美しいヒポリタ
世田谷シルク
吉祥寺シアター(東京都)
2014/03/27 (木) ~ 2014/03/31 (月)公演終了
シェイクスピアの魔法とシルクの魔法
やはり「夏の夜」は面白いし好きだな。
ちょっと客観的な評価は難しいのでポイントを付けるのはやめておこう。
シルクらしさ全開で、かつ、構造・セリフ・関係性など良いところをしっかり残した「夏の夜」になっていた。
私は「夏の夜」への思い入れが強いせいか、「夏の夜」とは関係のなさそうな冒頭の日常の物語が「夏の夜はまだか」と若干退屈に感じられた。人物がみな同じような世代で同じような空気で仕事をしており、まあ実際のこの手の企業はこんなものなのかもしれない。
「夏の夜」を感じられるようになってからはただただ楽しかった。
マクベス-シアワセのレシピ-
THEATRE MOMENTS
シアターX(東京都)
2010/05/20 (木) ~ 2010/05/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
レパートリーの柱になる作品
芝居本編への入り方はいつも通りだが、スイッチする瞬間が奇跡のように感じられた。またもやオープニングのパフォーマンスにしびれる。初演もそうだった。
初演から大きな変更はない。それだけ完成度が高かったのだろう。
この劇団は表現のスタイルの面白さが売りだが、ともすればそれが目的になってしまいがちだ。今までの作品でも、物語として太い軸が通っていないと感じるものもあった。しかし、今作は軸が太かった。シェイクスピア劇として見応えのあるシーンが自然な流れで連なっていた。
再演をくり返してさらに質を高めていってほしい作品だ。
マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人
DULL-COLORED POP
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/08/14 (金) ~ 2009/08/17 (月)公演終了
満足度★★★
大衆はマリーよりも危険
「良かった」と書かないといけないような雰囲気。何だか危険を感じる。
谷氏は文体を真似るのは上手いようだ。プログ記事の『もっとお菓子をちょうだい』を読んで感心したし、『JANIS』の時のセリフも「らしい」セリフだった。でも、セリフを聞いていてパソコンのキーボード打っている姿が眼に浮かんでしまうのだ。
小劇場で活躍している役者は古典はやらないのだろうか。せいぜい学校や養成所でやらされた程度かな。
シェイクスビア風に作り上げられた文体に振り回され、あるいはセリフを振り回してしまっている。
意欲作だというのは分かった。しかし、出来上がったものは思っていたのとはだいぶ違うんじゃないだろうか。それでも観客は良かったとほめる。もしそれで満足しているのだとしたら、やはり危険だ。
近代能楽集『綾の鼓』『弱法師』
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2008/09/25 (木) ~ 2008/10/13 (月)公演終了