絢爛とか爛漫とか
傑作を遊ぼう。rorian55?
テアトルBONBON(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★
本歌取・・・?
【総評】書斎一間に4人だけで演じる芝居だが、縁側の抜けや壁をスクリーンにFLASHアニメを投影したり影絵を用いて対話したりと楽しい仕掛けもあって、狭さや人の少なさをカバーする舞台演出になっていた。
長台詞ではこちらの腰が浮いてしまい、決まりが悪い感じ。演出の役者への信頼が厚すぎたのではないだろうか?
【本題】
傑作をあそぼう という”シリーズ”のようなのだが、その傑作がなんだか全然分からなかった。こういう遊びはみんなが知っているものを自分風にいじってその違いを楽しむものだと思うのだけど、私の教養が足りず観劇中にそれを判別することが出来なかった。
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時代は近代、大正・昭和初期。4人の青年小説家の卵たちが1人の家に集まりドタバタを繰り広げるストーリーで、それぞれが銅鑼息子というかボンボンでなんとなく小説家をしながらモラトリアムしてる。
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私は、こういう話がきっとヨーロッパ文学の方にあるのだろうと思った。演劇人なら、養成所や演劇部とかで一度はやってきたような、そういう有名なもの、かなと。元ネタはパリを舞台に芸術を志す貴族のボンクラ息子たちを描いたもので、本作はそれを大正時代の日本の文学青年に置き換えたのかもしれないなどと想像していた。
しかし、聞けばそれは見当違いで、自転車キンクリートの作品が元なのだという。自転車キンクリートは観たことがないが、確か、90年代に元気なイメージがあった小劇場系の劇団だったかと。
・・・・えーーー?
話の運びは、春夏秋冬を切り取って描いていた。そういうものは井上ひさしをどうしても思い浮かべてしまうのだけど、あれほどの時間の重みはなかった。役者に変化がなさ過ぎるのかな? 主役だけがやけに成長をひけらかしていたように思う。あとは情況が変化しただけ。青年にとっての一年がジェットコースターのように早いことを思わせて欲しかった。
それから、文脈を読み込もうとしたら大変残念な点に気付いた。4人は皆いいとこのボンボンなのに、全然それが感じられない。これは痛い。私の見聞きするリアルボンボンはそういう"もの"がある。
もっと、生活に苦労しないボンボンたちの憂いとか不満とか悩みを表現して欲しい。本作は、タダの、1人の小説家男子の成長物語で終わってしまった。4人もいたのにもったいない。言葉だけで表現しないで、そういう風情を演じて魅せて欲しかった。もしかしたら、原作で描こうとしたテーマが薄くなっているんじゃないかな? それも現代風に、モダンに。
さて、もっと本作を読み込もうとすると、実は、この4人もモデルがいるんじゃないかと考える。文学をネタにするなら、そういう遊びも意識して当然。しかし、私は太宰くらいしか分からなかった。私は本当に話にならないくらい日本文学の素養がないのです。きっとそれが分かったら違う楽しみ方も出来たのかな、と惜しく思う。
飛龍伝2010―ラストプリンセス【作・演出 つかこうへい】
松竹
新橋演舞場(東京都)
2010/02/03 (水) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
満足度★
神林美智子 is dead!
飛龍伝が黒木メイサのためにあるのではないのだから、
黒木メイサがこの芝居のために身を捧げるべきなのです。
けど、どうでした?
指導者へ担ぎ出され、外ではカリスマとして振る舞うものの、
家庭へ入れば女性をであることを解放し、弱さをさらけ出す。
そんな二つの自分を持つことになった
悲しい神林の姿が、黒木メイサさんに表現出来ていましたか?
これがないと御破算になってしまう、
そういう演目なのではないのかな・・・?
子どもが生まれたのに母性が全然ないもんだから、
本当はもっと強く出る物語の辛さが半減の半減で0に収束っていうか・・・・
初飛龍伝だったので観劇を楽しみにしていたんですけど・・・・
何もないこの公演にスカっスカっスカっされましたあ!!!
神林美智子は死にましたぁ! 今この時代に死にましたぁ。
またの世ならばと現れて、花咲かせることをユルされずぅ
散って散って散ってぇ、いったのです!!!
↑は、飛龍伝以外につか芝居を2つしか見ていない私が
遊びで書いてみたものです。
ていうか、そうです、つかさんが演出出来てないからしょうがないですよね。
結局誰が臨界を止めたのかセリフの整合性が取れてなかったです。
私はそれを、
「本来は勢いでそんなこといい気分にさせちゃう作風なのに、至らなかっただけ」
かと思ってたのですが、つか芝居常連さんに聞いたらそうでもないらしいですね。整合性は取るらしい。
あと、ガンツ的に言えば、「みきひち 0点 手ヌきすぎ」
一座を陰から支えるベテランの俳優がいなかったのがいけないんじゃないでしょうか?
黒木メイサさんが必死になるような桂木がいたら、情況は変わっていたかも。
徳重さんはとにかく真面目で、それが良かったです。
必死に、精一杯の仕事をとがんばっているように見えました。
あと、渾身のギャグ・東海大"沖縄"ですが、
馬場徹さんも真面目でした。
彼は彼なりに考えて演じていたように見えました。
カラテカの人は、何故いたのか分かりません。
みんなつかさんに鍛えて貰う(企画者の)予定が狂ってしまったのかなぁ、と邪推。
すべてを飲み込んで、強引に持って行って、あぁこれはこれでいいんだ!!!と納得させられるような、パワーが生まれていなかった。
これは本当に残念でした。
補追>>
花火、とか、アバター、とか、いろいろな楽しいお笑いのアイディアがイチイチ面白かったです。
『トロカデロ・ライモンド』!!実験終了☆次回は6月中野ポケットにて初の音楽劇『巨人達の国々』!!
舞台芸術集団 地下空港
ギャラリーSite(東京都)
2010/03/06 (土) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
解体され新しく語られる童話の塊
<<感想>>
ラストは、素直でなんてことはないシーン、なのに純粋に超感動。そして大満足!
ライモンドの演技はちょっとクサいくらい、それでも感動できるのは何故? これには言葉が見つからなくて、つまり「ナマ」のなせる技だろう。月並みだが、やぁ演劇ってやっぱりいいですよね、としか言えない。座席が絶好のポジショニングだったってこともあるかもしれないけども。
どこにいても役者を間近で観られるステキな会場構成。
主に外周を使うアイディアは少し新鮮で、
自分(観客全員)もお腹の中に飲み込まれたもの扱いで芝居の一部になったのは楽しかった。
この公演は地下空港としては番外実験公演なのでlightな作品。いつもなら、うねってうねってぐるんぐるん回わるとこ、今回は持ってかれるようなグルーヴ感はナシ。いつもと同じとは限らない、それが実験の旨みと心得たり!
で、物語はダンテの神曲が下敷きになっているというが、神曲だと分かって面白いことはなんだろう? 不勉強にして神曲の筋を知らないのだが、古典ならではの重厚な部分は醸せていなかったのではないかと思う。地獄っぽさはない。むしろ「神曲です」と先に言うことで地獄を感じてくれということかと。
それよりも、能のエッセンスの方が効果を発揮していた気がする。どこでそれを感じたかというと、種明かし的なシーン:腹の中の案内人・トロがライモンドを喰おうとするところ。ここでは、幽玄さが出ていたように思う。トロが中央に立ってシテのように衣を被り正体を明らかにすると、遠巻きに囲う役者、ライティングで青くなった空間、驚きを誘う上手い流れがカチっとかみ合って、ファー!っと幽玄、入ったーーーーみたいな。予想出来なかった。このことはよく覚えておきたい経験となった。
あと書いておきたいのは効果音。ヒュードロドロドロとか、敢えて古典的な音に徹していてくすぐったい面白感を出していた。それを違和感なく受け入れている自分がいて、童話の教育って凄いな、と今改めて思わされた。
総じて、古典的なものをいろいろ混ぜて独特の作風が感じられた。
テーマについては何なんだかイマイチ分からなくて、キヨが語るメッセージにも唐突感があったけど、横山大地の人柄がなせる技か無限の兄性愛が伝わりまくって、これはこれでまとめちゃっていいのでは?
童話にあるウザイ道徳とは無縁に、観客がそれぞれストーリーから思い出したことを頼りに得るもの得て納得すればいいと思う。
し、か、し、敢えて発破として書かせて貰いますけれども、
幻のセールスマン以降、いのちを削るような脚本に出会えていないのはどうしたことだろう?
(注:幻のセールスマンは、演出の方が7年暖めた物語だそうで、いのちを削ってはいないけど賭けてはいた…ような特別な本、だと思われます)
次の6月の本公演に大いに期待!! 今から超楽しみ!
三番叟・鈴ヶ森・八百屋お七
糸あやつり人形「一糸座」
サイスタジオ小茂根 Bスタジオ(東京都)
2009/03/26 (木) ~ 2009/03/30 (月)公演終了
満足度★★★
浄瑠璃と違う点は
「人形」というものの面白さを魅せてくれる感じ。
1人一体操っていて、それぞれ芸が細かい。
細部にも笑いやいのちが宿っている。
追記したい<2009年4月27日>
親の顔が見たい
劇団昴
シアターサンモール(東京都)
2009/04/14 (火) ~ 2009/04/19 (日)公演終了
満足度★★
途中まで
凄い重量感があって期待をさせるが、
感覚的に全体の2/3終わった辺りからもうあんまり面白くなくなる。
あと一手足りない。
後で追記します<2009年4月27日>
オセロー◆フェスティバル/トーキョー09春
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2009/02/27 (金) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★
これを観て怒ってはいけない
説明を見ると、
平川祐弘が謡曲台本に翻案した『夢幻能 オセロー』
と、あった。
だから、夢幻能として見なくてはならない。様式を理解して鑑賞する、という心構えが必要。あるいは、単純に、これが好きか、これが面白いか、ということじゃないかな。
で、だけど、
いろんな表現手法がごっちゃにされてて、お得だと思った。全体として興味深く見られた。
内容はとっつきにくく、理解は難しい。能の鑑賞方法としては事前勉強が有効な訳だけど、これもそういう、事前勉強が必要な感じ。具体的には、オセローの人種が違うこと、政治的背景、ここまでの理解がないといけない気がした。
大変情けないことに、普通の芝居の態を為した「狂言パート1」からやっと舞台に気持ちが入って行けた。夢幻なんて拘らないで、デズデモーナがなんなのかは最初の方で明らかにして欲しかった。
神楽坂出窓物語
快飛行家スミス
アユミギャラリー(東京都)
2009/03/10 (火) ~ 2009/03/10 (火)公演終了
ワイン、という小道具
劇的、でした。
いや、劇だったんですけど、でも、十二分に劇的。
この芝居は、物語を楽しむだけってんじゃなく、
ワインを巡る一つの体験をする、という感じ。
そういう柔らかい体験装置のような劇空間でした。
ストラップ・オン・ザ・サードクライシス
舞台芸術集団 地下空港
ギャラリーSite(東京都)
2009/03/21 (土) ~ 2009/03/22 (日)公演終了
満足度★★★
まんべんなく感想を書いてみました
●総評
ダンスの公演と聞いていたのだが、実際は普通にお芝居だった。
予定の変更があったのだろうか?
番外公演ではあるだろうが、実験公演という感じはしなかった。「番外実験公演」と銘打つのは、普段より規模が小さい(時間が短い)ことに対する負い目からだろうか? 見る方からしたら、あまり気にならない問題なのではないかな。
ともかくも、気にするほど、実験的でも適当な演目ではなく、見応えは充分あった。
今回見て感じたのは、地下空港の役者は、オールスター方式なんじゃないか?ということ。漫画用語かもしれないので、簡単に解説すると、作者の手駒の役者がいて、それらが違う作品にもずっと出て来る。そして、キャラクターそれぞれには性格付けがしてあって、そこからあまり逸脱しない芝居をどの作品でもする。と、いうこと。
個人的には、同じ役者でもいろんな芝居が見てみたいと思うので、どの人にも予想できないような役所で出てきて欲しい。
●衣装について
素晴らしく良く作ってあって、いくつかは同じものが欲しくなった。
特に気に入ったのは、
主人公・柴やおの
普段時、プロフィール改竄後のジャケット・・・形、ラインがキレイ
うさぎ・・・色が良い!
着せ替え係・・・こういうとこにもちょっとした、センスですよね
●テーマについて
極めて個人的な不安を描いたものに思えた。私はあまり共感できなかったが、ピンと来る人にはピピーーンと来るものだったのではないかな?
A Cloudy (ア クラウディー)
劇団PATHOS PACK (パトス パック)
ひつじ座(東京都)
2009/02/26 (木) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★
観に行って良かった
時節に合った内容。
テーマがストレートに描かれ大変分かりやすかったのでよく伝わった。身につまされる思いがして、観に行って良かった。
ストーリー。
精神的に同じような状況にいる人間ばかりが集まり、その問題に焦点が合わせられいる。悪く言えば、一本道、なのだけど、騒動をドタバタと描いただけのよく分からんものよりは全然いいと思う。登場人物の事情は各々異なるので、それほど冗長という気はしなかった。
ファンタジー色ほぼナシのリアルな世界を描いた芝居だが、細かい設定はあまり気にしない方が良い。
登場人物。
妹の描き込みが足りないことが気になった。主人公である姉は”いるいる”という感じだが、設計としてもう少し魅力的に作っても良かったと思う。あるいは、演出と演技の技量の問題かも知れない。人に好かれる「隙」と「かわいらしさ」をあとひとつまみプラスしたい。
いろんな人物がいてもいいと思うが、自然な調子にするのか、芝居じみた調子にするのか、少しぶれていた気がする。
星の王子さま
Project Nyx
ザムザ阿佐谷(東京都)
2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★
勉強になりました
寺山の生きていた時代、天井桟敷の時代
その空気を吸えなかった者にとって
勉強となるような芝居だった。
人形パートが素晴らしい。
宇野さんの人形、出来が良すぎる。操り方も素晴らしかった。
オアシスと砂漠~Love on the planet~
ネルケプランニング
青山劇場(東京都)
2009/01/21 (水) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★
座長・鎌苅健太が凄い
えーいろいろ言いたいことがあるような芝居でありましたが、
総て、この一点で飲み込むことが出来ます。
座長がエライ!
作劇に関して、明らかに詰め不足の内容で、何やら不穏な雰囲気が感じられました。
他にもいろいろあったのではないでしょうか?
それでも、若手+ベテラン、みんな凄くまともに真面目にやっているんです。
特に、主役の鎌苅健太さんが本当に、完璧に徹してらっしゃいました。
真剣度が凄まじく、舞台から離れた席でもそれを感じることが出来ました。
歌も演技も素晴らしかったと思います。
楽日の昼公演だったから役者の気合が違った、ということもあるかもしれませんが、それを加味しても、充分に評価できる仕事ぶりでした。
『マグダラなマリア』~マリアさんのMad (Apple) Tea Party~
ネルケプランニング
シアターアプル(東京都)
2008/11/12 (水) ~ 2008/11/16 (日)公演終了
満足度★★★
丸尾末広の美術に注目
丸尾末広が美術で参加。彼の独特なイメージが確かに現れていた。
彼の漫画を読んでいる者なら、舞台の役者を二次元に脳内変換出来るハズ。
男性だけで興行する意味をイマイチ見いだせなかった。女性ではダメなのか?
男性が女装をして演じる奇妙な感じが、この演目には合っていたのは確かだが・・・
役者がノリノリで楽しんでやっていて良かった。
そういうことが、気持ちよく楽しめる第一条件だろう。
後半は準備不足。前半は完成度高い。
フユヒコ
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2008/11/04 (火) ~ 2008/11/09 (日)公演終了
満足度★★★
ここだけの持ち味・新しさは?
古い。話がっていうより、演技かな。
基本的なことは出来ている芝居で、
本の構成も上手く出来ている方だと思った。
でも、だからなんだ、というか
こういうガッチリ作ってくる芝居の場合は、
もう少し、テーマを掲げて突っ込んでくれた方が気分が良い。
こまつ座から引き算しただけのような。
この劇団、この演劇ならではの持ち味・新しさ、が分からなかった。
再婚熟年夫婦をたっぷりヤキモキしながら観察する芝居。
お母さん、良かったね。
歌謡シアター「ラムネ」~木綿のハンカチーフ編~
アミューズ
新宿FACE(東京都)
2008/03/13 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了
満足度★★★
みんな元気
全員がパワフルに弾けまくって演じ、歌って、踊っていた。
印象的だったのは、若い女性の役者(確か、アイドルを辞めた経歴の人だった)と、小西遼生さんでしょうか。
光っていた。
他、印象に残っていることは、
麻生かほりさんはいつも通りのパワフルさ、そして、芝居のある歌い方を堂々と見せてくれた。彼女がいたから歌パートはしまっていたと思う。
小倉さんが若者に混じって大変弾けていてびっくりしたのと、心配になった。舞台人は本当にタフですね。
フロアプレイ
BURN THE FLOOR
東京国際フォーラム ホールA(東京都)
2008/09/12 (金) ~ 2008/09/15 (月)公演終了
満足度★★
前の方の席じゃないとダメ
ダンスの公演としては最悪だと思う。
もっと見せ方を工夫すべき。
前の方の席だったので、生の迫力が存分に味わえて、
そのダンサーが凄いとかあのダンサーは動きに幅がないとか
いろいろ見れて良かった。
しかし、後の方や2階席では何も伝わってこないだろう。
値段の差をもっと付けた方がいい。
内容は単調。
演目の構成は最悪で、大勢のダンサーを上手く使うことも出来ていないし。大勢の中に、何人かスバラシイ踊り手がいるのは確か。
「夜合樹~文月夜篇~」
快飛行家スミス
松陰コモンズ(東京都)
2008/05/24 (土) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★
みんなでトリップ!古民家劇空間
住宅街の中に残る古民家に、夢うつつな不思議な空間が出来上がっていた。
小屋の大きさにあった演目。
これ、ねむシリーズとなるのだと思う。前回の公演も見てきた。今回はアコーディオンの生音が入り、上手に絡めていて良かったと思う。1人芝居なのだけど、大変面白い演出の工夫で1人が2人に、3人にもなっていて、違和感がなかった。話も大分分かりやすくなり、良かったと思う。
ちょうど雨が上がったときに見たので、風景も芝居の効果となって、絶妙であった。ラストは、映画を実物大で見ているような感覚になれた。
ちょっと、建物に頼っている部分が大きいかな。そこら辺のバランス、密度がこれから練られていくのではないかと思う。
人形の家
ノアノオモチャバコ
王子小劇場(東京都)
2008/10/22 (水) ~ 2008/10/26 (日)公演終了
満足度★★★
ストレスフルな家
人間の動きの演出が良く、光るものがあると思う。動線の設計というのかな? 各シーンの作り方、つなぎ方も良く、面白かった。
主役の女優はいかにも舞台役者という迫力がある。
原作はきっと名高い傑作なのだろうけど、当方は演劇の知識貧しく初見の本であった。
ノーラなる妻にスポットが当たりすぎていて、他の役者の動機が見えない。筋を解するには問題ないが、あれは一体、どういうことだっとのだろう?と後から気になるところはいくつかあった。(特に"家"について、医者と妻の関係など)
演技はあまり気持ちよくなくて役者陣は少々心許ないが、他の劇団と交流したり、様々なチャンスを掴むことで、これからいくらでも伸びると思う。
人間合格
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2008/02/10 (日) ~ 2008/03/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしかった
大分前のことだけど、感想を投稿したいと思います。
大変良かったことを覚えている。
脚本が完璧すぎる。構成がスバラシイ。
歌あり、ギャグあり、そして、真面目に、落とす。
実際には一回の公演時間の中のことなのに、
時が過ぎていく感傷を感じることが出来る。
役者は、山西さんがいいと思った。
太宰役の方は、期待していなかったのだけど、思いの外良かった。
太宰役はビジュアルが優男であった方がいい。その点、彼は適任だった。
演技の幅は狭いのかもしれないが、sensitiveで苦悩する男前のぼっちゃんが社会に憤る、そういう役の型があって、それは出来るんじゃないかな。