舞首ー三つ巴の里ー
鬼の居ぬ間に
シアター711(東京都)
2015/05/06 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
言語化できない衝撃
「おどろおどろしさ」を演劇で表現するのは実は難しいと思います。単に殺人や悲惨なことが舞台上起こるだけなら、演劇というよりは安っぽくて悪趣味な見世物にすぎないからです。悲惨なもの、グロいものなら、本物がネットにいくらでもころがっています。「鬼の居ぬ間に」は、そういう即物的なものではない、曖昧模糊として捉えにくい悪意や迷信、蒙昧、そしてそれらを包有する空間を作り出す稀有な劇団さんだと思っています。
劇場に入ってすぐ舞台美術でぐっと引き込まれたのを覚えています。771の雰囲気もありますが、ここから異世界に入るんだという感覚。決して楽しい物語が始まるわけではないのに、不思議な高揚感がありました。物語の根幹自体はかつての日本にありふれた話だったと思います。ただ物語の構造や伏線の複雑さなどの文学的な問題はさておき、時間が経っても、劇場で受け取った「異世界感」の異様さ・インパクトをありありと思い出すのです。細かい枝葉のお話は時間が経てば忘れてしまいますが、あの言葉にならない圧倒的な異質さは今でも残っています。言葉にならない部分が大きい作品でした。
キズツクキカイ
たすいち
ザムザ阿佐谷(東京都)
2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
新しい妖怪話
妖怪、陰陽師、などなど、いろんなキャラがぶち込まれて、上に下にと大活劇を繰り広げる中で、デリケートな人の心、寂しさや思い通りにならない苦しみ、と言った「キズ」をどう受け止めるか。難しい、でも現代的なテーマが、繰り広げられる。笑いあり、切なさあり、すごく面白かったです。
脇を固める妖怪たちがマスコット的に可愛いです。
シンフォニ坂の男
劇団道学先生
ザ・スズナリ(東京都)
2013/09/21 (土) ~ 2013/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★
名作一歩手前
よく出来た演劇だった。役者さんの演技も小劇場と言うよりは商業よりの作り込んだ芝居で、虚構の世界にぐっと入りこめたと思う。もうひとりの方が書いてるブツ切り感は多少あったが、そんなに気にならなかった。何か好きな要素がてんこ盛りですごく楽しい時間を過ごせたのだけど、惜しいなぁと思うのが、要素は要素としてドカっとあって楽しめる一方で、完璧には融合していなかったところ。
「楽団のアトリエがあることから、
いつしか「シンフォニ坂」と呼ばれるようになった、
その坂のてっぺんにある診療所を営む無頼な医者と
彼を取り囲む風変わりな男女たちの、
音に彩られた群像劇…」
何て設定だけでも面白そう!そして設定の美味しさ、素材の美味しさ予想通り!なところが惜しかったような。脚本のせいな気もしますけど。
U&D&O
おぼんろ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★
印象に残った
想像力を働かせて見ないといけない作風なのかな、とおもいましたが、短編にも関わらず作品に必要ない語りかけが多くて面食らいました。コメディのセンス、で言えば外してたなぁと思います。ですが、わかばやしめぐみさんが大変印象に残りました。吉祥寺での公演を拝見した時と同じ不可思議感を残す、コメディ以外のジャンルで次は見てみたいと思いました。
黄金のコメディフェスティバル2014
黄金のコメディフェスティバル
シアター風姿花伝(東京都)
2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了
満足度★★★★
笑えた作品
笑える作品笑えない作品の落差が結構あった気がしました。PMC野郎が一番笑いのシステムが機能した作品だったかなぁと思います。盛り上がりと言う意味では八割世界が良かった。結局のところ笑えれば正道なので、笑えた作品と言う意味で八割世界に投票しました。
何団体も見てると、何が面白いのかゲシュタルト崩壊しそうになるけど、原点に戻ってみて、って感じです。うーん、コメディって奥が深い!
「r 」
日本演劇連盟
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2014/02/15 (土) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★
技術↑華↓笑い→
ぬるっと入り込んでくる笑いで、面白かったです。
ただ同じ木下さんの作品ですが、OneBillBanditの時と比べて、分かり易さは減ったように思いました。序盤楽しみ方を掴めず、戸惑いました。
平均☆5だった前作・冬のグアムは空のまちと比較すると、もしかしたら技術的には難しいことをやっているのかもしれないけど、楽しみ方は観てる側には難しくなったと思います。
どのキャラを笑ってよいのか、掴みきれなかったと言う感じでしょうか・・わかりやすい笑いが好きだからかもしれませんが・・。
呼吸
白米少女
小劇場 楽園(東京都)
2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
心地よい時間。演劇っぽい。
アムリタに出ていた酒井さん、たすいち・One Bill Bandidに出ていた葦田さんが出演ということで来てみたのですが、来てよかったです。思考や感情を開放して、感じる芝居かなと思いました。非常に感覚的。人の記憶って、あんまり論理的じゃないし、実際にあった事実よりも、個人の主観にそってある部分だけが凄く美しく、残酷で、そしてぶつ切りにシーンが再生される感じですけど、それを表現したかったんだろうなと。心地よい時間でした。
出来れば、2回見たかった。音楽と照明があまり聴かない・見ない感じですごくきれいでした。楽園という小屋をうまく使った演出だったと思いました。
ただ・・まあ下北沢なんで、厳しいことを言いますと、やりたいことはすごく分かるけど、演者が追い付いていない感じでした。半分くらいのキャストが・・勿体ないなあと。身体表現が特に。(酒井さん+若干名は綺麗だったんですけど)
冬のグアムは空のまち
One Bill Bandit
池袋GEKIBA(東京都)
2013/12/07 (土) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
かもめが凄い
面白かった。下ネタとか無理なギャグとかじゃなく、自然に笑いがこぼれる感じでした。
単なるあったかい田舎の話じゃなく、変な人ばっかり出てきて、観光客が揉みくちゃにされる話でしたけど、終始明るくて楽しかったです。
ボケツッコミは、コントっぽかったですね。うまかったです。全身で攻めるツッコミと客を置いていくレベルで広がる多種多様なボケキャラ、気持ち良いです。
残念だったのは、台詞を度々噛む役者さんがいたのと、冬の芝居なのに役者さんが汗だくだったことです。
カモメさん 笑
青鬼Ver.27【あの大人気ホラーゲーム『青鬼』を舞台化!】
第27班
王子小劇場(東京都)
2013/10/21 (月) ~ 2013/10/22 (火)公演終了
満足度★
楽しみたかったが
原作知らないから、正直つまんなかった。パロディだとしてめ、酷すぎる。どこで楽しんだら良いか悩みながら観ていました。
学生演劇祭でグランプリからの王子小劇場に一気に進出する勢いは凄いけど、やりたいこと先行で客無視してる気がする。役者は好演・・と言ってあげたいけど、王子の尺で声が聞こえない役者がいたり。
こういうのを王子みたいな場所でやっちゃうから、まあ小劇場なんて所詮は主宰の自慰行為みたいなもんだから、と言われるんだよ・・。
【3日間終了!!】鬼FES.2013【またいつか会いましょう!】
ロ字ック
シアター風姿花伝(東京都)
2013/09/14 (土) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
歌って踊ってー初日。
楽しすぎました!場内一体になって盛り上がりまくった初日でした!
はちみつシアターは、とにかく強烈な体験だった。エヴァのパロディをOLで!?うまいんだけど、何より、色々かなぐり捨てた30代?のお姉様方の放射するエネルギー量の凄さに圧倒された。見なかった人は大損してる。笑って踊って酸欠になった。
ロ字ック!小野寺さん祭りです。全てを持っていきました。ヤバイです。今日も明日もあるから、あんまり書けないけど、見てください。神です。
たすいち!カッコ良い、カワイイ、面白いが詰まった最高のオープニングでした。高校・エンゲキ・青春!すごい人沢山出てるのに、一人一人のキャラクターが立ってる〔しかもうるさくない〕が凄かったです。昔の柿食う客とかキャラメルボックスみたいな雰囲気、好きでした。アムリタ出てた方もいて、違った演技を見れて良かったです。
アナログ@ベースメントステージは、話がまとまってて見やすかったと思います。 フェスっぽくない落ちついた話に感じましたが、元気な芝居を立て続けに観た後だったので、良い清涼剤でした。
廻天遊魚
アムリタ
新宿眼科画廊(東京都)
2013/08/23 (金) ~ 2013/08/28 (水)公演終了
満足度★★★★
純文学ならぬ純演劇
うーむ。暗い。だが、役者の個性とあってるし、感情をちゃんと乗せてるから、見せ物として成立してた。難しかったけど、不思議な空間を共有できて良かった。