はるこの観てきた!クチコミ一覧

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眠れない羊

眠れない羊

ライズ・プロデュース

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

とりあえず、私にもマフィンと紅茶をお願いします。
空想組曲「深海のカンパネルラ」を拝見してから、ほさかようさんのファンに。
「眠れない羊」では脚本・演出を担当されるということで以前からチェックしていましたが、今回足を運ぶ決定的な決め手となった理由が、出演者全員が男性で、執事であるということ。
しかも、イケメンばかり。"あの"ほさかようさんが、これだけ薫り高い素材を前に、何もしないなんて事は有り得ないぞ、と期待したとおりでした。

おきまりのシチュエーション、おきまりの展開と見せかけて、みるみるうちに別世界へ転がり落ちていくテンポがとても心地良い。サスペンスのようでそうでもない、笑えるようでずっしりくる。

クロムモリブデンの森下亮さんと向山毅さんコンビがとってもキュートで、二人まとめて背中を突き飛ばしたくなる。
無名塾の川村進さんのバリトンボイスにうっとりしていたら、北岡圭太さんとのショッキングなシーンで胸が苦しくなったり。
役者さんの個性に燕尾服を着せて、こんなに美味しく仕立てられたものを観られることが、なんと幸せであることか。

菅原伝授手習鑑~天神さまの来た道

菅原伝授手習鑑~天神さまの来た道

花組芝居

あうるすぽっと(東京都)

2012/11/23 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

待ちに待った「菅原伝授手習鑑」
今年の頭から所属劇団員の外部公演を見始め、4月末のPLAY PARKで「海神別荘」、5月の花組HON-YOMI芝居「天守物語」を拝見して、ようやく辿り着いた「菅原伝授手習鑑」。
劇団創立25周年記念作品ということもあって、ロビーへ入った瞬間から役者の屋号が入った贔屓からの提灯が目に飛び込んできて、雰囲気はまさにお祭り。

客席へ踏み込むと、今度は舞台の上部と左右にも灯った提灯が。舞台上も、上手と下手にある木の枝に吊るされた丸提灯の大小で奥行きを感じる。高揚感で思わず、わぁっと声を上げてしまうほどでした。
舞台の奥にある壁や扉は、漆を思わせる黒い光沢が高級感。表面に描かれた桜や松に、照明で色がついているのだと気付いたのは、数回見てからだったような。上演前から隅々まで楽しみました。

総勢20名の白塗りメイクや鬘はもちろん、役者紋や役柄モチーフをあしらった衣裳も本格的。
義太夫を元にしたという台詞回しが異国の言葉に聞こえたのは最初だけ。絵本でなんとなくストーリーを踏まえておいたお陰で、リズムに身を任せていたら本当にあっという間の3時間弱でした。

まじりっけなし、花組芝居100%の一体感に、これが今まで培ってきたものなのかと、ひたすらに圧倒される。
外部出演で垣間見えた個性の響かせ方や、逆に全く見たことのない目が覚めるような一面も、どれもこれも素晴らしく伸びやか。

何よりも、座長の加納幸和さんと笑いの趣味が合うのだろうところが、心地よさのポイントで。
どんな作品が来ようとも絶対に見逃せない劇団に出会えたと確信しました。

30周年は三大名作残り一つの義経千本桜か、それともほんとうに妹背山婦女庭訓か。
青山円形劇場での泉鏡花の夜叉ヶ池の再演、まだまだしつこくお待ちしてます。

Rのお出かけ

Rのお出かけ

鳥山フキ個人企画

新宿眼科画廊(東京都)

2012/11/30 (金) ~ 2012/12/03 (月)公演終了

満足度★★★★

新食感に出会えたしあわせ
好きな役者さんが出演されるので、鳥山フキ個人企画を初めて拝見。

変わった形の白い器に入った、温かくてじわーっと旨味のある、でも具の形は分からないスープのような印象。
セリフがゆっくりと、言葉がしみわたる時間をたっぷり味わえてしあわせ。
おかしみの転がる会話がとんとんっと進んでって、くすくす笑える心地よさ。
飽きずにずーっと観ていられるなと、もっと観ていたかった。

全体的には会話中心で、動きは少なめ。
とにかくじーっくり穴が空くほど、無音の中で、役者の動きだけを味わえる時間がなんとも幸せだった。
なかなか、バナナ一本を食べきる女優さんを見つめる機会ってないなと思うと、実に面白い。
ゆったり舞うシーンで、ぬいぐるみハンターの黒木絵美花さんが菩薩に見えた。
うつくしいのに、このじわじわくるおかしみがたまらないよ。

お目当てだったクロムモリブデンの渡邉とかげさん。
どんな場所でも持っている空気は揺るがないなぁ、と変幻自在のエネルギーに魅了されっぱなしでした。

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