ハムレット
しあわせ学級崩壊
BASS ON TOP 中野(東京都)
2019/07/07 (日) ~ 2019/07/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
中野のスタジオでの公演
スタジオが変われば音もアクティングスペースも変わり
またちょっと違った感じの見え方に。
高田馬場の時より音が炸裂する時の爆音感が増していた
また、役者の動きが増えて観客との距離もより近づいて、芝居感も強くなっていた
ノーカントリーフォーヤングメン
コンプソンズ
シアター711(東京都)
2019/07/02 (火) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
言葉に溢れてるけど、沢山の物をギュッと詰めたんじゃなくて
隙間隙間に押し詰めた感覚
笑いとシリアスの境界の無い作品
目のヤバイ横手さんと宝保さんが対峙する場面が良すぎて死ぬかと思った
めちゃめちゃと物語のバランスはもう少し微調整できるかも
その言葉を客に投げたらどう跳ね返るかを完全に把握しているのが凄くて
面白くない台詞はそう受け取られるのをわかって次の台詞に繋がってるし
神の目を持った台本
それを強い役者が暴れまわって掻き乱す
甲野さんと星野さんのコンビの凄さが凄い(小並
バー・ミラクル
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/06/29 (土) ~ 2019/07/08 (月)公演終了
満足度★★★★
Barを舞台にした4本の短編集
全体的に役者さんの演技に、ちょっと演技を作ってる感があってまだまだかなと
堀川さん、金田一さん、佐々木さんは良かった
「夢見る少女でイタくない?」と
「エモくてごめんね」の2本はそれぞれ良いものが有って楽しめた
先が読めないのが見たいの
「夢見る少女でイタくない?」
荒井ミサさんの脚本
物語としてはまだまとまりきっていないけど
要素とかワードの選び方、言葉の刺し方などに凄いセンスを感じた
役者さんとの乖離感があったのはもったいない
いやなんか叩き上げて磨き上げて欲しい本だなと
60分くらいに掘ったのが見たい
「エモくてごめんね」
凄い好みな物語
ぼくは救われないと報われないと知りながら
破滅へ純粋に進んでいく人と物語が本当に好きなんだなあと
終盤が蛇足に感じてしまったけど
中盤は本当に名作
金田一さんが輝いて見えた
その姿を見て何故だか知らないけど泣いてしまったもん
Dry編
短編3本全部、役者さんにも隙がなく面白かった
特に浦田すみれさんは見るたびに良さが次々と出てくる、もっと多くの人に見てもらって知ってもらいたい役者さん。目力を中心にした表情が素晴らしいしコメディもドラマもできる
伊藤さんの役ごとの変わりっぷりも良い役者を見た感
嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。」がとにかく良かった
重厚な会話劇であり、役者それぞれがそれぞれであるがゆえに保たれているバランス
本筋の部分を坂本さんが男の機微を表す演技で引っ張り
伊藤さんと夛華さんが脇筋を支える。脇側を多く語らないのが良い効果
「嘘つきな唇は、たぶんライムとジンの味。」
これは本も当然良いけれど、坂本七秋という役者あっての作品でもあるなと
あの考えの男をどうなんだと思いながらも捨てきれず、付き合ってやりたくなるように表現できるのは七秋さんくらいしか僕には思い浮かばない
七秋さんに泣かされた
MITUBATU
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了
満足度★★★★
様々なBODYが転がる世界
人生をどう生きてようと、今がどうであろうと、人の最後ってやつはなかなか選べない
ただみんなBODYになるだけだし
だからぼくは何も考えず生きようと思った
何にもならずに生きてもいいかと思った
ここ数作品の毒きのこちゃんはMCRとかシンクロ少女好きな人には特にお勧め
くだらなさやベタさは高いけど、それでもどうしようもない人たちに何か感じ入ってしまうそんな作品で
今回は政岡さんとマッチュさんが特に素晴らしくて、いるだけで物語を感じ役者さん
ハムレット
しあわせ学級崩壊
SOUND STUDIO NOAH 高田馬場(東京都)
2019/06/30 (日) ~ 2019/07/02 (火)公演終了
満足度★★★★★
ハムレットの台詞がビートに合わせて交わい飛び交い
リズムにノリながら身体の中に入れると感情を伴って爆発する
スタジオど真ん中にハムレット
経由して渦巻く思惑、囲むぼくら観客
音楽を通して台詞を通して物語は動く
ぼくらは観客であり亡霊であり登場人物だった
スタジオでのスタンディング公演
ハムレットという題材はそれぞれの思惑と陰謀が渦巻く作品で
主人公のハムレットがスタジオを動き回るようにしたのは良い工夫
ハムレットのあらすじや人物相関図など事前に用意して見てもらった方が1.5倍くらい楽しめると思う
エンれぱ!Vol.7
しむじゃっく
あさくさ劇亭(東京都)
2019/06/28 (金) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
Vol.7だったけど、今まで見たエンれぱの中で一番役者さんの演技が全体的にレベル高かった
3作とも過去に何度か見たことある作品だったけど
役者の違いによる色が出てたと思う
「つくりばなし」はややコミカルに軽く作られてて
肝となる終盤も比較的ソフトランディング
女生徒は白野さんが3回目の女生徒で過去にも見たことあるのだけど
今回は表情が静止画じゃなく動画になっていて驚いた
それにより器としての女生徒役がどんな時でもきちっと生きていて
心と現実の齟齬や思春期特有の急な心の転換も細かく伝わってきた
座組としても安定してた
「透明人間、消える」はこの座組で見て、あらためて強い脚本だなと
本来狙っていたテンポじゃなくても強いワードとかシチュエーションとかで笑いが取れる
しかも舞台空間狭かったのでコンパクトに短いリズムでやっていたのがプラスになってた
四季役の役者さんの癖が凄い良い
発明少年天才ピカリ
劇団ミックスドッグス
オメガ東京(東京都)
2019/06/27 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
濃密な要素の詰まった、ど直球エンタメ作品
120分という時間ながら間延びの無い展開と演出
幾世さんという有能なエンタメ演者を狂言回しにすることで
テンポも繋がりも心地よいものになっていた
見るたびに筆が上がっていく奥田さんの脚本は素直に凄い
『ちゅうかんこうさ』
(石榴の花が咲いてる。)
プロト・シアター(東京都)
2019/06/28 (金) ~ 2019/06/29 (土)公演終了
満足度★★★★
時々、自分が生きてるのか死んでるのか確かめてみる
そして生きていれば向かう方向を考え
死んでいれば納め先を考える
ただそれは主観による暗い世界
誰かに自分の姿を光照らしてもらわないと
二人語り合う死と死、お互いを嗤いながら照らし合う女と女
二個目のやつについては「バッカじゃねーの!」という感想が全て笑
くだらなくて笑ったし、ふくしくんと市川さんのコンビなんて最高だったけど、とにかく「ばーか、ばーか」って言うしかない作品だった
特に一作目とのギャップよ!
二人芝居、杏奈さんは杏奈さん自身を消さずにドラマチックに
森さんは別人となってロマンのかけらもない存在に
それぞれ役としての役割そのままの演技であり持ち味でもあるそれを活かしてた
あと、中野さんの前説後説の切り替わりの雰囲気が好き
山兄妹の夢
桃尻犬
シアター711(東京都)
2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
ずっと見たかったのにずっと縁が無くて
やっと見られた桃尻犬
メタだか芝居だか演出の妙で軽快に進む展開
普通は笑えない台詞や場面で笑ってしまったり
人の人生の時間の見せ方の上手さに
そうだよな人には人の知らない諸々、色々な時間があるよなと
ああ面白い劇を見た!
Paranoia Papers 〜偏執狂短編集ⅣΣ〜
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2019/06/18 (火) ~ 2019/07/01 (月)公演終了
満足度★★★★
作品という儀式に参加した僕たち観客は
揃いも揃って仮面をしていた
その仮面には善と悪を線引く機能があったが
作品が始まると坪の中に投げ入れてドロドロに溶かした
ありのままを受け入れて感情のままに揺れた
人間の咆哮を聞いて自らに問うた
仮面を外した自分の表情は美しいか?と
とにかく役者さんが格好良くて綺麗な作品
刑事物語でも素敵だった山口晃洋様!が全編通して最高で
裸体も惨めに這いつくばる様も何もかも格好良くて惚れ惚れ
あとは偉い人の役を演らせた時の山本恵太郎の似合いっぷりだったり
折原啓太さんのフェロモンとか黒い加々見千懐さんも素敵
「悪魔に一番近い生物は人間だと思う」と寄生獣のミギーが言ったような
幽遊白書で仙水が見た人間の悪と黒の章のような
そういった光景が淡々と舞台上にあることがこの作品が命を持つ意味で
それを見てこちらも淡々と何かを思わざるを得ない
ただ流れていく人の生と死を優しく消化する
「ウチらの世界B.D/海の帳」
裃-這々
裃-這々宅(東京都)
2019/06/22 (土) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
例えば東日本大震災の前と後とで世界というものは全く違ってしまった
そしてその後ろの世界で生きている僕らにはその断絶がだんだんと馴染んでわかりづらくなっている
その部屋にいる人たちの断絶と馴染んでる様子は、前でも後ろでもない観客の僕らにしかわからない
「海の帳」
裃-這々の作品で話される台詞は戯曲っぽさが強くて
3次元でも2次元でもない2.5次元という感じ
これらがしっくりと観客に届くためには芝居の嘘にリアリティを乗せることが必要で
猫多さんと高橋さんは存在のリアルさを役者の箱として持っていて
その箱に上手く世界を乗せて見せていた
ハッピーマーケット!!
SOLID STAR
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2019/06/19 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
お店の危機を乗り越えるというよくあるフォーマット
妖精役が2名いてパックの様にかき回すのは面白い要素
中心の人たちだと吉岡茉祐さんと山北早紀さんがとても上手かった
ミュージカルは容易く心に染み込んでくる分、いつまでも頭に残るメロディが欲しいなとも
朗読劇
room42
RAFT(東京都)
2019/06/20 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
人間の脳細胞は1年で全て入れ替わるというし
世界は5分前に誕生したという仮説もある
ここにいる自分が少し前までの自分そのものであることは
ただそれだけでは因果律で説明できない
そんなあやふやなものに皮をかぶせただけの自己
でも逆に考えるとこの皮があるから自分は自分
このテーマをこの角度で切り取ってくるとはと唸った
物の見方というのを与えてくれる作品ってのは
僕の考えを斜めから打ち崩してくれる大切な痛みで
自分の一番近い物に置き換えて大切な印になる
まあ結局は大体忘れてしまうんだけど
どっかでまた同じ言葉をもらえばきっと思い出せる
「遮光器土偶デス・エクソダス VS夜明けの令和」
駄目なたすいち
Geki地下Liberty(東京都)
2019/06/19 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
縄文パートはぶっ飛んだ設定の割に、意外としっかりしたエンタメな物語
縄文というフォルムであること意識すると、そこで行われている全てが狂っている作品
悪役の目立ち方とかその時代の進み方とか映画版ドラえもんのような感覚
サディさんはさしずめギガゾンビ
令和パートは 細田こはるさんに尽きる
衣装も喋り方もなにもかも最高だった
令和パートの方が物語としてのぶっ飛び感が強くて
高揚感とカタルシス、好きに対する丁寧な物語
舞台というのは美術や音や制作など色々なものに支えられてるんだなとなんか感じさせられた作品
黙読
中野坂上デーモンズ
新宿眼科画廊(東京都)
2019/06/14 (金) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
ルーティンや関係性、言葉の指すもの、考えようのあるもの全て徹底的に意味を無くして表面上の入り口と出口だけを正しく線を引いている作品
本当に最高にくだらない
その場に見える光景とか何の前後もない台詞で思わず笑ってしまう悔しさと素晴らしさ
こっちみてるの、しょうこ
やみ・あがりシアター
小劇場 楽園(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
シュールな場面と役者さんの強い個が混ざりあって笑える場面と引き込まれる展開
舞台上の灯りと色の幻想感と加藤さんのモデル感と相まって、何をみてたのだろうと狐につままれたような感触の残る作品だった
いざ、生徒総会
filamentz
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/06/11 (火) ~ 2019/06/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
かど a.k.a. 監査萌え
@mista07
·
6月11日
#いざ生徒総会
積み重ねられていく1話~4話それぞれがめちゃめちゃ面白くて
「いざっ!」とカタルシスを感じる第5話
大爆笑に包まれたり、青春を感じてほろ苦さを感じたり
バカバカしさとか真面目な思いとか
とにかく面白い大傑作だった
ナイゲン、アガリスク、学校物好きな人は絶対に楽しめる作品
歪な日常
NAOYA PRODUCE
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★
僕の好きなループ物だと聞きつけ観劇
かなり良くできたループ物SFミステリだった
ミッション8ミニッツのような感じで
演劇的な見せ方もちゃんとできていて面白かった
役者のドラマ的な演技で平坦な部分も盛り上げていた
主役の癖のあるキャラ芝居はちょっともったいない
山猫 / 辺獄の葡萄
牡丹茶房
新宿眼科画廊(東京都)
2019/06/08 (土) ~ 2019/06/18 (火)公演終了
満足度★★★★
「山猫」
だけどそれは愛じゃない
藁の敷き詰められた地下の狭い空間
演劇という区切りを外から眺める僕らの有り様は
そういうのと何ら変わらない
ただクローズアップされた彼らの短い場面をみて勝手に色々思うだけ
だから僕らが見ているそれは愛じゃない
彼らが感じたそれは愛じゃない
「辺獄の葡萄」
もう一つの「山猫」と対比させられる、してやられたりの作品
浅見さんの強さ太さ悪党っぽさがキャラや物語に信頼を与えていた
結局狂気というのは見知らぬ他人の事情によって動く世界であって
自分の道理と他人の道理が重なる部分を檻で囲って舞台上で見せてくれる作品
脱獄5
家のカギ
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
満足度★★★
ドリフ的なコメディという印象。鈴木さんの愛嬌と池田さんの特権的肉体?が目を引いた
ただちょっとストーリーに粗とムラがありすぎかなと
頭の悪い登場人物ばかりの作品はもっと笑いを取らないと成り立たない
ドタバタするシーンよりかけあいや感情のある部分の方が面白かった