戯けの死に様
獏天
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
昨年5月の「孤という毒」は、50歳を過ぎての舞台初出演という亀石太夏匡の長編一人芝居に驚愕し、知人の女優にも必見だと薦めて、その女優さんも素晴らしかったという言葉しか出てこない有様だった。今回その亀石は出演しないものの、獏天としてはほぼ15年ぶりという時代劇、しかも幕末オールスターによるイデ版妄想幻想のアクションゴリゴリ幕末狂騒伝だという。今回はどんな驚きを観せてくれるだろう。
ツァイガルニクに勝つ記憶
地下富士と廃校
中野シアターかざあな(東京都)
2023/01/28 (土) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ツァイガルニクとは目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶が完了課題についての記憶に比べて想起されやすいことをいう。要するにできなかったことへの慚愧の念は達成したことよりも大きいということだ。それをテーマにした7本の短編オムニバス公演—あるあると思いながら見つめることになりそうだ。
永遠(とわ)に逞(うつく)しく
よせなべ
雑遊(東京都)
2023/01/26 (木) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
闇鍋ではなく寄せ鍋。渡辺浩一のソロ活動プロジェクトとして始動したというから渡辺の「なべ」なのだろう。今年は、〈渡辺浩一芸能活動30+2周年記念〉として2公演を予定している内の第一弾との由。「逞しく」と書いて「うつくしく」と読ませるのは、やはり男ってものは逞しくあらねばならぬということだろう。逞しき男の美しさを確認したい。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
DOG’S
LIVEDOG
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
飼い主が戻ってくるのをただひたすら待っている―って、まるで忠犬ハチ公だが、犬社会を通じて現代の人間社会に鋭く問いかけをする作品だという。どんな問題提起が隠されているのか。登場人(?)物はすべて「犬」だそうだが、和興がどのような表現で観せてくれるのか楽しみ。
K2
滋企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
この作品はサンシャイン劇場での日本初演(83年)と本多劇場での加藤健一事務所(97年)との2回観ている。日本初演はなんとあの菅原文太の舞台初挑戦だった(といっても菅原文太の舞台出演はその後「半七捕物帳」があるだけだが)。氷壁にハーケンを打って登る場面があるのだが、終盤の雪崩も含めて、こまばアゴラの小さな空間でどう表現されるだろうか。
血の婚礼
劇団東京座
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「ベルナルダ・アルバの家」「イェルマ」と並んでスペインの劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる土着的な三大悲劇のひとつだ。映画化されたものも観ているが、舞台では19年11月にLe Matinが二人芝居として上演した(脚本・演出:奥村千里)のを観たことがあるだけだ。濃密な舞台にめぐり逢えるだろうか。
ラチカン
三栄町LIVE
三栄町LIVE STAGE(旧:フラワースタジオ) (東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了
Go Let It Out
演劇企画アクタージュ
荻窪小劇場(東京都)
2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
グループセラピーを扱った演劇作品というと一昨年12月に観たボビー中西プロデュースAWDL公演「ビューーーティフル!」(尾身美詞と江間直子というダブルキャストの両方を観た)を思い出すが、なかなか自分自身のこととして捉えきれなかった。今回の舞台はどうなるだろう。
ところでカプセル薬が敷き詰められているチラシは全英1位を獲得したOasisの曲「Go Let It Out」の冒頭での「自分をそれほど好きならば/全ての薬を試してみろ」という歌詞と関係しているのだろうか。
龍昇企画 父と暮せば
ストアハウス
上野ストアハウス(東京都)
2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
GOOD BOYS
TAAC
新宿シアタートップス(東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/01/24 (火)公演終了
おやすみ、お母さん
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/02/06 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
昨年シアターコクーンで観た「ザ・ウェルキン」では那須佐代子と那須凜が同じ舞台に立っているのに興奮したが、この「おやすみ、お母さん」ではピューリッツァー賞受賞作の二人芝居で母娘を演じると知った時にはどのような舞台になるのか期待しかなかった。しかも劇場は那須佐代子のために建てられた風姿花伝だ。「血」を意識しながら見つめる舞台になるだろう。
明日の幸福
diamond-Z
日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)
2023/01/20 (金) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
前回公演「明日ハレルヤ」は若干甘い部分は感じるものの、全体としては楽しめる舞台となっていた。今回一番気になるのは【ある家宝】だが、さてどんなものが飛び出すか……
さなぎになりたい子どもたち
演劇集団 Ring-Bong
座・高円寺1(東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
未見の団体だが、文学座の俳優・山谷典子が台本を手がける、社会問題を身近な視点から描く演劇ユニットだという。今回の公演はコロナ禍の公立中学校を舞台に、周りから浮いている二人が抱える問題を養護教諭の目を通して描く作品らしい。子どもの貧困は本当に悲しい問題。どのように描かれるのか。
義弘と義久
SPPTテエイパーズハウス
シアターX(東京都)
2023/01/18 (水) ~ 2023/01/22 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「小劇場にも日本が誇る時代劇の伝統を正しく継承したい」という林与一さんの言葉に胸が熱くなる。
時代劇を上演する小劇団も多いが、所作もわからずに演じ、殺陣はまるでダンスのよう、というトンデモ時代劇が横行している。私はかつて池袋演劇祭で受賞が有力視されていた時代劇劇団(東京芸術劇場で上演していた)に、「もしあなたたちが受賞したらあなたたちの時代劇がスタンダードとして継承されるかもしれないんですよ。そういう覚悟をもって創っていますか」と苦言を呈したことがあるが、時代劇を創ろうとするのならその程度の覚悟は持ってほしい。
SPPTテエイパーズハウスは林与一さんのアドバイスがあるのなら、観客も安心して舞台世界に没入できることだろう。
俺は誰だ?
Offbeat Studio
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
剣持直明は得体の知れない案内人か、それとも必死に共通点を探し始める中で出会う風変わりな面々の一人か? う~ん、「剣持は誰だ?」 悩むなあ。ここはひとつ実際の舞台で確かめたい。
無人船
劇団 枕返し
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
どこまでも広い海にぽつりと浮かぶ謎の船……その寂寥感漂うイメージがどのように美しさと醜さを詰め込んだ親と子達のヒューマニズムラプソディーに姿を変えるのか、興味をひかれる。
マジックリアリズム
劇団龍門
シアターシャイン(東京都)
2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
説明にも書かれているが、マジックリアリズムとは文学上の用語で、リアリズムに立脚した枠組みを備えているものの、超自然・夢・幻想などの要素がそのリアリズムを侵犯し、時間や虚実が混淆していくスタイルのことで、ラテンアメリカの驚異的な現実を写実的に描くと欧米人の目には魔術的な幻想小説に見えてしまうことからこう呼ばれるようになったものだ。
もともと非日常を求めて劇場に通う我々に、村手龍太はどのような魔術的なリアリズムを観せてくれるだろう。今回は村手は作と出演に集中し、演出をガラ劇のガラ林に委ねたのも興味深い。
『キレナイ/Dear Me!』
ラゾーナ川崎プラザソル
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2023/01/21 (土) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ラゾーナ川崎プラザソルの16周年記念公演は青春事情の大野ユウジ作・演出による2本立て興行。美容院と夜間保育園を舞台にしての様々な人間模様が描かれる作品らしい。普段からプラザソルでの公演は観応えのあるものが多いが、この記念公演も期待が大きい。
かもめ
サブテレニアン
サブテレニアン(東京都)
2023/01/14 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
チェーホフの「かもめ」はもう何度観たことだろう。清水邦夫の「楽屋」、つかこうへいの「熱海殺人事件」シリーズ(殊に「売春捜査官」)と並んで鑑賞回数の多さでは私のBIG3だ。これまでに観た「かもめ」では10年10月のMODE(松本修演出)と11年6月のオクムラ宅(奥村拓演出)、そして17年2月の無名塾(江間直子演出)の3つが大きな印象を残している。
今回の公演はスタニスラフスキーメソッドに基づいて訓練している韓国の大学生によるものということだが、韓国人が「かもめ」をどのように感じ取っているのか、興味深い。