満足度★★★★★
「青」チームを拝見いたしました。役者さん達の熱・熱・熱演に最強を誇る私の涙腺調節機能が見事に破壊されてしまいました。
ネタバレBOX
堕ちるところまで堕ちると決めたシゲさんと明美ちゃんの、一途な愛の物語でした。
明美ちゃん、みんなの事ばかり考えて、体がボロボロになるまで働いて、でも自分のせいでシゲさんの奥さんや娘さんに何度も何度も謝って・・・。
思わず客席から「明美ちゃん、もういいよ」って声をかけたくなりました。
舞台では音響効果が素晴らしく、70年代の名曲が胸にささりまくりました。特に松山千春の「銀の雨」。曲の中の女性があまりに明美ちゃんとかぶり、完璧にやられました。
満足度★★★★★
「密室劇の金字塔」と言われる作品と対峙したfeblaboさん「素晴らしい!」の一言です。
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劇場に入ると目につく舞台入口の席順表と事前配布された犯行の時系列及びアパートの見取り図は陪審概要や複雑な事件内容を事前把握するのに役立ち、既に事前に行われた裁判に参加していたかのように思えるくらいすんなりと入り込めました。
公演内容では、まず役者さん達の人選が素晴らしいと思いました。顔つきや体格、声量、醸し出す雰囲気など、12人が全てしっかりとハマっておりまるで“当て書き”かと思わせた素晴らしさです。
照明と音響効果を一切排し、台詞を基本とした舞台も否が応にも観る側の緊張感を高めたと思いました。夏の暑さや着地できない焦燥感に伴う“時間経過”も演技のみで感じさせた手法、実にお見事でした。
満足度★★★★★
ミュージカルとしても楽しめる舞台でした。
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元タカラジェンヌが3名出演の舞台は歌と踊りが秀逸。また元仮面ライダーの上遠野さんの温かみのある演技が心に残りました。
満足度★★★★★
声量と音量がボルテージの舞台、“やり切った感”がありました。
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シェークスピアの古典作品を現代風にアレンジした舞台は痛快でした。
特に,IR誘致問題で揺れる横浜の劇場に於いて、自らの行いに非を認めようとしない某国首相とその妻の会見をラストに持ってきたことは劇団の意思を強く感じさせてくれたと思います。
満足度★★★★★
小劇場B1の特性を活かした舞台作りが素晴らしく、いいリズム感を醸し出していたと思います。
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左手にダイニング、手前に応接をセットし、リビング・カラオケルーム・スーパー事務所応接として使い奥にベッドルームとスーパー事務所を配し、役者さんたちがスピーディに移動して場面転換をはかったことにより、暗転を減らしスピーディかつリズミカルな展開を可能とし、更に舞台を最大限に大きく見せてくうれたと思いました。
また未婚率上昇・高齢者再雇用・メンタル不調休職・オタクと引き籠り・SNS問題等々世相反映も上手く出来ていたと感じました。
定年を過ぎた“家庭内弱者”のお父さん役の紺野相龍さんと子育て一応終了でビデオゲームにはまるお母さん役の福島マリコさん、とてもいい味が出ていました。
満足度★★★★★
なかなか聞けない興味深い話、とても楽しかったです。
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「粗忽長屋」について、ただ“滑稽噺”という認識しか無かったので第2部のトークイベントは驚きの連続でした。サンキューさんの当時鏡が希少であったことや丁稚奉公の解説までしていただき、落語に対する興味が深まりました。そして、フロイトの“解離”や“メタフィクション”という言葉が飛び交うまで、とても盛り上がったと思います。
是非「粗忽長屋」の作者に(タイムスリップして頂いて)聞いていただきたいトークイベントでした。
満足度★★★★★
歌舞伎町にある保育園という設定が面白く、とても楽しめました。
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場所が場所だけに、様々な人間模様がありながらも親子とは、家族とは、と、改めて考えさせられることの多い作品でした。
特に西口園長の過去の話の場面では改めて今まで気づかなかった子供への感謝や子宝に恵まれなかった方への配慮の欠落等、気付かされることの多い作品となりました。
満足度★★★★★
竹内まりやの、多くの人の心に響く名曲を見事に舞台化。素晴らしい作品でした。
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竹内まりやが50歳を迎えて作った「人生の扉」をテーマに還暦を迎えた三人の男の人生を描いた作品でした。
若かれし頃はエネルギッシュに彼女を追いかけ全国を飛び回った彼らもその後悲喜交々の人生を送り、気がつくと人生の最終ラウンドに。
今はもう会うことも無くなった三人を、数年前の交通事故が結びつけ、しかも三人が出会うことなく終わるところが心に残る作品になったと思います。
そして椅子とパイプ工作を巧みに使ったセットが心情効果を高めたと感じました。
満足度★★★★★
十歳刻みの時間軸、それぞれのドラマの絡み方・観せ方、素晴らしかったです。
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観劇前は平仮名の“じゅうご”については主人公の名前と十五歳の掛詞だろう、くらいの認識でした。よもや先の大戦を彷彿とさせる“銃後”はありえないだろうと。
しかし妙な予感は的中するもので本当に“銃”が登場、なおかつ今回のキーアイテムだったんですね。
そして進行するにつれ存在を増してくる“自由”という同じ韻を踏む言葉。この“自由”という言葉が繰り返されることによって、その明るく楽しいイメージがそれを真摯に求めることにより、苦しみに繋がることに気づかされるんですね。それは、先生曰く自由とは「自分の思ったとおりやってみる」ですが、思ったとおり生きることの難しさを示しつつ、逆に違う生き方をする一美が父から結婚について改めて問いただされた時に見せた表情だけで説明されるんですね。このシーンの演出と演技力、本当に素晴らしかったです。
最後にその一美を演じた加藤さん、全体を通しても大胆かつ細やかな演技は流石でした。また主宰の笠浦さん、素晴らしい脚本と演出を観せてくれながら、空調の心配からブランケットの手配までの細やかな心配り、本当に痛み入りました。
満足度★★★★★
4本計2時間35分ということでしたが、いずれも役者さん達が好演。長さを感じさせませんした。
ネタバレBOX
特に後半2本は秀逸。
目崎さんの「抜群のお笑いのセンス」や笠浦さんの「観るものをぐいぐいと引きずり込む力」もさることながら、二人の持ち味をしっかり活かしその魅力を極限まで引き上げるfeblaboさんのプロデュース力はには脱帽です。“闇営業”の取り込み方も自然でおしゃれでした。
満足度★★★★★
上・中・下三段の舞台作りは視覚的にとても見易く効果的、“黄昏のビギン”やダンスの絡ませ方がうまいと思いました。
あと、三兎さんの関西弁ってあのシーンで使われると本当に涙が止まらなくなるんですよね。
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登場人物について、奨励会と編入試験の二度の失敗を乗り越え、介護の仕事から41歳でプロ棋士になった今泉四段をモチーフとした作品と思われます。
最強の若手棋士藤井七段や米長・中原両先生や林葉さんをイメージするような人物設定がとても面白かったです。
オープニングで大原が北島との対局中に倒れ「大原の次の“幻の一手”は何だったのか」が劇中一貫してるんですね。ラストで米山が入居中の大原を引きずり出し、全く同じ局面に持ち込み“幻の一手”を知る、という設定、正に人生を賭けた対局に気迫すら感じました。
もし藤井氏の番を亡き米長先生が引き継いで中原先生と対決したら・・・、という往年の将棋ファンにとってはたまらないストーリーでしたね。
大盤解説では入玉をはかろうとする北山とそれを阻止しようとする大原の局面でしたが、これは正に去年のNHK杯の今泉-藤井戦の攻防ポイントでしたね。
この局面の緊迫感を終始観客に伝え続けたことが気迫溢れる素晴らしい舞台を生み出した、と感じました。
満足度★★★★★
本当に熱かったナイゲンの夏、しっかり満喫させて頂きました。
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出演者が多いに関わらず、十三人全ての役者さんの持ち味がしっかりと活かされていたと思います。まさに全員が主役になれた舞台だと思いました。これこそfeblaboさんのプロデュース・演出力なのでしょう。客席の前の二個の椅子の使い方も観客と役者さん達を一体化させた、と感服しました。
役者さん達も本当に熱演でした。特に最後迄孤軍奮闘したどさまわりの池田雄也さん、心情変化の表現力が抜群でした。
“他人事か、我が身に降り懸かるか”に直面した学生達を見て、改めて考え方と行動の一致の難しさを感じさせられました。
満足度★★★★★
奇想天外なストーリー。幕末を生き抜いた若者達の熱い想いをしっかりと伝えてくれました。
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まずは照明とスモークを巧みに組み合わせた舞台がとても良かったですね。無理に江戸のしつらえにしなかったことで役者さんの演技に集中できたと思います。
また1960年から70年代の選曲が素晴らしく、特にたチューリップの「サボテンの花」は、夢を描きながらも自己の生死・未来が見えない浪士達が語らうシーンでとても美しく流れ、ジーンと来てしまいました。しかも和製ビートルズといわれたチューリップ、開演前かけ続けたビートルズがそこで蘇る、とビートルマニアだった私的には本当にきましたね。
役者さんの中では、日本の明日を夢見ながらも敵対する新撰組の沖田総司を愛しそしてその愛を貫き通した竜馬を演じた大江さんの熱演は光っていました。実は2016年8月に新宿のSPACE雑遊で「ロマンス」を拝見し、同年に「北区ACT STAGE」に入られたばかりの大江さんを拝見しましたが、本当に素晴らしい役者さんになられたと思います。
つかさんの人気作品を素晴らしい舞台に仕上げられた「北区ACT STAGE」の皆さま、素敵な2時間をありがとうございました。もうお目にかかることが出来ないつかさんの素晴らしさを伝えていただけるのは感謝しかありません。
満足度★★★★★
Sweet編を拝見しました。とても楽しめ2時間があっという間でした。
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シアターミラクルをバーに見立てた黒を基調としたシックな雰囲気作りが素晴らしく、あたかも自分がバーの中にいるかのよう。加えて随所にドリンク置場を配した細かな気配りがとても良かったです。
四作品ともそれぞれ良くできていましたが、個人的には「エモくてごめんね」が気に入りました。男と女が互いに相手を思いやり、その思いが結果として別れにつながる。というストーリーはグッときました。
満足度★★★★★
いいですね。観劇後も深い余韻が残ります。
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雨で始まり雨で終わるのですが “傘=リアルクローズの象徴”を用いたオープニングとラストの対比に手法の見事さに感心しました。
可変の代名詞としてのセレクトショップと不変の代名詞であるガラス工房という設定も面白いですね。「理想のガラスは割れないが、割れて初めてその存在を知る」という言葉が心に残ります。
加藤さんのマネキン感が出たしょうこ、今までに無い役作り。斬新でとても良かったです。
また、楽園固有の“柱”の使い方のうまさが光りました。綿貫がセレクトショップのガラスをみているシーン。“柱”の向こうにガラスが見えました。
笠浦さん作品、「マルカジット、マーカサイト」から拝見させて頂いていますが、回を重ねるにつれどんどん深みが増していると感じます。どこまで彼女が進化していくのか、とても楽しみです。
満足度★★★★★
芝居も、歌とダンスも最高でした。
ネタバレBOX
メンバー三人の“ファンを始め周囲の誰も傷つけたくない”という優しさが終始とても伝わりました。いつの間にか入り込んでしまい、ラストの「コールミーマイベイビー」はジーン・・・でした。また、社長やマネージャーのメンバーへの思いやりもハートフルに描かれており、ほっこり気分になれてとても良かったです。片や源のボケには笑わされっ放し、笑いと涙が絶妙なバランスでした。
ジーンズをうまく使った“過去のアイドル感”の演出とても良かったです。
劇中歌「コールミーマイベイビー」のサビ、終演後何度も口ずさんでいます。
満足度★★★★★
素晴らしいミュージカル。とても楽しめました。
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ストーリーが単純明快でテンポが良く2時間とがとても短く感じられました。シルビアさん凄かったですね。半端ない存在感でした。
また、終演後受付のパンフレットが広げてあったので分かったのですが、HONEYさん元SM所属だったんですね。歌もダンスも格の違いを感じていたのですが、納得出来ました。
またアフタートークが何と、小松利昌さんでした。「まんぷく」で拝見し、独特な個性に魅力を感じていました。今回その楽しい人柄に触れることができたので、とても良かったです。
満足度★★★★★
最終日に総合優勝作品と準優勝作品を拝見させていただきました。
作品賞・脚本賞・演出賞そして総合優勝がラビット番長『影の人』でした。さらに主演男優賞・助演男優賞とMVPまで。他の5団体には気の毒としか言いようがありませんが、実際に舞台を拝見させて頂くと、本当に文句無しの受賞でしょう。
ネタバレBOX
『影の人』
恐らくこれだけの深い内容を舞台化すると優に2時間前後を要すると思われますが、50分というルールに則りまとめ上げたのはお見事でした。特におりんを使った絶妙なリズムや一瞬の照明だけで表した原爆等、視聴覚面の効果は素晴らしかったです。
泥酔したサラリーマンが先達である渡辺さんに小水をかけるところ。人間としての愚かさを象徴する場面ですが、まるで唯一の被爆国でありながらその教訓を生かせず福島原発事故を招いてしまった我が国の愚かさを端的に表わしているかの如くでした。
昭和史最大の事件であった先の大戦。時の経過はともすれば人々の記憶を薄れがちにさせてしまうものですが、平成を経て令和を迎えたこの時に舞台化したことの意義は大きく、単なる過去として風化させることを許してはならないという劇団の意志を強く感じた作品でした。
満足度★★★★★
B ver.『名前の無い名前を呼ぶ冒険』『ルージュド・ガールと落下傘』2作品を堪能させて頂きました。
ネタバレBOX
『名前の無い名前を呼ぶ冒険』
西地あずみに目を付けられた頃部佳及子、当世女子高生は“下の名で呼ぶ+LINE=友達が出来た”という安心感を得るんですね。自己表現が下手な西地、頃部が来なければ実は孤独な学校生活を送っていたんですね。本作ではそういった甘酸っぱい高校生の心理が巧みに描かれていたと思います。高い箱の上に二つの椅子を正面に向けて並べたしつらえが役者さん達と直に向かい合え、心情的に入り込めてとても良かったと思いました。
『ルージュドガールと落下傘』
写真家として成功を収めた要因が、実力ではなく女であることや美人であることに苦しむ先輩の苦悩、先輩を支えたいと思いながらファインダーの中でしか見守ることのできない“僕”の切なさ、そんな二人を包み込むような“男”の思いやり、これらが1本のバーボンを中心に交錯する空気と時間、素敵でした。脚本と演出、そして役者さん達の味のある演技が絶妙に絡み合った素晴らしい作品だと思います。
満足度★★★★★
「ばいびー、23区の恋人」を拝見しました。当代男女気質をコミカルに描いた傑作です。
ネタバレBOX
ビッチというにはユル過ぎの町子と23区それぞれに一人づついる彼氏達。これらの家(=区)を回るお別れの旅をする、という奇想天外な設定。しかも彼氏の呼び方が区名とは、脚本面白過ぎです。
テンポの。刻み方が絶妙で、急にまくり出したたかと思うと元に戻したりと、この緩急実に良かったですね。彼氏の着替えが遅れがちになったりするんですが、最後にはぴったり合い、
これが舞台に面白い味付けとなっており、演出のうまさを感じました。
また3人だけでこれだけの世界が作れることにとても感心しました。特に窓の使い方ひとつで場所が変わったかのように見せる手法。素晴らしかったですね。
開演前に受付のPCで流れていた動画を何気無く見ていたら、面白さが格段にアップしました。未見の方は是非事前にご覧ください。