byassistの観てきた!クチコミ一覧

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【 HAMLET be 】

【 HAMLET be 】

ヨハクノート

王子スタジオ1(東京都)

2017/11/03 (金) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/11/04 (土)

4日ソワレ(80分)を拝見。

ネタバレBOX

主役ハムレットを誰も演じず、周囲の人物達のやり取りだけで人物像を造形していく、という、視座をズラした「ハムレット」の解釈には好感。
本来、脇役である、他の登場人物たちの心理もよく浮き上がらせていたと感じた。

また、演出上の遊びの部分も含めて、何処か学内公演を観ているような気分がして、懐かしく思われたのは、早稲田祭の時期と重なったせいかなぁと。

あと…シアターミラクルでの劇王以来となるが、堀紗織さんは引力の強い役者さんだと再認識。
音楽劇 ハムレット

音楽劇 ハムレット

鮭スペアレ

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/10/31 (火) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/03 (金)

3日のソワレ(75分)を拝見。

ネタバレBOX

個人的に演出の意図を図りかねた場面(ラストの防護服姿の人物、登場シーン)

劇団さんには何の責任も無いのですが、今現在、世間を騒がせてるアノ事件を想起させる場面(墓場から人骨を放り出すシーン)

に条件反射的に眉をひそめることもあったとはいえ、王妃ガーツルード(ハムレットの実母)役の上埜すみれさん(☜この方目当てで観に来ました)等、白子に黒子の衣装の役者さん達と、ヴァイオリン・コントラバス・尺八・パーカッションの生演奏での劇伴とで織りなす、(観劇後の感想では「能」とおっしゃる方が多かったのですが)太郎冠者・次郎冠者テイストの「狂言」的魅せ方の75分、総じて愉しめました。

最後に上掲の上埜さん以外の配役を紹介しておきます。
ハムレット…中込遊里さん(☜鮭スペアレの主宰さんです)
ホレーショー(ハムレットの親友)…清水いつ鹿さん
オーフィーリヤ(ハムレットの恋人)…宮川麻理子さん
王クローディヤス(ハムレットの実父の弟)…水上亜弓さん
ポローニヤス(オーフィーリヤの父)&レーヤーチーズ(オーフィーリヤの兄)…鈴木陽代さん
旅役者…林周一さん、塚田次実さん
間の女

間の女

めがね堂

RAFT(東京都)

2017/10/31 (火) ~ 2017/11/01 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/31 (火)

10月31日、ハロウィンの夜に拝見(55分)。

ネタバレBOX

永井久喜さん。
デフォルトの、きょとんとした表情と、柔らかいメゾソプラノの声が、自分には大層印象深かったみたいで、今年2月の所属劇団さんでの舞台以降、彼女の出演舞台、拝見するのは、これで4作品目となります。

さて、そんな彼女が演じるのは

生まれて初めて男性に誘われて、彼の部屋を訪れる若い女A
男性の部屋に後からやって来た若い女B
江戸川乱歩の小説『お勢登場』の格太郎&お勢

の4役。

まず、永井さんは我が事として、男の部屋に行くまでの、女性Aの戸惑いぶりを、それはもうコミカルに語り始めます。
やがて男の部屋に入り、いいムードになりかけた矢先…
玄関からブザーの音! 予期せぬ来訪者?! …男は有無を言わさず女Aをクローゼットに押し込みます。

急に鳴り出した大音響の音楽にかき消されながらも、クローゼットの扉の向こうから微かに漏れ聞こえてくる、男と、後から部屋に入って来た女Bのやり取り…
女Aは、昔、読んだ江戸川乱歩の『お勢登場』の主人公・格太郎と、我が身が置かれた境遇を重ねます。

子供とのかくれんぼで長持ちに隠れた格太郎。しかし、何かの拍子に長持ちの蓋の金具がかかり、永らく患っていた格太郎のチカラでは、内から長持ちの蓋を押し開けることが出来ず…不意に蓋が開いて、自分の顔を覗き込む人影が! 夫の病床を良いことに、
浮気相手のもとに通い続けている、不肖の妻・お勢だったとはいえ、たとえ誰であろうと、助かった!と安堵する格太郎。が、何を思ったか、お勢はいきなり長持ちの蓋を閉め…

語り手の心理は、格太郎からお勢へ、さらには、クローゼットの扉の向こうにいる女Bへと移っていきます。

どちらかというと「ほのぼの系」な雰囲気の永井さんが語り手なため、結末が自明の『お勢登場』はさておき、とりわけ、クローゼットの扉を開けた女Aの目に飛び込んできた光景

彼女が手料理を披露するために持参した庖丁を使って、女Bは浮気した男と刺し違え、辺りは血の海!

という壮絶なラストが全く予測できず、オチの切れ味が一層増したかのように感じられました。

それから、地の文を語る永井さんの穏やかな声のトーン。
抑え目な照明の効果も合わせて、秋の夜長、枕元で文庫本をひもといているような心地に導いてくれました。

期待した通りの、良い宵の時を過ごさせてくれた、永井久喜さんに感謝です。
ネコガミロックンロール

ネコガミロックンロール

劇団SUBUTA!

キーノートシアター(東京都)

2017/10/28 (土) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/29 (日)

劇団SUBUTA!さんの公演、受付の段階から作品自体に至るまで、作り手や役者さん達の誠実さが伝わって来る、ハンドメイドな雰囲気のコメディには、大変、好感が持てた。
ただ、90分でやるのならともかく、120分かけるには、笑いなりエピソードの要素が不足気味で、途中の展開が少し冗漫に感じた。どんな客層を狙っているのかにもよるんだろうが、ノリで押し切るギャグと美少女キャラ以外にも、セールスポイントが欲しいなぁと。

岸田國士作「かんしゃく玉」

岸田國士作「かんしゃく玉」

演劇集団アクト青山

演劇集団アクト青山・烏山スタジオ(東京都)

2017/10/27 (金) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/27 (金)

27日19時の回を拝見(60分)。
岸田國士の同作品を、異なる演出・配役で観せる2本立ては、素人のワタシにとっては、決して堅苦しくない・五感を刺激される、演劇の講義を受けた気分で、予想を超えて愉しめた。
これからも、たまには、今回同様、同じ食材を和食と洋食の別々の調理法で観客に供するような試み、開催して欲しいなと思う。

しゃぼん玉の欠片を眺めて

しゃぼん玉の欠片を眺めて

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/10/25 (水) ~ 2017/11/07 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/26 (木)

26日ソワレを拝見(110分)。

ネタバレBOX

妻に先立たれて、さほど月日の経っていない、独り暮らしの正代幸生が主人公の本作。
「誰が親の面倒をみるのか(←仕事があって、なかなか…)」
「早く施設に入所して欲しい(←万が一、何かあっても、最悪、孤独死だけは避けられる…)」
かって幸生の子供たちと同じ立場に置かれた者には、彼らが交わすセリフの一つ一つに、胸の疼きを覚えました。上演中にも関わらず、ふと亡父との最期の日々が蘇りました。世間体なんぞに囚われず、幸生と同じく、かって家族が苦楽を共にしていた実家の家で、独り暮らしだった亡父の「孤高を貫く自由」ひいては「野垂れ死ぬ自由」もっと尊重してあげればよかった…胸の疼きが痛みに変わりました。110分の上演時間のかなりの部分、居たたまれない思いに苛まれました。

役者陣。
正代幸生役の、ベテラン・三田村周三さんには、途中から、亡父の面影が重なりました。涙腺にかなり、来ました。
そんな幸生と接するうちに、同じく妻に先立たれた自身の父親のことに思いがいくようになる、幸生の家に出入りするハウスクリーニング会社の社長の一人娘・真理。演じる永田涼香さんの佇まいが「役者さん」でなく、ごく普通のお嬢さんのそれに感じられ、観劇中、いや観劇後もしばらくの間、しみじみとした共感が尾を引きました。
そして、幸生の子に孫を演じられた役者さん達に関しては…上述の通り、経験者には、あまりにナマナマし過ぎて…(以下、自粛)。

最後に、自分の記録用に「配役」を記載しておきます。
正代幸生…三田村周三さん
幸生の亡妻の幻影?(若い頃の姿)…山本由奈さん
ハウスクリーニング会社・社長の一人娘・真理…永田涼香さん
同会社の社長・夏雄…内谷正文さん
同会社・従業員(真理の恋人)…小林大輔さん
同会社・従業員(無名のアクション俳優)…モリタモリオさん
同会社・従業員(妊娠中のシングルマザー)…徳永梓さん
同会社・従業員(夏雄のかっての恩師)…丸尾聡さん
幸生の長女・文子…小林あやさん
文子の娘…柑咲まいさん
幸生の長男・文義…宇鉄菊三さん
文義の妻…上田尋さん
文義の息子…三浦拓也さん
幸生の次女・文代…ムラナカユカさん
喫茶店の店員、施設の職員…大内彩加さん
Maria

Maria

牡丹茶房

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/22 (日)

22日マチネ(2時間15分)を拝見。

ネタバレBOX

ヒロイン百子と、彼女の内心の仮託であろう、飼い猫マリアや茜との対話のシーンを核に、百子が招き寄せた運命に弄ばれる、彼女を初めとする登場人物たちの様相…かなり味つけの濃い作品です。

しかし、胃もたれ、しませんでした。

下手をすれば「劇画調」になりがちなストーリーに、「リアル」を保ち続けてくれたのは、沈ゆうこさん(百子役)、奥野亮子さん(飼い猫のマリア役)、赤猫座ちこさん(茜役)のお三方はもちろんのこと、演技陣の力量によるところが大きかったと思われます。

それから舞台セット。
茜の死体が横たわるバスタブを中心に据え、舞台の上段・下段、上手(かみて)・下手(しもて)で何があっても、最後には茜のいるバスタブに戻っていく…ストーリーの進行において、実に「機能的」な配置でした。

という訳で、台風も何のその! 観に行ってヨカッタ! な作品でした、とさ♪

【追記】
自分の記録用でもあるんですが、好演の役者陣に敬意を表して、上記で触れられなかった配役に関しても記しておきます。

一見常識人にみえるバンドマン伊織…岸田大地さん
感情の起伏の激しいバンドマン成吾…田中健介さん
百子の恋人である劇団主宰…ホリユウキさん
劇団員(無意識な小悪魔?!)…小畑はづきさん 
百子の父親・治…藤田雄気さん
治の婚約者…加藤なぎささん
茜とバンドマン達のマネージャー…野村亮太さん
茜のストーカー的ファン…榊原美鳳さん
ドラマ制作のプロデューサー…萩原達郎さん
ドラマ制作の監督…小島明之さん
百子を指名する風俗店の客…山田健太郎さん
猫好きだが得体のしれない、アパートの隣人…浅見臣樹さん
ベチャロンドン

ベチャロンドン

くによし組

中野スタジオあくとれ(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/20 (金)

20日ソワレの回を拝見。
独特の空気感にけむに巻かれ・クスクスさせられながらも、いつの間にか、登場人物達(ワコ、ニコ、ハノ)に感情移入している自分に気づいた90分でした。

それから「ベチャロンドン」とは? そして村人たちと、外部から流れて来たよそ者たちとのやり取り、何かの現実への比喩?にも受け取られましたが…そこまで深読みするのは、うがち過ぎなんかなぁ。

精神を病んでしまった少女の話

精神を病んでしまった少女の話

兎団

荻窪小劇場(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★

18日夜、そして、都合により?! 19日夜の2回拝見(115分)。

ネタバレBOX

まず何よりも先に言いたいのは、劇中、どころか開演前にも耳に飛び込んで来る、1993~2005のヒット曲の数々。当時、主人公の田村クン(演・長江信二さん)よりはずっと年上の社会人だったが、あの頃の悪戦苦闘ぶり(汗)が蘇ってきて、理屈抜きに懐かしかった。
それと、劇中、田村クンと千鶴さん(谷川史緒さん)との会話シーンでしばしば話題に上った、仙台七夕の前夜祭にあたる花火大会。仙台は何度か訪れたものの、花火を見られる唯一の機会が雨天中止…あの時季の仙台、ホテルがなかなか取れないだろうけど、また行ってみたいなぁ、と(文字通り、遠い目)。

…といった、極めて個人的な感慨はさておき。

今回、舞台上のユーティリティプレーヤー「MOVE」の演出が、何作か拝見してきた兎団さんの作品のうち、今迄で一番、ストーリーに馴染んでいたように思われます。
作品によっては「癖が強いなぁ」と引いてしまうこともあった、MOVEの「内面の声」的な役割。今回に関しては、田村クンを表現するうえでの最善手かな、とさえ感じられました。
その効果もあってか、長江信二さん、谷川史緒さんの、過剰に感情を爆発させるでもなく、淡々と進んでいくやり取りが、従来作以上にじんわりと、こちらの感情にも響いて来たのかな、と。

最後にまた個人的な感慨ですけど(苦笑)、大学生たちのモラトリアムな気分、よく描かれていたと感心しました。田村クンと同じく、留年して就職した者の目からしても(苦笑)。
しあわせの砂時計

しあわせの砂時計

とろろ企画

サブテレニアン(東京都)

2017/10/14 (土) ~ 2017/10/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/15 (日)

15日マチネ(75分)を拝見。

ネタバレBOX

3篇の短編をつないだオムニバス形式。

第一話『抜けた』。
最後になって、クラスメイトのみか(演・多岐さん)を監禁していること、その監禁の理由を、夏(サガワアンさん)が説明ゼリフで観客に伝えるのだが、出逢いから監禁までの経緯を簡略化し過ぎで、行動を裏付ける説得力に欠けるように思われた。

第二話『胸の奥』。
実際に友人関係にある、菜月役の杏奈さん、くみ役の出口昌美さんの息はピッタシ。ただ、菜月が感情を爆発させる場面で、気持ちなら負けないはずのくみが棒立ちになっているのは頂けなかった。脚本上、セリフの応酬にするシーンだったのでは?

第三話『頂戴致します』。
突っ込み役の凛(羽倉望美さん)とウケ役の鈴(橙田かすみさん)との関係性、3話中で一番バランスが取れていたし、ストーリーとしてのまとまりも良かった。
ただし、この話を「百合」とするのは、怒り出すヒトも出てくるんじゃないかなぁと。

あと、3話通しての登場人物(☜恐らく難役! 演・阿久津千尋さん)の役割が、最後までわからなかったことも追記しておきたい。

個人的には「おどろおどろしい愛憎ドラマ」が苦手なヒトなんだが、本作に関しては、各ペアの人間関係の描き方があまりにもライト過ぎて、炭酸の抜けた三ツ矢サイダーな印象がぬぐえなかった。
さらに言うと、阿久津千尋さん、杏奈さんのお二方、彼女たちのポテンシャルをもっと引き出す起用の仕方もあったのではと、舞台を観ていて、勿体なく思えた。
「ポセイドンの牙」Version蛤

「ポセイドンの牙」Version蛤

メディアミックス・ジャパン

紀伊國屋ホール(東京都)

2017/10/13 (金) ~ 2017/10/21 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/14 (土)

14日ソワレ(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

伊藤靖朗さんの作・演といえば、個人的には、主宰団体・地下空港の『赤い竜と土の旅人』のイメージが強烈で、今回も…と思っていたところ、TLに流れて来る感想ツイートから、作品のテイストを知り、慌てて軌道修正。さらに、初日をご覧になられた方々の評価も賛否両論なため、半ば、おっかなびっくりな心持ちでの観劇と相成りました。

さて、開演前からの、客席側に入っての客いじりに始まって、白にカラーリングを統一したオブジェ群を天井から吊るし、場面に応じて大きく上下動させる演出。生真面目な方は顔をしかめそうだが、思春期の男の子らしい、罪のない下ネタ話の多用。舞台のみならず、客席通路も活用したライブ感の創出。
これって、遠い昔、ちょくちょく体験していたような気が…。
往年の劇場公開バラエティ番組『8時だョ!全員集合』の手法だぁ!…と昭和生まれのオッサン、はたと膝を叩いたのでした。

という訳で、(勝手にそう決めつけますが)ドリフの全員集合な手法で魅せる、ファンタジー冒険活劇な本作、懐かしさ半分・ワクワク半分といった調子で拝見させて頂きました。主観的には、大層、手が合いました♪

役者陣。「スイサンズ」の役者さん達のセリフに若干聞き取りづらさを感じた以外は、ほぼ満足な出来かなと。
なお、セリフの聞き取りやすさで追記すれば、タカラヅカ出身の愛原実花さんを初めとする女優陣に、キャラメルボックスの岡田達也さんの、客席も含めた、会場のどこにいても明瞭に聞こえて来るセリフ回しは流石だなぁと感心させられました。
3hearts 3/3

3hearts 3/3

劇団C2

高田馬場ラビネスト(東京都)

2017/10/10 (火) ~ 2017/10/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/11 (水)

11日の●チームの回を拝見(110分)。

ネタバレBOX

主人公3人?の設定。結構、チカラ技な理屈ながらも、ウマいアイデアだと感心。
話の展開も、ドタバタで散々笑わせておいて、最後にはホロッとさせる、王道ワンシチュエーションコメディ…で終わらずに、もうひとひねりの4人目登場! 予想した以上に愉しめました。

あと、役者陣に関しては、主役お三方(近江翔悟さん、松山コウさん、西村優さん)は勿論のこと、個人的には、他の舞台でも拝見したことのある、坪和あさ美さん、田中優さんの演技が印象的でした。
ぼうぼう

ぼうぼう

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2017/10/09 (月) ~ 2017/10/11 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/09 (月)

9日19時半~の回(90分)を拝見。

ネタバレBOX

開演前から続く女子高生たちの他愛のない会話や歌やダンスに気を取られ、ロンドン(演・裏表おりがみさん)の「耳なし芳一」メイクとかの伏線…悉く見逃していました(恥)。
ただ、負け惜しみ?!なんですが、全く伏線に気づかなかったおかげで、最後の最後で「こう来るのかぁ!」という急展開の結末には思わずグッと来ました。
(ニュアンスはやや異なる言い回しかもしれませんが)面白うて・やがて哀しき90分は、同じ題材を扱っていても、ただ「可哀想だ」「悲惨だ」と繰り返すばかりの芝居より数十倍も胸に応えました。

最後に、やまだ達のように、まだこれからの人生を東日本大震災で中断させられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
カーテン

カーテン

日本のラジオ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/09/30 (土) ~ 2017/10/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/09 (月)

9日14時、千穐楽の回を拝見。

ネタバレBOX

戻り夏のような強い陽射しだった、10月9日・体育の日のお昼時。
三鷹の駅からトボトボと、太宰治先生や森鴎外先生の眠る禅林寺のご近所、星のホールまで足を運んで、昨年4月の『ゼロゼロゼロ』以来となる、日本のラジオさんの舞台、観て来ました。

さて、会場に入ってみると、本来、広いはずのスペースの四方が、文字通り、カーテンで仕切られて、閉塞的な空間に。
さらに開演の幕が…いや、カーテンが開くと、舞台上には「客席」が設けられ、リアルな客席と対峙する形に!
後から皆さんの感想ツイートに目を通すと、これには驚かれた(≒作者の術中にはまった)方、多かったようです。
ただ、個人的には、昨年10月、新国立劇場(☜ホンモノ!)で拝見した、米国の古びた映画館を舞台にした『フリック』で、舞台上に映画館の「客席」を設けて、リアルの客席と対峙、というのを経験済みだったもんで、さすがに意表を突かれるようなことはなかったんです。
ですけど、いざ芝居が始まってみると…

舞台である「客席」のそこかしこで散発的に始まる、セリフのやり取りから伝わる、人質たちの心理とか

(もちろん人質の監視や警戒のためではあるのだが)どこか落ち着かない様子で「客席」を歩き回る、テロリスト?!達の内面とか

日本のラジオさんの特色らしい、感心するほど綿密に、人物紹介から事件の顛末まで!記載された当日パンフ、開演前に目を通した観客ならば、肌感覚で感じ取れるはずの、忍び寄る運命の瞬間への、そこはかとない緊迫感、ピリピリと伝わって来ました。

派手な劇伴(BGM)も・煽るような照明も、一切の虚飾を排した芝居です。
ですが、これほど強烈に、非日常な空気感に痺れたのは、初めての経験でした。


【追記】
今回の観劇の動機の一つだったんですが、NICE STALKERさんの舞台以外で観てみたかった藤本紗也香さんが、やっぱり藤本紗也香さんであったのが、何気に微笑ましく感じられました。この方の佇まい…すっきやなぁ~♪
哀しい夢すら、忘れてしまう

哀しい夢すら、忘れてしまう

sleepwalk [スリープウォーク]

APOCシアター(東京都)

2017/10/04 (水) ~ 2017/10/10 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/05 (木)

5日ソワレ(85分)を拝見。

ネタバレBOX

2013年12月の十周年記念公演『Romantic Love?』以来、劇団競泳水着さんの舞台を拝見している身にはすっかりお馴染みの、上野流・現代のおとぎ話だが、今回もまた、コロリとストーリーの世界に引き込まれてしまった。
これって、もちろん、巧みな作劇によるものではあるが、同時に「上野組」とでも呼ぶべき役者陣の貢献も大かなと。
確か、お一方除いて、上野作品の過去出演者で固めたキャスティング故、作品のテイストを体現した役者さん達の演技に、「現実なら、そんな綺麗事で済むわきゃねえジャン!」的なイチャモンも付け入る隙も無しでした(笑)

さて、その役者陣。
上野作品必須のキャラ「何故か誰からも恨みを買わない不倫男」である、倉田大輔さん演じるところの俊和は、ああ、確かにこんな人物ならばと、「何故?」の理由、観ていて何となく納得させられた、かなぁ(苦笑)。
それから、倉田さんの他には、恐らく自分にとっては初見であろう、ぎぃ子さん、佐藤蕗子さんのお二方が印象に残った。
変な子ちゃん

変な子ちゃん

kazakami

スタジオ空洞(東京都)

2017/09/27 (水) ~ 2017/10/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/01 (日)

10月1日千穐楽の舞台を拝見。

ネタバレBOX

奏絵(依田玲奈さん)と彩歌(河村杏里さん)との交流を軸に
引きこもりの義春(中野貴啓さん)と弟・春真(外桂士朗さん)
義春と女子高生・明(津嘉山珠英さん…あっ!冗談だからね。で観た方だぁ!)
春真と奏絵
妹の奏絵とかっての教え子・明を見守り続ける(しかない?)樹(瀬川圭介さん)…
各々の変わりゆく生き方・それでも変わらぬ想いを描いた140分は、彩歌のアコースティックギターでの弾き語りを基調に、実に丁寧に話を運んでいきます。
ラストシーン…恐らくは大方の観客の予想通りの「着地点」でしたが、間違いなく全ての観客が納得する「到達点」であり、明日への「出発点」だったと思われます。
自分はと言えば…どこか懐かしささえ覚えるテイストのストーリーに、胸打たれる思いでした。

最後にひとこと。依田玲奈は凄い!
猫の失踪

猫の失踪

創作ユニット タマニ

中野スタジオあくとれ(東京都)

2017/09/28 (木) ~ 2017/10/01 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/10/01 (日)

他者への過干渉・攻撃性…自己防衛の裏返しのような、相手の神経を逆撫でる・ワンウェイなコトバの投げかけが延々と続く130分。
性別・年齢に関わらず、性格的に同類型の人物ばかりで出て来るので、自分には、途中から、話の運びが単調に感じられた。
あの生硬なセリフの羅列、目を閉じて聴いてみたら、登場人物の区別がつかなくなるんじゃないのかなぁ。

役者陣は、澤原剛生さんを初め、皆さん、脚本の意図に沿った堅実な演技。なお、個人的には、登場人物中、最も神経を逆撫でさせられた⁉︎浦田有さんが印象に残った(☜注.褒めてます!)

キャバレバー

キャバレバー

轟β一座

OFF OFFシアター(東京都)

2017/09/27 (水) ~ 2017/10/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/09/27 (水)

27日・正真正銘の公開ゲネプロ(100分)を拝見。

ネタバレBOX

ヒロイン・雷座峯理(岩倉真彩: いわくらまあやさん)
レバークラブのボーイ、J・ディーン・フジオカ(真坂雅:まさかみやびさん)
伊豆姉妹・姉(川原真衣さん)
伊豆姉妹・妹(金城色:きんじょういろさん)
エリート女優・歌手の竹たか子(田中祐理子さん)
レバークラブの人形、他(辻真梨乃さん)
レバークラブのオーナーママ、長女・渡邊ミーサ(中村真季子さん)
洋食「雪村」主人&ミュージカルスター、次女・渡邊いづみ(annaさん)
「300食堂」女将他、三女・渡邊江利々(轟もよ子さん)
レバークラブの常連客の大金持ち、幕士ミリアン・ギンズバーグ(生野和人さん)
MC・語り部・道化のM子(βさん)
…と書き連ねた配役でも察せられるように、古典的ミュージカルや、昭和の歌謡界等をパロった「軽演劇」です。

実際、観てみると、予想した以上に丁寧に作り込まれた「オペレッタ」は、昭和生まれのオッサンに、懐かしさと温かみと親しみと「過激」な下品さをもって、グイグイと迫っていました。

クセのある作品なので、万人向けかは首をかしげざるを得ないのですが、少なくとも、小劇場演劇好き、古典的ミュージカル好きな方には、お勧めかなぁ、と思います。
皇宮陰陽師アノハ

皇宮陰陽師アノハ

レティクル東京座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/09/27 (水) ~ 2017/10/02 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/09/28 (木)

28日ソワレ、team白の初日の回(130分)を拝見。

ネタバレBOX

『アイドル♂怪盗レオノワール』の時と同様、前列の席での観劇だったが、唯一、危惧していた、登場人物紹介時に流れる楽曲の大音響も、今回は程良いボリュームだったので、まずは安堵。

話の展開のテンポ、独特な衣装・メイク、シーン毎のミザンスというか絵づくりの巧みさ、などは相変わらず抜群の冴え。個人的には、ストーリーを追うというよりも、場面・場面での出演者の「役者ぶり」を愛でる、鑑賞の仕方をさせてもらったが、レティクル東京座=「平成の歌舞伎スタイル」だと(独り合点だが)改めて思った。

最後に、他の舞台で認識した、池上明杜(いけがみ・あきと)さん、三森あかねさん、長友美聡さんといった客演陣が、レティクル東京座の、あの世界観の住人として、舞台の上で生きてる姿を観て、感慨深いものを覚えた。
レインメーカー

レインメーカー

劇団ショウダウン

南大塚ホール(東京都)

2017/09/23 (土) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/09/23 (土)

23日ソワレの舞台(1時間45分)を拝見。

ネタバレBOX

まず舞台に触れる前に…当日パンフ掲載の、食いしん坊のスヴィ(演・竹内敦子さん)画伯?の「絵」。
登場人物の紹介だけにとどまらず、ものがたり世界のイメージをよく伝えていて、さらに観劇後に改めて目にすると、より一層、味わい深いものがありました。スマッシュヒットだと思います。

さて、本題。
ファンタジー&アドベンチャーの1時間45分の舞台は、「オトナ」の世界の入り口に否応なく立たされた、「こども」というよりも「少年・少女」達の不安や戸惑い、そして友情・勇気などの心境が、とてもとても温かな視点で描かれていていました。
もし可能であれば、中学の講堂とかで、登場人物とまさに同年代の生徒さん達に観てもらいたいなぁ、とは、観劇後、真っ先に抱いた感想です。

それから、劇団ショウダウンさんと言えば、それが魅力ではあるんですが、これまで「林遊眠さんのワンパースンチーム」という印象が強かったんです。
しかし、今宵の舞台、ストーリー自体の色彩もあってか、林さんも含めた劇団員さんと、客演の役者さん達がチカラを合わせた、カンパニーとしての輝きを放っていました。
『パイドパイパー』(2015年9月東京公演)での、関西演劇界の精鋭達の凛々しい気負いとも異なる、今回の演じ手達から伝わって来る、冬の朝のお布団の温もりのような連帯感…とても好ましいものに思われました、とさ♪

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