1ooM【1/27~1/28オンライン公演中止】
壱劇屋
オンライン公演(大阪府)
2022/01/27 (木) ~ 2022/05/27 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞方法を「上演会場で実演を鑑賞」にしましたが、これは「映像を鑑賞」にした方がよかったのでしょうか…笑
でも確実にその時、その場所の自分のコメントに反応して劇が進行・変化していっていたので、会場を「ツイキャス」として、「上演会場で実演を鑑賞」にしました。
何回か拝見したのですが、何回見ても上記の通りその時にしか発生しえない反応ややり取りが生まれ、また、回を重ねるごとに進行がスムーズになるような工夫もされていて、面白かったです。メインでキャスを回されていたキタワキさんの(不慣れさを保った)成長を見られたのも楽しく、今でもキタワキさんの中の人を見るとどうにも応援してしまうようになっています。
コメントをうって「ツイキャス視聴者」として参加するほかのお客さん、の存在を感じられて、一人で観る配信映像とは違う、劇場の客席に近い空気を独りながら味わうことが出来たのもよかったです。
メインルートは4つながら、その先で起こる事で小分岐も発生するなどして、とにかく盛りだくさんにするサービス精神、配信画面ごしにも受け取りました。
とても楽しかったです。
またこのような形式の演劇も味わってみたいです。
定位
StarMachineProject
KAVCシアター(兵庫県)
2022/09/01 (木) ~ 2022/09/03 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
公演が始まる前から会場に響いている音や気配が満ちていて、公演中に話題にされる存在の認識の仕方とか、そのズレとか、思い出話のサンプリングをしているような感覚と非常にマッチしていてとても心地よかったです。
アフタートークで「客が動いているのまで含めて絵になっている」というような(だいぶんうろおぼえですが)お話もあり、他のお客さんの目線や動きをちらっとみるのも面白かったです。
仮想空間でも体験しました。仮想空間でも会場でも自分のお気に入りの位置、視界、みたいなのが出来てくるのが興味深かったです。
実体験会場っから仮想空間で見ている人に話しかける瞬間があるのですが、会場で味わった後だったので、仮想空間でその話しかけに手を振った瞬間、「ああでもこれって向こうはもう過去なんだ、今過去に手を振ってるんだ、面白いな」と思いました。会場でもう一度そのシーンに立ち会っているときは、未来の誰かを想像しながら手を振るようになっていました。その間に生まれてるのはいつの時間なんだろうなあ、とかぼんやり考えながら、両側を体験することもないので、とても楽しく過ごしていました。
自分が今目の前で見ている・聞いているこれは、目の前にあるからって「今」って言っていいのかな?「本当」でいいのかな?とか、StarMadhineProjectの公演は見ていて五感が自主的に開いていく感じがして面白いです。
また、その感覚が、そこからしばらくたったふとした瞬間に「あの時聞いたことってこういうことかな?」と思い出されることもあって、そういうところがわたしは好きです。
猩獣 -shoju-
壱劇屋
ザ・ポケット(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『猩獣』という作品については初回の上演から拝見しているのですが、ストーリーは同じのはずなのに、新鮮に得るものや衝撃があって面白かったです。
壱劇屋さんは同じ演の中でも劇場が変わるたびに適したリサイズをしてくださるので、場所も人も違う再演ともなるとどんなふうに代わるんだろう、と毎回楽しみです。
今回は特に大型の美術が加わって幅ではなく奥行や高さのほうに見え方の広がりを見せていただき、こんなこともできてしまうのか…!とまた人間がもつ知恵と力のすばらしさを目の当たりにしました。
また、人物の描き方やエピソード追加の塩梅も素晴らしく、今まで不足はなかったがもう少しここの人となりも見てみたいな、と思うところがより明確に伝わってきて、かつ、今までの印象も壊されることなく、何度か見てきたことのある身としては感激しました。
たくさん変わったことはあったのですが、それでも『猩獣』のシンプルな人間関係、その中における繊細な心情の表現、そしてびっくり箱を開けたかのような強烈な殺陣、それの連続は不変であり、強化濃縮されたように思います。
ワードレスという科白のない仕組みゆえに生まれる余白、意図して残してくださっているだろう余白もそのままで、観劇中・観劇後に想像力を強く刺激されるこの演劇形態のうまみもたくさん味わうことが出来ました。
とても面白かったです。
不思議の国のアリス
壱劇屋
門真市民文化会館ルミエールホール・小ホール(大阪府)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/25 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日初回を拝見しました。面白かった…!!
感情や状況の表現を含むマイムパフォーマンス、美しかったです。
人数こんだけだっけ?もっといないっけ?と思うくらい密度、複雑さで、70分飽きがなくて、次は何が出てきてどんな世界が見れるんだ…?とワクワクしました。
マイムパフォーマンスに圧倒されてる間に、あれよあれよと奇妙で、少し気持ちの悪さもある、おかしな世界にこちらも巻き込まれている感覚になって、中心でそれに翻弄されている女性と一緒に逃げたり迷ったり浮いたり沈んだりしている気分になりました。
「よくあるアリス」とは離れてるらしいけど、セリフないしどこまでわかるかな〜と思っていたのですが、全く問題なかったです。
知ってるようで知らない世界。
要所要所あのキャラかな?と思うところはありますが、無理に重ねなくても良かったですし、コミカルさやマイムのスタイリッシュさのなかで発揮される暴力的ですらあるアリスの「つよさ」は原作や有名アニメで触れたアリスに通ずるところがあります。
最後の迫りくるパフォーマンスの連続からの、ラストシーンが印象的かつなんだか爽快でした。
二ツ巴 -FUTATSUDOMOE-
壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/12/22 (水) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初演よりさらにわかりやすく、ソリッドに仕上げられていて、回重ねの力を感じました。
壱劇屋さんの再演は、再演だからとて同じ事をレベルアップさせて行うだけではなく、その時のキャスト・その時の座組の得意分野・実施する劇場の広さや特性に合わせての変更が本当に効いていて、再演でも意気揚々と劇場に足を運んでしまいます。今回も期待通りの再演で、続投組の殺陣や芝居の厚み盛り、新規キャストの新たな彩りに心躍りました。
舞台美術も、初演の時のあの幅広の感じがどうなるんだろう、と思ったら、なかなかダイナミックなそぎ落としで、でもそのそぎ落としにより生まれた空間でなめらかな視線誘導が生まれていて大変面白かったです。照明と水演出との掛け合わせであの場は本当に「川」でした。
二ツ巴はアクションモブのはたらきが特に好きなのですが、今回も魅せていただきました。
モブとして民衆を演じながら、瞬時に水演出、所狭しと駆け回る矢、あらゆる現象に切り替わる、世界の骨子、アクションモブ…最高の仕事です。
その仕事を見たくて思わずアクションモブを追ってしまうのですが、あまりに「それ」すぎて、のめり込むと見えなくなるんです。いるのに。演劇の魔法を浴びている!と感じる瞬間。たまりません。
栗田さんや日南田さんの圧巻の殺陣をあのサイズ感の中で浴びられたことはもう当然のごとく贅沢なことでぜひまた見せてください…!と思ったのですが、個人的に、今回新しく主演をされていた須藤さんの立ち姿、殺陣がすごくかっこよく、目をひかれてしまい、新たな収穫でした。また壱劇屋殺陣芝居で見たみたい役者さんです。
独鬼
壱劇屋
萬劇場(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
きっと再演からさらに殺陣の工夫や速さがもりもりになるんだろうなあ…しかし、あれ以上どうやって…?という想像の枠をドッカと壊しにかかって来てくれました。壊しに来てくれることは想定通りでしたが、内容は想像以上でした。
とはいえ、物語の大事な軸はぶれることなく、初演から連綿と紡がれる想いはそのままに、でもその座組・キャストならではの色に仕上げられていて何度見ても面白いと思えます。
壱劇屋さんの殺陣は、確かに工夫もピカイチですし、速さも年々レベルアップされているのですが、ただ速く美しいだけではなく、そこに生きてるだろう人が刀や武器を振ったときの想い、経緯が乗っている気がして、見ていて血湧き肉躍る感じがしてとても好きです。
また、殺陣だけではなく、無機質なボックスが木に、岩に、人に、鼓動に…何にでもなってしまう圧巻の演出力、表現力。演劇の魔法ってこれだよと胸が熱くなります。
ひたすらに戦う、人生におけるぶつかり合いの部分に焦点を当てた殺陣芝居ながら、とてつもなく繊細な芝居がそこに同居していて、物語の内容と言うよりも、それにより生まれる美しい「画」に目頭が熱くなります。
近くから見る迫力も、少し俯瞰で見たときの手のひらに収めておきたいような美しい画も、この作品のずっとある魅力で、いろんな人に刺さる要素だと思います。
壱劇屋殺陣芝居と言えば私の中ではこの作品を代表としてあげたいくらい、好バランスで普遍的な作品だと改めて感じました。
『ふたり、静かに』 2バージョン ~西Ver.&東Ver.~ 『一番の誕生日!』 ~空晴特別バージョン~
空晴
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2021/06/23 (水) ~ 2021/06/29 (火)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
しばらくのドキドキ、ざわざわする時間がしばらく続き、転がるようにつながっていく空晴さんの流れを感じながら、女3人のパワフルな会話に元気をもらいました。
ファンタジーイイ話でオチるのではなく、現実らしくて(でも現実にはそうそうなさそうな偶然で)、そのおかげで余計に「わたしもこう思えたら良いな」とか身近に感じることが出来たので良かったです。
クオリティや流れに安定・安心感はありながらも、毎回「この人たちはそれぞれどうなってしまうんだ…?一体なにがあったんだ…?」と良い感じにハラハラさせてもらえる空晴さんの作品が好きです。
かげきはたちのいるところ
Aga-risk Entertainment
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2021/08/13 (金) ~ 2021/08/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
題材や内容も過激派の話だけれども、何かひとつ目指して集まり動く集団としての話としても受け取れた。
規模や悩みは比較にならないほど小さいものにはなるけれども、部活やなにかの実行委員会を思い出したりするし、自分が応援している劇団・団体のことも思ってしまうし、その辺りが胸詰まるものもあり苦しく、また楽しかった。
動画企画との連動もあり、舞台の外に広がりがあるのも良かったが、シチュエーションコメディで全景(建物の輪切りのような状態を俯瞰で見られる)を見ながら、もどかしさを感じながら笑ってしまう舞台作品ならではの感覚も良かった。
お噂はかねがね聞いていた劇団で、ようやく拝見でき、またその噂に違わぬ面白さだったので嬉しい。
また見たい劇団のひとつ。
外の道
イキウメ
サンケイホールブリーゼ(大阪府)
2021/06/26 (土) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
舞台演劇において「得体の知れない恐怖」を感じるのはイキウメさんならではだなと思うのですが、今回もそれを特に感じました。なめらかに遷移する時間演出と、肉体の殻の不確定さ、「認識」という個々によって違うものが軸になっている不安定さ、解釈に呑まれてしまって、混乱はしつつも、ことばは難しくなくしっかり伝えていただき、ぞわぞわとした不安を味わうことに専念できました。
Pickaroon!【クチコミ待ってます!次回東京公演は10月!】
壱劇屋
ABCホール (大阪府)
2019/07/05 (金) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
とっても面白かったです!
今までのWordless殺陣芝居の「台詞がなくても頭のなかで台詞が聞こえてくる」という想像力をとてつもなく刺激される作りや演出に感銘を受けていたので、その良さがどうなるんだろう、という気持ちもありました。
しかし、台詞があろうがなかろうが、心をドッカンドッカン興奮で殴ってくる演出や、個性出まくりの同時多発殺陣乱舞は変わらず、そのうえ、台詞があることでよりキャラクターや背景の関係性や深さが増していました。台詞がある中で言葉を発する/発しない、一言の重さ、のバランスも良かったです。
胸にグッとくる要素として、シーンの画のうつくしさ、表情、所作、というのに「言葉」が加わり、パワーアップした感じです。さすが壱劇屋さん、ただ挑戦するだけではすまさないな…と思いました。
エンタメでドンチャン楽しい作品ですが、各キャラの悩みや価値観、悲哀もふんだんにお芝居で魅せてくださいました。
まだ観ていない方にも、たのし〜!で終わってもよし、深掘りしてみてもよし、一回を大事にしてもよし、台本読んでオカワリするもよし、なんらかの形で触れて楽しんでいただきたいなあ、と思います!
『財団法人親父倶楽部』~死んだと思って生きてみる~
工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10
ウイングフィールド(大阪府)
2018/03/07 (水) ~ 2018/03/12 (月)公演終了
満足度★★★★★
ああ、なんてさみしくておもろくてカッコいい話とオヤジたちなんだろうか!!笑って笑って切なくて…最後の晴れやかさに涙がほんとに思わず出てた。分かっちゃいたけど舞台美術の最終形にギュッとなる。心が掴まれまくった……本も、役者さんもとっても素晴らしくて、それをあの近さで観られるなんて、贅沢極まるエンターテインメントでした。
眠らぬ月の下僕
玉造小劇店
近鉄アート館(大阪府)
2018/06/27 (水) ~ 2018/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
筋書きしっかり、重いとこは重く、けど掛合い等で息抜かせてくれる緩急も。本もお芝居も、人形を使った表現も見応え有。ここのお芝居の丁寧さ、基礎に流れる色気がホントたまらない。
自由、を考える。自ら選ぶ。私はとても自由。自由ならば、さて。
笑う茶化師と事情女子
匿名劇壇
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/08/24 (金) ~ 2018/08/27 (月)公演終了
満足度★★★★
いつもの匿名だ!と思いきや、あれこれ匿名!?なところもあり、また、あのサイズの箱で匿名劇壇を観るのも新鮮で、新鮮づくし。シチュコメwithモラトリアムみたいな(?) シンプルな舞台美術の中渦巻く場面・会話のテンポや単語チョイスはやはり痛快、面白い。
ピタゴラスのドレス
DOOR
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/09/06 (木) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
にがくもやさしい会話劇。シンプルなセットながら、互いの状況が気持が、乱暴でなくぶつかって絡まってて、各人物の今までの人生も乗せてお芝居されてるんだなあ…と沁み入った。笑いどころはもちろん、ふとした時に自然と笑顔になれる感じも良かった。
正義姦
TAAC
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2018/04/13 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★
静かに美しく。美術や衣装、役者さんの立ち姿がまさしく花のように画になり、しかしどこか病的にも見える。花が咲く理由を考えるように、そこにその人がそう生きる理由を考えてた。
植物の咲き枯れる時間感覚に馴染みきれず残念。しおれる、が無いから?認識を間違えてもたかも。
あとは現実の出来事の取り入れ方がすこし好みではなく、その出来事のことを考えればいいのか、目の前の物語のことを考えればいいのか少し迷ってしまった。
高丘親王航海記
ITOプロジェクト
AI・HALL(兵庫県)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
繊細かつ大胆な技巧で、まどろみのような時空旅行を。人形劇ならではのからくり・美しかったり、珍奇でどこかかわいい造形、天野さんらしい言葉の波…見どころがありすぎる。天から垂れる糸で人形たちに体温が宿る。演劇芸術の魔法だなあ。
しずかミラクル
コトリ会議
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2018/05/17 (木) ~ 2018/05/21 (月)公演終了
満足度★★★★
おわりとおわかれがポップぎみに描かれるけど、確かに時々言葉のチョイスに笑えてしまうのだけど、さみしさが染みてきてたまらない。終わりにゾッとしつつも、これ(この空間が)「お葬式」の最中やったんかなあ、とか思った。生の勢いと死の唐突さ。好きやなあ。
ハミンンンンンング
劇団子供鉅人
CCO クリエイティブセンター大阪(大阪府)
2018/05/26 (土) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
自分とは方向も違う人生の風景なのだけど、ふと触れる言葉にすごく共感する。蛍光灯の冷たい白い光が低い天井の空間と顔を照らして美しい。明暗によるメリハリのある場面の切替りと、緩やかな時間推移。演奏と歌声と混じる外の音にもうっとり。とても気持ちよくて面白かった。
私の家族
トリコ・Aプロデュース
ウイングフィールド(大阪府)
2018/05/31 (木) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
明確に異常部位があるわけではなくて、ズレ、歪さ、奇妙さ、が静かに寄って蔓延する怖さ。傍から見ていると不思議でたまらないけど、そこに悪意がなく、ないゆえに怖い。求めるがゆえの欠落が呼ぶ信仰。よきゾワゾワやった。入れ子美術も素敵。絶妙に危ういかたちの瓦解。
蝶つがい
カムカムミニキーナ
近鉄アート館(大阪府)
2018/06/02 (土) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
劇的と自然の間くらいの言葉の応酬がテンポよくなされてあれよあれよと時空間の捻れに誘われる。畳んで開くカタチ、モチーフを自在に操る身体性と発想、言葉に塗れて脳がポカポカする。