コナンの観てきた!クチコミ一覧

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魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY-

魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY-

エンターテインメント風集団 秘密兵器

「劇」小劇場(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

フライヤーのイメージ通り、滅茶苦茶楽しい舞台。
始まる前から、まるで漫才みたいな前説で会場を温め
先ずは3つの日替わりコント。
特筆すべきはこれらがただの前座的コントではなく、後のメインストーリーに直結、なだれ込んでいくという丸っと伏線コント、心憎い構成力。
3つの全く異なった内容&登場人物で大笑いした後、み~んな繋がっていく面白味が待っているという優れ技。
どう繋がっていくのか、きっと予想もつかないので目の前の流れに身を任せて、ただただ楽しんで観るのが正解。

メインストーリーではしっかりドラマ要素も加わっていくし、笑わせ方も含めて中々の実力派集団である事を確信。
色んなタイプのおじさん5人、体も張っての熱血系、そこにキレイどころとか沢山加わって、もう最後の最後までたっぷり楽しめる構成。
サービス精神というかファミリー的な温かさがある生の良さ
コロナ禍のルールに乗っ取った中でもこの部分はしっかり伝わってきました。

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

王子小劇場(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

結婚式流れからの部活版プチ同窓会。
同じ10年間でも学校卒業からの10年というのはやはり大きい。
かつては毎日顔を合わせ、共有する時間の居心地の良さ、それが空気みたいに当たり前な日常だったのに・・・同じ時間が戻ってこないのは分かっていても、こればかりは何とも寂しいもんだなぁと思いながら観劇。

一部例外があるにせよ、個人的にはほとんどの友人がサラリーマンの道を進んでいるので、本作のように演劇部繋がりの集まりというのは、未知なる空気感もあって、なんかもう興味津々。
ドロドロな展開になっていくのには「マジか」と驚いてしまう一方、いや 知らないだけで巷(演劇人の間)では無きにしも非ずな展開なのかと思えたり
「演劇」という魔性、これが若者の陥りやすい迷路や落とし穴となって惑わせている様にも感じてしまうアラサー男女の迷い道。
確かに、自分にはコレだ!と思えるモノが無ければ不安になって当然な年齢。
無様だろうが嗚咽にも似た人間味に救われます。
その後が気になる登場人物も多くて(いや、皆気になる!)様々な想いが交差するホント猥雑な一夜でしたが、凄く貴重な人生の1ページを見せてもらった気分になりました。

夜明けのディストーション

夜明けのディストーション

劇団とりもち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

天候は台風と予報された旗揚げ初日。
劇場に入ると美しく響き渡る音楽、白くて柔らかそうな布が一面に、
そして薄っすらとしかモノを写さない不思議な鏡(?)これが幾つも
足を踏み入れた瞬間から現実が遠ざかっていく感じ

安易に「そして彼女は王子様と楽しく暮らしました」とはならないファンタジー
内容は如何様にも解釈できそう。
個人的には、一人の若い女性の思考を介して描かれた一人称の世界観だったのではないかと
沢山の愛に囲まれていても、遠い街からやって来た美青年に告白を受けようとも、それが幸せへと直結しない他者との距離間。
キーワードのひとつでもある「死」
愛する者とひとつ道を進めなかった傷心と再生の物語とも受け取られ…
若い人の感性が飛び交って、それがとても美しかったり、ある意味こじれている気もしたり、でも若さってそういうものか…なんてグルグル思いを巡らせながら帰路に着いたのでした。

稲見和人に彼女ができる公演

稲見和人に彼女ができる公演

宇宙論☆講座

OFF OFFシアター(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/10 (水)公演終了

実演鑑賞

「彼女をつくるため」のみならず、本人がやりたい事をありったけ作品に詰め込んで「役者 稲見和人」の最も輝いた姿を愛でる公演。
一人500円あげるので、なるべく拍手で盛り上げてね。という相当に異色な企画作品。

鹿児島から上京した頃には、まさか下北沢でこんな単独公演を打つ事になるとは思いもしなかったという稲見さん。
観に来た方も上京した頃には、まさかこんなマニアックな演劇世界に足を運んでいるなんて思いもしなかったので、ある意味お互い様ですね。という気持ち

「宇宙論☆講座の公演ではない企画」と銘打っていたのですが、いやいやこれは初めて宇宙論☆講座の公演を観に行った頃の感覚に似た宇宙論☆講座っぽさ
むしろクレイジーな状況なほど光り輝くというその特性は、クレイジーな企画のもと水を得た魚のように光り輝いていたのでした

稲見さんの他に6人の役者さん、そして観客席エリアには彼女さん候補
無計画、無鉄砲な様でいて結構に計算づく、
でもどこまでが計算で、どこまでがガチなのか線引きするのも野暮なので、この公演に全収入をつぎ込んだという涙ぐましさを胸にラスト 交際申込の結果を見守るのでした。
(線引きしないと言っておいて何だけれど、間違いなくここでのやり取りはガチ、ついでに言うならバラシに残された時間がかなり切迫しているというのも間違いなくガチ!)

舞台「the Selected World」

舞台「the Selected World」

CRUSH KITCHEN ENTERTAINMENT

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

見知らぬ密室で目覚めた12人、誰も記憶がないのに加えてジャッジメントなる謎の人物が煽ってくるものだから、そりゃもう疑心暗鬼の嵐。

最初は全員の行動、所作が気になって観ている方も忙しく(これもまた楽し、ではあるが)徐々に個々へとフォーカスがあたっていく
腹の探り合いから自身の不安へと変わっていく熱演。
緊迫の空気感と、キラキラ系公演特有の甘い空気感が混ざり合って、う~んこの感じは嫌いじゃない。

場面転換なしでリアルタイムに12人全員のエピソードが紐解かれていくため、後半の駈け足感は否めなかったけれど同じ時間を共有しているライブ感が良い。
密室一部屋に閉じ込められて役者さん達は出ずっぱり。
なのでどの役者さん目当てであっても満足できる仕様。
好きな所に視線を向けられるのは観劇だけの特権だから。
賀集利樹さん(ジャッジメント役)の高みの見物感が面白い。

ネタバレBOX

閉じ込められた12人は「記憶が真っ白」という意味合いもあってか全員が白の衣装。
一人一人のデザインが細かい所まで凝っていて、とても素晴らしい。
しかし後の座席からだと、白色というのは細かいデザインが分かりにくい気がする。
後方からでもその繊細さが伝わっていたのか なんていうのは余計な心配だろうか。

ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「ダイバシティーファミリー」家族ひとりひとりの生き様、なるほどこういう意味が込められていたのですね!
家族や人間関係のちょっとほろ苦いところも丁寧に描きながら、同時にしっかり笑えるドラマ&コメディーのミックスバージョン。

誰もがそれぞれに悩みを抱えていたり、道の途中だったり
シーンひとつひとつが楽しく積み重なって、登場人物達のいろんな側面や悲喜こもごもが見えてきて
観終わった後にはこちらの活力にも繋がる充電タイプの作品でもありました。
復活公演…実は生きていたお父さんの謎や、実は逞しいお母さんの生き様…コロナのせいでお蔵入り なんて事にならなくて本当に良かった。
沢山の役者さん達のエンタメ魂が丸々ギュッと詰まっていて、演劇初心者にも優しく こちらにもお勧め。

ネタバレBOX

ざっくり大きく分けると、親近感ある色んな流れを持った「残された家族サイド」と「実は生きていたお父さん」サイド
「実は生きていたお父さん」サイドは何やら後ろめたさ感タップリだけれど、何故か惹かれるのでした(笑)
合流シーンも最高です!
あなたはエディット・ピアフを知っていますか? スペシャルライヴ

あなたはエディット・ピアフを知っていますか? スペシャルライヴ

セイガサイ

新宿シアタートップス(東京都)

2022/07/30 (土) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

同タイトル再演決定を記念してのスペシャルライブ。
馴染みのあるシャンソン曲が意外に多いという驚き。
知らない曲であっても良い感じに和訳が織り込まれて、とても入り込みやすい。

レジョン・ルイさんの歌声は若さ溢れる伸びやかさ、まるでミュージカルみたい、グイグイ刺さってきて素晴らしい。

梅垣義明さんは劇場側から「絶対 客席に降りてはダメです」と釘をさされており、残念そうな様はまるで檻の中の猛獣(笑)
トークで散々毒づいた挙句、舞台上の共演者相手に阿鼻叫喚な歌の世界を生み出していくのでした。
さすがワハハ本舗の最高兵器、恐るべしです。

主役の聖児セミョーノフさんは果実でいえば完熟頃な愛の曲を次々と歌い上げ、最終的にも濃厚にバシッと決めてくれました。
見どころ満載のライブでめっちゃ良かったです。

追憶ベイベー!

追憶ベイベー!

TOMOIKEプロデュース

駅前劇場(東京都)

2022/07/27 (水) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイムリープものとなれば、下手を打ってタイムパラドックスが起きたりしないかなんていうハラハラドキドキが付きもの。
しかし、ここまで本人の思いつき 感情のままにリープしまくられると、も~どんな影響が出てくるのか良く分からん!
もうちょっと考慮したうえでタイムリープしようよ、そう 特にそこの貴女、無茶苦茶やん(笑)
そんな荒業の展開で波風立てまくりのSFストーリー

未来から来たヒロイン1名にマドンナ2名といった中々に華やかな構成。
負け犬アラフォー画家の回生起死、仲間共々ジリ貧からの大逆転なるか!と手に汗握る物語ですが、「執念をもってやり遂げる」公演そのものから滲み出る気迫に一番心打たれてしまいました。

『The Pride』【7月23日(土)公演中止】

『The Pride』【7月23日(土)公演中止】

PLAY/GROUND Creation

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/07/23 (土) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

1958年と2008年。
テンポ良く交錯する二つの物語が相乗効果を生み出しているのは間違いなく
描かれるのはオリヴァーとフィリップとシルヴィア、3人の物語。
どちらの時代でもオリヴァーとフィリップは同性愛者
どちらの時代でもシルヴィアはこの二人との関係性が深い立ち位置にある。

同性愛は病気とみなされていた時代。
聡明さや知性、人としてのプラス要素が丸ごと“性”に飲み込まれていく様な、何とも言えない息苦しさを覚えた1958年の人間模様。

2008年にはゲイカップルという認識がある程度定着?
少なくともプライドパレードという存在が未来への道筋を示唆している様。

この戯曲が描かれてから更に14年が経っているわけで
多様性を認め合う現在、人間社会は確実に進歩している!そう強く信じたくなる公演でありました。
【side-A CASTを観劇】

明日ハレルヤ

明日ハレルヤ

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2022/07/21 (木) ~ 2022/07/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どの女優さんも各自のポジション、キャラをしっかりゲットしているのが良い。
素敵な事に自虐的な見せ方も…ベテラン俳優的な巧さとはまた違った味わい深さで難しい事は一切抜き、ダイレクトに面白い‼

「女子だけの本音のハナシ」中々にエグくはあるけれど、決して陰湿になる事もなく、むしろここまでズケズケやってくれれば、もうあっ晴れ!
大人の女性だらけ、酸いも甘いも、隠し味たっぷりの大人のコメディー
気持ち良く笑えました。

出鱈目

出鱈目

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2022/07/14 (木) ~ 2022/07/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

興味深く見入ってしまう芸術祭の舞台裏、ようやく迎えられたその日
「芸術作品」がこんなやっかいモノになってしまうとは…
戦争をテーマに優勝した絵画には正直自分も好感が持てなかった。
それには諸々理由があるのだけれど、つまりはうまい具合に(世の流れに)乗ってしまった という気もしてくる。

戦争などあってはならない。それは明白なのに、現実には起こっているという矛盾。
そこから歪みが生まれるのだと思う。
様々に社会的立場が異なる人物の、どの言動にも説得力があって というか、ありすぎて誰が、何が正解なのか分からなくなって、絶対に 正義=正解なのか、もう頭がショートしてしまいそう。
表層からは決して読み取れない人の生き様が鮮やかに演じられており、それ故に感慨深く染み入ってくる公演でした。

ことし、さいあくだった人

ことし、さいあくだった人

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この公演に関しては、人の不幸を思いっきり楽しんでしまっても良いみたい。
男と女、決して胸キュンにはさせない手腕がある意味すごい
大人の甘じょっぱいトコロをよく分かっていらっしゃる(笑)

自分が不幸に感じる事って案外自業自得な場合が多いのかも
そんな「人のふり見て我がふり直せ」的な展開が大変面白いのに加えて、役者さん達の移り行く悪(=笑)状況にマッチングした演技がとても自然で素晴らしい。
老若男女、鉄板で笑いたい人に強くお勧め!
今年、何だかついてないなぁという人にも
良い厄落としになるかもしれません。

きゃんと、すたんどみー、なう。

きゃんと、すたんどみー、なう。

やしゃご

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こんなにも後ろ髪を引かれる思いで席を立つ事になろうとは

長女が知的障害者。
今日は次女が嫁ぎ先へと引っ越していく特別な日。
親ではなく姉妹という立ち位置で
彼女がこれまでどんな気持ちを抱えて、どんな思いで実家を後にしようとしているのか見えてこないだろうか
そんな気持ちが前のめり過ぎたのかもしれない。
物事が上手く運ばないとか諸々、笑いを誘ってくるのだけれども…笑えない
(会場的には結構受けていました)

子供の頃、度々ご近所さんであろう同い年くらいの知的障害の子と母親のペアに遭遇し、すれ違う度サッと目を逸らしていた苦い思い出
あの時、せめて「こんにちは」くらい言えなかったのかと後悔の念まで蘇ってくるし
ただ、その時目を逸らして見ようとしなかったものが、クッキリとカタチを成して迫ってきたのには仰天しました。
そして意外な状況で、三女の心情がついに・・・
掴めたと思ったのだけれど、いや、もうちょっとその先を見ていたかった。

私、のはなし

私、のはなし

まばゆいみちで

オメガ東京(東京都)

2022/07/13 (水) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

綺麗な女性ではあるけれど、決して要領が良いとは言えない「私」
そんな「私」多田唯似、現在22歳の人生をダイジェストで観てきたかの様で中々に濃ゆく見応えある内容。
(表層しか見えていなければ)自分が彼女と接点があったとしても「全然恵まれている方だと思うし、そこまで悩まなくても良いんじゃない。もっと大変な人は大勢いるし」とか言ってる自分の姿が容易に想像できたりして思わず寒くなってくる。
ちゃんと励ましているつもりで
う~ん、やめてくれ寒いから。
そもそも冒頭の「綺麗な女性ではあるけれど」のくだりからなんかもういただけない。

じゃあ、今回のこの様なカタチで「私、のはなし」を聞いたうえで、彼女にどんな声掛けが出来るのか、その言葉が簡単に出てこない。
更には観終わった今、戸惑っている。
それは理解できないからではなく、逆に何を観て何を感じたかをハッキリ自覚したうえで戸惑ってしまっている。
こんな気持ちにさせてしまうのが狙い通りなのだとしたら、恐るべし…な旗揚げ公演

ネタバレBOX

兄との事は表に出る事もなく、かといって簡単に忘れられるはずもなく・・・

葬式シーンでは、まず遺影が目に入って、てっきり友人の輪湖奏くんが亡くなったのだと最初思ってしまった(これは一人何役なので仕方ないのか)
しかし何故先生が死ななければならなかったのか、いまひとつ良く分からない(あえてだろうけれど)

それ以外にもパパ活とか、結構ハードな出来事が何気に通り過ぎて行くのは、ある意味“リアル”ではあるけれど、どこか未消化な感覚が、
この未消化さが「私」の気持ちとリンクするものなのか

荒削りなようで繊細、何とも変わった感覚。
楽しそうに笑っている一面も見たかった。
今後の活動が、かなり楽しみ、期待の伸びしろ★4で
ランボルギーニに乗って

ランボルギーニに乗って

劇団鹿殺し

あうるすぽっと(東京都)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良く分からなくてもぶっ飛んでいるのがイイ、そっち系の公演かと思っていたらかなり違っていた。
ぶっ飛んでいるのはある意味違っていないけれど、しっかり揺さぶって来るナイスストーリーで真っ当に面白い!
心に巣食った闇とかショッキングな事件とか、中々のダークサイドはダークなままに、超エネルギッシュでスピーディー、妄想世界も良い感じで一緒に駆け抜けていく盛り沢山エンターテイメント。

バスケ部補欠の少年(やがて家の鉄工所が経営危機になる)とスクールカースト最底辺な少女との一風変わった友情。
一緒に事件を追っていく姿が微笑ましく、ちょっとサスペンスフルなところも良い。

観終わった後に広がるビジュアルイメージは黄色いランボルギーニ&ドライバー(もじゃもじゃ頭の)丸尾丸一郎さん、実に象徴的。

ネタバレBOX

たぶん2.5次元舞台ならバスケ試合シーンのボールはエアーになるであろうところ、本物のバスケットボールで演じられており、楽しませる事への実直さに感心。

フライヤー左に映っている怖い横顔の人、出てきた。
個人的に「緑髪の怪女」と命名、棲みつかれてしまったら…めっちゃ怖い。

押忍!更級高校応援団!

押忍!更級高校応援団!

Monkey Works

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

フライヤー表紙には反映されていないけれど、もの凄く美形の役者さんばかり。
キャラ狙いの役者さんも数人いらっしゃるが、ほぼ美形!
つまりは美男美女の面々がボケまくって思いっきり笑わかしにくるという。

応援団には、古の言い伝えがある・・・応援団が窮地に陥った時に伝説の「釈迦力」が現れると・・・ってナウシカかいっ(笑)
めっちゃ馬鹿馬鹿しくって、もう最高でした。

先日、観劇を楽しみにしていた劇団さんから直前での公演中止のお知らせがあり、これはもうどれだけ悔しかろうと想像しては落ち込み、ぽっかり穴が開いた様でしたが、そう その劇団さんのジャンルもコメディー。
逆境を乗り越えて大いに笑わかせてくれる日が絶対に来る・・・そんなふうに切り替わりました。
笑いは元気がモリモリ湧いてくる最強サプリだなぁと実感。
パワー貰えるTHE応援団(チアガールも)学園コメディーでした。

畳屋のあけび

畳屋のあけび

CROWNS

シアター代官山(東京都)

2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

良い意味で年季を感じさせる、ゆったり落ち着いた雰囲気ある劇場、まさにこの劇場にピッタリな舞台美術。
(入場時、既に舞台上はライトアップされていて、開演前の撮影はOKとの事)
物語の中では幾つもの季節が通り過ぎていくのだけれど、涼風が通り抜けて行く夏、これが一番ピッタリとくる公演。
ズカズカと入り込んでくる人の往来が妙に心地良い。

昭和30年代、戦争の傷跡、当時の社会問題も取り入れながら描かれていく様々な人間模様。
その中でも物語の軸となるのは物書きの聡一とホステスの小春。
二人が出会った当初、現実から目を背け劣等感の塊みたいだった小春に向けての「これは沁みるなぁ」と感じさせる言葉の数々。
聡一の人柄には凄く好感が持てる。
こんなにいい奴なのに…だからこそ泣けてくる。
自分が壊れていくってどれだけ怖いのだろう
病魔にあがらう姿にも彼らしさが滲み出ていて泣けてくる。
これを小春目線で入り込んだら…
若い女性客の方は大泣きしていたけれど、やっぱりなぁ、刺さるよなぁと頷けてしまう公演でありました。

NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-

NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-

『NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-』製作委員会

シアターGロッソ(東京都)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

プロジェクションマッピングで自在に彩られていく舞台美術、響く重低音、最先端の照明技術は光の洪水みたい
そこに役者さん達のキャラクター体現力が加わって完成となるSFアニメ2.5次元の世界。

逃げる者(超能力を持った兄弟)と追う者(国家保安部隊)
案外古典的なストーリーなのかと思っていたらとんでもなかった。
最近のテレビアニメはこんなに凝っているの?
スピリチュアルな世界観も相まって、結構難解なストーリーだったのには驚きました。
たぶん取りこぼしがあっただろうけれど、う~んこれはアニメの方で多少なり内容を把握していなければなぁ 仕方ないと思う。
それでも刺激的なシーンの連続、途中で躓くのじゃないかという心配など全く感じさせないのでした。

『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本も手掛けられた主宰者ご自身がアルコール依存症(お酒を断って20年だそう)という事で、なんて勇気あるカミングアウトだと思うし、それだからこそ描ける世界観だと思う。
「演技という力を借りたドキュメンタリーを観てきた」というのが正直な感想。

酒さえなければ良い人、それは充分わかるのだけれど、
彼等の頭の中には餓鬼が住んでいる・・・ホントそう見えた。

アルコール依存症には終わりがない。
それが鮮やかに伝わってくるし、家族や愛する人達の苦しみも。
「だから、そうならないで!」という強いメッセージが添えられた公演。
最近ちょっとお酒に頼り過ぎかも、そう感じている方にはマジで観に行って欲しい、本当に運命を変える公演になるかもしれないから。

ネタバレBOX

「俺はお前らとは違う」すらっとした外資系イケメン。
でもその飲み方はヤバい気がする

泥酔したお客相手に至ってスマートな立ち振る舞いのマスター。
ちょっとお客に寛容過ぎ?
それも含めてさぞかしお酒というものを知り尽くしているのだろうと思って見ていたのだけれど、まさかの訳あり、そして驚愕の姿

「アルコール依存症」の実体が次々と描かれていく衝撃。
所作の細かい所まで生々しく役者さん達すごい!
観終わった後、頭が痺れた感じになるはずだ、これは。

連結の子

連結の子

ONEOR8

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

噛みしめるほどに人の味わい深さが染みわたる公演。
前科者となった孫を迎え入れる一人暮らしのお祖父ちゃん役、高橋長英さん
温和でありながら頑固な一面もあって、そのめっちゃ人間味ある佇まいが時折自分の父親と重なってジーンとくる。

隣んちのお姑さん役、藤田弓子さん
これまた笑っちゃうくらい超絶親近感!
それでいて何とも複雑…感慨深い。
高橋さんと共に期待していた通り、というか期待以上で
他にも、キャスティングの妙というのが今作には多かったと思う。

実家に親族が集まった時の、ご近所さんが遊びに来た時の、それで、ちょっ何気に詮索してるやんっていう時の、滑稽さや煩わしさ、親しみ、どうしようもない距離感、もう色んな感情がないまぜになった人との交わり。
基本、ニンマリで観ているのだけれど、優しい顔から一瞬で鬼女に変わるからくり人形の如く、何かをきっかけに関係性が豹変するのではないかという空恐ろしさも同時に感じながら固唾を呑んで観ていたのでした。

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