オイディプス/コロノスのオイディプス
隣屋
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/06/03 (木) ~ 2021/06/08 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■『オイディプス』『コロノスのオイディプス』両作鑑賞/各約60分■
戯曲をストレートには上演せず、要所要所を抜粋して映像と実演で見せていく、いわばリミックス演劇。客は会場内を移動し、同時多発的に展開される映像を自ら選んで視聴、実演中は各映像から音が失せ、みんなが上演を観るという趣向。
この種のリミックス演劇は、来場者全員が話の筋を知っているという前提で企画されるのだろうが、この種の公演を観るたびに思うのは、客を買いかぶり過ぎだということ。演劇好きだから『オイディプス』の筋は知っていたものの、『コロノスのオイディプス』のストーリーは知らなかったし、若い客の中には『オイディプス』の筋を知らない人もいたに違いなく、当日パンフにあらすじは書いてあるものの、開演までの短時間では筋を把握できなかった客もいたはずで、上記2演目は元ネタがメジャーでないと成立しないリミックスには不向きだと感じた次第。リミックスの素材にしていいのは桃太郎とサザエさんだけだと主張したい。
それ以前に、なぜ今『オイディプス』なのか、という上演動機が見えてこないのも気になった。当日パンフの挨拶文では「選択」という語がキーワードとして頻用され、人生は選択の連続だと主張。選択の連続から成る『オイディプス』の物語を取り上げた理由の示唆にも思えたが、選択の連続から成るのはすべての物語について言えること。『オイディプス』を取り上げた理由としては弱いと感じた。
また、コロナ禍に突入してから、私たちは日々選択させられている、と感じることが増えた、とあるが、行動が制限されて選択の余地が狭まった、というのが実相であって、選択させられている、というのとはまた別なんじゃないかと、素朴にそう思った。
実演パートはしっかり演出されていた。この精度で頭からお尻までちゃんと上演すればいいのに、と、これまた素朴にそう感じた。
肉のマサオカ
動物電気
駅前劇場(東京都)
2021/06/05 (土) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■115分弱■
思いつきをただつぎはぎしたような、行き当たりばったりな脚本が諸悪の根源。だから話がブツブツ途切れて一貫性がなく、ドタバタシーンにも乗り切れなくて、いつもほど笑えなかった。
2年に1度なんだから、もっとしっかり作り込んで下さい。
蝶のやうな私の郷愁
ひなた旅行舎
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
■70分強■
ワケあり男女の愉快な会話と、その奥に垣間見えてくる闇…。木を基調としたぬくもりのある舞台美術も相俟って、なんとも味わい深かった。
サマー
玉田企画
小劇場B1(東京都)
2021/05/20 (木) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
溢れる
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
Smells Like Milky Skin【5月8日~5月11日公演中止】
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2021/05/08 (土) ~ 2021/05/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
◼️約100分◼️
子供を亡くしたことで関係が軋んでいく夫婦の物語。非現実的な設定の導入がよかったのかどうかについては、いまだ判断がつかずにいる。
いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校【4/28 (水)・29 (木・祝)公演中止】
ロロ
アトリエ春風舎(東京都)
2021/04/19 (月) ~ 2021/04/29 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
◼️85分弱◼️
「小学生の群像劇」であり「ボーイミーツガールの劇」でありながら、それらの言葉から我々が思い浮かべるイメージのはるかはるか斜め上をいくものが描かれて、観劇ビギナーが鑑賞したら「演劇ってワカランッ!」と二度と演劇を観なくなりそうな一作。
てくてくと【4月28日~4月30日公演中止】
やしゃご
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/04/17 (土) ~ 2021/04/30 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
◼️約110分◼️
ダイバーシティが大事、との掛け声がかまびすしい昨今にあって、多様性を維持しながら社会を切り回すのがいかに大変かをリアリズムに大きく寄った脚本・演出で生々しく描いた一作。観る者の心を低音ヤケドさせるような、特定の人物に過度に肩入れしない定点観測的ともいうべき冷徹な描きっぷりが素晴らしい。重いテーマの作品なのに随所に笑い(主に、苦笑系の)が生まれるのは、この徹底したクールさゆえか?
自由の国の イフィゲーニエ
グループ・野原
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/04/03 (土) ~ 2021/04/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
◼️約80分◼️
テキストの持つ難解さが、上演というステップを踏むことによって少しは解きほぐされるのではないか、というこちらの期待に報いてくれない一作。第四章だけは、上演を観ることで僅かばかり理解が深まった気がしたが。
こどもとつくる舞台『花をそだてるように、ほんとうをそだてています。』
ひとごと。
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
◼️約60分◼️
子供向けの舞台ながら、しゃがみこんで無理やり子供に目線を合わせにいっているような迎合感がないのがいい。ただ、“ほんとう”というテーマともっと真っ向から向かい合ってほしかったところ。
忘れる滝の家
ムニ
アトリエ春風舎(東京都)
2021/03/11 (木) ~ 2021/03/20 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
◼️約95分◼️
SF的趣向が強すぎて少し戸惑ってしまったものの、人生の深淵を垣間見せてくれるような作風は相変わらずで、惹き付けられた。
アユタヤ
MONO
あうるすぽっと(東京都)
2021/03/02 (火) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
◼️約135分(途中休憩込み)◼️
いつものような皮肉が抑えめな、土田英生らしからぬ真っ直ぐですがすがしい劇。時世柄、こういう劇もいいな。もちろん、笑いが冴えているのはいつもながら。ベテランと若手が混在する新生MONOも様になってきて、安心して楽しく観られました。
オパンポン★ナイト〜ほほえむうれひ〜
オパンポン創造社
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★
◼️90分強◼️
タイトルに偽りなし、黒い笑いの3本立て。どれも題材に目新しさはなく、また、展開に乏しいが、一つ事をこねくりまわし、10分で収まる話を30分に持っていく脚本力は只事ではない。
演技についても述べておくなら、関西演劇らしいテンション高めのお芝居は、当たるとデカいが、客がついてきてくれないと、空振りに終わるリスクも。
あいにく私の観た回は空振りが目立ったような…
今日もしんでるあいしてる
悪い芝居
本多劇場(東京都)
2021/02/14 (日) ~ 2021/02/21 (日)公演終了
満足度★★★★
◼️約135分(カーテンコール込み)
死んでると生きてるの中間状態を、ああいう風に表現するって…。あれは「生きてる」っていうんじゃないの?? ただ、テーマもその取り扱いも、抽象的なものの見える化に熱くPOPに取り組み続ける悪い芝居ならではで、面白く観た。
「女がつらいよ」「パンダが降る日」
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2020/12/02 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
エントツ女王と煙たい町
電動夏子安置システム
駅前劇場(東京都)
2020/11/18 (水) ~ 2020/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
◼️120分強◼️
あれもこれもと詰め込みすぎてかなり忙しないものの、大きなジレンマに苦しむ町の悲喜こもごもをテンポのよいドタバタコメディへと巧みに昇華。工業団地に住む庶民たちの暮らしぶりも見てみたかった、かな。
老いは煙の森を駆ける
女の子には内緒
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/12/28 (月) ~ 2021/01/06 (水)公演終了
満足度★★★
◼️70分弱◼️
人間はいかにすれば自然と共生できるか? そういうことを本気で考えたいのなら、もっと科学に依拠すべき。科学的アプローチが不可能なテーマでもあるまいに、何故わざわざ遠回りしてこんな寓話もどきをこしらえるのか?
眠れない夜なんてない
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2021/01/15 (金) ~ 2021/02/01 (月)公演終了
『コントロールオフィサー』+『百メートル』二本立て公演
青年団
アトリエ春風舎(東京都)
2020/12/31 (木) ~ 2021/01/10 (日)公演終了
フリムンシスターズ【12月1日(火)と12月2日(水)の大阪公演中止】
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2020/10/24 (土) ~ 2020/11/23 (月)公演終了