
鼠小僧
劇団め組
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2014/03/27 (木) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
これぞ大衆演劇!
タイトル通り鼠小僧を主役にした時代劇。まず、劇場全体が江戸時代にタイムスリップしたような作りで素晴らしい。舞台は中央だけでなく、左右の三方から観劇できるよう配置しており、それぞれの方向に花道がある。舞台設営・衣装・美術は凝っていた。
脚本は江戸人情もの、その物語は素直に観て楽しめる。公演時間は約2時間だが、短く感じるほど面白かった。これぞ大衆演劇の真骨頂だと思った。
演技は安定感があり、テンポも良い。
とても堪能しました。

僕はそれを、青と呼ぼう。
姫君
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★
自由自在な展開
精神疾患をよそおい病院に潜入し…と、。このプロットなら妄想・虚言など、なんでもありの展開ができ、結構間口が広く自由自在だろう。ストーリーは現在進行形のみで、過去との交錯や邂逅はなく、進展はシンプルだと思う。最後はある程度予測がつく結末だった。脚本としては凝ったようだが、似たような芝居・映画があるので、もっと奇抜さがあっても良かったのでは。この点は少し残念だ。
演技は若い女性(REDチーム)だけに、勢いがあり、テンポも良かった。虚実錯綜する難しい場面は、熱演しており好感がもてた。今後の公演を期待したい。

どっかこっか
さるしばい
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/03/20 (木) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
面白い!
2本の公演を交互に観ているような違和感があり、なぜと言う疑問符がまとわりついた。しかし、終盤での以外な展開でその思いは氷解する。本当に見事な結末で感動した。プロットは地元の幼馴染による青春ストーリーかと…。基本的にはそうだが、最後はキュンとさせられ、見事な裏切られかたが心地よい。
また、登場人物のキャラクター設定が上手く、役者が見事に演じていた。
ただ、旅行中の若い女性(青春ストーリでない方の重要人物)の心情描写に不満が残った。女性の生い立ちにもう少し切実・緊迫感のある状況説明が必要ではないか。単なるセリフでの説明では感情移入ができなかった。その点だけが残念だ。
舞台設営は見事で、地方の小都市における駅舎(廃線)をうまく作り出していた。音楽等の効果もすばらしく、本当に好公演であった。

学校の催眠室
enji
OFF OFFシアター(東京都)
2014/03/21 (金) ~ 2014/03/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白い!
2時間近い公演だが、面白く見応えがあった。タイトル「学校の催眠室」とは違う舞台美術だ。それは観てのお楽しみだが、結構凝っている。
脚本は当初のものを捨て…、本公演内容へ変更したとか。脚本・演出は面白いが、役者の演技が良かった。登場人物のキャラ設定が十分伝わる演技で、見入ってしまった。当時の斜陽産業の実情、社会状況から、人間の内面(本音)を抉る描写まで、全てにおいて魅せられた。
公演全体はコミック仕立てだが、その底にある問題提起は鋭い。本当に堪能しました。

部屋の中
梅パン
遊空間がざびぃ(東京都)
2014/03/20 (木) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
役割とは…
セリフにもあるが、人は何らかの「役割」を持って生きていると・・・。さて、人命救助に貢献したが、不倫の秘密があり、それを隠蔽するドタバタ騒動が描かれている。人命救助によって「ヒーロー」になるが、それが「役割」なんだろうか?ここでは、職務上の立場による活躍(当たり前の行動だが)と「役割」が混同している気がする。立場が無くなるから奔走する、そんな姿ではないだろうか。「役割」というテーマというか言葉にとらわれ過ぎた感じを受けた。
しかし、ストーリーは面白く、テンポも良かった。何よりも役者の演技(熱演)が印象的だ。今後の公演が楽しみである。

あやしい、人たち
劇団ハッピータイム
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2014/03/21 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★
やっぱり!
宇宙人がやって来る!ハィ、こういう展開(現代では非現実的)は結末が想像でき、案の定そういうオチになった。それも早い段階で分かったから、興味が少し薄れた。もう少し最後の場面まで引っ張って…。
ストーリーには伏線を持たせ、演出も凝らせたつもりでしょうが、あまりにストレートな状況設定(非現実・妄想感覚)が裏目にでたようである。
演技はテンポが今ひとつ。アクションにしてもスピード感が乏しく、迫力に欠けたと思う。小空間ゆえに舞台スペースを広く、または奥行きあるように舞台設営・美術を凝らす工夫には好感が持てた。

スリアのにくの鏡
UDATSU
小劇場 楽園(東京都)
2014/03/20 (木) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★
パロディが…
「不思議の国のアリス」パロディ…、さぁ不思議物体との戦いが始まる。アクションコメディ仕立てかな。それにしてはスピード感があまりなく、ストーリー展開もテンポが緩いかも。ストーリーは面白いと思うが、それにあった演技(熱演とは思うが)だったか、少し残念な気がする。
さて、本当に戦いを挑んだのか、実は心内面で受容することが必要だとのメッツセージを投げかけた?戦うシーンを見ながら哀しい感情を抱いてしまった、コメディ風なのに。

海を越えた挑戦者たち
劇団俳小
南大塚ホール(東京都)
2014/03/21 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
当時の苦労と挑戦が…
アメリカ統治下における沖縄の高校が甲子園出場を果たす…大変な苦労があったと思う。当時の沖縄における社会状況など、演じられているのを観て、「あぁ、そうなんだ」と思うが、やはり状況の説明に終始したかも…。甲子園出場までの苦労について、もっと球児目線でエピソードを入れて描いてほしかった。公演では案外すんなりと甲子園出場を果たしたように感じる。公演全体を通じて盛り上がりというか、高揚感が今ひとつ…。テーマ脚本は面白い。それだけに、淡々とした芝居で、感情移入できなかったのは残念だ。

昭和歌謡コメディ~築地 ソバ屋 笑福寺~
昭和歌謡コメディ事務局
ブディストホール(東京都)
2014/03/19 (水) ~ 2014/03/23 (日)公演終了
満足度★★★★
懐かしき昭和がそこに
公演は二部構成で、第一部は芝居、第二部はトーク&ミニ歌謡ショー。芝居は、大宮デン助、藤山寛美を擁した大衆演劇で、観ていて安心する。何しろ、典型的な勧善懲悪・人情もので、泣いて、笑って、心底楽しめた。元アイドル三人は汗だくになりながらも熱演、今後の公演にも期待したい。

晴れのち出動、ときどきヒミツ【終演しました。ご来場ありがとうございました!次回は9月です!】
らちゃかん
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2014/03/12 (水) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
ユニークな発想だ
乱暴ではあるが芝居を、テーマ性重視か娯楽性に富んだ公演か…大別したら、本公演は後者に当てはまるだろう。表層をサラッとSFコメディ風に仕上げ、とても面白かった。しかし、発想が「特殊生物対策委員会処理課」という仕事のユニークさを表現しつつも、所々に既存の組織にありがちな形式主義(取材許可書を得るまでの盥回しなど)、一方、情報収集のための取材の強引さ、何でもあり…など、風刺もピリッときいて痛快。
卓越した演出と、しっかりした演技が、笑って笑って楽しめる公演にしていた。
なお、個々の役者の演技は素晴らしいと感じるが、芝居は全体のバランスが大切だと思っており、そういう意味では、滑りすぎな面もあり、そこは慎重にしてほしかった。

新しい等高線
ユニークポイント
シアター711(東京都)
2014/03/11 (火) ~ 2014/03/18 (火)公演終了
満足度★★★★
目を見開いておこう
取材に基づく重厚(役者の演技も見事)な内容で、最後まで見応えがあった。1941年から1945年8月18日までの約5年の民間地図会社(色彩堂)における人間模様。戦時下における地図作成の重要性について、考えもしなかった。今では考えられない切り口で、とても新鮮味が持ったと同時に深い感銘を受けた。
国家による地図の塗り変え、民間地図会社の統合などの問題は、現代でも情報隠蔽・規制に繋がる重要な提起だと感じた。そんなことを考えさせる好作品だ。
なお、特高警察が来訪してあのようなことを語るかどうか…。(ネタばれか?)

罰符
NAKED SOUL PROJECT
space turbo gallery shibuya(東京都)
2014/03/15 (土) ~ 2014/03/18 (火)公演終了
満足度★★★★
濃密な会話劇
2人のデリヘルによる待機室での会話劇。会場は渋谷区円山町にあるバーでの上演。あまりに雰囲気がありすぎて…これも演出だろうか。
まず、芝居は濃密だ。交わされるセリフには専門的な用語も飛び出し、きちんと取材したことを感じさせる。ストーリーは、デリヘルになった動機から始まり、懐疑、妬みなど、人間の厭らしい面が次から次に描かれる。現実なら辟易するところだが、そこは芝居の世界…それもリアルにありそうなシチュエーションで見入った。脚本・演出・演(艶)技ともよかった。
ただ、暗転の時間が長く感じられ、観る集中力を保つのが大変だった。また、舞台設営は、テーブルとそれを挟んで座る椅子が2脚あるのみ。基本的に、客席は2人を真横から見るため、その位置によっては表情が観にくいと思う。待機室という設定であれば、姿見を置くなど小道具にも配慮してほしいところ。

ろだん
643ノゲッツー
OFF OFFシアター(東京都)
2014/03/13 (木) ~ 2014/03/18 (火)公演終了
満足度★★★★
そうなんだ…
ストーリーだが、不倫・失踪・改ざんなど、いかにも反社会的?な状況が次から次に…。漫才のような掛け合いとアップテンポな進展が心地よい。全体的にコメディタッチで観客を楽しませる。ストーリーがあちらこちらに漂流しながら結末に向かうのだが…、本筋に沿った展開なのか疑問もわく。しかし、公演全体を通してみれば、楽しめたことには間違いない。
ところで”ろだん”って? フライヤーに描かれている人物が「dandy」であり、何となく語呂が似ているような…考えすぎ(笑)

仮面狂想曲
戯六遊
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/03/14 (金) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
熱演に好感です
公演内容は、推理サスぺンスものであるが、舞台の雰囲気は妖気が漂うような不気味さがあった。それは、自分にとって不快ではなく、迫力ある演技の成せるものだと思っている。ただし、脚本は凝っているため、分かりづらい面があった。ストーリーが進むにつれて、後から実は…と色々な説明が出てくる(見ようによっては継接ぎに思えるが)。この状況の変化に伏線なし(例えば”女主人の登場”など)が繰り返されると、観客自身による思考が麻痺し、単に演技を眺めているだけになり、観ている感がなくなると思う。
少し脚本と演出・構成のバランスを考え、観客目線を意識した見せ方にしてほしかった。
なお、役者の熱演には好感が持てた。

家族の休日
公益社団法人日本劇団協議会
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2014/03/14 (金) ~ 2014/03/19 (水)公演終了
満足度★★★★
本当に家族なの
或る”家族の休日”という設定であるが、その家族構成が…、登場人物はいずれもキャラが濃く(特にお母さんは好きです)、その演技に見入ってしまった。さて、家族とは…、改まって考えると、生まれ育つうちに自然と形成され、深く考えることもしない。いるのが当たり前という感覚である。しかし、身近すぎて見えない部分もあり、成長とともにそれは増幅する。時に分かり合おうとすれば、煩わしく感じる。そんなモヤモヤ感がでており、面白い公演だった。
なお、シリアスな場面にもかかわらず、時折、音楽(サザエさんテーマ曲)に合わせたポップ調な演技(仕草)は笑えた。

あそこに見えるのはユートピア
たこ足配線企画
明石スタジオ(東京都)
2014/03/13 (木) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しいが…最後に
人間のエゴ等、毒を吐き散らす公演は多いが、本作は真逆の出だし…、要は登場人物全員が善人という設定だ。パラダイスな世界であるが、いったんそこに不測な事態が生じると、本来人間が持っている邪悪な感情が…、と言っても外部からきた人間だけ。
脚本について、若干の違和感を持った⇒(ネタバレ)へ
演出・構成は、歌ありダンスあり、ミュージカル仕立てで明るく楽しい。一方、内容はブラックユーモアが底辺にあり、そのアンバランスが心に残った。

ドール・チェンジ
劇団SwanLake
中野スタジオあくとれ(東京都)
2014/03/13 (木) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★
不思議な世界観
本公演は、クラッシックバレエ・コッペリアが題材で、現代のネット社会と新型鬱と呼ばれる病という、2つの問題をテ-マにしたもの…と、当日配付のパンフレットにある。確かに警鐘するメッセージは、自分には分かった。
さて、ストーリーはその進展(記念日からのキッカケ、その後の場面転換は唐突感あり)にしたがって拡がりをみせるが、それをどう収束し結末をむかえるか。手法的には、“やはり”予想されたものだが、それでも面白い。これまた、パンフレットにある、表層をサラリと楽しむも良し、深読みして刺激を味わうのも良し…とあるが、自分は後者を楽しんだ。
公演全体を通して、不思議というか幻想的な舞台空間を作り上げており、魅了された。

ミチコとの遭遇
Teamかわのじ
RAFT(東京都)
2014/03/13 (木) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
切ない…
真面目に仕事をして…そんな人間は面白味に欠ける。だから葬儀の参列者が少ない?しかし、人には個性があり、正直に生きようとすればするほど苦しくなるかもしれない。そんな人と残された家族(息子)の気持ちを描いた公演だ。その表現が秀逸…「ミチコ」という女性の登場だけで、周りの人間が勝手に故人の人物像を作る。
家族とは、居て当たり前、相手のことを知っているようで実は何も知らない。想いも上手く伝えられない。そんなありふれた、そして不器用な感情がにじみ出るような印象深い公演だ。本当に切ない気持になった。
脚本、演出、演技とも素晴らしく見応え十分である。

わが家~darling! darling!~
虹創旅団
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2014/03/12 (水) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★
期待したい!
公演プロットは、よく演じられる内容…現世に未練があり、蘇り想いを果たすというもの。本公演は、照井民氏の処女脚本・演出(共同)とのことであるが、結末は予定調和で新鮮味に欠ける。また暗転が多く、観客としては集中力を保つのが大変かもしれない。公演全体を通して人に対する”優しい思いやり”の気持ちが大切…後悔しない人生を送るようにというメッセージを投げかける。訴えは、ストレートなセリフがあるから明確であるが、表層的な気がする。もう少し深堀した演出が欲しかったなぁ。
演技は硬くぎこちない。総じて若い役者(新人も出演していた)が多く、伸びしろがあるので、今後の公演を大いに期待したい(もちろん若い、照井氏の脚本・演出も期待している。それだけの力があると思うから…)。

流れゆく庭-あるいは方舟-
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2014/03/06 (木) ~ 2014/03/12 (水)公演終了
満足度★★★★★
緊迫感が…
今、本当になすべき事…、わかっているようで実は、実行出来ない。その人の立場によって行うべき優先順位が違うからである。そこに人間のエゴ・弱さが垣間見える。本公演では、市行政とマスコミ各社での役割・立場(職制の違いも絡め)によって、本当になすべき事が何か、危機的状況に陥りながらも建前で行動する人間の愚かしさが浮き彫りにされた。
演技は迫力があった。「流れゆく庭-あるいは方舟-」というタイトルから水害が想定できるが、本当に役者は熱演だった。制作スタッフによると、役者がインフルエンザに罹らないかが一番心配だったと。
さて、脚本・演出は見事で、最後の一瞬まで目がはなせない緊迫感ある芝居だった。
できれば、市民の目線(電話の問い合わせのみ)をもう少し描いてほしいような…(目線が多くなればそれだけ、問題の焦点が曖昧になることは承知しつつも)。