ハウザーの観てきた!クチコミ一覧

241-260件 / 380件中
パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

パイドパイパー観劇
千秋楽のパイドパイパーを観劇。スピンオフである、千年のセピラを先に観たが、観た方がより楽しめますが、基本的には本編だけで十分な2時間30分の長編大活劇。
ハーメルンの笛吹をベースに、時間軸をまたぐ良く練られた脚本と役者さん達の熱演で楽しめた舞台でした。
ただ、少し話が難解な部分も多く、またもう少し削れる部分もあるのではとも思いました。
役者さん達は皆さん熱演でしたが、あうるすぽっとの舞台が少し大き過ぎたかなと感じてしまう箇所も見受けられました。

ショウダウンさんでは、初めて一人芝居以外を観ましたが、林遊眠さんが大変楽しそうなのが印象的でした。
レスタト役の上杉逸平さんやマルヴォ/ジャック役の為房大輔さんが特に印象に残り、また物語の進行を説明する方が、出てくるのもある意味ショウダウンさんの特徴でしょうか。

来年1月に再度東京公演を予定されておりますが、今から楽しみです。



パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

千年のセピラ観劇
本篇前にスピンオフの本作品を観劇。恐らく、順番的にもこの方が良いと思う。10分の休憩を挟み1時間50分の舞台。序盤、あうるすぽっとの広さの為、やや聞き取りにくい箇所や言いよどみも目立った。一人芝居には、広すぎるかなと感じていたが、中盤、終盤と気にならなくなっており、舞台に魅せられた。言いよどみが減ったというよりも、それが気にならない位、惹き付けられたからでしょう。ショウダウンさんの一人芝居は、観る度に思いますが、
林遊眠という役者だから出来る稀有な舞台です。

そして、どうしても役者さんに目を奪われがちですが、音響、照明も良く、また何と言っても脚本が素晴らしい!
実話がベースなので、大筋は予想できるがそれでも展開に一喜一憂させられました。

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

DULL-COLORED POP

王子スタジオ1(東京都)

2015/08/26 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

家族だから、・・・家族だけど
観劇当日の天気と同じ曇りと雨のような、スッキリ快晴ではないが心深くに刺さる家族の舞台であった。だが、間違いなく傑作だと思う!
わずか8人の役者さん達の熱気も伝わる狭い空間で観れて大変良かった。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

家族の為と、息子、娘、そして夫と数々の問題を一緒に乗り越えてきたと自負する専業主婦の母親。だが、乗り越えてきたのではなく、大きな溝を作ってしまっていた。家族の為でもあるが、結局は自分の希望を押し付けてきただけかもしれない。この辺の、家族間の関係を描く心理描写が圧倒的に上手い。家では吸わないと決めていた夫が最後に1本だけとタバコを吸うシーンだけでも、脚本、演出の見事さが伝わる。
また、母親にしか見えない猫を登場させ、またその猫が過去の回想シーンで母親を演じる事で、少しだけ暗く重くなりがちな話を緩和している。
結局は家族だから、理解され許されている事もあるが、そこに家政夫が入る事で、他者では理解されないという現実も突きつけられる。息子の嫁が最後に見せる本性もまた同じく。
家族だから、でも許されない感情が渦巻くタイトルからは想像できない、凄味のある舞台でした。

役者さんは、8人とも熱演で何方も素晴らしかったです。

遺言書の本物が、終演後に物販されており買おうかと思いましたが、舞台が素晴らしかった為に、逆に真実を完全に知らない方がと良いかと思い、思いとどまりました(笑)

時をかける206号室

時をかける206号室

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

複雑な伏線回収の妙
ボク団らしい複雑な伏線と回収の妙を味わえる脚本、それを実現させる役者陣、絶妙な音響を含めて実に見事な舞台。
ただ、ストーリーの難易度も高く、理解には苦労する。ボク団初見の方や分かりやすいストーリーを好む方には受け入れられないかもしれない。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

一言でいうと、凄い!と 少しやり過ぎかな?が同居した舞台。
個人的には、各部屋の話で201,202,203号室は前者、204,205号室が後者です。というのも他の方も書いておられますが、204,205号室はフィクションなのだから、主人公の願いというには話が暗すぎる。
この2部屋がなくてもとも思うし、204号室はフィクションとせずに見てきた話としたほうがまだしっくり来る気がする。
そうしないと事実が分からないのでモヤモヤ感が・・・。

それにしても、今作も役者陣は凄かった。ボク団のメンバーに加え、客演陣も素晴らしく、特に客演陣では基本的には暗い話をコメディチックな空気に変えた大家さん役の椎名亜音さん、最初の妻を演じた斎藤彩夏さん、そしてやはり最後の告白が印象的な漫才師を演じられた図師光博さんが特に印象的でした。

大変面白い舞台ではありますが、いくつか分からない点も。
・最初の妻の子供の話が出てこない?
・今日子の子供は誘拐されたまま? 前妻とは誘拐前に離婚した?
・ストーリーテラーだった実の娘の存在を知らない?

私の理解力不足かもしれませんが、1度観ただけでは分からないというのも
いかがかと思う。

色々書きましたが、個人的には好きな、なかなか観る事の出来ない舞台でした!
唄わない冬

唄わない冬

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/08/21 (金) ~ 2015/08/31 (月)公演終了

満足度★★★

90分が長く感じてしまった
ストーカー殺人をモチーフにした物語。殺人の部分は少しだけボヤかしてあり、それまでの経緯や主人公の女性の生き方に焦点があてられている。
ただ、正直魅入る観劇では無かった。役者さんの熱演は伝わったが、会話がすぐに怒鳴り声に変わるが、この流れが多すぎたように思えた。
またこの流れだと観ている方も疲れてしまい、90分がとても長く感じてしまった。途中この会話の繰り返しを止めないかという場面があるが、ここで客席から笑いが出るのもどうかと思う。苦笑いなので。

会話の中でのメールの絵文字を台詞で表すのは、とても面白く新鮮に感じた。

ゴースト・ゴースト・ゥライター

ゴースト・ゴースト・ゥライター

東京パイクリート

OFF OFFシアター(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

書くって大変
5人の役者さんの演技力が光るワンシチュエーションコメディ。脚本も面白く、所々で良い台詞を言っている気もするが、コメディで通していて、個人的にとても好きな作品。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

オープニングから3人が書き物をしているが、そのうち二人はゴースト(地縛霊)という始まり。生きているゴーストライターとその編集者、歴史研究家で締切間際の幕末時代劇を仕上げる必要があったのだが・・・。
ゴーストライターが事故に合い、死にかけている為ゴースト達と会話が出来るように、また眠っている人に憑依できるゴースト達が執筆をしたがるがという流れから、笑いが連鎖していく。

個人的には序盤でも、細かい笑いが散りばめられており楽しめていたが、憑依の流れから笑いが加速して大変楽しませてもらった。
6人しか登場人物がいないが、役者さんが皆上手く、十分。
深みのある台詞も多く、笑いだけでも無い舞台でした。

ダンスや酒宴シーンも良い。
あ、千葉さん、生きてて良かったです(笑)

【終演しました。ご来場ありがとうございました!】リーマン=シャイン

【終演しました。ご来場ありがとうございました!】リーマン=シャイン

劇団ダブルデック

劇場MOMO(東京都)

2015/08/13 (木) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

まさに輝く熱演
前作から2回目の観劇となる同劇団。やはり熱量溢れるパワフルな舞台でした。同劇団の公演が魅力的なのは、圧倒的な運動量にあると考えている。
集団でのダンスが場面の切り替え時含め随所で見られ、歌もオリジナル楽曲で歌う。正直、著名劇団のミュージカル等と比べれば各々では見劣りするのは否めないが、それでも観ていて楽しいのだ!洗練さとか優雅さとは違う、ひたむきさやガムシャラ感が観ていて気持ち良い!

勢いで走る舞台であるが、テーマ的にも考えさせられる内容でした。(私もリーマンなので。)
最後の、全員での合唱は清々しく感じ、皆さん輝いておりました。

観ていて、これからも応援したくなる劇団です。

206

206

(劇)ヤリナゲ

王子小劇場(東京都)

2015/08/12 (水) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★

シュールな会話劇
初観劇の劇団さんでしたが、実にシュールでした。個人的には好きな会話劇で、その会話とぎこちない場の雰囲気がとても面白く、楽しめました。公演中なので、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

同居する3姉妹を軸とした話ですが、偏見や差別をラクダ星人との共存で表し、その独立運動を国家間での戦争をテーマとして盛り込んでいる。
いきなり、ラクダ星人ですから戸惑う観客も多かったように思えました(笑)
ですが、会話がとても面白く、またぎこちない場の雰囲気がとても良く出ていて、会話劇としては大変面白いです。
最初のシャワーシーンは特に好きですね。

開演時、何もない空間にロープを張って、3脚の椅子、テーブル、冷蔵庫で部屋にする演出も斬新に思えました。
ただ、70分間の舞台でしたので、その中で3姉妹の関係性や恋愛、独立運動等少し盛り込み過ぎたようにも思えました。
最後、かなり駆け足で進んでいったようにも思えましたので。(ヨーイチがラクダ星のレジスタンスに加わる意味が?カヤは日本にいたのですよね?)

役者さんは皆若い方ばかりでしたが、技量が高く、中でもテルコ役の國吉咲貴さんとヨーイチ役の浅見臣樹さんがとても印象的でした。

次回公演も、観てみたいと思う劇団でした。



ジジイ達の特攻隊

ジジイ達の特攻隊

サン・マルガン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/08/12 (水) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

観るべき舞台
初観劇の劇団さんで初めて観る役者さんばかりでしたが、実に素晴らしい舞台でした。脚本が面白く、またこの時期に観るにふさわしい舞台で、涙腺が緩み考えさせられます。 席が余っているのが勿体無いくらいの舞台でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

戦時中の歌謡漫談を職とする5人が、特攻隊員がいる島に慰問にいく話であったが、行くまでの東京での生活に、戦時中の現況や思想が読み取れ、この段階で既に惹き込まれた。島に行ってからの軍人達との交流などで、よりそれぞれの思想や背負っている物が描かれ、当時の状況が想像できました。軍国主義と言ってしまえば簡単ですが、やはり怖い考え方ですね。

この舞台がより魅力的なのは、重い話の中に歌謡漫談を取り入れた事で、笑える場面が取れ、また<これまたぼーいず>の5人が実に魅力的な点でしょうか。
また他の役者さん達も、それぞれの役を実に上手く演じられ、谷大佐役の大谷朗さんや立野中尉役の立花伸一さんが印象的でした。

最後の、零戦に民間人3人が乗り込む場面は、状況的にはあり得ないとは思いますが、心情的には分かる場面で、涙を誘われました。

一つだけ疑問だったのは、島にいたであろう見張り役の軍人の方が、最後まで出てきませんでしたが、設定上必要だったのかと思いました。零戦2機を失った空襲もありましたし。

この時期に観ることが出来て、大変良かった舞台でした。

放浪の牛

放浪の牛

MJP

OFF OFFシアター(東京都)

2015/08/11 (火) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

アメリカ映画のようでしたが。
B公演観劇。少し前のアメリカ映画のような舞台で、独特の世界観は伝わった。 だが80分程の舞台では、登場人物の心情の変化などは今一つ私には伝わりにくかったです。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

家出した少女と放浪の旅を続ける女性の話。旅の中で、ヒッチハイク、コーラ売り、ガソリンスタンド、牧場等でイベント?があるが、基本的にはタンタンと進む感じ。家出した娘の父親も警察に連絡し、誘拐も視野に警察も動き出す。 途中声だけで作品名の牛も登場するが、柵の中にいる、決まった世間の枠組みの中にいる、自分(旅の女性もしくは家出した少女も)と重ねられる。個人的には好きな作風であるが、何か今一つ弱い感じに受け取れてしまった。家出した少女が家に連絡を取るのも、何故急に?みたいに受け取れ、どこで成長したの?誘拐と思われるから? と考えてしまいました。

また、サプライズゲストも好きな役者さんではありますが、この舞台では無理やり過ぎかなと。 内輪受けの部分が大きく、知らないお客さんには?だったのではと思いました。

役者さんは、放浪者を演じられた大橋繭子さんとスタンド店員の大野歩美さんが魅力的で印象に残りました。
人が流されていく川

人が流されていく川

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2015/08/11 (火) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★

出来るかもしれない施設
近未来の話という設定であるが、本当に出来るかもしれない施設という印象を受けました。脚本、設定が面白く印象に残る観劇でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

近未来において、死にたい人を安楽死させる施設が出来ているという設定の舞台。そこに来る人(連れてこられる人)、そこで働く人達の考え方や感情の動きを舞台化している。大局では、自殺する人は勝手にすれば良いという考え方と思いとどませるべきというの考え方がある。一般的には、後者の考え方が多いとは思われるが、前者の考え方も決して少なくないのではとも考えさせられる。夢や希望という言葉が絵空事のように聞こえ、現実には、国内で年間3万人(一説には年間11万人)という自殺者が出ているのだから。
本舞台では、それぞれの考え方の揺らぎや一種のあきらめが感じられ、見応えのある舞台であった。
「死にたい」というのは、「助けて」と言っているのと同じというような台詞が特に印象的でした。

だが、お笑いの要素等はこの舞台にはいらなかったのではとも思う。
会話での笑いではなく、特にリアクション等での。
それも、その役の方の強がりを表現したのかもしれませんが。

近未来にはあるかもしれない施設ですが、それでも無い未来を祈ります。
振り向けば優しい心の贈り物

振り向けば優しい心の贈り物

劇団 浪漫狂

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2015/08/04 (火) ~ 2015/08/10 (月)公演終了

満足度★★★

家族愛ではあるが・・・。
初観劇の劇団さんだが、今回は外伝公演という事で、若手の役者さん中心。
家族愛をテーマにしたオムニバス3部作。正直かなりベタな話ばかりであったが、涙腺を緩ませている方もチラホラ見られた。
私も好きな話ではあるが、少しいかにも的な流れ過ぎて、泣くまでは。
(選曲もいかにもだったので。)
オムニバスではあるが、世代の異なる組み合わせだったので、何か登場人物等で少しでも繋がりがあればとも個人的には思いました。
お笑いの部分も盛り込んでいましたが、かなりベタで、同回を観られた小学生位の男の子には大うけでしたが(笑)

役者さんは、技量差も感じましたが、熱演である事は伝わりました。
女優陣の涙にはやはり弱いです。

舞台とは別に開場に際し少し苦言を。
満員が予想される千秋楽でしたが、自由席で入場順に奥の方から詰めてという席はいかがかと思う。確かに混雑を避ける為とは分かるが、なるべく見やすい席で観たくて早く来ている意味がない。また、これも徹底しているならまだ良いが、途中(開場10分後位か?)からその縛りも無くなっており、素直に従っていた初期入場の方々が残念な感じでした。




Phantom of the Kagetsu -- 花月園の怪人

Phantom of the Kagetsu -- 花月園の怪人

STUDIO D2

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/08/08 (土) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

気楽に楽しめる作品
ダンススタジオ主催の舞台で、ダンスや歌も随所に盛り込まれている。芝居部分は「オペラ座の怪人」をモチーフに日本版にアレンジされており、ご当地アイドルグループ等も取り入れ現代的。
ストーリー的には、基本的に良い人ばかりなので王道路線であるが、コメディ的なセリフも多く、幅広い年代に受け入れらる舞台で楽しめた。
正直、芝居、ダンス、歌には個人差も見受けられたが、メインの歌姫二人は想像以上のレベルで驚いた。

主催さんの最後の挨拶は真っ直ぐな感じが伝わりとても良いですね。
※見返してみたら、主催さんの挨拶に関しては昨年も同様の感想書いてました(笑)

グレイな世代 黒とシロ&IN廣島 紐育に原爆を落とす日

グレイな世代 黒とシロ&IN廣島 紐育に原爆を落とす日

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2015/07/28 (火) ~ 2015/09/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

70年前の日本の話
原爆をテーマにした舞台でしたが、時期的にも世相的にもタイムリーで実に見応えがありました。終演後の挨拶で、少しでも考える機会になればとの事でしたが、とても考えさせられる舞台です。素晴らしい脚本と実力派の役者さん達の熱演で、観劇出来て大変良かったです。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

序盤、ダンスや歌を盛り込みエンターテイメント風な舞台かと思っていたが、中盤から終盤にかけては息苦しくもなる程の熱演で、惹き込まれた。
登場人物それぞれの信念や正義があるので、何が正しいと思うかは観客それぞれの判断になるとは思う。ただ、このテーマを考えた際にはその判断の為にも多くの人に観てもらいたい舞台と思う。
遠い国でも、昔話でも無く、70年前の日本の話なのだから。

それにしても、重厚な脚本と魅力的な役者さん達が集まった舞台で、次回公演も楽しみになりました。
ガールズトーク☆アパートメント -2010.ver&2015.ver-

ガールズトーク☆アパートメント -2010.ver&2015.ver-

UDA☆MAP

シアターKASSAI(東京都)

2015/07/29 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

緩やかで暖かい時間
2010、2015の両Ver観劇。
どちらも、様々なイベント(トラブル?)を軸に四季が進み、日常的とは言わないが、皆色々あるよねと思える舞台でした。登場する人達のつながりが優しく、緩やかで暖かい時間が進む。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

あまり知らない方が楽しめるので、エピソードを簡単に箇条書きで。
四季ごとに合わせているのは実に上手い。

2010Ver
春・新入居者登場(名古屋訛り全開の大学生)
夏・ゆずこしょうの木
秋・シングルマザー
冬・鍋とスパイ・・・。
キーアイテム(笑)・まあまあの俳句集

2015Ver
春・新入居者(シンガーソングライターの卵)
夏・ゲリラ豪雨と花火大会
秋・楽しい今と同棲婚の未来
冬・結婚イベント(元DV夫婦のやり直し)
冬・再び新入居者(おまけ)

2010、2015共通の感想。
・エピソード後の切り替えを、暗転を使わず役者さんが小道具等を使い、四季の変化を付けていく。その際に、セリフを発しないがちょっとした出来事なども盛り込んであり、時間を進めて行くのが良い。(告白や旅行への出発等)
・大家のやえがしさんは、基本的には前に出過ぎず住人達を見守る感じ。独特の口調であるが、ボイス・アクターのポチョミンを思い出した(笑)
・住居人がなんとなく、ボケ、ツッコミ担当に分かれていて、短的なツブヤキが面白い。
・グズグズ感は強いが、最後にほっこりする各エピソードが優しい。

個人的には、2010→2015Verの順で観た為か、2015Verの方が進化しているような感じで楽しめました。(もしくはこの舞台に私が慣れたのでしょうか。)
5年の時間差ですので、やえがしさん以外にも同じ住居人がいればとも思いましたが、成長して出ていく巣立ちの家のような気もしますので、これで良かったのかなと思います。(いつ出て行ってもいい、戻ってもいいというような歌詞もありましたし。)

次回は、2020Verでの続編でしょうか。
新宿☆アタッカーズも続編となるらしいので、今から楽しみです。





1995

1995

ブルドッキングヘッドロック

ザ・スズナリ(東京都)

2015/07/29 (水) ~ 2015/08/05 (水)公演終了

満足度★★★★

あの時代
客入れ時の選曲から、懐かしい歌が流れ、20年の月日を感じる。そして舞台上でも、当時の話題が盛りだくさんで懐かしくも楽しめる。基本的には、コメディであるが、歳のせいか切なくも感じた。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

1995年と現在を舞台上で交差させ並行で進めて行く演出。主役の人物だけが同人であり、時代の回想につながる。1995年時にはアイドルを目指していた主人公が、現在は主婦となっており、それぞれの時代を生きている。
時々の会話が実に秀逸で、役者さんの演技力の高さも伴い、共感できる。
また、存在感の強い役者さんも多く惹き込まれるが、周りの役者さんも引っ張られるのではなく、上手く調和されているので、皆上手いなぁと感じた。

懐かしく思う一方、特に1995年の方はあの時代を生きているなぁと感じた。
終盤は、2つの時代から更に未来までの時代を演じられ、時代の流れや、つながりなども感じたが、個人的には2つの時代だけの舞台でも良かったのではとも思った。

魅力的な役者さんが多く、全編通して楽しめた為、長い上演時間も全く気にならなかった。
観る方の年齢によっても受け止め方が大きく異なる舞台とは思うが、私はとても楽しめた。



紫陽花の下に死体は眠る

紫陽花の下に死体は眠る

惑星☆クリプトン

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/07/22 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★

サスペンスではあるが
血生臭いサスペンスとの事であったが、少し設定に無理を感じてしまい、正直あまり集中できなかった。(何故、素直に参加するの?これが動機?等々)
役者さんは皆さん熱演ではあったが、言い直し等が少し目についた。
何となく全体的にボヤけてしまった印象で、オープニングとラストが好きな感じだっただけに少し残念でした。

マドモアゼルはプリンス ムッシュはプリンセス ~桜木邸連続殺人事件~/ダンパチ13・銀

マドモアゼルはプリンス ムッシュはプリンセス ~桜木邸連続殺人事件~/ダンパチ13・銀

ショーGEKI

「劇」小劇場(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

エンターテイメントな舞台
オープニングの映像を使った登場人物紹介、作中の視点変換や回想シーン等の演出、宝○風な歌やダンスなど、エンターテイメント性に富んだ舞台で大変楽しめました。まさに夏祭り的な公演でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

男女逆転の配役でこの時点からコメディ色が強く漂う。そしてオープニングの映像と幕を上手く使った演出。オープニングから死ぬ人が分かってしまうのも斬新で面白い。内容の方も、良い意味で意外としっかりしており連続殺人ミステリーで謎解きも楽しめる。だが、基本的にはコメディなので気楽に楽しむのが良いのかも。
舞台壁を地面に見立てた、落下現場の現場検証シーン等は大変面白く、演出の妙が味わえました。他にも、回想シーンなどでの早着替えや歌(ラップ)などにも笑わされました。歌やダンスはメインではありませんでしたが、桜木美樹・美貴役の小林さんの男装が、とても似合っており宝○風だったのもより華を添えたように感じました。

役者さん達も楽しんでいるような感じで、悪くすれば内輪ウケともなってしまいますが、本作はお客さんに楽しんで欲しいとの点が随所に見られ、その上で自分達もという感じで大変良い座組だと思いました。

この探偵と警部をメインにした続編等も是非観てみたいと思いました。せっかく決め台詞も有るのだし。 (あ、成○石井・・・があるんでしたね)

最後の挨拶時のお辞儀での、アリーナや2階席があるような感じ、とても好きです。「劇」少劇場が帝○劇場に変わりましたね。

また、是非観てみたい劇団さんが増えました。
イヌジニ

イヌジニ

雀組ホエールズ

OFF OFFシアター(東京都)

2015/07/15 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★

変わったのは人間
当初予想していたのとは異なり、殺処分をテーマにした考えさせられる舞台でした。難しいテーマですが、コメディ基調でしたので重くなり過ぎず見やすく観劇する事が出来ました。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

動物愛護センターで殺処分の仕事を行っている父と、ある日突然動物の言葉が理解できるようになったその娘を軸に、飼っている犬や殺処分待ちの犬達との交流を描いた舞台。
犬達や猫の言葉が、純粋でかつ風刺的でもあり、考えさせられる。舞台中や当日パンフにもあるが、「不要な動物」、「不要な命」とは何だろう。

全体的には難しいテーマを細かい笑いで和らげた舞台で、舞台後の挨拶にもあったが、少しでも考える機会になればとの話が実に良かった。

ただ、人間側で観た場合、父の葛藤に比べ、動物の言葉が分かる故かとも思うが、娘さんが少し正論ばかりだったのは残念でした。目の前しか見えていない様な気がしてしまいました。

又、少し辛口に書きますと、犬は基本肉食なので、ドックフードには他の動物の肉が含まれます。(100%植物のものもありますが、作中でも肉が食べたいとのシーンもありましたし。)
人間やペットの為なら、他の動物は良いのかとなると、「命」そのものを扱う事
になるので、実に難しいテーマですね。
少なくとも私は、肉や魚を食べますので、やはり値札がついた時点で「物」なのですかね。

色々書いてしまいましたが、それだけ考えさせられる良い舞台でした。


僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪

僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪

天幕旅団

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/07/09 (木) ~ 2015/07/13 (月)公演終了

満足度★★★★

美しく幻想的
モノクロ版観劇。4人の役者さんがまず上手く、小道具、照明、音楽の使い方も効果的で、美しく幻想的な舞台でした。
再演されるだけあり、脚本が実に奥深く面白かったです。
公演中なので、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

4面から見える舞台は一段高く作られており、大きな長テーブルと4脚の椅子だけが置いてある。童話白雪姫がモチーフだが、オリジナルの脚本であり、白雪姫が殺されている所から物語が始まる。そこから回想していくが、ストーリーが秀逸。誰が白雪姫を殺したかが焦点のサスペンスファンタジーとなっている。赤い糸を血にしたり、リンゴにしたりと小道具等の使い方も上手い。

舞台的にはシンプルで、静と動を使い分け実に見応えあったのは、役者さん達の演技力の高さだろう。白雪姫は健気で美しく、女王は狂気と後半に見せた後悔が上手く、王子は静かな強さを感じさせた。そして、少年役の加藤さんには驚かされた。言葉は勿論、表情や仕草の使い分けが素晴らしかった。
朗読的なシーンも多く、また役者さん達のハモリからも完成度の高さを感じた舞台でした。

このページのQRコードです。

拡大