
あるアルル
やみ・あがりシアター
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2025/04/30 (水) ~ 2025/05/06 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/05/01 (木) 14:00
特殊能力を持つ男と歴史的遺物(?)をめぐる「奇譚」。
しかしよくもまぁこんなブッ跳んだ話を思いつくもんだ。
思うに笠浦さんはまず「あるある」から「アルル(地名)」を発想してその関連事項も加えて物語を練り上げたのではあるまいか?
なので観劇中に気になった事項(地名とか画家とか)をネット検索するのもまた楽しからずや。

トワイライト2〜不思議な世界の短編集~
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2025/04/29 (火) ~ 2025/05/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/30 (水) 14:00
往年の米TVドラマリスペクト的企画第二弾は昨年上演した作品の再演と新作の2本立て。
「冥界裁判」(再演)は法廷ものの面白さに終盤で明かされる裁判長・弁護人・検察官の「素性」が「画竜点睛を打つ」感じ。
2編目の「被疑者X」は「逆BTTF」的時間もの?と思わせておいての……(ネタバレBOXへ)
とにかく好みのタイプ2本、面白かった♪

オリーブのたね
teamキーチェーン
吉祥寺シアター(東京都)
2025/04/19 (土) ~ 2025/04/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/29 (火) 15:00
大きな震災で偶々避難所に集った人々が織りなす物語。
状況が状況だけにエゴを露わにする者やヘイト発言をする者、さらに自分が起こした交通事故の被害者遺児への謝罪に訪れた者までいてしばしば空気がはりつめるが、そんな中から意思の疎通においての大切なことを教わった気がする。
そしてそれゆえ終盤で歌われるブルーハーツの「青空」が沁みるのかも。
あと、窃盗グループが「もう使わないから」と懐中電灯を避難所に残すとか、避難所を出た3人が共に住む地が「府中」であるとかによっての暗示も巧い。

あさがきて
杜菜摘プロデュース
中野スタジオあくとれ(東京都)
2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/27 (日) 12:30
一言で表現すれば「丁寧なツクリの演劇」。描かれる内容はもちろん、会話や演技も「真摯」な感じ。
素舞台に随時座卓や座布団を配置するだけという極めてシンプルな舞台美術なのにその場がありありと感じられるのはその「丁寧さ」ゆえか?
また、ある部分に「煙が目にしみる(堤康之)・ハードバージョン」か?と思ったりも(笑)。
あと、よく存じているお三方の「意外な顔合わせ(私見)」もおトク感があった。(笑)

楽屋より愛をこめて2025
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2025/04/17 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/26 (土)
26日の昼・夜で両楽屋を観劇。
とある演劇公演の初日・中日・千穐楽のハプニング(トラブル?)をその劇場の楽屋を舞台に描いたコメディ。
もちろん誇張/戯画化されているが、そこまで極端でなくとも似たようなことは実際にありそうで虚実の狭間を描いているのが愉しい。
さらに舞台役者であれば避けられないであろうことも描いて鮮やか。
あと、ルーキー楽屋Ver.とベテラン楽屋Ver.、2つ3つの固有名詞の違いといくつかの立ち位置の違いだけで同じ筈なのに役者の違いでかなり異なった印象なのもダブルキャストの醍醐味。

逆光が聞こえる
かるがも団地
新宿シアタートップス(東京都)
2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/25 (金) 14:00
人気の若手作/演出家の芝居に高校時代のサッカー部仲間の一人が観に来たことから旧交を温める彼らだったが……な物語。
モブ役をその場に登場しない役の演者が演じ一部の演者は複数の役を演ずる手法などは従来通りだが今回はパワーハラスメントやセクシャルハラスメント、学校でのいじめなどシリアスな題材を扱うのが新機軸。
そしてそれを演劇界を中心に描いているので観劇好きな身として身近に感じて引き込まれるし、旧知の友人が起こしたトラブルがかつて自分が彼に対してしていたことの再現というのはいじめに関する根本問題を呈示しているようで巧いなぁ、とも。
今後も楽しみ♪

家族病3篇
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2025/04/21 (月) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/24 (木) 16:30
「顔のない家族」
勤務先の近くで一人暮らしをしている女性が特に行事のためとかではなく連絡もせずに訪れた実家で体験する不可解な事態。
その状況から某有名/人気推理劇(?)を想起したが、こちらはそれが複数だしそもそもそれで描く主題が異なる。
そして途中に「これは原因に関するヒントでは?」な台詞があったり終盤で真相を匂わせる場面があったりするが明確に真相を示さずに終わるもどかしさよ!(笑)
それにしても観客に主人公と同じ不安さを味わわせる語り口の巧みさたるや!

家族病3篇
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2025/04/21 (月) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/23 (水) 16:30
「本物」
短編で時々あった林さんの一人語りから本編に入る形式の拡大/応用版かつ「林流ドグラ・マグラ」。
30分近い一人語りから「作品を作るところを見せる芝居」となるが随時一人語りに戻り、その語りの部分に相手役が登場したりと変幻自在。
そして「ハロー、レビー!!」の原案?と思われるものを含む内容・形式とも「虚実混淆」あるいは「虚実の融合」で観ているうちにどんどん「術中にはまる」のが快感。これも典型的なオイスケール作品と言えよう。
ところで最も「ドグラ・マグラらしさ」を感じた「4階から見える対岸の公演の桜の樹の下のベンチにて」は帰ってから気付いたが以前短編集にあったのではないか?

家族病3篇
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2025/04/21 (月) ~ 2025/04/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/21 (月) 14:00
「ハロー、レビー!!」
一昨年の初演は未見で今回初見。認知症の父の暮らす故郷の北海道に帰った男を中心としたまさに「家族」の物語。
控えめな照明の中で交わされるリアルな会話、そして劇中での実在が不確かな人物などオイスケール 風味満載。
3篇の最初にこれを観るのは「まず基本形から」的な?

はなしづか
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2025/04/16 (水) ~ 2025/04/23 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/22 (火) 14:00
3人の噺家が住んでいる長屋を舞台に長屋の人々やその関係者たちの戦中から戦後にかけての物語。
喜劇でありながらも厭戦/反戦を唱える内容に井上ひさし作品(「きらめく星座」「闇に咲く花」など)に通ずるものを感じ、特に終盤の空襲の場の「哀しさ」と終戦1年後(だっけ?)を描く最終場の「こんなことは二度とあって欲しくない」という台詞が心に染みる。
また、噺家役の御三方と鈴木主宰のアフタートークでの芝居と落語(とコント)の違いなども興味深かった。

ぬいぐるみおじさんと夢みる鏡
レティクル座
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2025/04/18 (金) ~ 2025/04/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/20 (日) 13:00
5度目の再演という短編と新作中編のカップリング。
パセリ(どころかエビフライやハンバーグまで!)を擬人化するにとどまらず人間と会話までさせてしまうとかおじさんがぬいぐるみになって想う相手を見守るとかどちらも発想がブッ跳んでいるがそれぞれきちんとテーマがあるファンタジーとして成立しておりただの(自称しているところの)「ナンセンスコメディ」に終わらないのがレティクル座のレティクル座たる所以ではなかろうか?(私見)
また、パセリ、エビフライ、ハンバーグの衣装・メイクやハーフミラーを表現したフレームの使い方など舞台美術面にも感心。

拘ったところでたかが文字
劇団皇帝ケチャップ
新宿シアタートップス(東京都)
2025/04/16 (水) ~ 2025/04/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
昼にTeamクリームソーダ、夜にTeamホットケーキを同じD列5番で観劇。
とある文学賞受賞作品発表の日、偶々喫茶店に集ってしまった5人の作家と関係者、その中には店のオーナーと高校時代に文学サークルで同期だったが2年前から犬猿の仲である2人もいて……なワンシチュエーションコメディ。
賞の発表前の不安や犬猿の仲の相手と同席するいら立ちなどで暴言・悪態を口にする作家とそれに振り回させる担当編集や関係者という状況は自然でリアルな会話が特色の吉岡作品にぴったりだし普段は「もう少し間があっても良いのでは?」という速射会話もテンポの良さとなり追い風状態。
あと、悪気はないが思慮もない(毒)ので思ったままを口にして敵を作ったりトラブルのもとになったりする人物を配したのは見事♪

がらんどうのしにすとら
‐ヨドミ‐
TACCS1179(東京都)
2025/04/16 (水) ~ 2025/04/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/17 (木) 14:00
2021年上演「ポラリス」系列のダークファンタジー。
中盤以降、主要人物たちがエゴをむき出しにすることから「それなりに治まっていた世界」が崩壊するのはいかにも藤丸作品(笑)。
がしかし、主人公の出自(放映中の某ヒーローものを想起(笑))によってこのテの話では「悪役」とされていた側にも感情移入させて自業自得的なことも「悲劇」に仕立てるのは妙案。
あと、演出・演技に照明・装置・衣装も含めて創り出す世界観が絶妙。

十二人の怒れる人達
OuBaiTo-Ri
目黒CLEOスタジオ(東京都)
2025/04/11 (金) ~ 2025/04/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/14 (月) 14:30
よりによって容疑者と被害者を逆転させるという大胆かつ画期的な設定変更、結果的にそれでも成立することは証明されたが、今まで本作を20ステージ近く観てきたことによる「刷り込み」を別としても多少苦しい部分も。
その最たるものは映画館の窓口係が容疑者を見なかったとした部分だが、まさかそこのくだりを丸々カットとは……(それはそれで妙案だが)。
一方、8号/番を女性にしたのは全員女性だった江古田のガールズ版(2021年)を除けばσ(^-^) が今まで観た中で初めてだが、建築士であり男性に対しても毅然と意見する女性というのはまさしく「21世紀版」でアッパレ!
あと、役者は代われどヤな奴は憎たらしく感じ、口論場面にハラハラするのはまさしく演出と出演者の熱演・力演の賜物。

ダブルブッキング2nd!
エヌオーフォー No.4
紀伊國屋ホール(東京都)
2025/04/05 (土) ~ 2025/04/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/11 (金)
11日昼に紀伊國屋ホール編、同日夜に新宿シアタートップス編を観劇。
2008年に上演された「ダブルブッキング」の17年後を描き劇中で「昔こんなことがあって」と語られ当事者も登場(17年の歳月を実感)する「正統続編」にして、当時の失敗理由(誤り?)を指摘して正す「返歌」でもある。
そこに演劇愛、劇場愛、小劇場史的なものなど演劇好きにはたまらないネタを織り込み、もちろん笑いもふんだんで楽しいったらありゃあしない。
さらに昼に紀伊國屋ホール編、夜にシアタートップス編を観たのでそれぞれの凹凸の噛み合いや…………一方だけ観てもワカるよう双方で交わされるほぼ同じやりとりなどの工夫にも感心。
いやホント、よくぞここまで!(賞賛)

黄昏の湖~On Golden Pond~
加藤健一事務所
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2025/04/04 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/08 (火) 14:00
マーク・ライデル監督「黄昏(1981年)」の原作舞台。
22年前に銀座セゾン劇場で観た時はそれよりさらに22年前に観た映画の印象が強すぎたためかどこか物足りなさを感じたが、時を経てその「呪縛(笑)」から解き放たれたのか、演出などの違いによるものか、はたまた齢を重ねたからか、十分に沁みた。
セイヤー家の3人の会話の毒舌の根底に愛情、あるいは言いたくて言えないもどかしさなどが感じられてイイんだなぁ。
ところで邦題、従来の「黄昏」はセイヤー夫妻の暗喩でもあると思うが「黄昏の湖」だとその意味合いが失われるのでは?
なお、観ながら映画の場面がしばしば脳裏をよぎった。

熱風
Nana Produce
サンモールスタジオ(東京都)
2025/04/04 (金) ~ 2025/04/08 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/07 (月) 14:00
娘の妊娠問題で話し合っている最中に転居挨拶に訪れた隣家の夫婦は偶然にも……な物語。
事前情報通り高木作品には珍しく笑える場面も少なからずあり(考えようによっては「辛口ビターコメディ」?)自団体である鵺的とはまた違った感覚。
で、妊娠させた男のダメさ加減などで笑わせた後の二組の夫婦(+1)の話し合い場面が白眉。「この人は「あのこと」に勘付いているの?それを匂わせているの?」などと観客に思わせる会話が実に巧みで面白い。
そしてそこで出される解決案は割れてしまった陶器をセロファンテープで直そうとしているようなその場しのぎの脆いものに感じられた。

なんかの味
ムシラセ
OFF・OFFシアター(東京都)
2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/04 (金) 14:00
披露宴で余興を演りたいと娘に無理を言う父親……な場面から始まるムシラセ流の人情噺あるいはホームコメディ?いや違うな、やはりムシラセはカテゴライズとは無縁でムシラセのままがイイか。
基本的にコミカルな中、次第に言えなかったことや隠していたこととその理由(心情?)が観客に伝わってゆくのが巧いんだな。そして終盤で次々に明かされるあれやこれやはジェットコースターの如し?(笑)
いやぁ、面白かった♪

人の気も知らないで
CTプロデュース with K
雑遊(東京都)
2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/03/28 (金)
同僚の披露宴の余興の打ち合わせで集まった3人の会話劇。
気の知れた仲ゆえの遠慮のない物言いで「喧嘩売ってるの?」「そっちこそ」的な部分にハラハラさせたりもするやり取りがリアルで、シリアスというか重ためというかな部分も経てゆるやかな着地に向かうのが巧み。
また、当日パンフレットにあるように「リアルなチーム栄と演劇的なチーム美」と異なる演出だったので続けて観てその違いも楽しめた。(チーム栄にあったドリンクバーの装置がなく板付きで始まるチーム美とか)
なお、オリジナルの iaku をはじめとして複数の団体で上演された作品とのことだが個人的には今回が初見。

煙に巻かれて百舌鳥の早贄
劇団肋骨蜜柑同好会
中野スタジオあくとれ(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2025/03/27 (木) 15:00
1990年代初頭、地上げに抵抗して営業を続ける焼き鳥屋を舞台にしたあれこれと人間模様。
発想の元が何だったかは知る由もないが、焼き鳥の「串を打つ」から「百舌鳥の早贄」への連想はともかくそこから「串刺し公」ヴラド3世まで発想して人物名などに引用することに舌を巻く。
そして耐えに耐えた主人公が最後に「爆発」するさまに往年の東映仁侠映画を想起。
さらに最終場の真理愛の黒ずくめの衣装と帽子に「女囚さそり」を連想。あれ?そっちもリスペクト?(深読みあるいは誤読気味)
あと、焼き鳥屋を再現した舞台美術もリアルで見事。