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瞑目のパノラマ

瞑目のパノラマ

ヒノカサの虜

王子小劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/28 (水)

28日ソワレ、初日の舞台(2時間25分)を拝見。

ネタバレBOX

「雨戸」とネオシーダーが大活躍の作品は、難解ではないものの、ストーリーも登場人物の相関も2時間25分でないと語り尽くせない程の複雑さで、腰痛持ちの当方、折り畳み椅子での長尺は、さすがに最後の方で危うく我が身が瞑目(めいもく)しかかったw
とはいえ、話の運びはテンポよく、「成人バグ編」「少年バグ編」間のスイッチも円滑、チカラの入ったセットに、不自然さを感じさせない程度に熱演の演技陣…と、まるでハリウッドのハードなSF映画を観ているような気分だった。

その演技陣では、成人バグ役のりんたろうさん、少年バグ役の大滝菜々美さんはもちろんのこと、個人的には、先月の『モンストロ・メモリ』で演じていたアンドロイド・倉木戸亜衣役のイメージが重なった永田紗茅さんがとても印象に残った。

最後に配役を記しておく。

成年バグ(スター的立場のイアナニス社・疑似戦兵士)…りんたろうさん
少年バグ…(ヒョオル軍のルーキー兵士)大滝菜々美さん
ジャンヌ(ヒ軍での少年バグの相棒、憧れのヒトだったが…)…永田紗茅さん

アルベラ(元・ヒ軍の兵士。現・イ社の疑似兵士で内通者)…村上千里さん
ピューマ(元・ヒ軍の兵士。今はシフ教徒)…岸田大地さん
カンジヤ(元・ヒ軍の兵士。今はイ社の開発部長)…三島祐亮さん
タイヨウ(元・ヒ軍の兵士でジャンヌの彼氏。今はイ社のトップで裏で非道な行為を…)
…函波窓さん(自ら熱演の作・演)
ミツメ(ヒ軍の兵士)/三ツ長芽生(ライター関の助手)…今治ゆかさん
メーブ(イ社のオペレーター)/二元楓(ヒ軍)…堀江鈴さん
ジェニー(イ社のルーキー疑似兵士。だが実は誘拐されてきた…)…永橋洲さん

関岩樹(元・戦場カメラマン。今はルポライター)…小西耕一さん
久井砂羽鳥(元・ヒ軍。今はイ社の広報)…加藤なぎささん
値玉雄(イ社のエンジニア)…福山雄太さん

中津島伊織(元・ブラックチーター。現・シフ教徒)…寺田結美さん
山彦絵美(ブラックチーター)…須田彩花さん

夢見太ママ(アイドル)…冨樫結菜さん
小貝手優(マネージャー)…皆上匠さん

アテナ(世界をつかさどる存在?)…日野あかりさん
クラッシュ・ワルツ

クラッシュ・ワルツ

親泊企画

Gフォース アトリエ(東京都)

2018/11/22 (木) ~ 2018/11/28 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/25 (日)

25日18時開演のAチーム回を拝見(80分)。

ネタバレBOX

3年前、交通事故があった交差点が窓から見える部屋に住む、子供のいない夫婦

毎日、交差点に花を備え続ける、交通事故の加害者である女性

交通事故で5歳のひとり息子を失ったことがきっかけか、事故の後、離婚した元・夫婦

序盤は子供のいない夫婦の軽妙なやり取りから始まるも、登場人物が舞台(部屋)に揃うにつれて、幾重にも伏せられた「真相」が明らかにされる重厚な心理劇へと。
公演中につき、詳細は伏せるが、人生というものを愛おしむ作者の思いが、しみじみと伝わってきた。
力のある演技陣の熱演もあり、終演後も永く余韻が残った80分。良い時間を過ごせました。

最後にAチームの配役を記しておく。
イガラシマリオ…親泊義朗さん
イガラシタエ…西口有華さん
ミタリョウスケ…生野和人さん
タケイチハル…角田佳代さん
クドウリツコ…赤崎貴子さん
センチメンタル・ジャーニーズ

センチメンタル・ジャーニーズ

guizillen

サンモールスタジオ(東京都)

2018/11/22 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/24 (土)

24日ソワレ、B(アドバンス版)を拝見。

数年来、気になってはいたが、なかなか伺う機会に恵まれなかったguizillenさんの舞台、漸く観ることができた。
パワーあるなぁ・グイグイ来るなぁ…
前説から客席を沸かせていた、上演時間2時間の舞台、腹の底から愉しめた。

ネタバレBOX

役者陣。

知っている役者さんで言うと、木内海美さんの殺陣は相変わらず颯爽としていて、窪寺奈々瀬さんのミニスカ姿は母親役としては反則かなぁw
ゲイバー軍団とタメを張る林弦太さんのカッキン・カッキンとした所作、以前、本多劇場で目にしたような…。でっ、末永全さんは流石!

初めて拝見する八島さららさん、声優さんだそうだが、この方、心底、演劇が好きなんだろうなと観ていて勝手に想像させてもらった。
野澤文音さん、役柄もあるんだろうが、舞台上での表情が実に清々しい!

最後にツイッターで公表されていたBチームの配役を転載しておく。
◎タケル…八島さららさん(amuleto)
◎着物風オカマ(スイカ畑のオカマ)…末永全さん
◎銀髪ロングヘアー赤ドレスのオカマ…笹井雄吾さん(guizillen)
◎ゴシックドレスのオカマ…渡辺敏康さん(guizillen)
◎ピンク髪のチャーハンオカマ…長谷川弘さん
◎深緑ドレス白髪のオカマ…鳩岡大輔さん
◎モンロー風オカマ・アブ…亀井陵市さん
◎緑ロングヘアーのオカマ・峠に強いッショ…久間健裕さん(ネジマキトカゲ/MOONCALF)
◎青ドレス ロングヘアーのオカマ・呉の闘犬… 菱田健介さん
◎ヒロインとぶつかって吹っ飛ぶオカマ・御堂○くんらしき人… 須藤飛鳥さん(AM4:27-SELFISH)
◎ショートパンツのオカマ・主人公っぽいなにか…三浦仁さん(怪奇月蝕キヲテラエ)
◎剣のオカマ…有賀太朗さん(TEAM空想笑年)
◎ヤマさん・ドワーフ…佐藤大地さん
◎ヒロシ・シーフ…横山大河さん
◎ちょっと位の高い隊員・魔法使い…山海まなりさん
◎如月・如月(改)の声… 竹ヶ鼻彩菜さん
◎如月(改)・ヒロシの父… 門田友希さん(guizillen)
◎水天宮 雑魚… 三澤久美さん
◎セリカ…木内海美さん
◎ミノル・スカーフの青年… 安部光希さん(ギャレエンタテインメント)
◎先生… 林弦太さん(birdh93)
◎母親(葉子)…窪寺奈々瀬さん
◎マコト・剣のオカマ(幼少期)・ヒロシの父の妻… 野澤文音さん
◎ケビン…宮塚笑顔さん
光より前に〜夜明けの走者たち〜

光より前に〜夜明けの走者たち〜

ゴーチ・ブラザーズ

紀伊國屋ホール(東京都)

2018/11/14 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火)

20日ソワレ(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

彼らの全盛期にはリアルタイムで立ち会えず、沢木耕太郎氏のベストセラー「敗れざる者たち」を通して知った、円谷幸吉に君原健二、2人のメダリストランナーの物語。
素材自体があまりにも有名かつ劇的ゆえに、作・演はあえて余計な細工を施すことなく、いわば刺身にして、ホイッと観客の前に差し出したかのような舞台だった。
皆さん、色々とご意見(「工夫が無さ過ぎ」「事実そのまんまやんかぁ!」等々)はあるだろうと、舞台を拝見しながら感じることも多々あったが、私はこの余計な色をつけなかった作・演の姿勢を高く買いたい。

最後に配役を記しておく。
円谷幸吉(東京五輪・銅メダリスト)…宮崎秋人(みやざき・しゅうと)さん
君原健二(メキシコ五輪・銀メダリスト)…木村了さん
宝田修治(陸上専門誌記者)…中村まことさん
高橋進(君原のコーチ)…高橋光臣(たかはし・みつおみ)さん
畠野洋夫(円谷のコーチ)…和田正人さん
サンザル、月をとる。

サンザル、月をとる。

電動夏子安置システム

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/11/13 (火) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/18 (日)

千穐楽の18日16時回(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

地縛霊、インチキ霊能者といった手垢のついたモノから、SiriやGoogleアシスタントに代表される(AI)音声アシスタントといった、電夏さんらしい今時のモノまで、様々な素材を「手に届きそうで届かない、水面に浮かぶ月の光」でラッピングした2時間。
今回は理屈が勝ち過ぎて難解に陥ることもなく、観客もよりダイレクトに反応していたと感じた。
電夏さんの特徴である、会話のすれ違いで笑いを取って
電夏さんにしては珍しく、終盤は父娘の情でしんみりまとめる(ただし、ラストはブラックユーモアw)
個人的には、今迄観た中で一番好感の持てた作品だった。良い舞台だった。

役者陣。
客演の役者さんは坂本ともこさん以外はお初だが、坂本さん共々、皆さん、前から電夏さんの作品に出ていたような気がした程、舞台に溶け込んでいた。
これは電夏さんの過去舞台でも同様で、キャスティングが絶妙なのか、それとも稽古が良いのか?是非、秘訣を聞いてみたいものである。

最後に配役を記しておく。

キコ(50年前、マンションの近くの調整池で溺死した少女)
…新野アコヤさん(前作に続いて可愛らしい役回り)

榊公彦(幼い頃に目撃したキコの溺死の原因は自分にあると苦悩。今は、失踪した娘・伊緒の行方を追って、以前、住んでいた303号室の周囲を徘徊する)
…岩田裕耳さん

榊伊緒(公彦の娘。実はマンションの管理人・屋久に殺害され、父と暮らしていた303号室の地縛霊になっている)
…犬井のぞみさん

神宮真人(現在の303号室の住人)
…塩田良平さん

神宮愛美(真人の妻)
…大崎優花さん

明神結有(愛美の妹。最初は居候のような振舞いをみせていたが、実は真人に片想いの挙句、首を括った、303号室の地縛霊)
…小林知未(ともみ)さん

明神幸男(愛美と結有の父。刑務所から仮釈放中のインチキ霊能者)
…道井良樹さん

屋久玲司(マンションの管理人。とある理由から、若い女性だけを襲う殺人鬼に!)
…町屋圭祐さん

伸藤未世(神宮真人の元・恋人。303号室で同棲中に屋久に殺害され、303号室の地縛霊になっている)
…坂本ともこさん

三浦夫妻(昔から隣りの302号室に住んでいる)
…小原雄平さん、吉岡優希さん
豊饒の海

豊饒の海

パルコ・プロデュース

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/14 (水)

14日ソワレを拝見(2時間40分、途中休憩15分)。

ネタバレBOX

途中休憩有りとはいえ、2時間40分の長丁場を感じさせない起伏に富んだ輪廻転生のストーリー。
時間軸を前後しながら展開される4つのエピソードは相互に齟齬を生ぜず、各エピソードへのスイッチも明確で「今、どのエピソード?」と観客が迷うことも恐らくなかっただろう。単なる「総集編」に終わらない優れた構成だった。
尺の余裕やセット・映像効果等の物量面での違いはあるものの、スピーディー過ぎて観客置いてきぼりになりがちな小劇場界隈も参考にして欲しいなと、上演中、ずっと考えさせられた。

ただ、たまたまだが、劇中の剣道のシーンにも象徴されるように、(上記と矛盾してしまうかもしれないが)全体に整い過ぎ・お行儀が良過ぎに感じられたのが、やや不満に思われた。

役者陣。
主演の東出昌大さん、決して舞台向きの声質ではないものの、そのスケールの大きな・鷹揚な雰囲気が、人生最初で最大の出来事に直面する侯爵の御曹司役にマッチしていた。
舞台だけでなく、映画『日本のいちばん長い日』でも阿南綾子役を好演の神野三鈴(かんのみすず)さん、登場の度に舞台の雰囲気が締まる! 今回も流石の演技だった。
アマヤドリの頃から何度か舞台を拝見している田中美甫さん。その端正な容姿・発声・バレエやモダンダンス等で鍛えられた身のこなしなど、(私の贔屓目も幾分混じっているかもしれないが)役柄の分を弁えた範囲内で、大舞台でも充分に映えていた。
Love 駈込み訴え

Love 駈込み訴え

JAM SESSION

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2018/11/06 (火) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/08 (木)

8日ソワレを拝見(1時間)。

ネタバレBOX

本来は、ユダの独白という独り芝居であるはずの、太宰治の名作短編『駆け込み訴え』。
だが、素舞台の上で躍動し・集散し・独白する、男女の役者さんによる7通りのユダからイエス様への、弔辞であり・恨み言であり・そして何よりもラブレターな60分には、ああ、こういう観せ方もあるんだなぁと感心させられた。
良い時間を過ごせた。
NOBANKA

NOBANKA

フェルフェン

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/02 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/03 (土)

3日ソワレを拝見。

アクティングエリアでの出来事そのまんまに進んでいく、今時珍しい程の、立ち技のみ(寝技・腹芸なし)・熱血・直球ど真ん中なストーリー故か、観終わって、ちょい胸熱になった110分。
なお、唯一といっていい「少年」の伏線は、終盤、観客に意図が伝わるが、もう一捻り欲しいかなぁと。

ネタバレBOX

3日ソワレの配役を記しておく。

高井賢太郎(若手お笑いコンビ「アゼルバイジャン」のボケ担当。決勝の前日、脳梗塞で急死)
…日置達哉さん

瀬戸大希(若手お笑いコンビ「アゼルバイジャン」のツッコミ担当。見栄っ張りで借金を重ねる)
…橋本宙樹さん

相田つぐみ(ストリートミュージシャンから賢太郎の彼女へ)
…五十嵐絢美さん

藤原響子(一流企業の幹部社員。大希の彼女)
…山岡よしきさん

長谷川(「寿司焼肉」のボケ担当。後に大希と「NOBANKA」を結成)
…蒲省吾さん(「笑い飯」の西田幸治かと思ったw)

南公平(「寿司焼肉」のツッコミ担当。自信過剰気味で、後にコンビ解散、ピン芸人を目指す)
…五十嵐絢美さん(代役)

山本千穂(「寿司焼肉」ファンの営業社員。つぐみと知り合い、友人に。小説家志望)
…栗原雅美さん(まるでキャラメルボックスさんの芝居に出てきそうな、多少ヘコタレても決して前向きな姿勢を失わない登場人物のように感じられ、とても好感が持てた)

少年(自殺したため成仏できずにいる霊。後に輪廻転生して、賢太郎とつぐみの子に)
…天音里菜(あまね・りな)さん(とても顔立ちの整った方。他に、インタビューアー役も)
桜の園=Everyone is a child

桜の園=Everyone is a child

都市雄classicS

新宿眼科画廊(東京都)

2018/10/21 (日) ~ 2018/10/31 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/31 (水)

31日ソワレを拝見。

一人を除いてオール女性キャストの『桜の園』は、開演前のパジャマパーティー⁈から始まる、屋敷での牧歌的な「子供の時間」に葬送式を経て別れを告げ、めいめいが大人への新たな旅立ちを果たすまでを描いた85分だった。
俳優座の舞台で同戯曲を経験した昭和のオッサンには、郷愁だけでなく、(語彙力不足で的確なコトバ選びではないが)スタイリッシュで・「わちゃわちゃ♪」な味つけは、新鮮かつ共感モノ。
ハロウィンと花園神社・一の酉の晩に良いものを「魅」せてもらった。感謝!

ネタバレBOX

配役を記しておく(登場人物紹介は原作に準ずる)。

ロパーヒン(貧農の子から身を起こした商人。ワーニャとは互いに憎からず思うも告白はまだ。後に「桜の園」を買い取る)
…金本大樹さん(今回の座組の黒一点。要の役割)

ラネーフスカヤ(没落した女地主)
…有光麻緒さん(自分史上最年少の「ラネーフスカヤ」!)

アーニャ(ラネーフスカヤの実の娘。「桜の園」が人手に渡ったことを嘆く母を励まし、前を向かせる)
…小竹凛さん

ガーエフ(ラネーフスカヤの兄。好々爺)
…高木あさえさん(自分史上最年少の…ってか、ちょこまかして可愛らしい「ガーエフ」爺さん♪)

ワーリャ(ラネーフスカヤの養女。アーニャの姉。ロパーヒンに恋心を抱いている)
…遠山ひかりさん

ビーチク(ラネーフスカヤに借金を申し込む近郊の地主)
…杉山愛実さん

エピホードフ(屋敷の執事。ドゥニャーシャに求婚するも、あえなく…)
…空風ナギさん(おどおどしている様子は、空風さんの解釈? 好演)

トロフィーモフ(ラネーフスカヤの亡くなった娘の家庭教師。永遠の?大学生)
…星野日菜さん

ドゥニャーシャ(小間使い。エピホードフを振って、ヤーシャに一目ぼれするも…)
…まりな。さん(『ビッチの品格』の「女子大生」役。『ナイゲン2018』の「監査」役)

ヤーシャ(ラネーフスカヤの若い召使い。パリの空気を身にまとった伊達男)
…山田綾音さん(ダンス、キレッ・キレ!)

シャルロッタ(アーニャの家庭教師)
…吉原桃香さん(『ビッチの品格』の「女子大生」役。『ナイゲン2018』の「3148」役)

フィールス(主のいなくなった屋敷に唯一人残る老僕)
…あっ!、今回の『桜の園』には、アノ有名なラストシーンがなかった!…ということで配役無し。
『セイレムの焔』

『セイレムの焔』

ヅカ★ガール

サンモールスタジオ(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/30 (火)

24日に暁チーム、30日に宵チームを拝見(110分)。

初めてヅカ★ガールさんと出逢った『のばらのばらのばら』のような、ダレることのないテンポとテンション。
情報や修辞に富んだセリフ群で表現される、様々な愛の在り様が醸し出す空気感の密度も、今回のサンモールスタジオでは最後まで保たれ、まさに紛れもないヅカ★ガール純度100%の舞台を愉しめた。

なお、前回公演と比べて、キリエ(演・青海アキさん)とレベッカ(片山歩美さん)の主要人物2人が、一方に偏り過ぎず、バランスよく描かれていたのは好印象。

ネタバレBOX

最後に配役を記しておく。

キリエ(3世紀前の魔女狩り騒動を引き起こした少女Aの手記を求めて、アルテミジア大聖堂を訪れた、よそ者の古本屋兼作家)
…青海アキさん
レベッカ(元・聖堂に寄宿する生徒。村はずれに住む娼婦。かって魔女として火あぶりの刑に処せられたサマエルの妻の末裔)
…片山歩美さん
エバ(レベッカとは同期の聖堂の生徒だった、現・聖堂の教師)
…真辺彩加さん
ミレイユ(聖堂のシスター。密かにエバと通じている)
…結崎あゆ花さん
ヒルデガルド司祭(表向きは敬虔な信徒。しかし、陰では聖堂の生徒に支援者の夜伽を強いる狂信者)
…かまくらあやさん
ゲルダ(アル中?だが正義感のある元従軍医師)
…三森あかねさん
アベル(聖堂の庭師。密かに慕っていた、聖堂の男性教師の仇?を討とうと、猟銃をもってサマエルを追っている)
…高木碧(たかぎ・あおい)さん
サマエル(元・村民。呪いによって梟の姿をした夜の眷属となり、現在に至る)
…鈴木千畝さん
少女A(敬虔な少女だったが、サマエルへの邪恋から彼の身重の妻を魔女だと告発する、後の聖堂の創始者マリア)
…田口真美さん

ナキエル(天使)…田渕瀬那さん
ティリエル(天使)…池田三紗さん
マルカ(天使)…タモリノゾミさん

マリア(聖堂に寄宿する生徒。聖堂の創始者と同じ名前。リリーのことを常に気にかけている)
…来栖梨紗さん
リリー(聖堂に寄宿する生徒。マリアと仲がいい)
…(暁)谷尻まりあさん、(宵)佐藤誠純さん
アガサ(聖堂の生徒。生真面目さゆえにミカの言動がいちいち気に入らない。密かにイレーネに思いを寄せるも…)
…(暁)岡村梨加さん、(宵)金子朋未さん
ミカ(聖堂の生徒。規範にとらわれない自由奔放な少女)
…(暁)小川碧水(おがわ・すみな)さん、(宵)、鹿島田織恵さん
ゾフィア(聖堂の生徒。大人しい性格)
…(暁)横山未希さん、(宵)小林桜子さん
レビ(聖堂の生徒。エバとミレイユの関係を知ったため、エバに撲殺される)
…(暁)森宮ゆずさん、(宵)二宮由衣さん
イレーネ(聖堂の生徒。朗らかな性格。嫉妬に狂ったアガサから銃で撃たれる)
…(暁)青木理歩さん、(宵)伊東明音さん
じくりじくりと蝕まれていく

じくりじくりと蝕まれていく

Antikame?

シアター風姿花伝(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

鑑賞日2018/10/25 (木)

25日ソワレの舞台を「訪問」。

終演後にツイッターでつぶやいた際の記憶とは違い、渋谷・ギャラリーLE DECOでの『なんども手をふる』のみならず、新宿・SPACE 雑遊での『つややかに焦げてゆく』のときも、きちんと起きていた!?ようでしたが、ついに今回は、例の刺激的な独白もちゃんと聴いてはいたものの、上演時間110分、あの静寂な空間では、フルには意識覚醒し難く、まるで寝床で文庫本を紐解いているうちに、つい …
演じ手の皆さん、ゴメンナサイ!

ネタバレBOX

星なんぞ、おこがましくてつけられませんので、記録用に配役だけ記しておきます。
ヒロキ…川口龍さん(梶野稔さんもですが、自分とほぼ同身長の男優さん)
エナ…今井由希さん(渋谷の舞台では可愛いお嬢さん、しかし目白では綺麗な方に印象変更)
トモミ…大塚由祈子さん(例のセリフの際は本能で?覚醒していました。語りの説得力が凄い!)
シゲオ…梶野稔さん(叫ぶ声が若い!…が調べたら、川口龍さんより年上とは!)
パンケーキ

パンケーキ

劇団照れ隠し

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2018/10/20 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/20 (土)

20日ソワレ(90分弱)を拝見。

ネタバレBOX

「青空学級」の生徒さんについて、演技が硬く、一生懸命感が出ている役者さんが何人か目についたり
生徒たちが告白する、各々のエピソードがステレオタイプなものに思われたり
…ってなことが、スレた観劇オジサンからすれば気にはなったのですが、そんな「雑音」もかき消してくれる程、舞台と客席とで高いテンションを維持できていた90分弱でした。
若い演者、そして演者と同世代だろう客層とが創り出す熱気には、正直いって、当てられました。新鮮な気持ちを抱いて、帰路についたことを白状しときますね。

演技陣。

教師役の滝沢志帆さんが抜群に良かったと思います。
後方の席で観ていたのですが、初めのうちは新劇系の方かと「誤解」した程です。
でっ、勿論、そういう役柄なんでしょうけど、凛とした佇まいと声質が舞台の上の雰囲気を引き締めたり・切り替えたり…機会があれば、是非、他の舞台での演技も拝見したいものです。

「青空学級」の生徒さん達。
全体としては、正直言って、演技は拙い…が、それ故にですが、「演じて」いるのではなく、登場人物と等身大の存在として感じられました。
もし、制作側がそれを狙ってキャスティングしたのだとしたら、大した慧眼だと評価します。

あと、後任の男性教師(演・田中周平さん)は本当に教壇に立っていそう。
教頭?(奥山樹生さん)は、高校の管理職にしては、さすがに見た目、若過ぎるかなぁw

最後に(配役表が配布されなかったので)簡単に役柄を記しておきます。

「青空学級」の生徒たち…
彼方美紅さん、増田英美さん、土谷沙綾さん、橋本珠里さん、宮崎澪香さん

後任の男性教師(女性教師とは幼馴染)…田中周平さん

女性教師…滝沢志帆さん

教頭?…奥山樹生さん
カケアミ物語

カケアミ物語

劇団暴創族

萬劇場(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/18 (木)

18日ソワレ(140分、途中休憩なし)を拝見。

個人的には、2016年の『プラットホーム物語』ぶりとなる劇団暴創族さんの舞台。
劇団名のセンスはさておき?! 手堅い作風の団体さん。開演前、作り込まれたセットを眺めながら、今宵もキッチリした舞台を観せてもらえるんだろうと期待がふくらみます。

でっ、観た感想。
漫画の神様と、彼を取り囲む人々との群像劇コメディーは、導入部から早速、舞台に引き込まれ、ドタバタコメディーの中盤を経てのハートウォーミングな結末への展開もスムーズ。140分の長丁場を忘れる程に、中身の濃い作品でした。

ネタバレBOX

ワタシが観たB班の配役を記しておきます。

大漫画家・手塚まさる…黒岩徹さん
手塚プロ社長(手塚まさるの息子)・仲塚治…三浦修さん
プロダクションのスタッフ・浜田ひとし…藤田仁平さん

チーフアシスタント・本屋敷和義…三宅重信さん
アシスタント・曾根田健介(後に美大教授。渡利恭子はその教え子)…三熊こうすけさん
アシスタント・葛尾俊平…堀川翔伍さん
アシスタント・翁島沙也加…金子真緒さん
密かにカケアミを練習するアシスタント・岩根菜穂子…来栖杏夏(くるす・あんな)さん

売れっ子漫画家・鶴野辺みつる…浅見和俊さん
売れなかった漫画家・馬場達夫…齊藤涼祐さん
連載を持つ漫画家・窪田晃…河島辰徳さん
連載を持つ漫画家・関下まこと…岡憲和さん
人気少女漫画家・常盤マチ子…神澤礼実さん

美大生・渡利恭子(実は、シングルマザー岩根菜穂子の一人娘)…宇塚彩子さん
恐山のイタコ・不破幸子(浜田ひとしのおば)…千葉亜弓さん
漫画家志望のガングロ女子高生・海老根莉子…野村香奈さん

週刊少年ダッシュ現編集長・椚山(くぬぎやま)力也…小林大祐さん
週刊少年ダッシュ初代編集長・舞木泰造…大野誠さん
遊栄社編集部員・丸山エツ子…渡辺あやさん
セイラム

セイラム

sortie

新宿眼科画廊(東京都)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/16 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/16 (火)

16日19時開演の回(85分)を拝見。
流石に2回目の観劇だけあって、わかったフリは嫌いなんでしないが、わかったような気にはさせてもらった。
自分の読書経験からすると、中国明代の怪異短編集『剪灯新話(せんとうしんわ)』のエピソードが現代に蘇ったか如き出来事を、傍観者の一人として目撃させられた心持ちで会場を後にした。

ネタバレBOX

妻に先立たれたばかりの、文豪・清田洞爺の自宅。洞爺と阿見(後の田瓶図書館・初代館長)とが盃を重ねるうち、いつしか掴み合いの喧嘩に。すると、何者かが玄関の戸を叩く音。出てみると、そこに立っていたのは、なんと亡くなったはずの洞爺の妻。しかし、両人とも、ごく自然に彼女を迎い入れ、3人で夜を徹しての歓談となった…。

歳月を経て、昭和42年のとある日。魔女に追われているとの謎のコトバを残して、阿比留という若い女性が、和嶋ハルの目の前で、文字通り、姿を消した。
ハルは、自身は阿比留の身辺を、そして、中学教員時代の教え子である平田アイコには、読書サークル「あやめの会」のメンバーの中にいるらしい、魔女の正体を探らせることにした。
すると、阿比留の失踪には、洞爺が生前、大切にしていたらしい「(亡き妻から授かった?)銀の鍵」が関わっていることが判明し…。

以上の経緯を背景に、平田アイコや「あやめの会」のメンバー達の会話や独白で舞台は進行、魔女が誰かも明らかになるのですが、そんなことなぞお構いなく、清田洞爺記念館開設の話がトントン拍子に進んでいき…というところで、ストーリーは唐突に終了を宣言されます。

2度目の観劇で、私自身は、謎解きとか「銀の鍵」とかにはあまりこだわらず、8人の女優さん達のやり取りを味わうことに専念させてもらいましたが…
日常の中に潜む怪異、その怪異すらも忘却の彼方に押し流してしまう時間の経過、といった、その乾いた空気感に、今回もまた当てられてしまったようです。

最後に配役について記しておきます。

平田アイコ(作家志望の家事手伝い。「草苅事件」の平田は彼女の息子?)
…沈ゆうこ(しむ・ゆうこ)さん(淡々と進行に徹する、とっぽい狂言回し役)

名倉ヤギコ(夫の病気療養のため、東京から転居…は口実で、実は「銀の鍵」の行方を追ってきた魔女)
…中村真沙海さん(セーラームーンのような長い髪と妖艶な雰囲気が「あやかし」そのものな強烈な印象)

摩周ウツボ(地場スーパーを展開する、摩周流通の令嬢。熱心な清田洞爺ファン)
…星秀美さん(怪異なぞ入る余地もない「日常社会」を象徴する人物を好演)

阿見エミリ(田瓶図書館・初代館長の、歳の離れた後妻)
…梢栄さん(口説や所作に、時折、「田瓶市」の生みの親である某主宰氏を想起)

蛇穴(さらぎ)タツ(夫が市役所職員の主婦。清田洞爺の霊に憑依される)
…雁瀬有子(かりせ・ゆうこ)さん

矢後ユスリ(市会議員の妻。「宅の主人がぁ!」を連呼する、応援演説風口調には、怪異の入り込む余地なし)
…つついきえさん(素の大山のぶ代さんばりの押しの強いキャラを熱演)

和嶋ハル(学習塾経営。平田アイコの中学時代の恩師。阿見エミリの戦死した兄と知り合い)
…宍戸香那恵さん

鈴木ナオコ(主婦。小学生の息子が湖で水死して以降、大手家電メーカー勤務の夫とは没交渉?)
…菊地奈緒さん(かろうじて抑えていた感情の爆発を熱演)
蛇と天秤

蛇と天秤

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/15 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/14 (日)

14日14時開演の回(85分)を拝見。

ネタバレBOX

急死した患者8名の死因は投与した製剤の副作用であると、担当医局の准教授が論文で発表。

交渉窓口の講師では埒が明かないと判断した製薬会社のMRが、当該製剤を開発した研究員、古参研究員を引き連れて、抗議と論文の修正を求めて、准教授の下に押しかける。

(MRとは大学の同期でもあった)医局の若い研修医による医療過誤の可能性の内部告発(平成の『白い巨塔』かぁ!)

准教授が、当該製剤では認められていない、結核への薬効を測る、違法な「治験」を実施したと判明(研修医はもちろん、その指導教官たる講師にも「治験」の実施は、何も知らされてなかった)。
しかも、「治験」によって、結核菌を多剤耐性結核菌化させる最悪の事態を招く結果となった。

しかし、この「治験」、実は製薬会社の古参研究員からの依頼だったと判明。

一幕一場の上演時間中、准教授を除いた5人の登場人物たちが、状況(利害関係)の変化に応じて、(観客目線からすると)善玉から悪玉、また善玉へ…といった風に立場を替えていく、一筋縄ではいかない、重くて深いストーリー。観終わった後の充足感が半端ない出来栄えの作品でした。
脚本の野木萌葱(のぎ・もえぎ)さんの他の作品も是非観てみたいものです。

役者陣。
昨夏の『ドグラマグラ』以来となるアフリカン寺越さんを除けば、全員お初の方ばかりの中、とりわけ、横道毅さん、宮崎吐夢さんの古狸ぶり(失礼っ!)に心を奪われっぱなしでした。

最後に配役を記しておきます。
准教授・大城逸平…横道毅さん
講師・才原英之…アフリカン寺越さん
研修医・飛鳥井薫…菊川耕太郎さん
MR・月泉真介…阿岐之将一(あきの・まさかず)さん
開発研究員・諸川陽一…江刺家伸雄さん
古参研究員・高遠航志…宮崎吐夢さん
セイラム

セイラム

sortie

新宿眼科画廊(東京都)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/16 (火)公演終了

鑑賞日2018/10/13 (土)

13日18時半の回を拝見。

役柄に沿った女優陣の「怪演」が放つ毒気に当てられ、「田瓶(たがめ)図書館の地下会議室」という設定通りの、新宿眼科画廊・スペース地下を支配する雰囲気に飲まれてしまったため、手が合う・合わないさえピンと来ぬまま、上演時間(85分)を押し切られてしまいました。
ゆえに、今回は☆の配点は回避します。

なお、ヘンに身構えずに、「盗み見・盗み聞き」するスタンスで、もう一度、観に行くことにしました。

ネタバレBOX

※配役に関して、観劇2回目の「ネタバレbox」に追記しました。
10,000メートルの密室

10,000メートルの密室

兎団

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2018/10/11 (木) ~ 2018/10/18 (木)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/11 (木)

11日ソワレ(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

1時間強の出題編(ドラマ編)では、途中からストーリーに入り込んでしまい、犯人が誰かを考えるのを失念(汗)。
休憩(シンキングタイム)15分の後、解答編となるが、幾つかの謎解きのうち、キーボードを使った体感的な説明には感心した。

最後に配役を記しておく。
なお、18日までの公演なので、犯人は内緒!ということでぇw

白井桂(超一流ダンサー)…岩浦さちさん
上杉まどか(世界的ピアニスト)…タカサキカヤさん
浦海泰司(アーティストプロデューサー)…石原功助さん
浦海司(泰司の息子、大学生)…藤本章匡さん
水沢津乃(TVタレント、医師免許所持)…香かをりさん
華山豹子(私立探偵)…華山豹子さん
南海吾郎(潜水艦艦長)…松尾武志さん
Pochi(流行漫画家)…紅鮭プリンさん
矢口律動(内閣官房副長官政務担当…ではなく、売れないバンドマン。浦海司と友人関係)
…大平直人さん
兎乃狂四郎(社会性に著しく欠ける天才数学者)…斉藤可南子さん
藤田レイン(天才漫画家…だが売れていない)…柳橋龍さん
想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/12 (金)

初日に続き、12日ソワレをリピート。

ネタバレBOX

個人的には、前回のB席より後方のL席だったので、舞台全体を見渡せたこと。
演じる側に関しては、ソロも合唱も、(声量自体が乏しい方も見受けられたものの)初日と比べて、声がよく通っていたこと。
以上2点から、前回より、更に高い満足感を得られた。

それにしても…
ダンサーの皆さんの技量の高さと、春名風花さんの「声の表情」の豊かさには、素直に首を垂れる思いだ。
想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/10 (水)

10日初日の舞台(1時間45分)を拝見。

ネタバレBOX

様々な団体で上演されている、北村想さん作の音楽劇。
生身の人間から発せられる唄声と身体表現が、大まかなストーリーはお馴染みの、詩情豊かな銀河鉄道の世界を、より身近なものへと感じさせてくれた。
なお、歌唱のパーツには、幾分、生硬さを感じたが、舞台を重ねるにつれての円熟を期待したい。

演技陣。

まず、「少女」役の女の子、どこか観た覚えが…と思っていたら、以前、同じく、ことのはboxさんの公演『レイニーレディー』で、しっかり者の探偵助手「平井」ちゃんを演じていた碧月あい(みづき・あい)さんかぁ!と思い出し、はたと膝を打った。
若い方の成長していく瞬間に立ち会えることができ、作品とは別に、感慨深いものがあった。

カムパネルラ役の岡田彩花(おかだ・あやか)さん。
初日ゆえの硬さは見受けられたものの、終始、誠実な演技に好感。
あと、AKB48で場数を踏んで来られた方は、同じく舞台作品での活躍が多い藤田奈那さんと同様、舞台映えがするものだと改めて感心した。

ジョバンニ役の春名風花さん。
上述の藤田奈那さんとも共演経験もある廣瀬響乃さんとW主演だった『見よ、飛行機の高く飛べるを』での華やかさとは打って変わって、「宇宙の中の一つの星雲・一つの星」的な存在に見合う抑え気味の堅実な演技を見せてくれた。

なお、前列2列目という舞台から極めて近い席にいたせいか、ダンサーの皆さんの身体表現が強く印象に残った。
穏やかなテイストの本作品における「魅せる」担当として、最後までお怪我なく舞台を彩って欲しいものである。

最後に配役について記しておく。

カムパネルラ…岡⽥彩花さん
ジョバンニ…春名風花さん
ザネリ(ジョバンニの同級生)・青年(女の子の家庭教師)…松本祐一さん
女の子…碧月あいさん
熊撃ちの小十郎…山崎亨太さん
大学士(学者)…原弘さん
尼僧…柴田恵子さん
宮沢先生…加藤大騎さん(実質、ことのはboxの劇団員?!)
木野先生…川田小百合さん
車掌…太田敬佑さん
助手…中村もも子さん(出演者の振付の先生も!)、岡崎良彦さん
生徒…⼭本柚⽉さん、原田佳苗さん

アンサンブル…
矢嶋さん美さん(出演者の歌唱指導も!)、堀内愛海さん、平石愛さん
吉⽥舞さん、ハラグチリサさん

ダンサー…
石塚咲妃さん(『見よ、飛行機の高く飛べるを』の「1年生・北川操」ちゃんかぁ!)
samieさん、Takatoさん、REINAさん、渡辺彩乃さん
ジョバンニの母(声の出演)…芳尾孝子さん
プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/07 (日)

『プラスチック・ピノキオ』、7日ソワレ(90分)で拝見。

ネタバレBOX

中田晩良(なかた・あきら)さん演じる主人公を初め、登場人物の誰もが魅力的なのだが…
その主人公・菊池尚人(きくいけ・なおと)の失踪した理由、散々匂わしておきながら、結局、最後まで明らかにしなかったのは、やっぱり消化不良に感じられた。

また、あくまでも個人の嗜好かもしれないが、同じような暗示的シーンのリフレインも、あまり何度も繰り返されると、正直、観ていて辛かった。

演技陣。

上述の通り、(演劇作品では大変珍しいことだが)登場人物の誰もが魅力にあふれているのだが、敢えて名前を挙げると
真っ直ぐな七世役・梁稀純(りゃん・ふぃすん)さん
アンニュイな知代役・福富朝希さん
歌舞伎町の名所?風林会館で遭遇したら絶対道を譲るだろう丸瀬役・橋本克己さん
マイルドになった小橋建太(元プロレスラー)な感じの鳥田役・石井啓太さん
がとりわけ印象に残った。

なお、個々の登場人物の性格づけや生活背景を把握する上で、衣装が果たした貢献度が大だったことを付記しておく。

最後に配役を記しておく。
菊池尚人(以前の生活から失踪中)…中田暁良さん
伊勢守七世(常に真っ直ぐな性格。マンションの住人)…梁稀純さん
志賀うろみ(世話好きなマンションの住人。尚人に好意?)…土田香織さん
鮫原知代(夜の商売?酒飲みなマンションの住人)…福富朝希さん
三草文(放火癖のあるマンションの住人)…竹内なつきさん
水淵葉澄(伊達を好きなあまり家出中)…田邉美保さん
伊達敏光(葉澄をかくまっているマンションの住人)…瀧啓祐さん
丸瀬刑事(放火未遂犯を探索中)…橋本克己さん
鳥田秀樹(マンションの住人。現在、失業中)…石井啓太さん
熊崎紗綾(尚人の行方を捜している友人)…熊坂真帆さん
小樋忠(尚人の行方を捜している友人)…藤本悠希さん
石野つみき(尚人との間に何かがあったらしい?)…中村桃子さん

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