城井が投票した舞台芸術アワード!

2017年度 1-10位と総評
ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

1

ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

OIL AGE OSAKA

初日観劇。お世辞なしの本気のダブルカーテンコール。
早い展開の中にしっかり笑いがあって、物語が高まった終盤は涙無しでは観られない。ハンカチじゃ足りない。脂の乗った大人達の熱演を是非!

キャストについて。

ヒロイン的役柄っていうのかな。訳あり若奥様。黄色いエプロンの兵藤さん。初めて観る方だったけど、「ギア」に出てるだけあって表現力があるなぁ。声を出してしゃべってない演技でも、声が見える感じを受けた。
あー、ギア観たいんだよなぁ…。
白髪混じりのおばあちゃん。中の人は若いんですよね???な石井さん。締めるところとボケの差!
眼鏡スーツの早田さん。先月のお調子者とは逆の堅物マジメな役。あー、こーゆー人居るいるー、ってなる。
白ジャケット眼鏡のキレる(Wの意味で)女、まゆゆこと福田さん。瞬発力で魅せきるパワー!
赤チェックのマタニティーワンピ、谷野さん。ザ・関西!ってイメージを丁寧に体言してて、芯のしっかりした役。七味の一味、大阪公演にでるそうな。見たかったなー。
アロハ(カッコイイ)。大阪のお喋り番長早川さん。早田福田ペアに対峙する時のかっこよさ!正にOIL AGEの筆頭だよね。
仕事の出来るデスク。スーツの似合う宇田川さん。膝丈のスカートから伸びるおみ足が美しい(フェチ)。デスクだけに芝居全体の調整ポジにある時が多めかな。でもコメディは整えていかないと単なるハチャメチャだから大事なポジ。
黄色のインナー、一番汗かいてる人。椎名さん。この方の女優魂を見るのが本当に好き。一番困って、お節介焼いて、駆けずり回って、大切な事を貫く。それだけでも大変なのに、演技のスイッチを入れ替えなきゃいけない。
こんな鬼なホン書いたの誰だ!(笑)
でも、役者が大変で全力だと輝くよね。
主演。フツーのスーツなのにかっこいい福地教光さん。撮影会ではおちゃめだけど、劇中は正反対。冷徹さ、ドライさの裏にあるものは…?ずーーーっと熱量を抑えた演技が続く(これかなり大変な筈)から、それが溢れ出るラストはこちらも引っ張られる。こういう渋いポジションやらせると本当にハマるよね
白ヘルメット(大)。体を張りまくった演技に定評のある結束さん。全力のコメディだからこそ、ちゃんと計算されてるんだよなぁ。今回もいい背中をごちそうさまでした!!!(フェチ)
”漢”という字が似合う背中が大好き。今回の演目をもって役者活動を一旦停止しちゃうので、見に行けてよかった!
言及できてないキャストさんも、みんなみんな素敵だったのですよ。
全員で芝居してて、パス回しあって、山登ってて、誰も欠けちゃだめなんだなって思える作品でした。

個人的にはFAXさんの仕事っぷりがお気に入りです。裏で誰がどーしてるのか気になる。

人生の大事な部分はガムテで止まっている ≪現代編≫≪大正時代編≫

2

人生の大事な部分はガムテで止まっている ≪現代編≫≪大正時代編≫

劇団6番シード

「人生の大事な部分はガムテで止まっている」 大正編観劇

これは現代編以上にドタバタコメディだぞぉぉぉ!ストーリーを組み立ててる側からすかさず崩していく系だぞぉぉぉ!でもめっちゃ人生だぞぉぉぉ!
大正編だけでも楽しめるので是非見て〜!

≪大正時代編≫
主演・土屋さんの演技と表情と声色による百面相がみどころ。ビクッ・ピョンが好き(笑)。駆けずり回ってる&振り回されてる土屋さんは見ていて楽しいなぁ。やはり体力の消耗は半端ないようで、どんどんスリムアップしていってるらしい(笑)。
超絶私見だけど、制服の類にときめく人は土屋さんと野上さんの軍服で萌えていただきたい。あと、野上さん、まじで体張ってて素晴らしい。
大正編なので衣装に和物が多いのが楽しい。いや、演者側は大変だろうけど。小沢さんと樋口さんの袴は似合いすぎ!
現代編とどうやってリンクしていくのかな?って思っていたら複数ポイントあって、両方見た人はワクワクする技が隠れてる。松本さんの脚本にしては珍しいなーと思うくだりがあるのが烏山さんと磯崎さんの師弟コンビ+巻き込まれてる鶴田さん。いや、これDVDに残るんですか(笑)
一つの出来事に対して舞台上の大人数がそれぞれに反応するのが違ってて面白い。会話と会話、反応と反応がミルフィーユみたいに重なって、全体の味を作り上げてて、どこを切って味わってもちゃんと6Cの味がしたのよね。
現代編も大正編も、亜音さんが妻役だったのだけど、二人の夫がどっちも身長が高くて「身長差いいなぁ…」って眺めてた。
現代編と大正編の両方を合わせて一つの座組みだ、って思ったのが、ツイート上がってたけど、セットの仕込み替えというか大掃除(笑)を張り切ってやってたり、別班の公演時にスタッフワークやってたりすること。100年を超えて存在するぜんぜん違う話だけど、ちゃんと一つだった。

クレプトキング

3

クレプトキング

ENG

初日観劇。
面白かったぞー!アクションすごいぞー!衣装がスチームパンクでカッコいいぞー!ちょっとほろっとするぞー!来週月曜までだぞー!ラーメン🍜食べたいぞー!

二度目かつ自分的ラストの #クレキン やっぱりトータルで熱量が高くて良いなぁ。武演隊も、スタッフも含めて。
物語を分かった上で見るOPダンスは発見が多くて美しいな。

しかし、初日は普通にセリフだと思ってたところが日替わりで、しかも”恭子と美香”ときたもんだ。ず ん さ ん 何 し て ん の。

初日も思ったことなんだけど、アクションが達者な人が多すぎて、乱戦になるとどこ見て良いのかわかんなくなる。良い点であり、悪い点でもあると思う。目は2つあるけど、視点は1つしかないんだよ!

今回はスチームパンクの要素が衣装に盛り込まれてるので、個人的にウハウハなんです。中でも、よっちさんの完成形、ムネさん、ずんさんの3人の衣装のスチパン具合は涎が出ますね…。尚くんや女性陣の和×洋なデザインも最高!コルセット良いよね、うふふ。
高田さんの演じるカイルって、見た目だけだど”人外”でもおかしくないんだけど、ちゃんと”血の通った人間”なんだよなぁ、というのを物語の展開で思い出せて一人で勝手に納得したり。
と同時に、その後のシーンは別の意味でも見所だから滾ったり。

新作脚本だから、キャスティングありきかもだけど、よっちさんが主役なのが、スリの義賊っていうかっこよさをきっちり見せてくれてる。正義だけじゃない面も含んだ優しさって、難しいよな…。
そこを絶妙なバランスで支える相方が尚くんっていうのも良い。お互いに完璧すぎない感じとかね。

サンサーラ式葬送入門

4

サンサーラ式葬送入門

シアターKASSAIプロデュース

サンサーラ式葬送入門 観劇。
小沢さんが、えらくかわいい。物悲しくて芯があって柔らかい。
結束さんのいつもより小さい背中が役を感じさせる。
大悟さんと教光さんのシーンが痺れる。
土田さんの悟った感じ好きだなぁ。
星璃くんの儚い強さがきれい。
男しか居ないのに美しかったなぁ。

どうして細川さんはこんな物語を書いたんだろう?

トレーディングライフ

5

トレーディングライフ

ピウス

トレーディングライフ観劇。やっぱり広瀬さんの脚本はすごいぞ!キャストも上手い人多いから安定してるし、みどころ多い。
良子さんが、the良子さんな役で痺れる。
ウチクリさんの足首がエロい(座席的に拝みまくりだった)。虎こと増田さんもかなり良いぞ…。これは複数回観ると味変わるやつだ…

広瀬さんの演出作品で見る長橋さんは、どんどんいい女優になっていってる。今回のトレーディングライフもだ。他ではどうなんだろうって気になるから、少し前のハッチ演出の作品見たかったな。
衣装可愛くてにまにましてた。杏里さんGJ!

ウチクリさんの衣装で、
杏里ちゃん、よくわかってる!!!
ってなるのは、足元周りです。

トレーディングライフ。
アンダーは、佐藤優次、ですってよ!
そーゆーの、分かると嬉しいんだよね。
トランプで賭け事、って言ったら、ポーカーなんですかね?
しかも、インディアンポーカーっていう選び方が、ボドゲ勢としてはソワソワしますね。

家族百景

6

家族百景

七味の一味

家族百景 SP版。
私個人は、どちらかというと”家族”というものに縁が薄い方だから、共感を持って見た部分は多くないけれど、それでも胸がギュッとなるシーンがたくさんあって、笑えるところもちゃんとあって、家族っていいなぁと思うのでした。

GLAYの曲だと、
Father & Son
Precious
SAYYOURDREAM
lifetime
だなぁって、SUMMERDELICSを聞きながら思ったのでした。

平台で組まれた剥き出しのステージで、箱馬だけを使って、30人以上の役者が人生を紡ぐ。家族のいろんな景色を形にする。それほどマイムって感じじゃないんだけど、ちゃんと見える。脚本の妙であり演出の妙だなぁ。
30人超えって、役者居過ぎじゃね?って思っていたけど、必要な人数だった。
たくさんいるからこそ、見せられるリアルがあった。

SP版気に入った登場人物を何人か。
紅葉1の前原さん。かわいい。おちゃめ感とでもいうのか、愛嬌満点。光郎2&紅葉2、最大×最小かな?落差萌え。あ、通常版だとここが1?光郎4、凛太郎さんのがっつりコメディ枠は深いね。表面だけじゃやれない役柄。バク袖も思い出す。
光郎6&紅葉6、沙予さんの押し引きが絶妙で、そこに吹上さんの適確な答えが乗っていく。夫婦ってこうなのかもねっていうリアルが垣間見えて、一番刺さった。
遼の函波さん、場面で目の色が変わる印象。このタイプ好き。
モノトーンズ亜音しゃん。自由で生き生きしてた!笑顔がキラキラにまーっ!
日替わりネタ、 「ぞ」で始まるあいうえお作文って、鬼だな(笑)!

通常版とSP版の両方を見ることができた #家族百景 だけど、配役が変わってすごく見え方が違っていたのに物語の印象が変わらなかった。上手く言葉にできないのだけど…。泣くとこ同じだったんよ。やっぱり脚本がしっかりしてるのかなぁ。役者の力量も平均点以上だったよなぁ。素敵な一味だったなぁ
仁美おかーちゃん、いや、仁美総長役の亜音しゃん。
夜露死苦!って勢いなのに、めっちゃ悦郎命でラブラブで可愛かったんや…。
そして、立派に”母親”になってて、視線が優しかったよ。
いい作品を見るといい役者を発掘できる法則。 家族百景 で一番の収穫は、函波窓 @kannami_mado くんかな。
今日の通常版を見ても、こいつやるな…!感が。調べてみたら団体主宰で作・演もやってるとか、才能溢れすぎでしょ…。

青の凶器、青の暴力、手と手。この先、

7

青の凶器、青の暴力、手と手。この先、

キ上の空論

「青の凶器、青の暴力、手と手。この先、」
確かに、この先、を描いてた。
好き嫌いあると思う。私はあの世界がとても好き。
劇中、ある人のことを久しぶりに思い出して、今、とても、会いたい。消息なんて知らないけれど、会って何したい訳じゃないけど

リジッター企画の中島さんの立ち上げてるユニット、ってことで気になってて、りさこのガチ恋~とかで評判聞いてる新垣さんを見たかったのと、あすぴーとゆかりんが共演してて、クロムの森下さんが居るっていう、割と条件揃ったので行ってきた訳なんだけど。

なんだこの、空間の、繋ぎ方。すげぇよ…

新垣さんの体現力も凄いし、あすぴーの表現力も凄い。ゆかりんの沿い方とかも良くって、語彙力どっか行くわ。
そして、
演劇って、何もない。が、何でもある。になるから凄いんだ、ってことも再確認。もちろんそこにガイドはあったりするんだけど、それでもホンモノは無いから。
どんな舞台も、音響さんや照明さん、演出部さんが、最後のキャストなんだけれど、
ちょっとこれは、音照がガチでキャスト。殺陣のサンプラーに近いというか、息を読んで滑り込まないといけないやつ。見事。

Mr. BONANZA-ミスターボナンザ-

8

Mr. BONANZA-ミスターボナンザ-

dopeAdope

広瀬さん大好きー!!!でも王様ロバ行けなくてごめん!
これは演出部泣かせだ。だからいい、そこがいい。役者の確かな演技が、確かな技の上に乗るからゾクゾクする。アクティングエリア
を狭めるのが島シリーズなのか…
ミスターボナンザの登場人物は基本的に下衆くて痺れる!割とまともな方かと思ってた二人も話が進むと非道いことするから、ニヤニヤしながら見ちゃう。
ある意味で不幸自慢大会でもあったかな。そっか、他人の不幸は蜜の味だから、見てて愉しいのか。
あと、不憫なたろさんが好みだという同志は、是非とも見て頂きたい。

『OTHELLO-オセロ-』

9

『OTHELLO-オセロ-』

ルドビコ★

ルドビコ★の『オセロ』。
シェイクスピアは、本当にボタンの掛け違いをさせるのが上手い。イアーゴ内倉の手の上で踊らされるオセロ大野が物悲しく、悪魔二人の誘いっぷりが妖艶。悪魔は性別無いからこその妖しさ。水崎さんはヒロインやらせるとピカイチ。高久くんの滲み出る威厳が好き。

時をかける稽古場2.0

10

時をかける稽古場2.0

Aga-risk Entertainment


時をかける稽古場2.0 に駆け込んできたよ!試演会で展開知ってたから、二度目目線で。だけど、明らかに違ってたし、明確になっていた。やっべ、たのしー!
女性達の演技力と、男性達の徹底したコメディ力を浴びて欲しい。

スタッフがいい、美術がいい、映像がいい。

OPの映像で、スタッフロールまであんなにはっきり出した団体は久々みたな。信用の証だ、と思う。
見せ転換時の見せ方も、なるほど。
ドアは明らかにアレだから、黄色の丸は身に付けてるアレで、上部の四角枠は…机のアレか?
どうでもいい情報だけど、私が今日見た時をかける稽古場で一番好きだなって思ったのは、「べつわの」さんです。
右往左往しながら楽しみにしてくれてるなんて素敵じゃない?


以下は、試演会(3/1)の感想。


「時をかける稽古場2.0」の試演会に参加。熱量ある骨子の部分を見せていただいた感じ。たくさん笑った。人物が活き活きしてる。上演想定時間より長くなったらしい。確かに削れる間延びとかはあった気がする。ここで映像のタイミングね、というのも想像ついたなー。
初演は知らない。むしろアガリスク2回目。なので、質問も要望もあの場で思いつかなかったけれど、作戦会議トークショーまで見られて良かった。衣装の話や、5年後メンバーにまつわる話なんかが聞けて興味深い。
”時をかける”理論を割とすんなり理解できたのは、
"LASTSMILE"を知っているからかなぁ。
時間軸移動系の話はいくつも知ってるけど、3つが相互に絡み合うのはレアなんじゃないかな。
稽古と慣れって言われればその通りだけど、場面の切り替わりとか、演者はどうやって頭の整理を付けてるんだろう?書いた冨坂さんは勿論だけど、皆さん頭がいいなぁ。
見てる間は情報の洪水で(特に序盤)、初見には疑問を疑問と認識する時間がなかったかも。えっ?おおっ!ほほう。なるほど!のサイクルが早い。コメディの早さとしては必要な早さなんだろうな。
試演では必要最低限の美術セットで床面積も狭いから、これで袴田さんのセットがどう加わるのか気になる。
床が見えるに越したことは無い芝居なんだけど、駅前劇場か…。私だったら全体を見るためにも後方席だな。試演は後列でも頭の間から少しは見えたから脳内補完可能だし。
公開ゲネやプレビュー公演をやってる団体はあれど、オープンβの試演は新しい。それこそ2週間の改良時間が生まれるのは大きい。
でもこれ、この演目だから面白味が出るやり方なんだよなぁ(笑)。全部の演目でやっちゃうと、しらけちゃう。

総評

こりっちに登録していない作品も、大劇場も、2.5次元も見て、それぞれに良さや魅せ方があって、演劇の表現は様々なのを肌で感じた一年。
髑髏城は4公演5チーム見た上で、「鳥」が一番好き。
2.5次元は、文句なしで「プリンス オブ ストライド THE LIVE STAGE」がかっこよかった。
小劇場系は挙げた通り。距離感が近いだけあって、誰が出演しているか、は記憶に大きく影響する。

このページのQRコードです。

拡大