不在の豊饒。
中野坂上デーモンズ
荻窪小劇場(東京都)
2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
狂気に満ちた大エンディング
エグイ程の衝撃と、狂気に満ちた破壊力。
生きている事を改めて感じさせてくれる舞台だった。
やっぱり落とした人生、せっかくだからアブノーマルで拾いなおしたいよね。
生きてる!生きてる!!! って感じがした。
これでもかと畳み掛けるように繰り出されるパンチに防戦一方。
ラストシーンにはノックアウトでしたね。
にしても、役者さんもパワフルで表現力の高い方が勢ぞろい、
劇作家協会から派遣された方の表情と動きはとても好きです。
Manhattan96 Revue vol.2~窓枠のパレード・パレード~
Manhattan96
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2015/12/09 (水) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★
遊び心いっぱい
「窓枠」を軸に展開される芝居、ダンス、マジック、レビューが
12のシーケンスに散りばめられたオムニバスショー。
それぞれがカラーも形式もアプローチも違うので、
どれか一つは心の琴線に触れどこかしら引っかかったと思う。
自分的には明るく楽しい「名画たちのパレード」が良かった。
全体的に完成度もレベルも高い表現で面白かったが、
他と比べ学生レベルのマジックは無くても良かったかもしれない。
わたしのゆめ
ガラス玉遊戯
小劇場 楽園(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
高尚な密室劇
密室劇での言葉の応酬、そしてどんでん返し。
観ていてハラハラドキドキ。
テーマは重いものの、
それぞれの役どころに感情移入しながら物語を呑みこめて
これぞ生の舞台の魅力であると感じる。
また役者さんも、カラーの違う演技力の高い方がそろい、
話の説得力と面白味を高めてくれた。
キャッチーなタイトルとフライヤーからは想像しえない
骨太なテーマと内容に感服。
とても良いお芝居でした。
売春捜査官
EgHOST
高田馬場ラビネスト(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
泣ければもっと
つか作品が大好きなんだろうな。
その思い入れをフルスイングで見せてくれた熱い舞台だった。
自分たちなりの脚色で今風?なライト感も加えたパワフルな展開。
劇場の造りを活かした犯人の登場。客席も縦横無尽に舞台化する演出。
面白い引き出しが次々と開けられる。
後半、事件の回想における長台詞の応酬は、
つか作品らしい心情の吐露の洪水で一気に飲まれる。
まだ粗削りながらも面白い舞台でした。
上演回数が少ないのはもったいない気がする。
げき★えん2
アフリカ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/11/27 (金) ~ 2015/12/01 (火)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい☆
不幸自慢をするシュールな部活と、男女の対立する演劇部がミスマッチ!
多彩なサイドストーリーが絡み合ながら、
本筋の流れが構築されてゆく楽しく愉快な物語。
個性派の役者が積み上げるリズムカルで華やかなステージは
遊園地の様に見る者を魅了する。
ヒロインの小春を演ずる女優さんも、
若いながらも高い表現力で自らの世界観へ見る者を誘う。
その周りを固める役者も個性も演技力も抜群。これもキャスティング力か?
お母さんが一緒
ブス会*
ザ・スズナリ(東京都)
2015/11/19 (木) ~ 2015/11/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
軽妙な笑い
痛快なる三姉妹トークバトルが炸裂。
ああ言えばこういう。人の話は聞かない。話の筋がどんどん変わる。
日ごろ痛感する女性の悪い面を凝縮した煮こごりの様な物語。
きっと美味しいのだろうけどあまり食べたくない逸品は
他人事のように観劇すると面白い事このうえない。
ある意味、たわいもない温泉家族旅行が家族の大事件になる。
女優さん三人の高い演技力が
軽妙な会話劇の面白さを増幅しているようだった。。
長靴パイロット
下落合からあげシアター
プロト・シアター(東京都)
2015/11/28 (土) ~ 2015/11/29 (日)公演終了
満足度★★★
がんばれ。
悪く言えば学芸会の延長。良く言えば荒削りでフレッシュな舞台。
どっちに転ぶかは本と演出の力だろうか?
良い役者さんも揃っていたので、これからに期待する若い力です。
蛇舞
コントーションスタジオ ノガラ
〒 161-0034東京都新宿区上落合2丁目13-10 NTKハイム地下1階(東京都)
2015/11/21 (土) ~ 2015/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
驚愕の柔軟性
初めての扉を開ける「コントーション」の世界。
身体の柔軟性を中心に、アクロバットにエアリアル
見ごたえのある前身パフォーマンスに新鮮な」感動を覚えた。
鑑賞の仕方?オーディエンスの乗り方?
まだまだ未知の分野で戸惑いもあったが
メジャーへの過渡期なのだろう。
次回の公演にも期待します。
蓮池温泉 愛の秘宝館 東京公演
仏団観音びらき
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2015/11/20 (金) ~ 2015/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
濃厚えんため
一見、危険な香りのする色モノ系かと思いきや!
芯のある社会派ベースの下ネタエンターテインメント。
失礼ながら、綺麗系のお姉さんやイケメン男子じゃないところが、
エロっぽくさを封じ込め、笑える下ネタになっていたのかもしれない。
前説の様な客入れ写真撮影会にはじめり、御ひねり強要、
最後は要らないもの処分で荒稼ぎの千本引き!
このサービス精神の塊は関西気質なのであろうか?
結構、心地よかった。
ニホンオオカミはいなかった
十七戦地
小劇場 楽園(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
素敵なじかんの共有
良くも悪くも日本を造り上げここまでになした家の存在。
今時は田舎と切り捨てられるが、
その存在価値と悪習を正面切って描いた秀作。
家を血と地を守るために…三姉妹って、やっぱり三兄弟とは違うんだなぁ。
秘密の共有からその背徳の緊張感。
どうするの?見つかるの?告白するの?あーそっち?
ワクワク感もドキドキ感も感じられる欲張りで、
色々な事を考えさせられる熱い舞台だった。
舞台もさることながら、制作・運営も素晴らしかった。
狭い劇場で心地よく見るために、移動時は舞台にマットを敷いたり、
足の悪いお客さんのために前の席をつぶしたり、
狭い端の席のために全体を動かしたり。
見て観てのやるだけ団体とは違い、
心地良く見てもらおうという気概が感じられとても好感を持てた。
次回公演も楽しみにしています。
ラムネ
みどり人
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/11/12 (木) ~ 2015/11/17 (火)公演終了
満足度★★★★★
ラムネの様な人生
荻野目じいさんやスナックのママが最高!
出落ち感もあるが2人の演技力が、
物語全体の緩急をつけているようで素晴らしかった。
また、ろうあ者のJKの役者さん、台詞らしいセリフがないゆえか、
しっかりと表情で語っていてラストの二話はとても刺さった話でした。
金沢…また行ってみたいですね。
極彩色 vol.3
劇団虚幻癖
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
表はどうなんだろう?
ライトに浮かび上がる女性の一人語りで幕を開ける…。
自身を振り返るシリアスな雰囲気の展開。と、ここまで、
その後はゲームとアニメのオマージュにあふれる
マスターベーションタイムに突入。
しくじったか…と、思いきや。
最後のお話はどうしてどうしてしっかりしたコメディとして確立。
これは、なかなかの出来栄えで楽しめた。
Bチームでした。
他のチームもみてみたい。
「ウミダ短編演劇集『こりない』/『スモーキン・スモーキン・スモーキン』
劇団ウミダ
APOCシアター(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
カッコイイ!
『スモーキンスモーキンスモーキン』
小気味良いリズムとパンチの利いたBeet。
今どき感を前面に、今っぽいネと言えばそうかもしれないが、
言葉と身体を駆使し全身で紡ぐ物語展開。
役者の息遣いが伝わる狭小空間のメリットだろうか?
しかし反面、音響の悪さが残念。バランスもあるだろうが、
音楽に台詞がつぶされ伝わらないところも…ちょっともったいなかった。
『いつかばったり』
これが一番良かった。まさにそうだねと共感するその気持ち。
女優陣4人の交差する展開にも魅入られた。
短編それぞれ脚本が違ったせいか、
ブッフェ的にいろいろな味が楽しめて良かった。
Popn' Mad Effecter
踊る演劇集団 ムツキカっ!!
d-倉庫(東京都)
2015/11/12 (木) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
ダイナミックなエンターテインメント
エンターテインメントは楽しむこと!その通り、たっぷり楽しめた。
広大な空間を活かした躍動感あるダンスと、2階建てセットの立体感。
現代社会で忍者になろうという馬鹿ばかしさと、仲間を守る懸命な戦い。
まさしくダンシングコメディを看板にするだけダンスシーンは必見。
笑いは少々楽屋落ちの多用で「銀魂」的な香りもしたが…。
何より若手の勢いを前面に出す力強さと勢いの半面、
大事なセリフが届かない。
広いステージの逆効果で奥まった立ち位置、
2階部分では声量がないと客席に届かず、
早口では残響でつぶれてしまう。ここはこれからの課題かもしれない。
音無村のソラに鐘が鳴る
演劇企画ハッピー圏外
TACCS1179(東京都)
2015/11/13 (金) ~ 2015/11/19 (木)公演終了
満足度★★★★
鐘の響き
確かに楽しかった。
手が届きそうな未来で、SFの様で人間ドラマ。単純な設定だからこそ、キャラクターの濃さと、役者さんの見せどころが大きかったのかも?
笑のツボはおじさんっぽく振り幅が大きかったが、繰り返し見せられると妙な心地よさに変わる不思議さ。
ただ、泣きのツボがあまり見当たらず残念だった。
全体的には良くまとまったステージで楽しめた。次回作にも期待高まる。
悪魔はいる
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
結構高度
言葉の裏表、意味、力、重要性…。言葉がもつ魔力と暴力。
「言葉をめぐる戦争物語」は様々な事を考えさせられ想像しながら楽しめた。
悪魔は何処にいるのか?一人一人が持つ悪意と偽善。
個人的には悪気のない事が最大の悪であるが…。
台詞の一つ一つ、役者の一挙手一投足、
舞台上の全てを体感して楽しむ大人のお芝居。
しかしながらちょっと難しかった。
意識の高い方々にはしっくりくるのかもしれないが、
わたしレベルではついて行くのがやっと。
人間関係や設定などの情報がもう少しあれば、楽だったかもしれない。
ストリッパー薫子
BuzzFestTheater
シアター711(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/17 (火)公演終了
満足度★★★★
秀逸なエンターテインメント
昭和の遺産を継承する場末のストリップ小屋を舞台に
華麗に舞い踊る美しき蝶たち…かと思いきや?
徐々に現れる人間の業の醜さと闇。
少々強引な展開でもあるが、
TV取材をきっかけに、シリアスで重厚な物語へと誘われる。
初見の団体で役者さんもはじめてでしたが、ヒロイン薫子の背負う業を露わにし、一つの問題に決着をつけるTVディレクター岡本が素晴らしかった。
最後のあいさつで劇団の代表とな、なるほどうなずけた。
喜怒哀楽から暴力、変態、社会問題まで、
深刻なまでに落とし込まずに物語の主軸の絡めて見せる本も秀逸でした。
やはりそれを体現できる役者さんの力も素晴らしかった。
ヒロイン薫子、ディレクター岡本はもちろんですが、
踊子のリーダー格くるみ姐さんの要所を締める存在感と、
場末の小屋に気品を持たせる気風がとても良かった。
劇場前でパフォーマンスするパントマイムの方、案内のミツバチさん、
廊下に飾られた踊り子さんの写真に、RIP座の手作りチラシなどなど、
細かな演出も見事!
エンターテインメントとしてまとまった素敵な舞台でした。。
泥花
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/11/05 (木) ~ 2015/11/12 (木)公演終了
満足度★★★★★
骨太の演出力
フラットで広大な空間を活かしたエンターテインメント性あふれるステージ。
オープニングは力強い向日葵に囲まれ
暗闇に浮かぶ主人公はじめ君の独白。
とても美しく、そしてこの物語の扉を開ける力強い鍵だった。
一度死んだ日本が再び立ち上がる生命力と、
復興という大義に隠された暴力性。
人間が生きる根源である欲をキレイに具現化した舞台でした。
セットの転換、時間経過、場面移動、
すべてが連なる流れるような演出も楽しかった。
喜怒哀楽をストレートに感じる素敵な時間。
贅沢を言えばもう少し泣かせてもらってもいいかもしれない。
ラバウル食堂
劇団芝居屋
ザ・ポケット(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
心地よい時間
日常に起こるほんの小さな奇跡。そんなドラマを丁寧に紡いだ作品だった。
ラバウル横丁に関わる人々は当たり前の様でひと癖ふた癖あるキャラクター。
あのメンバーの誰かしらが周りに一人はいる感じが親近感を芽生えさせる。
食堂を営む親子三代(まだ見ぬ孫のエピソードを含め)の想いを軸に、
中華屋二代目のジレンマ、気のいい銀行マン、雑貨屋の倅、
母子の様な師匠と弟子、
様々なドラマをちりばめ短い時間にコンパクトにまとめ上げる演出も光る秀作。
贅沢を言えばもっと泣かせても良いかも?欲張りか。
ヒミツボ -秘壺- 〜昭和歌謡短編集 其の二〜
はぶ談戯
劇場HOPE(東京都)
2015/11/03 (火) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しめる!
秘め事をキーに物語が連なる短編集。懐かしき昭和ノスタルジックな音楽に乗せて展開される懐古的な恋愛問題。興行主が司る見世物小屋風に展開する3篇が巧みに交差し、最後は一つになる秘密の暴露。
役者さんも全体的にスキルが高く、このいびつな世界観を構築するに必要不可欠なキャラを生み出し、物語に引き込まれる。
男女の恋愛より一歩踏み込んだエロティックなラインは、女性の目線なのか結構ソフトな印象でした。
興行主の口上展開をもっと際立たせても良かったかも?