ナイゲン
ILLUMINUS
浅草九劇(東京都)
2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
同じ作品について、また書きます。本公演、2回目の観劇です。ただ今日は、観ていて目頭が熱くなりました。理不尽な学校側の要求に抵抗する『どさまわり』さん。『どさまわり』さんの「正論」、その真摯な姿勢に強く感動を覚えたのです。そして今日も、出演者全員の誰もが輝く、素晴らしい舞台でした。
形はコメディですが、実は、いたって真面目な「青春群像劇」。“自主自律”を旨とし、かつては生徒による自治を誇っていたこの学校にいる自分、『どさまわり』さん。彼女は「(今年の)文化祭(が成功するかどうか)」についてでは無く、「(国府台高校の)文化祭のあり方(つまり、「自主自律」というのはどういうことなのか」について問題にしているのです。
一見、馬鹿馬鹿しい喜劇かもしれません。でも方々に細かな「仕掛け」があります。そして繋がるのです。上手い!『どさまわり』さんの最後までブレの無い発言、『生徒』も観客も誰もが真剣に聴いています。「「上」から訳の分からないことを押しつけられて、黙っていてはいけない」こんな凄いメッセージのあるドタバタ喜劇、めったに出会えるものではありません。
ナイゲン
ILLUMINUS
浅草九劇(東京都)
2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
昨年、初めてこの作品を観ました。2時間の舞台があっという間に過ぎたのを覚えています。13人の高校生の会議。最終下校間近の残された時間、理不尽な学校側の要求に抵抗する『どさまわり』さんを説教したくなりました。正に私は、14人目の「出演者」になってしまったのです。今回、この舞台の中心人物の1人『どさまわり』さんの役が、男子から女子に替わっていました。だからと言うわけではないのですが、今日は、『どさまわり』さんの「正論」に強い感動を覚えました。この舞台は生で観てこそ、本当の芝居が分かります。映像では一面的なので、舞台上の13人全員の演技を観ることが出来ないのです。だから舞台は何回を観ても楽しめます。
あんな馬鹿笑いをしていた客席が、『どさまわり』さんが話し出すと静まりかえります。そう、「正論」を聴きたい、「正論」に従いたいのです。「上」から訳の分からないことを押しつけられてはいけない。現実があまりにも酷すぎる今の世の中。舞台にその希望を持ってしまうのかもしれません。
ピース
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★
演劇は難しい。良いと思われる作品でも、人によって相性次第。国家プロジェクトで21日間の船上生活をすることになった6人の男女。なぜか私はピンとこない。この舞台も私にとっては、手強い作品でした。でも面白い舞台セット。次回は期待しようか。。。
POP −Piece of Paper−
Theatrical Magic Project
上野ストアハウス(東京都)
2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
「シアトリカルマジックライブ」、楽しめました。マジックが一流。それに観客が参加する即興劇が融合する。毎日違うんだ。面白い。なぜか私が舞台に上げられ、マジックショーのお手伝い。映像も使い、後方の観客にも見やすい。只、19:30の開演で、終演が21:30過ぎ。その後のトークショーはちょっと遅いのでは。。。
ゲイシャパラソル
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★
演劇は難しい。良いと思われる作品でも、人によって相性次第。この舞台は私にとっては、手強い作品でした。舞台を前に出し、3方向から見られる形。「楽隊」と称するミュージシャンが4人。わくわくする雰囲気で始まりました。ただ私は最初の十数分の展開を掴み損ない「乗り遅れ」てしまいました。なぜかなあ。。。それだけの理由で申し訳ありません。
レイニーレディー
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2018/06/06 (水) ~ 2018/06/12 (火)公演終了
満足度★★★★
【Team葉】観劇。シリアスコメディーヒューマンドラマということで興味を持ちました。シリアスでヒューマンなドラマでしたが、コメディーの部分は今ひとつ。見た目や面白い動作ではなく、会話の中で笑いを誘ってほしかった。篠田実沙子の熱演が光りましたが、やはり「話」に無理がある。上手く収まったように見えるが、もっとリアリティがほしいと思いました。
翼の卵
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2018/05/29 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
客演に原田大二郎を迎えての公演。苦難に満ちた「常藤耕作」の人生が滲み出ていました。舞台は九州。炭鉱がまだ勢いのあった時代。「常藤耕作」は、あの『泳ぐ機関車』の赤堀炭鉱でも働いていたんだ。そんな台詞もありました。どの俳優も個性的。主人公「頼子」の板垣桃子の複雑な心の演技、汚れ役「アオイ」の新井結香、『泳ぐ機関車』と同様、強いインパクトがありました。「恵子」の大手忍、私の心を揺さぶる「神」でした。音楽が雰囲気を作ります。そして何回も語られる「詩」が心に強く響きました。私は2回の観劇、2回ともに泣けました。いや、2回目だからこそ深く感じ、また泣けたのかもしれません。
こんなはずじゃなかった!
知らない星
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2018/05/31 (木) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
今日の舞台、1時間45分、考えさせられました。生きている意味、命の短さ、自分だけでなく周りの人にも終わりは来る。私のことか? とは言え、暗い話にならず、とても面白い作品でした。客席はこの作品の制作スタッフ、キャストと同年代の若者ばかり。私だけが場違いの年齢のようでしたが、ジェネレーションギャップを感じさせない、誰にでも当てはまる作品でした。
昨年の『女子らの時代』も面白かった。Girls Talkの舞台。芝居とは言え、女性3人のおしゃべりをこんな真面目に聴いたのは初めて。男同士と比べて会話内容のレベルが違う。女子の方が遙かに「上」。お互いに気を遣いながらでも厳しく語り合う。男には出来ない「技」ではないかと感じました。
大正浪漫に踊る~天空を翔るハイカラ姫たち~
劇団Brownie
小劇場B1(東京都)
2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
大正ロマンの喜劇。ダンスもある。殺陣も良い。生演奏も良い。可愛い女の子もたくさん。エンタテインメントとしては面白い。でも喜劇は難しい。客席全体が笑えるようになるまで、少し時間がかかった。初日だから仕方ないか。しかし芝居としては、もう一段上を目指したい。時代活劇なら、時代を感じさせなきゃ。これ、現代ですよ。せっかくの生演奏も名曲をつなぐだけ。場面との関連が今ひとつ分からない。でも、休憩無しの上演時間は適切。十分、楽しめましたよ。
首のないカマキリ
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2018/05/18 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
とにかく良い作品です。脚本が秀逸。こんなに言葉に魅了される芝居は、鈍感な私には珍しいのです。また劇団俳優座の俳優陣が魅力的。久々にお会いできた岩崎加根子。俳優座劇場プロデュース『十二人の怒れる男』に出演の塩山誠司。On7(オンナナ)の保亜美。内面の気持ちをにじみ出す清水直子ほか、誰もが素晴らしい演技なのです。そして、まだ準座員の後藤佑里奈の頑張りがとても面白かった。生きることを真面目に真正面から考えさせる舞台。しかし堅苦しくならず、時々笑いを誘う芝居づくりが上手い。今年観た舞台の中でも、トップレベルであることは間違いありません。
夜明け前、私たちは立ち上がる。
TOKYOハンバーグ
サンモールスタジオ(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
日の出政府のW杯
ZIPANGU Stage
萬劇場(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★
演劇は「嘘」である。実際のことでは無い。それだから楽しめる。でもリアリティは必要。その点から言えば、この話はちょっと苦しい。首相官邸新任秘書の主人公のサッカー好きは良いのだが、彼がテレビの前でかじりついていたり、ワールドカップの日本戦当日の国際的な大事変と官邸の対応には無理がある。私は戸惑った。話の中に入っていけない。もちろん私の感想であり、大笑いしている人もいた。創設25年ですか。頑張っていますね。今後に期待します。
共感
劇団時間制作
劇場MOMO(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
「共感」が得られたかって? 「人を○○するのが夢」とは。現実化されない「仮説」であれば、言いたいことを考える意味がある。それにしても、演劇というのは不思議な世界。話の内容、表現方法、演じ方など様々。そしてファン層も様々。客席の雰囲気も本当に異なる。人それぞれ好き嫌いがある。うん、私は、ちょっと、、、と思ったけど。このようなことが現実的になっている今の社会を考えると、重大な問題提起をしているのだろうか。。。
サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
芝居はいろいろありますね。設定が面白い。超能力研究所。そしてバレンタイン。客層も様々。私のような歳の人間にはついて行けない所もありました。しかしながらテンポの良い脚本、パワー溢れる演技、誠実なスタッフに満足。また新しい世界を知りました。
星の王子さま
もぴプロジェクト
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★
『星の王子さま』の舞台は多い。でもなかなか満足できるものは少ない。今回の作品、「飛行士」が4人に驚いたが、「花」が男の役者とは。意図はあるのだろうが、私には分からなかった。どこかで、そのヒントがほしかった。
Yellow Fever
劇団俳小
d-倉庫(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇は作品の出来とは関係なしに、好き嫌いがあります。『刑事コロンボ』のパロディというのは、やはり古い。興味を持つのは、やはりお年寄りでしょう。サスペンス。エンタテインメント性はあるのですが、どんでん返しが起こる山場の場面で、リアリティが無いようにの思えたのは私だけでしょうか。
奴碑訓
Project Nyx
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2018/03/09 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
いや、美女、美魔女、女装の林勇輔ANGELA、凄い、凄すぎる。よくこれだけの個性派を集めたものです。プロデューサー=水嶋カンナの力量です。作品の内容をあれこれ言う教養は私にはありませんが、いつもの「寺山語録」のみならず、「宮澤賢治の世界」も登場。『伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪』の延長上の作品のよう。そしてジャン・ジュネの『女中たち』が出発点であることは分かりましたが、舞台は「演劇」と言うより「個性のパフォーマンスの爆発」でした。
今回は、今までのような童話を元にした作品ではなく、妖艶な大人向きの作品。美女が脱ぎまくっていました。でも決して下品なものではなく、幻想的な雰囲気。黒色すみれの歌がこの独特な世界を作り出しているのです。クラシックの名曲がいつもより多く流れます。特に、カッチーニ「アベマリア」、『魔笛』の夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」、これを聴けるだけでも満足ですよ。
カチナシ!
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★
「介護×将棋」がテーマの作品。将棋界は藤井聡太で盛り上がっています。そして介護も大切な現実的な問題。それを繋げてレベルの高い作品を作り出しました。私が何より感心したのは、小さな舞台なのに、舞台上に3つ場面を作り、それを瞬時に展開しているところです。展開の速さが作品にリズム感を与えています。劇団のスタッフさんもとても丁寧な対応、良い劇団だと思います。
真実
文学座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2018/02/24 (土) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★
今回は文学座では珍しいダブルキャスト、私は「ボルドーチーム」を観ました。そしてさらに珍しいことに、小劇場的な作品。シャンソンが流れる雰囲気は、歌手でもある古坂るみ子に合っています。なぜかいつもより大人しい演技に見える斎藤志郎。郡山冬果は私には初めてかな、主演の渡辺徹の演技の上での慌てぶり。対照的に、一見落ち着いて見える女性たち。やはり女性の方が「役者が一枚上」というのは世の常かと思ってしまいました。
日々の生活の中で、人は「嘘をつくこと」があります。他人との関係を上手くやるには必要なテクニックでもあります。この作品は、そのことを不倫を通して面白可笑しく舞台化しました。主人公の焦る気持ち、男なら分かるでしょう。そして女性の発言や行動も、女性なら心当たりがあるかも知れません。今日は私と年令の近い熟年チーム。身近な感じがします。ぐっと若い「シャンパーニュチーム」の舞台、多分「違う味わい」を楽しめると思います。観たくなりました。
疫病神
ピヨピヨレボリューション
北とぴあ つつじホール(東京都)
2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了
満足度★★★
テーマは分かります。歌、ダンス、台詞にのせての表現。音楽ライブのような雰囲気。なかなか面白い。単なる私の趣味で申し訳ないのですが、ペンライトを振りながらの観劇は初めての経験、どうも私には合わないのです。