サンタクロース・ドットコム!
シアターキューブリック
テアトルBONBON(東京都)
2014/12/19 (金) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
笑いどころ多く、あたたかく
物語、キャスト、演出、ダンス、音楽、照明ともに完成度高し。
わらいどころが随所にあり、ストーリーは奥深いのに難しくなく、老若男女に
受け入れられるであろう、優しさに満ちています。
自分が今まで経験してきた数々のクリスマス(その時期でなくても)
様々な楽しさや、そのとき飲み込んできた悲しみや切なさ。
それらを振り返りながら温かい気持ちになれるラスト。
完成度が高いのに、まだまだ千穐楽に向けて上昇していくだろうという伸び代を十分に感じる魅力があります。
ひげチーム・そりチーム、両方観劇すればきっともっと楽しめるのではないでしょうか。
流刑の島ー監獄の唄ー
平熱43度
萬劇場(東京都)
2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了
満足度★★★
詰め込みすぎてもったいない
俳優のみなさん、大変な熱演でした。脚本も熱いです。
しかし、物語に多少の引き算があったほうが観客側もついて行きやすいかなと思いました。
あれもこれも詰め込みすぎ・盛り込み過ぎにしたために、満腹感を劇中盤から覚えます。
ダンスシーンが素晴らしく、俳優さんの細やかな演技が見られる場面も随所にあっただけにもったいないなと。
シットアウト
tubbing
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2014/08/29 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
諦めた人と諦めない人と迷う人と
達者な俳優の三人芝居。諦めた男、諦めない男、迷走する女。テーマとあらすじを読むと、誰しもが経てきた人生を振り返らずを得ず胸が苦しくなりそうだが(そして実際芝居を見ながら苦しくもなるが)、会話のテンポが素晴らしく良いのと、おもわず笑い出してしまうセンス良いセリフのおかげで最後まで楽しく観られる。
脚本家のかたはとてもよく三人の俳優さんを愛し分析されたのだろうなぁ、と思った。初めての座組と聞いたのに、それぞれの素敵な部分を心地よく堪能できた。
樽見鉄道スリーナイン
シアターキューブリック
樽見鉄道(岐阜県)
2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
鉄道ならでは
一日午前と午後の2ステージ。その時間・そのときの気候、空気によってがらりとお芝居の雰囲気が変わりました。駅、トンネル、レールと車輪から響くきしみの音すべてが舞台装置。物語に合わせて列車を動かす運転士さんの技術もものすごく(語彙が貧困で申し訳ないのですが、体感しないことには凄さが伝わらない運転)、まさに「鉄道ならでは」の演劇でした。
お芝居の内容も、誰の心のなかにもある「ふるさと」「その地に住む人々への想い」を切なく抉り、生演奏で車内に響いていたオオゼキタクさんの歌詞とも相まって、何日経っても胸に蘇ってきます。
可能なら、出来るだけ多くの人に観てほしい内容の作品でした。
七人みさき
シアターキューブリック
あうるすぽっと(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
30人分の人生を体感
動乱の歴史物語。30人の出演者によって舞台から観客に押し出されるそれぞれの人生。悲劇を予感させるダンスオープニング、それも30人の役それぞれの生き方、個性にあわせとても細やかな振り付け。衣装も同じく。
描かれたのは長宗我部元親と長宗我部家の転落ではなくて、そして実は歴史物語でもなくて、いつの世にもある、誰もが抱え得る普遍的な人間の苦しみ、愚かさや喜び。
とてつもなく疲れましたが、観ている人間に「精一杯生きよう」と思わせてくれる舞台でした。
『ツチヲマワセヨ』
7millions-ナナミリオンズ-
高田馬場ラビネスト(東京都)
2014/04/17 (木) ~ 2014/04/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
「めんどくさい」「あるある」カタルシス
めんどくさい男女と、目を背けあう家族。世の中に沢山転がってる「あるある」な関係。
観客である自分の周りでも散見される事柄・セリフに胸が苦しくなりそうなんですが、ちゃんと笑わせてくれる。そして、さすがにイライラが募ってきたわ…なんだコイツらは!と思ったところで登場する「ツチ」の場面。タイミングがよくて、爽快感ありました。
たったー言が人生を大きく動かし、特別な一日を作る。
最後は微笑んで拍手出来る作品です。
シアターキューブリック二次元スクリーン劇場 inすみだ
シアターキューブリック
本所地域プラザBIGSHIP(東京都)
2014/04/06 (日) ~ 2014/04/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
作品完結・イベントは進化
島津の疾風公演を 関ケ原での初演→東京→鹿児島と観ました。そして今回の二次元スクリーン劇場。生の演劇をシリーズで観たあと、映像作品で感動はまさかしないだろうな、と正直思いつつ観賞しました。
結果、何度も涙してしまった。会場の音響設備が素晴らしく、更に他のお客様、すぐ近くで一緒に観ている演者の方々の熱もあるのか、没頭することができました。
演劇では客席の角度の関係で観たくても観られなかった、俳優の表情・仕草まで確認できて満足です。
映像を上映目的で撮影されたのか不明ですが、編集やカメラワークがとても良かった。
また、このイベントでは俳優がロビーでお客様をおもてなしします。二次元スクリーン劇場の第一回である名古屋での催しは、会場のキャパ・おもてなしの圧力ともに大きく強すぎて、楽しいけど疲労感が半端なかった記憶が。
ファンには良いけど、初回のお客様は引いちゃうのでは…と。
第二回である今回は、すべて「ちょうどいい」感じでした。
お客様と俳優のみなさまが「ちょうどよく」触れあってる感じで、これなら初めての方も楽しめるかなぁ、という感想を
持ちました
。
島津の疾風ワーキングプログレスは完結しましたが、
二次元スクリーン劇場はまだまだ
シアターキューブリック独自のエンターテイメントとして
進化しそうです。
tubbing3
tubbing
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2014/03/15 (土) ~ 2014/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
ハッピーな時間
13時の回を観てきました。
(千秋楽後なので内容を記載)
超有名中学校のお受験問題に挑戦して玉砕したり、
30代男三人で誰もが知ってる「波(某映画会社のアレ)」の
現場までドライブしてみたり。
ゆるく、ハイクオリティなくだらなさを追求した
企画コーナーがあるかと思えば、実のお父様の
来し方を父息子で辿る、しみじみした時間があったり。
「演劇界での父」と指名された、劇団代表とのトークも。
大沼優記さんたった一人で企画・構成、
出演諸々をこなしていながら「独り」を感じさせない。
強さと、誰かと繋がりを持つ温かさとが伝わる
非常にハッピーな時間・空間でした。
「捨てる。」 終演!またお会いしましょう!
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2013/03/08 (金) ~ 2013/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
捨てても捨てられなくても
エビス駅前バープロデュース、初観劇でした。狭い空間だからこそ、俳優さん達の細やかな演技、表情の変化が文字通り手に取るように見えて新鮮。
内容は、場所がバーだから、の大人のお芝居。お酒を味わう年齢になってるなら、それまでに色々積み重ねたものがあるわよね…という。自分が捨ててきたもの、捨てられなかったものをもう一度見直す経験をしました。素晴らしかった。出来れば、もう一度違うポジションで観劇したいです。
『宇宙をskipする時間』×『てのひらに眠るプラネタリウム』
シアターキューブリック
ザ・ポケット(東京都)
2013/02/08 (金) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
必ず覚えがあるのでは
宇宙をskipする時間、てのひらに眠るプラネタリウム、どちらも観てきました。全く違うテイストでありながら、底に流れるテーマは同じなのかと。登場人物一人一人の心情や経験は、誰もが胸の奥にしまいこんで触れずにいるものではないでしょうか。重いが、観劇中はよく笑い、帰りには自分の心と対話しながら歩くことができる。そんな舞台です。
二作品両方観るのがお勧めです。
Fire and Fight,SUMIDAAA!
シアターキューブリック
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/10/28 (日) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
熱と苦さと笑いと(初日)
初日公演(女優メインのゆかたキャストバージョン)鑑賞してきました。
タイトル通りの墨田という地域に密着した熱い、人間同士の対決。
対決するのは、なんとかしたいと思うから。守りたいと思うから。
対決する女達の周りで、これまたなんとかしたいとオロオロする男達が
可笑しい。
開演前には俳優達による縁日、そして幕が開いてから第二部のライブショーまで、ジェットコースターのように劇団の作りだす世界に連れて行かれる。
笑いすぎて涙出る場面も多々あり。
男性俳優メインの『ふんどしキャストバージョン』は未見。そちらも楽しみで仕方がない。
葡萄酒いろのミストラル
シアターキューブリック
ザ・ポケット(東京都)
2012/05/23 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
次回作が楽しみになる
犬がたんぽぽの綿毛と共に旅をするというファンタジックなあらすじであるにもかかわらず、内容は非常に硬派だと感じた。大きなテーマである「宮沢賢治」という作家は、夢物語を描いているようで実は冷酷な現実も織り込む。
そういう意味では、確かにこれは宮沢賢治がバックボーンに居る。
ただし、舞台は明るい音楽・可愛い衣装・コミカルな俳優たちの演技・迫力あるダンス・テンポの良い演出により、その暗さ・冷たさを敢えてほとんど感じさせず楽しく観られる極上のエンターティメント作品。
残酷な現実を越えて、走り続けろ。力強いメッセージも感じられ、感動した。
千秋楽は既に完売。
しかしこの作品を観たら、次にこの劇団がどんな衝撃を世に送り出してくれるのか、楽しみになる。次回公演は秋だそうだ。要注目。