チャペック博士の子供たち【アンケート即日公開!】
劇団バッコスの祭
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2015/05/29 (金) ~ 2015/06/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
2%の確率
劇団バッコスの祭さんの『チャペック博士の子供たち』(95分)をパフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』で観劇。劇団バッコスの祭さんの舞台は、昨年9月の『回禄のニライカナイ』以来。『絵空箱』は、今年2月のG.comさんの『一人づつ』以来でした。フライアーに惹かれて、劇団バッコスの祭さんらしくない、可愛らしいロボットのお話を予想(チャペック博士のタイトルで気づくべきだった)していたのですが、予想は良い意味で裏切られて、カレル チャペック『ロボット』、アシモフ『私はロボット』を本歌取りした、人間(文明)批判とロボット三原則を絡めた中々見応えのある舞台でした。登場人物&ロボット達が、とてもユニークで、キャラも立っており、前半で撒かれたお話の回収もお見事な素敵な舞台でした。
ふつうの人びと
Pカンパニー
西池袋・スタジオP(東京都)
2015/01/14 (水) ~ 2015/01/18 (日)公演終了
満足度★★★★
古本のにおいと本への愛
Pカンパニーさんの番外公演『ふつうの人びと』初日、池袋スタジオPで鑑賞しました。円の内藤裕子さん演出で、ジェイコブスの『猿の手』が演目に上がっていましたので、楽しみにして出かけました。一人の男性が、古本が沢山あるバーに、引き寄せられるようにたまたま立ち寄り、父の書斎と本のにおいを思い出しているところから物語は始まります。本への愛に満ちた、オムニバス兼朗読劇という形式のステキな舞台でした。
第一回お茶の間サミット 『世襲戦隊カゾクマン』
プリエール
赤坂RED/THEATER(東京都)
2014/12/19 (金) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
戦隊ヒーロと家族劇の融合
プリエールさん主催の『世襲戦隊カゾクマン』初日を、赤坂RED/THEATERで観劇。RED/THATERは去年の5月の『完全姉妹』以来でした。題名通りのカゾクマンという戦隊ヒーロを家業にする家族の物語。もしも、家族が戦隊ヒーローだったらという中々想定できない(普通は恥ずかしくてできない)ベタな企画を、ONEOR8の田村さんを作演出に迎え、山口さん、熊谷真美さん主演でありえないセリフを、役者陣が真面目に、楽しく演じる素敵な舞台でした。キャラメルの岡達、プリエールの西水さんがカゾクマンに対抗する怪人役とミドラーで出演しているのは驚きでした。中々映像演出がよく出来ており、開演の戦隊出動シーンは必見です。
運命の女
味わい堂々
スタジオ空洞(東京都)
2014/12/10 (水) ~ 2014/12/14 (日)公演終了
満足度★★★★
味わい堂々版スタンバイミー
味わい堂々さんの本公演『運命の女』千秋楽を、スタジオ空洞で観劇。スタジオう空洞は、9月の競泳水着さんの本公演以来、主演の浅野さんの公演は何度か観ていますが、味わい堂々さんの本公演は初めてでした。内容は、タイトルの予想とは異なり、見終わって、運命の女というタイトルはそういう意味だったのねと分かるお話でした。スタジオ空洞という狭い空間で、浅野さん、宮本さんの爆発的パワーが楽しめる舞台でした。
萩咲く頃に
トム・プロジェクト
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2014/12/02 (火) ~ 2014/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★
父母と息子の力比べ
トム・プロジェクト20週年記念公演の『萩咲く頃に』の東京初日を、東京芸術劇場 シアターウエストで観劇。トム・プロジェクトは、10月『淑女のロマンス』以来、
シアターウエストは、10月の二兎社本公演以来です。心を患った息子、震災での祖父の死、父息子間の不和という過去を抱えた家族の、震災以来不在だった息子との再会と再生の物語。俳優陣は、音無さんや獏さん(お二人を舞台で観るのは初めてです。)を客演に迎え、劇団チョコレートケーキで小劇場界では有名な西尾さんが、トム・プロジェクト移籍後、本公演初参加で、その息子役を好演されており、トム・プロジェクト所属の美人女優さん(藤澤さん、森川さん)が揃い、華やか舞台でした。作演出のふたくちさんは『百枚目の写真』でとても好きな作家さんですが、未だ震災自体がリアルな現実であり、本作での震災の取り扱いは未消化な感じがして、少々不満が残りました。
トロワグロ
城山羊の会
ザ・スズナリ(東京都)
2014/11/29 (土) ~ 2014/12/09 (火)公演終了
満足度★★★★★
モテるのは女だけにしとけよ
下北のスズナリで、城山羊の会さんの新作『トロワグロ』(90分休憩なし)2日目ソワレ観劇。城山羊の会は初参加、スズナリは10月のONEOR8さんの本公演以来です。紹介にもある通り、とあるパーティに参加した主賓の専務夫婦とデザイナの夫婦とその他参加者によるグロテスクなというよりエッジの効いた会話劇で、専務夫人(石橋)とデザイナ夫人(平岩)の女性の対決に火花散るところがとても楽しかったです。後半に、専務夫婦の息子(橋本)が途中参加するのですが、彼がなかなか曲者で、最後にエーという展開となり、トロワグロというタイトルに成る程と感心させられる舞台でした。
新しい祝日
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2014/11/28 (金) ~ 2014/12/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
イキウメさんらしい思想劇
イキウメさんの新作『新しい祝日』(休憩なしの100分)2日目ソワレの舞台を、雨上がりの東京芸術劇場シアターイーストで観劇。イキウメさんは、5月のシアタートラム『関数ドミノ』以来、シアターイーストで観劇は7月以来です。前川さんの脚本は通常の演劇的物語世界の固定観念を壊して、一種の空想世界、思想世界に観客を導きますが、本作も一種のエンターテイメント性十分(主演の浜田さんが、安井さん演じる友人?に終始振り回されるのが楽しかったです。)の思想劇というふうに理解しました。劇団としてのイキウメさんの特徴は、役者さん達の演技の確かさと、チームワークの良さで、作演出の前川さんの無茶ぶりな脚本と演出に応え、素敵な舞台を立ち上げるところですが、本作でもそれが遺憾なく発揮されており、さすがイキウメさんという舞台でした。終演後にパンフレットを読んだ際に、役者さん達の役名が固有名詞でなく、一般名詞が使われていて、それが劇の役の行動発言と実に対応しており、中々面白かったです。
汽水域
てがみ座
シアタートラム(東京都)
2014/11/28 (金) ~ 2014/12/06 (土)公演終了
満足度★★★★
とても実験的な舞台でした。
てがみ座さんは、昨年11月に『地を渡る舟』を観劇して、風の記憶を記録するというその骨太な脚本と演出に驚き、期待して、新作『汽水域』の初日に、シアタートラムに伺いました。トラムは、『バリモア』以来です。作品は、日本とフィリピンが、ウナギと海川の水の流れを媒介して、相互に交流する舞台。評伝劇から、物や人が相互に交流する場(自然)を主題とする劇への展開を図る、とても実験的舞台でした。しかし、自然という舞台の上では、すべての人は、脇役に過ぎないとうことを思い知らされる舞台でもありました。
気がつけば、あした。
aibook
OFF OFFシアター(東京都)
2014/11/26 (水) ~ 2014/12/02 (火)公演終了
満足度★★★★★
女は強いから、耐えられる!
降雨の中、岡まゆみさん目当てで、下北のOFFOFFシアターにて初日を観劇。OFFOFFシアターは7月のサスペンデッズさんの公演以来です。フライヤーやタイトルから、もっと軽い家族モノのお話を想像していましたが、家族の繋がりと老いをテーマにした、中々骨太でシリアスな舞台でした。岡さんは、相変わらずおきれいで、チャーミングな声で、素敵な強いお母さんを演じて見えましたが、『女は強いから、耐えられる。』のセリフが、ラストの場面で、重く響いてきました。
「304」(さんまるよん)
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2014/11/22 (土) ~ 2014/11/30 (日)公演終了
満足度★★★★
ウォーキング・スタッフらしい舞台
ウォーキング・スタッフと言えば、密室の会話劇で、登場人物たちがギリギリに追い込まれ、観客も手に汗握る舞台という印象でした。最近は、和田氏原作の作品が減り、そうした作品が掛けられる機会が減って、残念な気がしていました。しかし、本作は、蓬莱氏作を採用し、正に登場人物達が、ギリギリに追い詰められ、観客も手に汗握る舞台という舞台で、ウォーキング・スタッフらしい舞台でした。また、モダンスイマーズの本公演含めて、最近の蓬莱作品には、正直生ぬるいという印象を持っていましたので、さすが蓬莱氏作という舞台でした。
海と日傘
松本紀保プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2014/11/21 (金) ~ 2014/11/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
淡々とした静かな舞台
『海と日傘』初日を観劇に、シアター風姿花伝に伺いました。松本さんの舞台は、9月の『無意味な花園』以来、シアター風姿花伝は『シャワー』以来です。立派な舞台装置(畳とチャブ台がとてもいいです)ですが、最前列は、殆ど舞台と接触状態でした。物語は、晩夏のある日、主人公の妻が病に倒れて、医者に余命3ヶ月を宣されるとことから始まります。その後は、主人公の夫婦と隣りの大家さん夫婦、夫(作家)担当の編集者との間の坦々とした静かな会話劇(長崎弁がとても心地よいです)で進みます。でも、妻の最後のセリフや、妻の葬式から戻り、一人で食事をする夫の涙は、全編が実に静かな展開だった為、一層感情が揺さぶらる舞台でした。
ぼくたちの学校
演劇企画ハッピー圏外
TACCS1179(東京都)
2014/11/19 (水) ~ 2014/11/24 (月)公演終了
満足度★★★
学園ラブコメ
初日で予約していましたが、仕事の都合で変更していただき、生憎の雨でしたが、2日目のソワレに伺いました。TACCS1179は5月のハピ圏さん『宵闇よりも速く駈けて』以来です。物語の紹介から、学生紛争当事の学園モノは予想していましたが、全体としては、いつものハピ圏さんらしい、楽しい学園ラブコメでした。塚本さんのヒロインは、納得でしたが、中川さんの主人公に前半少々驚きましたが、朴訥な人柄が出ていて、エンディングの展開はなかなか良かったです。りあなちゃんは、学生寮にいつも遊びにくる小学生を素のままに、キュートに演じていました。学園紛争当事を背景にした物語でしたが、その設定がイマイチ活かせてなかったかなという感じでした。
トーキョー・スラム・エンジェルス
Théâtre des Annales
青山円形劇場(東京都)
2014/11/14 (金) ~ 2014/11/24 (月)公演終了
満足度★★★★
あるモノが爆風とともに現れます
山本享さん目当てで、『トーキョー・スラム・エンジェルス』の初日に、青山円形劇場に伺いました。円形劇場は、10月の『御ゑん祭』以来、山本享さんの舞台は、7月の椿座さんの『廃墟の鯨』以来です。タイトルの通り、経済破綻した近未来の東京のスラム街で、変わらず働く男とその元妻で証券ウーマンとして成功した女が、行方不明になった息子を探してスラム街にやってきて、男と再開するところから物語は始まります。円形劇場をところ狭しと、ある物と共に男は現れます。仕事とは、お金とは、尺度(というよりモラルかな)とは何かをテーマに、二人と関係者の生き方を対比させて物語は展開します。背景は暗いお話ですが、男の変わらないという不器用な生き方が、とても清々しかったです。尚、観劇後は、あるモノがとても食べたくなります。
別れても好きな人 2014
劇団競泳水着
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
10円玉で掛ける公衆電話はいいです
競泳水着さんの『別れても好きな人2014』(休憩なしの120分)を11/7のソワレで観劇。今年は不思議に競泳水着さんを観る機会があり、2月の『許してほしいの』、9月『弄ばれて』に引き続いて、晩秋のこまばアゴラ劇場を訪れました。アゴラに行くのは、1月の青組さんの『人魚の夜』以来です。内容は、一組の夫婦とその関係者(主人公の妹とその婚約者、二人の恩師、妹の友人、主人公の教え子)の相当に壊れた恋愛模様を過去、現在、未来が相互に入れ替わりながら進む群像劇。本編では、男性は総じてロマンチックに描かれており、少々押しが弱い草食系男子揃いで、女性の心を射止められない。一方、女性(女優陣はおキレイな方揃いです)は結構肉食系女子で、別れても好きない人を追いかけ、また非ぬ方向へ走っていきます。その男女のすれ違いとギャップがとても楽しい舞台でした。古いですが、ラストの公衆電話からの告白はとても良かったです。
黄昏にロマンス ―ロディオンとリダの場合―
(公財)可児市文化芸術振興財団
吉祥寺シアター(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
とてもおしゃれな二人芝居
最近毎年観ているala Collectionに平幹、渡辺美佐子の二人芝居ということで初日に吉祥寺に出かけていきました。迂闊にも、観劇まで気づいていませんでしたが、昨年カトケンと戸田さんで本多劇場で観劇した『8月のラブソディ』と同じアルブーゾフの『OLD WORLD』(英訳)からの翻訳劇でした。
ロシア演劇には残念ながら疎いのですが、ソ連時代とは想像できないオシャレな恋愛劇(2幕8場、休憩15分の2時間10分)です。
1968年の8月の約1ヶ月間のロディオン(サナトリウムの院長。海外一人娘がいる。最愛の妻は独ソ戦で亡くなっている)とリダ(元女優さん。今はサーカスの切符売り?。前夫との一人息子を戦争で亡くしている。)の出会いから別れ(最後は別れられずに戻ってくる)の物語。
本当にスマートな会話劇(戦時中の二人の苦労や悲しみ、亡き妻の墓に花を欠かさない等のエピソードは、単なる恋愛劇以上のものにしています。)で、二人のゆっくりとした関係の変化が小気味よく、劇中のダンスシーンには、客席が拍手がおこる素敵な舞台でした。
世界は嘘で出来ている
ONEOR8
ザ・スズナリ(東京都)
2014/10/21 (火) ~ 2014/10/29 (水)公演終了
満足度★★★★★
今年は田村作品イヤーでした
今年は、田村作演出を観る機会が多数あり、3月に劇小劇場で『肉屋のムスメ』、4月に明治座で『きりきり舞』、5月に吉祥寺シアターで『ガーデン』(演出和田憲明)、8月に青年座劇場で『台所の女たち』に続いて、本拠地のONEOR8の本公演『世界は嘘でできている』のプレ千秋楽を満員御礼状態のスズナリで観劇しました。舞台はゼブラ以来お馴染みの、現在と過去が交互に入れ替わりながら進むストーリ展開。主人公の甲本さんとその弟役の恩田さんが実にいい味を出していました。ラストの母親への電話が、タイトルを象徴しており、成る程と納得させられる舞台でした。
未開の議場
カムヰヤッセン
王子小劇場(東京都)
2014/10/22 (水) ~ 2014/10/27 (月)公演終了
満足度★★★★
怒れる12+1名の会議劇
カムヰヤッセンさんの「未開の議場」千秋楽を観劇。舞台は休憩はあるが、観客は休憩できない。会議卓には、いい匂いの料理はあるのに、結局食ずしまいとなる。怒れる男女12+1名の法廷劇ならぬ、外国人さん問題を巡り、脱線しそうな議論を何とか決着に漕ぎ着ける楽しい群像会議劇でした。
扉座イカサマ歴史劇シリーズ第1弾 『おんな武将NAOTORA』
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2014/10/23 (木) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
扉座さんの傑作歴史劇の登場
つか版忠臣蔵に続く、扉座横内謙介氏の傑作舞台の登場。井伊家の相次ぐ不幸とその存亡の危機を救う為、井伊家の主君に就くの直虎(蓮)の誕生までの歴史劇。主演有森さんと扉座の抜群のチームワークに驚き、舞台中央扉の後方で劇的な死や場面展開、左右の音響の演出も小気味よい、登場人物達の滔滔たるせりふに聞きほれる舞台でした。
コラボレーション ―R・シュトラウスとS・ツヴァイク―
劇団民藝
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2014/10/08 (水) ~ 2014/10/20 (月)公演終了
満足度★★★★
シュトラウスがユーモラスで面白いです
ユダヤ人作家ツヴァイクと音学家シュトラウスの友情とナチス体制下でのオペラ『無口な女』の共作の物語。最終的にツヴァイクは、自死に至る。史実に則り、友情を取るか、自分の孫を守る為にナチスに協力を迫られるシュトラウスの苦悩云々と言いたいところですが、確かに、ツヴァイクの苦悩は伝わっても、シュトラウスの音楽馬鹿ぶりがなんともユーモラスで、喜劇として演出した方が面白い舞台でした。
不謹慎な家
PANDA JOCKEY
シアター711(東京都)
2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了
満足度★★★★
有川さん役の有川さん
有川さんと演出のシンクロ少女名嘉さん目当てで、初見のPANDA JOCKEYさんの舞台を観劇。ストーリは、設定がシュールで、相当偏った会話劇。主人公の女性とその兄の対決会話が面白かったです。