプレイ。
ま、いわゆる、ちょっと良い話。安全牌。

多少婦人「嘘→lie」
7.5分×2の2部構成。
プチ同窓会に集まった男と女の悲喜交々な話。
前半は録音済みの登場人物の心の声を
芝居と同時に流すというよくあるギミック。
後半は各役者が着ているTシャツのアルファベットを
組み合わせて作った単語に合わせてストーリーが進行する、
というギミックで、グッと良くなる。
役者陣の経験不足の為か、いかんせんキャラが弱い故
面白さが半減してしまっている気が。

ろりえ 「アイスコーヒー」
カフェのお客の女の子とその友達と店員+αの不思議な話。
唐突なディスコミュニケーションから始まる
いきなり観客を突き放す、肝の据わった演出にビックリ!
ストーリーは続くも、感情移入を拒否する
ズラシやスカシの連続が、目の離せない状態に!
呆気に取られている内に暗転し、終わったかと思いきや
強烈なダメ押しが!
あ、ダメだもう一回観たい!観ます。コレは!

圧力団体イクチヲステガ 「『昇華』奔流の果て、静謐の畔」
一室に閉じ込められた人たちの
オールドスタイルな演技のストレートプレイ。
イマイチかなと思っていると、
中盤にその密室が予想外の設定だったことに
かなり期待感がアップするも
その後のシーンの展開のなさとラストの蛇足な感じに
ちょっとがっかり。

M.O.E(もえ) Project「天使のオシゴト」
オタク少年の部屋に突如
彼の願い事を魔法で叶える為現れた天使と
少年の幼馴染の女の子の話。
アニメから抜け出してきたような演技を
役者に強いるスタイルに、
“野鳩”の変形亜種かと期待!
役者にまだ照れがあるのか、
キャラのなり切りっぷりに不満が残る。
ただラストシーン前の少年が
幼馴染に告白する勇気を下さいと
天使に懇願するシーンで、
てっきり魔法で何とかするものと思っていたら、
「頑張ってね、お兄ちゃん!」の台詞で解決してしまう
筋金入りの萌っぷりに大爆笑!
だが、ラストはベタで無難に終わってしまう。
オタク的な文章表現を無駄遣い
してしまっているもったいなさと
各キャラの異常性のよりディープな掘り下げに成功すると、
さらに今以上に面白くなるハズ!

柿喰う客 「傷は浅いぞ (未放送版)」
新人アイドルとマネージャーの売り出し狂騒を
超早口の台詞回しと飛んで跳ねての大暴れな演劇
ココの芝居もどうもキャラクターのブレが気になる。
深谷由梨香×玉置玲央は概ね良好だが、
コロ×七味まゆ味はキャラを見失いがち。
ココも暗転明けの、ラストの4人の会話のシーンは蛇足。

Mrs.fictions 「秋にまたない」
男3人が失踪した憧れの女性の先輩について
アレやコレや言い合う芝居。
ストーリーの華の無さ故に集中できず。
ウエストバージニア州立大学最期の学内放送+レボリューション革命

ウエストバージニア州立大学最期の学内放送+レボリューション革命

office-over

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/10/16 (火) ~ 2007/10/17 (水)公演終了

満足度★★★

1人芝居って大変!
office-over.「ウエストバージニア州立大学最期の学内放送」
コンビニでバイトする若者、中年男性、謎の美女を
演じ分けるもどれも中途半端な印象で、
脳の中にシーンが再現されない。

落語の時にも同様な思いをする時があるなと。
演者が話す内容が情報としてしか伝わってこず、
徐々にその話に対する興味が薄れ、眠りに落ちる。

これは、間も含めたしゃべるリズムが重要ではないかと思っていて、
リズムが単調で平板だと100%聞く気になれない。
しかし起伏があれば良いというものでもなく、
演者自身のリズムだけでは、空回りしてる印象になる。

しゃべりの緩急を自在にすることで、
感情の中の起伏を微妙に表現し、
(例えば、喜びのレベルを70%~100%~30%に変化させる。とか)
より多くの観客のリズムとシンクロさせる事が
重要ではなかろうかと。

ま、これは普通の芝居でも同じだとは思いますが、
1人芝居や落語等では顕著に感じてしまいますね。


ハンマーブロス「レボリューション革命」
若い頃の小倉一郎を思わせる
スヌーピー顔の大林剛士が上手い、良い。

ネバーランド☆A GO!GO!

ネバーランド☆A GO!GO!

bpm

SPACE107(東京都)

2007/10/13 (土) ~ 2007/10/16 (火)公演終了

満足度★★

アニメっぽい!
声優としても活躍する主宰の浅沼晋太郎 作・演出の
エンターテイメント系劇団。

ネタバレBOX


<誰にも言っちゃ、だめだよ。>
山荘でホラー番組の撮影している撮影スタッフの1人が、
暇つぶしに、その山荘で起きた大量殺人事件の話を始め、
2つのシーンが交互に曲者キャラ満載で演じられる。
トンチンカンなキャラがドタバタして笑わせたり、
扉を開けたら惨殺死体がドーン!とビックリ箱的な
ドッキリシーンも満載。
実は○○○でした。とスタッフが暴露し、
観客をホッとさせたトコロに
突然、殺人事件の△△が現れビックリさせるも、
これも×××××のための◇◇でした。
と、サービス精神溢れる4段階のオチ。

構成も飽きさせず良く出来ているのだが、
全体的にアニメっぽい雰囲気で、
変に力の入った喋りをする役者も多く、
そういうのに抵抗感がない人には良いのだろうなと。
個人的にはもっとリアルな表現のほうが良かったなと。

エンターテイメント系劇団には
アニメっぽいの雰囲気のが多い気がするのですが
どうなのでしょう?
ツーアウト

ツーアウト

自転車キンクリーツカンパニー

新宿シアタートップス(東京都)

2007/10/17 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★

瀧川英次 奮闘!
これから観に行く人で野球を知らない人は、
大まかルールと用語だけは覚えて行った方が良いですよ。
取り残される可能性があるので。

ストーリーの進み方が遅めな
オールドスタイルな演技のストレートプレイ。
悪い人は誰も出てこないので、
安心して観られるお芝居が好きな人向き。

ネタバレBOX

瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ)だけが、
ニュースタイルの演技なのが面白く、
物語のスピードを可変させて
舞台がグッと締まって見える。
これが彼をキャスティングした意図だとすると
与えられた役割をキチンとこなした印象。
この役もオールドスタイルの演技だと
個人的にはツラーい感じの仕上がりだったかも。

でも、オールドスタイルに慣れたお客さんには
彼の芝居は相当な違和感があるはず。

このページのQRコードです。

拡大