満足度★★★★
小見美幸さん観たから満足
ストーリーよりアイデア重視の作品が多かったですが、トリをきっちりつとめたMrs.fictionsは、ストーリーきちんとしてました。
小見美幸さんのツンデレな感じと声が超ストライクです。
ネタバレBOX
タイタニックゴジラ《ベンチ》
小ネタをまとめて15分にした感じで「もう、初日もきちゃったし、これでやるしかない!」という完成度なのかなと思いました。
でも小ネタ面白いし、高木さんの演技はキレがあるので、また観てみたい。独り芝居でもいいので、是非やってください!
アナログスイッチ《停電の夜に魔が差して》
「停電で真っ暗な状態をどう表現するか」のアイデア凄いと思いました。
そのアイデアを違和感なく感じさせる導入もすごい。
これでストーリーがすごかったら、大変なことになっただろうと思いました。
DULL-COLORED POP《全肯定少女ゆめあ》
子供向けの話のパロディだけど、これを全力で演じられる役者さんたちが流石。
勢いあって、子供向け感動シーンはステレオタイプで遊んでると解りながらも感動してしてしまう。
ブルーベリー《Straw&Berry》
延々と続く飲み会シーンは「やってる人達は楽しい飲み会も、端から見ると痛々しいんだ」と思うだけ。
そこから展開して生着替えと「人殺しなのに?」だけで事態を把握させるのはうまい。
岩崎緑さんも佐賀モトキさんも綺麗な顔立ちなのに、劇中ではそう見えないのが、演出なのか俳優の力量なのか、すごいと思いました。
ポップンマッシュルームチキン野郎《近すぎて遠い》
「なるほど」というオチ。加藤慎吾さんのオカマきれいで惚れました。
Mrs.fictions《ミセスフィクションズの祭りのあと》
小見美幸さんいいですよね。中嶋さんの作・演出にすごくはまる気がします。小見さん演じるサビは岡野さん演じるママのことを好きですよね。その辺のツンデレっぷりがツボでした。
ストーリーもしっかりしてて、普通に考えると15分では語りきれない内容を、きちんと語っていて、さすが主催と思いました。
今回のMrs.fictions以外の5作は、アイデア先行でストーリーが付いてきてなく物足りないとところもあったんですが、最後にMrs.fictionsみて納得して帰りました。
満足度★★
「金返せ!」とは言わないが
かなり微妙だと思いました。
ネタバレBOX
2015年と1995年を一つの舞台で同時多発で進行して、1995年に芸能に関わって辞めた人や続けた人を2015年で描いて、主人公は母娘で娘のほうは1995年と2015年の二役で、それでオリンピック絡めて日本の今後のことも描いてというアイデアを集めて作られた劇なんだなと思いました。
そのアイデアを生煮えのままドカンとぶつけられたので「人気劇団でもこんな芝居作るんだ」と驚きました。脚本の草稿段階を観せられた印象でした。
終わりの方で軍靴の音が響くシーンがありますが「そんなこと劇の中のどこかで言ってたかな?」と思いました。
未来人も二人出てきますが、どうして出てきたのかは解りませんでした。
前半の会話では「ここで笑いを取りたいのかな?」といういくつかが滑ってた気がしましたが、岡田あがささんが名前あてを初めて「言うなっつってんだろ」あたりから笑いが起きるようになって良かったです。
二役を演じた相楽樹さんは可愛かったです。津留崎夏子さん演じる夏木さんが魅力的なキャラクターで、現実にこんな人がいたら知り合いになりたいと思いました。
何か言いたいことがあるのかないのかも解らない劇でした。とんがってて毒みたいのを食らわされたなら「金返せ!」と言えてなんか肥やしになっていいんですが、毒にも薬にもならない感じで「金返せ!」と言うまでの衝動が湧きませんでした。
満足度★★★★
佳作ぞろいで面白い
15分だからネタ勝負になってて、どれも面白かったです。
ネタバレBOX
Mrs.fictions《ミセスフィクションズの祭りの準備》
話としてはいま一つで、岡野さんの演技力でもってる感じでしたが、ラストにキレがありました。
「煙草の火がどうやってダイナマイトに着火すんのかなあ、もしかするとスルーで着火しないのかなあ」と思って観てたんですが、忌村が意識的に着火させるとは思いませんでした。
「忌村はどうして火を投げたんだろう?」と考える間もなく暗転で、余韻が残りました。
冒頭のタイトルバックまでに持ってくシーケンスと、オバQ音頭で「窓しめてくんない」も良かったです。
20歳の国《消えないで、ミラーボール》
斉藤マッチュうまい。斉藤マッチュと絡んでるときの湯口光穂さんは、他の三人と絡んでるときよりうまく見えます。あと兎洞大さんはカッコイイ。強豪チームのキャプテンという見た目と、それを裏切らない声がいい。
シチュエーションが、結婚式と思わせて実は葬式なんじゃないか、それだと一気に辛い話じゃないかとドキドキしてたけど、普通に結婚式だったのでほっとしました。
《花園Z》でも思ったけど、竜史さんは青春のノスタルジーを描くのがうまい。全部語るわけではなくて「わかる、わかる」と観るほうが埋める部分を残してます。この劇もglobeの熱唱で、なぜか納得して終わります。
「シュート決めたら言うよ」が入ってくるタイミングが良かったです。
MU《HNG》
コントだね。面白かったです。
途中の「お兄ちゃん!」で、シナリオに煮詰まったかのようなやっつけ設定がキター!と思って、それでも面白く観てて、ラストの「HNG!」で「ここまでヤッツケにやるんだ!」と思っておかしかったです。
観たあとに余韻を感じて考えるというタイプの劇ではないけど、単純に面白さを求めてくならいい劇だなあと思いました。
井上沙英さんの「わたしはして欲しいんだけど」あたりの演技すきでした。実生活で、井上さんみたいな人から言われたい。
第27班《夏の灯り》
最後の最後に、サヤカの眼が見えないことが解る工夫だけど、「で?」と思いました。
深い部分で通じあっているトモキとサヤカ。でもサヤカはカズマとデートがしたくてとうシチュエーションで押し切って良かったのではと思いました。
三つ子のギミックは面白かったです。特に途中、せっかく屋台を替えたのにただ一瞬走り過ぎちゃうところとか。
ジエン社《私たちの考えた墓に入る日の前日のこと》
何だか訳が解らない。観てる方の理解力に問題があるのではなくて、作ってる方もやりたいことをやり切れてないんだろうなと思いました。頭でっかちな感じがしました。
でも面白かったです。同時多発を使いながら違う時系列の台詞を一回で済ませたり、あの世とこの世が複雑に絡んでたり。東京と地方の話とか、3.11の話とかも入ってるんだろうなあと思いました。
ジエン社は次回公演の予定がまだないということでしたが、是非やってください。観に行きます。
シンクロ少女《性的人間 あるいは (鞭がもたらす予期せぬ奇跡)》
耽美の話になると役者さんも大変だなと思いました。耽美な世界の経験なんてまずないだろうし。ラストの作家が一心不乱にキーボードを叩くあたりは好きでした。
この劇の作者は、寝取られた経験を劇にしたことがあるのかなと観てて思いました。思い出すのも辛いんだけど、書くしかない。そういうデーモンに囚われたことがある人が書いてるのかなと思いました。