
パーク
甲斐ファクトリー
シアター711(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
何気ない日常の風景に潜む違和感が、少しずつ闇へと広がっていくような舞台でした。
公園という限られた空間の中で、狭いコミュニティならではの問題が重なり合い、淡々と人々の心情の揺れが描かれていきます。
そして終盤、一気に加速する展開に引き込まれ、観劇後にはさまざまな考察を巡らせたくなる奥深い作品でした。

横浜ヶ国
雀組ホエールズ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この時期にここまで踏み込むとは、なかなか攻めたコメディ舞台でした。
現実の国際関係や政治状況を思わせる描写も多く、笑いながら観ているうちに、いつの間にか「国とは何か」「独立とは何か」を突きつけられます。
コメディとしてのテンポの良さを保ちつつも、決して軽く流せないテーマが芯にあり、観終わったあとにじんわりと考えさせられますね。
登場人物は多いものの、原色を基調とした衣装コーディネートのおかげで判別しやすく、舞台全体もとても見やすかったです。

劇場版 ツインルームス
丸福ボンバーズ
APOCシアター(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/16 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ライブ演奏とお芝居が心地よく溶け合う、独特のスタイルの舞台でした。生演奏と生歌の迫力に、やわらかく心に寄り添う物語が重なり、とても素敵な舞台でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

籠鳥ーCAGOTORIー
ショーGEKI
小劇場B1(東京都)
2025/12/03 (水) ~ 2025/12/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ショーGEKIさんらしい、エンタメ感たっぷりの舞台でした。生バンドによる歌とダンスは迫力満点で、コメディ要素にハートフルさも加わり、とても贅沢な2時間でした。
楽曲もどれも耳に残り、歌詞に共感できる場面が多く、キャストの歌唱力にも驚かされました。キャスト陣の熱演が光る中、やはり廣田さんとひらはらさんの存在感は際立っていました。
久しぶりのショーGEKI作品でしたが、存分に楽しませていただきました。

劇団鹿殺し Shoulderpads 凱旋公演+abnormals 3作同時上演
劇団鹿殺し
駅前劇場(東京都)
2025/11/30 (日) ~ 2025/12/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
【abnormal】「銀河鉄道の朝」観劇。
開場した瞬間から舞台上はすでに祭りの空気で、客席にもキャストが降りてきてほどよく絡んでくるので、劇場全体がひとつの祭り会場のようでした。奇抜な衣装や言動につい目を奪われますが、物語そのものは思っていた以上にしっかりしていて、「銀河鉄道の夜」の世界観を感じられる場面も多く、作品として十分に楽しめました。
キャラクターたちが抱える喪失や痛みが背景に流れていて、単なる騒がしさでは終わらない余韻がありました。
とはいえ、どんな意味がと深読みするより、勢いと熱量に身を委ねて楽しむ方がこの作品には合っているのかもしれません。
久しぶりに鹿殺しの舞台を観ましたが、今作もエネルギーに満ちた舞台でした。

『いつかへ』(アーカイブ配信)
アンティークス
「劇」小劇場(東京都)
2025/12/03 (水) ~ 2025/12/07 (日)公演終了

フルモデルチェンジ
劇団フルタ丸
STスポット(神奈川県)
2025/11/28 (金) ~ 2025/11/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
フルタ丸講談は今回で2回目の観劇でしたが、やっぱり面白かったです。
3人のキャストが役柄とは別にテンポよく講談師役を交代しながら物語を紡いでいくスタイルは、もはや完成された安心感がありますね。
講談師による状況説明や心情描写も分かりやすく、気づけば物語にぐっと引き込まれていました。
それぞれの役に、見せ場があり、共感できるポイントも随所にありました。
そしてラストはひねりの効いた締め方で、観終わったあとも心に余韻が残る満足度の高い舞台でした。

あたらしいエクスプロージョン
CoRich舞台芸術!プロデュース
新宿シアタートップス(東京都)
2025/11/28 (金) ~ 2025/12/02 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
他の方も書かれておりましたが、予想よりコメディ色が強くて笑えるのに、終戦直後を生きる人たちの熱がしっかり伝わる舞台でした。
規制も多くカメラもまだ満足に使えない時代に「邦画初のキスシーン」を撮ろうともがく映画人達の姿が、なんとも不器用で愛おしい。
舞台セットや衣装の使い方も巧みで、島田さんの生演奏が物語に彩を加えておりました。
そして最大の見どころは、一人何役も演じ分けるキャスト陣の熱演。早着替えも声色も所作も実に見事で驚かされました。
笑いながらもしっかり胸に沁みる、後味の良い作品でした。

お寺でポンポン‼︎
劇団娯楽天国
ザ・ポケット(東京都)
2025/11/19 (水) ~ 2025/11/24 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初めて拝見した劇団さんでしたが、開演早々に、人気と実力を兼ね備えた劇団だと実感しました。
ひとつの家を舞台に、次々と巻き起こるトラブルと、そこに加わる個性豊かな登場人物たち。展開は思わず笑ってしまうコメディなのに、その裏にはそれぞれのわだかまりや心の葛藤も丁寧に描かれていて、気付けばぐっと引き込まれていました。
いやあ、見応えがありました!

朗読活劇 信長を殺した男 2025
ハピネット・メディアマーケティング
THEATRE1010(東京都)
2025/11/20 (木) ~ 2025/11/24 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
木瓜班観劇。歴史上名高い「本能寺の変」に新解釈を与える朗読劇。物語はif的な面は強いのですが、5人のキャストと生の和楽器(三味線と和太鼓)が相まって、何とも魅力的な公演でした。キャストの方は若い方ばかりでしたが、語り部や複数の役を見事に演じられており、惹き込まれました。

喜劇王暗殺
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
実際の史実と想像を織り交ぜた舞台。五・一五事件の前日から当日を、ひとつのカフェを中心に描き、当時の人々のさまざまな想いが絡み合っていきます。時代背景はシリアスでありながら、随所にユーモアもあり、見応えがあって楽しめました。
最後が、この劇団らしい前向きな終わり方だったのも良かったです。

再生ミセスフィクションズ3
Mrs.fictions
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2025/11/13 (木) ~ 2025/11/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
5本の短編集。いずれもコメディではあるが、なぜか切なく観劇後に心に残る作品群。
役者さんの熱演もあり、どの作品も見応えがあります。
以下公演中なのでネタバレで。

Cordemoria
縁劇ユニット 流星レトリック
ザ・ポケット(東京都)
2025/11/05 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
不思議な書店を舞台に繰り広げられる、優しく温かい3編の短編集。それぞれの物語が静かに心に染みる作品でした。
公演中なので、ネタバレで。

ピンクの教室に父の影
友池創作プロジェクト
小劇場B1(東京都)
2025/10/15 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
タイムスリップを通して、30年前の事件や家族の葛藤が丁寧に描かれた舞台でした。
明るい物語ではありませんが、その分物語に引き込まれ、考えさせられる時間になりました。
登場人物には、あまり感情移入できませんでしたが、人間らしい迷いや複雑さがリアルに伝わってきました。

曇天に咲く華
劇団KⅢ
萬劇場(東京都)
2025/10/15 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
複数の勢力や思想が入り乱れる混沌の時代を舞台に、圧政や弾圧の中で生きる人々を描いた壮大な物語でした。
殺陣や歌唱がふんだんに盛り込まれ、華やかさの中に、報われぬ想いと覚悟が交錯する悲壮感が漂います。
登場人物は多いものの、それぞれの立場や目的が明確で、物語に引き込まれました。
終盤の殺陣は見事で、続編を期待させる余韻のあるエンディングも印象的でした。

白貝
やみ・あがりシアター
浅草九劇(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
同劇団さんらしく、多くの伏線があり、終盤に一気に回収するのが爽快感があります。
登場人物の名前が〇〇にちなんでいるのもユニークですね。
物語の深みとある意味人間らしさが感じられる舞台でした。

夏の嘘×2
ここ風
「劇」小劇場(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
何気ない日常のひとコマを切り取ったようなテンポで物語は進みますが、その中には切なさと人の優しさがたっぷりと詰まっている物語でした。
テーマ的には重くなりがちな部分もありますが、関西弁の軽妙なやり取りや笑いの要素が程よく入り、心地よいバランスで最後まで引き込まれます。
登場人物は多いものの、一人ひとりがしっかりとキャラ立ちしており、キャスト陣の巧みな演技が光りました。さすが20年のキャリアを誇る劇団さんだと感じました。
観劇後に「本当に良い舞台を観たな」と素直に思える作品でした。

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2025/10/01 (水) ~ 2025/10/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ハプニングにつぐハプニングで、「ああ、こうなるだろうな」と思わせておいて、それでもしっかり笑わせてくれる舞台でした。
伏線回収も見事で、今回はいつも以上にコメディ色が強く、それでいてどこか温かさも感じられました。
近くにあんな喫茶店があったら、行ってみたいですね!

草創記「金鶏 一番花」
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2025/09/20 (土) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
【満月】観劇。あやめ十八番さんを観劇するのは初めてでしたが、開始早々に引き込まれ、最後まで一気に魅せられました。脚本、演出、役者さんの熱量、そして舞台美術のすべてが噛み合い、2時間45分(途中休憩10分)という長さを全く感じさせない濃密な時間。
「テレビジョンの夢」と「歌舞伎」、そして「戦争」という大きな時代背景が巧みに絡み合い、いくつもの伏線回収に驚かされました。
終演後、キャストさんを調べながら、前作「音楽劇 金鶏 二番花」を観られなかったのが悔やまれます。
初観劇でここまで心を揺さぶられるとは、まさに嬉しい誤算でした。
次回作にもぜひ足を運びたい、と思わせてくれる舞台でした。

ひのないところに
青春事情
駅前劇場(東京都)
2025/09/24 (水) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日観劇。舞台は消防署の日常で、大きな事件は起こらないけれど、そこで働く人たちや周囲の方の思いや揺れる気持ちが丁寧に描かれていました。派手さはなくても、何も起こらない一日の大切さを感じられて、心に残る台詞も多かったです。役者さんたちの演技も自然で魅力的で、観終わったあとに温かい気持ちになれる作品でした。静かな一日こそ守りたい、そんな想いが伝わる舞台でした。