理想の不幸 公演情報 HIGHcolors「理想の不幸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    自我を捕え、捕われた女の生涯
    この世には、幸も不幸もなく、ただただ個々の価値観による現実があるのみ。冒頭から「死」を漂わせ、終始、「白い男」の存在が視界に鬱陶しい。主人公の「女」は、恵まれた環境に生まれ育った者特有の(精神面において)贅沢な習性を持つ。向かうラストは明らかで、想像は容易い。が、舞台の構成、意匠デザイン、そして音響の巧みさは見事。終盤、女が「白い男」と抱き合い、これまで一度もみせることのなかった安堵の素顔を見せた一瞬に救われた思いがした。

    ネタバレBOX

    劇中、先輩(中川さん)の語る「平成と幸福の合併」「すごいよ、ほんと」というつぶやきにも似た台詞にノックアウト。昭和生まれと平成生まれの人間の差は、この一言につきる。自分のみを見続け、ゆるぎない自分だけの物差しをもった人間は、きっと長生きする。

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    2016/10/08 21:19

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