Blank Blank Brain
劇団芝居屋かいとうらんま
OFF OFFシアター(東京都)
2019/10/12 (土) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
「頭の中を覗いてみたい」という一見ありそうでなさそうな、疑問を、観客に直球で投げかけ、一瞬の隙もなく、展開し続ける、見事な演出に圧巻。実際に覗いて見たら、トンデモナイ世界なのかも。。。と想像するするにつけ、AIの行く末について不安を感じずにはいられない作品。久しぶりに、お芝居の観劇で、脳に汗をかきました(笑)。
「笑顔の砦」RE-CREATION
庭劇団ペニノ
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★
舞台を均等に2分割し、漁師たち、とある家族、それぞれの世界を、丁寧にそしてリアルに描き、五感をフル稼働した感がありました。
無声映画のように淡々と粛々と進むストーリー展開は、ほかにはない満足度を感じました。
これから誰もが向かう「死」について、あらためて考えるチャンスとなりました。
なんらかのご縁があって生まれたのですもの、おおいにあがいてあがいてあがきまくりましょう!
人魚のウタ
ガンガンガング
シアター711(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
自分のこころの奥深く、見えない「縄」にがんじがらめに縛られて・・・
・・・と、ちょっとドキッとする、ときおりハッとさせられる魅惑のステージ。
漁港を彷彿させる人魚のウタと、イキイキとしたダンスが調和して全体のバランスが最高でした。
人魚と人間。違うのは、たった一文字。
しかし、大変意味深な一文字です。
コロンブスの航海時代の大陸発見にはるか思いを馳せつつ、文明や文化はこうして創られてきたんだなあと感無量の100分でした。
Opus No.10
OM-2
ザ・スズナリ(東京都)
2019/02/22 (金) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★
にんげん、すなわちすべてのひとは、顔も、思考も、考え方も、感じ方も、まったく違う。この事実を知ることこそ、いちばん大切なこと。
とりわけ、同質性の高い私たち(日本人)にとって、自分とは違うものの見方がある、あるいは、自分とは異なる価値観を持つひとがいると理解するのは難しい。
だからこそ、自分の言葉で、感じたこと、思うことをきちんと「声」にして発信していきましょう!
草の便り
文月
大町ジャンクション(神奈川県)
2018/11/16 (金) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
演者さんはたった3人のみにもかかわらず、それぞれの個性と存在感は計り知れず。言葉の運び方や、さりげない仕草など、一瞬たりとも目を離すことができないくらいに、魅せられたStageだった。また、Guest houseのドミトリーのベッドが観客席という意外性も手伝い、鎌倉という場所を描いたstoryをさらに一層深みのあるものとしていた。私自身、関西から、流れ流れてたどりつき、ようやく住み着いた場所が鎌倉であるため、まるでTime tripしたかのような錯覚になり、ちょっとした冒険旅行をしたような気分になった。「自分は、なぜ、ここに来たのか」をあらためて再確認できたような気がする。
ビシバシと 叩いて渡る イシバシ君
劇団ジャブジャブサーキット
ザ・スズナリ(東京都)
2018/10/26 (金) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
たくさんの登場人物が冒頭から、一度にわーっと出てきて、正直、最初にとても混乱しました(笑)。
が、演者のみなさん、とてもまっすぐに演技をしていらして、好感を持ちました。
とくに、カナちゃん!!はまり役すぎて、最初から最後まで魅了されっぱなしでした。
となりの事件
シアターノーチラス
OFF OFFシアター(東京都)
2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
観劇後、不覚にも、D氏の講ずる「人生を無駄にしない3カ条」・・・を思い出してしまいました。
人間として生きる最大のメリットは、もの・こと・ひとを「忘れること」ができることにあり、だれかに「忘れられること」でもあります。
ただ、本公演は、ストーリーが拡散しすぎてしまった感があり、すこし残念ではありましたが、骨格がしっかりしている脚本なので、きれいにまとまっているなと思いました。
PS.チケプレありがとうございました。1組2名までの招待だったのですが(メールで受信済)、受付で、たしか1名ですが・・・といわれ、すこし不安な気分になりました。
ノー・サイド NO SIDE
トツゲキ倶楽部
小劇場 楽園(東京都)
2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/09/18 (月)
アインシュタインの相対性理論からはじまるTime Trip、イミグレでのハプニング、過去のトラウマと妄想との関係、、、3部それぞれに、重要なキーワードがちりばめられ、あれよあれよというまにEnding。タイトルNo sideの意味は薄く感じましたが、「すべては未来につながる」のメッセージ、しっかりと伝わりました。
箱庭のトリレンマ
9-States
小劇場B1(東京都)
2017/09/06 (水) ~ 2017/09/10 (日)公演終了
満足度★★★
いつまでたっても、どこまでいってもリフレインが止まらない。。。先の見えない螺旋階段をのぼったりおりたり。。。なるべくならだれも傷つかないようなコトの結末がいいなと願いつつも、「抗う」の意味を深く考えさせられる2hでした。正直、ここまで生きてくると、(個人的には、)もう戻りたくないな、わたしの人生。
孤独の観察
シアターノーチラス
OFF OFFシアター(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
100分という長時間、気を抜く隙もないほどに五感をフルに活用、観応え抜群の観劇でした。たしかに、自分の小・中学校時代も、こんなふうだったなーと回想。実際、仲良しグループのたわいない噂話のおかげで、親友を一瞬にして失った経験も思い出しました。社会性のある話題やニュースに真摯に向き合い、決して美談にしない冷静な脚本に脱帽です。わたしは目下、今村さん(のこれから)を観察中です(笑)。
I'm stuck!
劇団スクランブル
神奈川県立青少年センター(神奈川県)
2017/04/27 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/29 (土) 15:00
登場人物8名がそれぞれの立場で、視点で、溢れるパワーをすべて出し切った感がひしひしと伝わり、好感を持ちました。
そして、フライヤー&チケットの意匠がとても素敵です。細部にわたり、きちんと手を抜かず、しっかりと作成しているスタッフのみなさんの努力に脱帽です。
This is Mine,not Yours.
劇団ORIGINAL COLOR
新宿眼科画廊(東京都)
2016/11/26 (土) ~ 2016/11/29 (火)公演終了
満足度★★★★
所有と流通
主宰の小林氏は、時間の所有と流通をテーマに、脚本を描いたという。まさに、時間は平等とはいうものの、実際、蓋を開けてみると、意外にもその時間軸はゆがんだり、途切れたり、しまいにはねじれていたり。。。時間をはかる物差しには個人差があり、とはいうもの、「刹那的に生きる」は万人に必須なんじゃないか、、、は観劇後、感じた素直な気持ち。CASTはたったの5名という少人数ながら、息をひそませ、一言一句を逃さず。。。五感をフル稼働した緊迫の70分だった。
しらゆき
劇団コスモル
OFF OFFシアター(東京都)
2016/11/23 (水) ~ 2016/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★
夏と冬
日本には四季がある。仕事でよく訪ねるインドネシアには夏しかない。この作品は、日本人ならではの感性をフルに活かし、農耕民族の歴史を大切にした古典的ストーリー。さらには、観客参加型の、最後まで飽きさせない作り込み。受付の対応から、最後の面会まで、細部にわたり、工夫と心遣いを凝らした丁寧な演出に大変好感を持った。「やさしいひとになりたい」と願って作られた脚本・演出だけあり、観劇後、自身のこころもあたたかくなったような気がした。「よいstageには、よい魂が宿る」を実感したstageだった。
旅立ちの人
アンティークス
OFF OFFシアター(東京都)
2016/11/16 (水) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★
Travelers
劇団員がキャストとして参加しない公演ときいて、興味津々で観劇。劇団にとってもあらたな旅立ちへの節目となるような、そんな意思&静謐さを秘めたstoryだった。自分の希望で生まれたのではないのに、途中で投げ出したってかまわないのに、なぜか、一所懸命前へ向かって進んでいく自分。このstageで、その意味が、少しだけ分かる気がした、自分と、そして周囲の人たちのことが。
2016 音楽劇「赤毛のアン」
DGC/NGO 国連クラシックライブ協会
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2016/10/21 (金) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★
25周年
アンの空想、妄想力はこのステージでも立派に健在でした。ダイアナとの友情やギルバートへの恋など、懐かしいシーンがよみがえり、あっという間の観劇でした。
理想の不幸
HIGHcolors
「劇」小劇場(東京都)
2016/10/05 (水) ~ 2016/10/11 (火)公演終了
満足度★★★★
自我を捕え、捕われた女の生涯
この世には、幸も不幸もなく、ただただ個々の価値観による現実があるのみ。冒頭から「死」を漂わせ、終始、「白い男」の存在が視界に鬱陶しい。主人公の「女」は、恵まれた環境に生まれ育った者特有の(精神面において)贅沢な習性を持つ。向かうラストは明らかで、想像は容易い。が、舞台の構成、意匠デザイン、そして音響の巧みさは見事。終盤、女が「白い男」と抱き合い、これまで一度もみせることのなかった安堵の素顔を見せた一瞬に救われた思いがした。
jpgとQT
GRahAMBox
シアター711(東京都)
2016/10/04 (火) ~ 2016/10/05 (水)公演終了
ミニチュア
シアターノーチラス
新宿眼科画廊(東京都)
2016/09/23 (金) ~ 2016/09/27 (火)公演終了
満足度★★★★★
はずれた釦の行方
誰かに探してほしい?でも、やっぱり探してほしくない。確かに居たはず?でも、本当に居たのかな?どこに消えちゃったんだろう・・・。一時間、一分、一秒、、、とは無理だが、せめて一日を俯瞰しながら生きてみたい。。。本作品を観劇後に、私が感じた強い印象。これは、刹那的とはまったく別物。失踪した職場の女性をめぐり、職場の上司、同僚、姉、友人らがそれぞれに思考をめぐらせ、個々の立場における様々な言動が錯誤するトリックアートの如き会話劇。これまでの人生で、無くしたもの、失ったひと、忘れたい出来事。これらをぎゅうーっとミニチュアにした人生絵巻を、もう一度ひも解いて、じいーっと凝視しつつ、見つけ出してみたい。私の探し物とは・・・、それは、私が探しそこなった・・・何か、かもしれない。
硝子の途(再演)
劇団ヨロタミ
あうるすぽっと(東京都)
2016/09/16 (金) ~ 2016/09/19 (月)公演終了
満足度★★★
Rap & Rap
(Ghostの)ラップ音と、ラップ音楽。
「さよならの向こう側」と「少年院の向こう側」。
とにかく、いたるところに小気味良いスパイスがちりばめられたstageたった。
私の前席では、身障者とその御家族が観劇していて、このような方々と同じ空間で、ともに楽しむことのできる機会を作ってくださり、心から感謝。
あなただけ元気
箱庭円舞曲
ザ・スズナリ(東京都)
2016/09/08 (木) ~ 2016/09/15 (木)公演終了
満足度★★★★
no-sense man's wellness
ある1企業1組織内の社員の性格、生い立ち、論理的思考、立場などにより、こうも生き方が変わってくるのかと、苦笑しつつも熟考させられる精巧なストーリー。観劇しながら、あいつは今?あのこは今?とこれまでに職場で出会っては離れた上司や先輩、後輩の顔が次々に脳裏に浮かんでは消え。。。ひとは、他人の良い箇所よりも悪い箇所ばかりが目につき、それだけがクローズアップされるというのは真理であり、世の常。他人から良く見られたい、褒められたいという欲求を、自分以外のひとの長所を探すエネルギーに変換できたら。。。と小さな希望を胸に秘めつつ、、、我ら日本人のアイデンティティって一筋縄ではいかないな・・・としみじみ。これだけの大きな難問を2時間に纏め上げた脚本・演出の古川氏に感謝。