とうやの観てきた!クチコミ一覧

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関数ドミノ

関数ドミノ

ワタナベエンターテインメント

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

Dステ『関数ドミノ』
あっという間の二時間。境界のない美術とそれにあたる光も美しく。それがあたかも「ある」説得力があるお話、というのがイキウメの印象なのだけど、今回の面子でもそれを感じられたのもとても嬉しかった。無意識、願望、顛末、そこに何があると信じるか。面白かった。

心踏音 -Shintouon-

心踏音 -Shintouon-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/10/27 (金) ~ 2017/10/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

壱劇屋『五彩の神楽「心踏音」』
殺陣の面白さは相変わらず、そのカッコよさが今月も違う。足音がときに楽しげに、悲しげに、二人が分かり合うように、気持ちがこちらにも流れてくるようで。明から暗への急降下に抱く「何故」が、リフレインするたびに解かれていくのが気持ちいい。が、哀しい…
吉田さんの殺陣や体の動き、スイッチ…跳ねて伸びて戻ってがそれぞれピタッとキマる…のがカッケーなー!と思うのだけど、それに流動的な奇っ怪さが合わさってすごい。
坂口さんは俊敏&重い。こわい…(よい) 坂口さんは持ち前のボディランゲージでもわかしてくれたな…周辺みな笑ってた。あと私だけかもしらんが、タップって音が聞こえてくるのと目で見えてる「地面と触れているはずのタイミング」がずれて感じるので、魔法みたいで面白いなー、と、あらためて。
個人的に、心踏音の繰り返しぶりは、赤坂Equalがお好きな方にも刺さるのではないかな〜など、思う…繰り返しの意味とかは違うけど、見せ方というか……個人的にね。

賊義賊 -Zokugizoku-

賊義賊 -Zokugizoku-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/09/22 (金) ~ 2017/09/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

壱劇屋『五彩の神楽「賊義賊」』
軽快で楽しい!華やかなブロークン時代劇感!表情も豊かで笑っちゃうし、戦いはワクワクドキドキ、かっこいい!始めは義賊の動機とか、ちょいちょい出る黒いのは誰やとか、世界観やキャラを探り探りなとこもあったけど、あっというまに解かれて、じわりと沁みた。
ご主人と師匠の着物が反転ニコイチで激アツ。憫笑姫でもそやったんですが、いないはずのだれか、を感じるシーン、想いが継がれてるとか、そういう感じ、好きです。

戰御史 -Ikusaonsi-

戰御史 -Ikusaonsi-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

壱劇屋『五彩の神楽「戰御史」』
カッコよさの濁流、アガるし妄想も捗る…大熊さんの不気味マイムと赤星さんの狂気の殺陣のタッグ…そこにゲスト勢の多様さもノッてアガらない理由がない。殺陣はもちろん、謎と鳥肌を召喚するお話、演出、お芝居が私を突く。混乱に継ぐ混乱だが…最後もはや爽快。
アクションモブの方達が入れ代わり立ち代わり戦い、無になり、戦い…というシーンもめちゃくちゃかっこ良くて、改めて五彩の神楽3ヶ月分、そして前2作の積み重ねを感じる。稽古場動画で見てたけど、やっぱり衣装で照明入って音楽に合わせて動かれるこのナマの圧倒感はいい、楽しい!殺陣もいいけど、目線が、意志が交わされる芝居もいいんじゃ…ゾッとするんじゃ…その静があるからの殺陣乱舞が圧倒的なんじゃ……

MANGA Performance W3(ワンダースリー)

MANGA Performance W3(ワンダースリー)

Amazing Performance W3(ワンダースリー)実行委員会

DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)

2017/11/03 (金) ~ 2017/12/22 (金)公演終了

満足度★★★★★

W3(ワンダースリー)、観了!
夏にも見たけど、新鮮な気持ちでワクワク出来た!変わってるところもあるし、相変わらず役者さんは流れるように美しく滑らかに動くし、それと舞台の仕組みと影と光で魔法みたいな驚きを味わえるし。楽しい。想像力と遊ぶ。

サヨウナラバ

サヨウナラバ

玉造小劇店

山本能楽堂(大阪府)

2022/02/22 (火) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

芝居バージョン:とにかく芝居が丁寧でうまい。あっという間の2時間。時間経過、人物の関係性や背景の描き方がスムーズで、現代の話ではないのにすっと頭に入ってくる。偶然や縁の面白さに笑ったり、したたかさや図太さ、粋さにグッとくる。能楽堂のつくりを生かした演出もよかった。お話の内容も、その表現も「豊か」で、エネルギーをもらった。
狂言バージョン:狂言、と言えば伝統芸能で、こんな事前知識ないままに観に行っても分かるかな、という思いは杞憂に終わった。もちろん演目ややり方によって違うんだろうけども、こんなのアリなんだ!?という演出に大いに笑い楽しんだ。定型ならではの美しさで目も楽しめた。
芝居・狂言バージョン両方を観たが故の面白さもあり、両方を観ることが出来て良かったと思う。

音楽劇『堀川、波のつづみ』

音楽劇『堀川、波のつづみ』

エイチエムピー・シアターカンパニー(一般社団法人HMP)

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

文学(古典)とアート(音や実演体表現)のかけ合わせがとてもうまく、心地よく、生音・生唄も相まって大変上質な空間だった。
あれだけシンプルで抽象的にも思える美術の中で、家や街並み、波や空を見つめる景色をこちら側に見せてくれる芝居と演出も巧み。
この作品は高安さんの演出だったと思うが、エイチエムピーの、立体でありながら二次元的にも見える美術や演出が美しくて好きなので、それもよく堪能できたと思う。

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

2ヶ月が経とうとしていますが、いまさらながら口コミを書きます。
2ヶ月経って、壱劇屋さんの作品がまた目前に迫ってきても、未だ思い出しては震えるので書きます。
表情やしぐさ、それが見えないこと、剣の振るい方、振るわないこと…一挙一動が物語を伝えるために丁寧に紡がれるワードレス殺陣芝居。もちろん、セリフがないぶんセリフがあるものに比べて受け手による部分も多く、そこは限界も一定あると思うのですが、それでも、それを補ってあまりある熱量、仕掛け、挑戦、etc...何をとっても素晴らしかったです。

まがりなりにも観劇が好きなので、「自分の好きな視点を見つけられる」「目の前の熱を肌で感じられる」「演劇にしかない立体感、生」という演劇自体の特性や良い所は知っているつもりでしたが、それでも、水や群衆など、生ゆえの、その時にしかない風、光の反射、布やビニールの捉えきれないなびき、髪の乱れまでもが、自然で、生きていて、しかし「表現」をするための技法でもあるのだと改めてこの公演で感じました。もちろん映像ならどれだけでもド迫力に綺麗に表現できると思います。しかし、劇場という場で観る演劇でこそ得られる「瞬間の尊さ」を感じられました。

また、NMB48というアイドルグループメンバーを主演に置きつつ、そのメンバーお二人の元ある魅力+「できるもう一歩、二歩先」の殺陣・お芝居を見せてくださることで、その一生懸命さ・挑戦する姿がお芝居にも溢れてきてお二人をより魅力的に見せてくださったように思います。
アクションモブについても、五彩の神楽から引き続きのいわゆるアクションや効果動作のプロのさらなる進化と、二ツ巴から参戦メンバーもそのレベルに到達している完成度、人の成長の仕組みがあるんだなあ、と土台の強さを感じました。

五彩の神楽の時のようなPVが流れることはありませんでしたが、そのぶん竹村さんが少し笑いも交えながら世界観や人物の紹介をしてくださることで、twitterやパンフの事前情報がなくても入り込みやすい心配りがあったり、その解説が終わったあとに響く水音が良い緊張感を劇場にもたらしてくれたり、終演後も衣装のままキャストさんが出てきてくださっていたり、世界観をきちんと構築しながらも身近にお芝居をつくるひとを感じられる取り組みも素晴らしかったです。

正直、五ヶ月連続のお祭りだった五彩の神楽で大分出しきっているのでは…など思うところもあったのですが、全くの杞憂でした。五彩の神楽はもちろん、猩獣や独鬼で積み上げられてきたものも感じ取ることができましたし、混ざったからとて濁ることなく、新しく発色する二ツ巴の色として馴染んでいました。見くびっていた己を心の中で叱咤しました。

悔しくも6回公演、映像化無しとのことで見られる人が限られているのがもったいないなと思っています。劇場に来れない人のために映像化も要望し続けたいなあと思いますし、もちろん体験して欲しいので再演も要望したいです。
シリーズとしての楽しさとはまた違った、一本にぎゅっと詰まった魅力は勧めやすさもあるので、何らかの形で再び二ツ巴に出会える機会があればと強く願う、そんな作品です。

コマツ大博覧会

コマツ大博覧会

コマツマツリ

ACT cafe(大阪府)

2018/12/29 (土) ~ 2018/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

サイッッコーです……!!コント師としても役者としても作演出家としても最高面白い。単品でも楽しくて、でもつながりが体を走り抜けてって気持ちいい…!幅広い上に面白い本、うまい芝居、客いじりとそれを本につなげる力…とにかくプロの仕事…それをあんな身近で見られるのは本当に嬉しい。
小松さん、今年もかっこよかったです。元気をありがとうございました…!拠点はこちらではなく、テレビやたくさんの場所で大活躍の小松さんですが、関西で、できればあの空間でまた会えれば嬉しいです!!

クロッシング・クリスマス・クリアランス(完全版)

クロッシング・クリスマス・クリアランス(完全版)

バンタムクラスステージ

新宿村LIVE(東京都)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!張り詰めるハードボイルドの世界と甘酸っぱく寂しく暖かい世界が表裏一体、クロスする。かっこよさに痺れるし、胸も目も熱い。世界観もテンポもしっかりで、あっという間に惹きこまれた。客席まで冬の街の空気。この物語が好きだという人が多いのも納得。

図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの

図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの

イキウメ

ABCホール (大阪府)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

「おそってくるもの」は何やろう。運命、不安、優しさ、死とか、それから逃げるのか、受け止めるのか。呼吸のような明滅、吸い込まれるような浮き出るような美術、そこに立つ姿が自然で繊細で美しい。セクションの、ふとした連結部分が見える瞬間に、ゾワリとする。

【愛知公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

【愛知公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

壱劇屋

名古屋市東文化小劇場(愛知県)

2018/07/28 (土) ~ 2018/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

初演を観ていて、たのしみではありつつ内容は知っていたので正直「五彩の神楽終えて、二ツ巴も終えて、新しい演出がつくかなあ、殺陣がしっかりするんななあ」くらいの気持ちでもあったけれど、衝撃。
脚本の、シンプルながらうつくしい筋はそのままに、各演出が再演らしい安定感と、再演ゆえの磨き上がり。殺陣もアクションも、もちろんお芝居も、新しい刺激がてんこ盛りの、再演される説得力を感じる再演。一面舞台化で迫力が薄れるのではなど杞憂。濃化と変化が素晴らしい。箱に収まった時の美しさ、正面から迫力を浴びられる画作りで気持ちがいい…季節を、経年を、視覚で…光・色・表情・姿勢etc…様々な視覚で感じた。
ツアー公演すべての地で見て、大阪や東京が未完成だったとは決して思わないけれど(そのハコにあった素晴らしい完成形でした)、音の響きと、やはり細かに行われるブラッシュアップの集大成がバッッチリ決まりまくった名古屋公演に口コミを。

壱劇屋さんの色んな人に知ってもらいたい、学生にもその土地の人にも知ってほしい、という様々な取り組みや、ツイッターだけでなく予約者にむけてのメールでの細やかな案内、開始前だけでなく、終演後の興奮冷めやらぬロビーにお疲れだろうに出てきてくださってにこやかにお見送りしてくださる・かつスムーズさも忘れない場作りにもいつもうなります。そういう点も含めて総合的な満足度がとても高いです。

ハミンンンンンング

ハミンンンンンング

劇団子供鉅人

CCO クリエイティブセンター大阪(大阪府)

2018/05/26 (土) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

自分とは方向も違う人生の風景なのだけど、ふと触れる言葉にすごく共感する。蛍光灯の冷たい白い光が低い天井の空間と顔を照らして美しい。明暗によるメリハリのある場面の切替りと、緩やかな時間推移。演奏と歌声と混じる外の音にもうっとり。とても気持ちよくて面白かった。

高丘親王航海記

高丘親王航海記

ITOプロジェクト

AI・HALL(兵庫県)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

繊細かつ大胆な技巧で、まどろみのような時空旅行を。人形劇ならではのからくり・美しかったり、珍奇でどこかかわいい造形、天野さんらしい言葉の波…見どころがありすぎる。天から垂れる糸で人形たちに体温が宿る。演劇芸術の魔法だなあ。

眠らぬ月の下僕

眠らぬ月の下僕

玉造小劇店

近鉄アート館(大阪府)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

筋書きしっかり、重いとこは重く、けど掛合い等で息抜かせてくれる緩急も。本もお芝居も、人形を使った表現も見応え有。ここのお芝居の丁寧さ、基礎に流れる色気がホントたまらない。
自由、を考える。自ら選ぶ。私はとても自由。自由ならば、さて。

『財団法人親父倶楽部』~死んだと思って生きてみる~

『財団法人親父倶楽部』~死んだと思って生きてみる~

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

ウイングフィールド(大阪府)

2018/03/07 (水) ~ 2018/03/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

ああ、なんてさみしくておもろくてカッコいい話とオヤジたちなんだろうか!!笑って笑って切なくて…最後の晴れやかさに涙がほんとに思わず出てた。分かっちゃいたけど舞台美術の最終形にギュッとなる。心が掴まれまくった……本も、役者さんもとっても素晴らしくて、それをあの近さで観られるなんて、贅沢極まるエンターテインメントでした。

Pickaroon!【クチコミ待ってます!次回東京公演は10月!】

Pickaroon!【クチコミ待ってます!次回東京公演は10月!】

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2019/07/05 (金) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

とっても面白かったです!
今までのWordless殺陣芝居の「台詞がなくても頭のなかで台詞が聞こえてくる」という想像力をとてつもなく刺激される作りや演出に感銘を受けていたので、その良さがどうなるんだろう、という気持ちもありました。
しかし、台詞があろうがなかろうが、心をドッカンドッカン興奮で殴ってくる演出や、個性出まくりの同時多発殺陣乱舞は変わらず、そのうえ、台詞があることでよりキャラクターや背景の関係性や深さが増していました。台詞がある中で言葉を発する/発しない、一言の重さ、のバランスも良かったです。
胸にグッとくる要素として、シーンの画のうつくしさ、表情、所作、というのに「言葉」が加わり、パワーアップした感じです。さすが壱劇屋さん、ただ挑戦するだけではすまさないな…と思いました。
エンタメでドンチャン楽しい作品ですが、各キャラの悩みや価値観、悲哀もふんだんにお芝居で魅せてくださいました。
まだ観ていない方にも、たのし〜!で終わってもよし、深掘りしてみてもよし、一回を大事にしてもよし、台本読んでオカワリするもよし、なんらかの形で触れて楽しんでいただきたいなあ、と思います!

フローレンスの庭

フローレンスの庭

虚空旅団

AI・HALL(兵庫県)

2022/12/16 (金) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

心情や状況を抽象的に表現する身体パフォーマンスがシームレスに交わることで緩急もついていて、なおかつ関係性やその変化・時間経過が、丁寧かつ余白を残しながら紡がれてて、長時間なことを忘れていた。
交わり、ぶつかり、一息つける狭間となっている庭、を無い窓から眺めるようにして、逃げてしまいがちな生きることや死のこわさについて考えた。
やさしい時間だった。

「現在」から始まるものの、メイン時間軸が現在ではないことで、同じフィールドに居るはずなのにそれに使命的に向き合ってくれている「人」が、非常事態に限らず、常にいるんだ、と思えた。
従事し続けることも、自分はそれになれないと向き合ってから選択することも、私にはどちらも尊いと思う。

たくさんの役者さんだったがそれぞれが芝居がうまく、個性もしっかり出してきていて、すごく説得力のある群像だった。

独鬼

独鬼

壱劇屋

萬劇場(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

きっと再演からさらに殺陣の工夫や速さがもりもりになるんだろうなあ…しかし、あれ以上どうやって…?という想像の枠をドッカと壊しにかかって来てくれました。壊しに来てくれることは想定通りでしたが、内容は想像以上でした。
とはいえ、物語の大事な軸はぶれることなく、初演から連綿と紡がれる想いはそのままに、でもその座組・キャストならではの色に仕上げられていて何度見ても面白いと思えます。
壱劇屋さんの殺陣は、確かに工夫もピカイチですし、速さも年々レベルアップされているのですが、ただ速く美しいだけではなく、そこに生きてるだろう人が刀や武器を振ったときの想い、経緯が乗っている気がして、見ていて血湧き肉躍る感じがしてとても好きです。
また、殺陣だけではなく、無機質なボックスが木に、岩に、人に、鼓動に…何にでもなってしまう圧巻の演出力、表現力。演劇の魔法ってこれだよと胸が熱くなります。
ひたすらに戦う、人生におけるぶつかり合いの部分に焦点を当てた殺陣芝居ながら、とてつもなく繊細な芝居がそこに同居していて、物語の内容と言うよりも、それにより生まれる美しい「画」に目頭が熱くなります。
近くから見る迫力も、少し俯瞰で見たときの手のひらに収めておきたいような美しい画も、この作品のずっとある魅力で、いろんな人に刺さる要素だと思います。
壱劇屋殺陣芝居と言えば私の中ではこの作品を代表としてあげたいくらい、好バランスで普遍的な作品だと改めて感じました。

定位

定位

StarMachineProject

KAVCシアター(兵庫県)

2022/09/01 (木) ~ 2022/09/03 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

公演が始まる前から会場に響いている音や気配が満ちていて、公演中に話題にされる存在の認識の仕方とか、そのズレとか、思い出話のサンプリングをしているような感覚と非常にマッチしていてとても心地よかったです。
アフタートークで「客が動いているのまで含めて絵になっている」というような(だいぶんうろおぼえですが)お話もあり、他のお客さんの目線や動きをちらっとみるのも面白かったです。
仮想空間でも体験しました。仮想空間でも会場でも自分のお気に入りの位置、視界、みたいなのが出来てくるのが興味深かったです。
実体験会場っから仮想空間で見ている人に話しかける瞬間があるのですが、会場で味わった後だったので、仮想空間でその話しかけに手を振った瞬間、「ああでもこれって向こうはもう過去なんだ、今過去に手を振ってるんだ、面白いな」と思いました。会場でもう一度そのシーンに立ち会っているときは、未来の誰かを想像しながら手を振るようになっていました。その間に生まれてるのはいつの時間なんだろうなあ、とかぼんやり考えながら、両側を体験することもないので、とても楽しく過ごしていました。
自分が今目の前で見ている・聞いているこれは、目の前にあるからって「今」って言っていいのかな?「本当」でいいのかな?とか、StarMadhineProjectの公演は見ていて五感が自主的に開いていく感じがして面白いです。
また、その感覚が、そこからしばらくたったふとした瞬間に「あの時聞いたことってこういうことかな?」と思い出されることもあって、そういうところがわたしは好きです。

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