1
アマハラ
維新派
関西のアングラ演劇の雄・維新派、主宰・松本雄吉死去による最終公演。
物語・台詞・陣形・振付・仕掛け、全てが凄まじい濃度かつ緻密な、狂気じみた崇高な世界。
劇場の外には円形劇場のような屋台村が展開、原始的な活気あふれる異界を作り上げる。
公演終了後も各地で映像上映会が開催。
ギリギリで観れた事に感謝。
2
『ラストパイ』 『テトラへドロン』より抜粋
公益財団法人愛知県文化振興事業団
BATIK・黒田育代が愛知オーディションメンバー32人へ、レパートリー演目を徹底的に振付。
振付・音楽・照明・ 衣装、どの要素も、キレイだけではないクセのある魅力。
それを踊るのが一般参加者というのが最重要。
40分のソロを旗印に、各ダンサーが何かを相手に命のやり取りをする時間が連なる光景。
奉仕であり報酬である体験。
3
パラドックス・ジャーニー
劇団あおきりみかん
生・死・脳内・空想が混在した、位相SFハートフル人情劇。
迫力ある観せ方・巧みな回収も光る。
フィリップ・K・ディックや寺山修司を思わせながら、作・演出の世界観を感じさせるエンターテインメント。
4
橋の下歌舞伎
ハラプロジェクト
愛知・豊田市の豊田大橋の下に、歌舞伎小屋と屋台村が出現!
まさに河原乞食の世界を創造、維新派を思わせる異界。
古典歌舞伎「勧進帳」「俊寛」を、基本線は変えずに日本人好みのアレンジ。
特に、原作にない殺陣(弁慶の大暴れ・俊寛の仇討ち)が流れにハマる。
5
溶け出す身躯
劇団 pH-7
小規模なギャラリー公演ながら、名古屋の濃厚なアングラパフォーマンスを一手に見て取れたショーケース。
この種の個人パフォーマーは発信力が弱いのが常なので、こういう機会がもっと頻繁にあると、観客としてもパフォーマーとしても嬉しい。
6
地点『スポーツ劇』
KAAT神奈川芸術劇場
京都の知的クセモノ劇団・地点を横浜・KAATで観劇。
八百屋どころではないビッグウェーブな舞台で、正確に演技を繰り返すコロス達。
訳が分からないわ途中眠いわ、なのに最後まで目が離せない。多分深刻な内容を深刻でない見せ方で。
あまり演劇を観なさそうな観客が、素で笑ったり感心したりしていたのが印象的。
7
治天ノ君【次回公演は来年5月!】
劇団チョコレートケーキ
こりっちアワード2013受賞・再演ツアーの愛知公演。
タブー的なテーマ「消された天皇:大正天皇」をモチーフに、観客それぞれのアイデンティティにも重なる、普遍的な人間存在の苦しみを描く。
ドキュメンタリーではないけれど、現政権の「明治150年」キャンペーンが、この作品がフィクションではないことを感じさせる…
8
SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】
壱劇屋
大阪の身体派劇団の愛知公演。
独特の四面舞台を出発点にした劇構造・演出とそれを立ち上げる身体の、1cm・ミリ1秒単位で制御される総合芸術。
役者全員が、磨かれた身体性と観せ方の統一意識を共有。
最高にいい意味で「金を取って見せられる」小演劇。
9
ダニ・リマ「Little collection of everything」
あいちトリエンナーレ2016
あいちトリエンナーレ2016・パフォーミングアーツのTOP演目。
研究発表の感すらある、様々な手札が連句のように飛び出すオブジェクトパフォーマンス。
モノからの想像の飛躍と身体表現の広がり。
客席に多くの子供が来ていたのも印象的。
10
カンパニー・ディディエ・テロン『AIR』
あいちトリエンナーレ2016
あいちトリエンナーレ2016・パフォーミングアーツの演目。
名古屋・長者町へモコモコ衣装を着込んだダンサー達が繰り出し、町のあちこちで縦横無尽に大暴れ(ラストはなんと、車の通りの激しい交差点のど真ん中!)。
入念な事前リサーチに基づく「傍若無人な自由」の緻密な演出 。