じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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12 人の怒れる人々

12 人の怒れる人々

劇団フーダニット

高田馬場ラビネスト(東京都)

2025/05/23 (金) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/24 (土) 14:00

男性5人女性7人による混成版。今まで延べ20回近く観てきたが「12人が陪審員番号順に座らない」「時として同時多発会話(※)にしたり食い気味に台詞を発したりする」という演出は初めて観た。
そしてこれが(弊害もあるものの)会議などの場における「自然さ」を出していたと思う。
※ 対象人物以外をスローモーションにすることで会話をクローズアップしたOuBaTo-Riのさひがし演出の真逆

高尾山へ

高尾山へ

さよなら人生

スタジオ空洞(東京都)

2025/05/22 (木) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/23 (金) 14:00

学生時代に山サークルで同期だった2人が20年以上ぶりに新宿で遭遇してそのまま高尾山に行ったエピソードを軸にそれぞれの人生(?)を浮き彫りに。
中心人物2人の対照的な造形が演者の個性を際立たせてリアリティがあり「不惑」どころか惑いまくりの四十代を活写していたと思う。
また、時制の前後させ方や背後の美術なども巧みだった。

琴弾鳥の嘘 ~探偵 御手洗泰親 登場~

琴弾鳥の嘘 ~探偵 御手洗泰親 登場~

演劇企画戯舎

「劇」小劇場(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/22 (木) 19:00

太平洋戦争のインパール作戦で重傷を負い記憶も喪失して復員した男をめぐるミステリー。(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

顔を含む大火傷によりゴム製のマスクを着けた男、その男について勘付いた人物の遺体が見つかったのが「蒲田操車場」と、往年の名作推理(終盤のアレも深読みすれば武田泰淳?)のオマージュにニヤリ。
そしてそれらをかけ合わせての物語、佐藤主宰の「好み」が前面に押し出されて「同好の士」として堪能。
母さんが嫁ぐ日

母さんが嫁ぐ日

Kトゥエンティワン

シアター711(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/22 (木) 14:30

継母の誕生日(かつ結婚記念日)のプレゼントの相談に毎年集う三兄弟、今年は結婚30周年ということで張り切るが、母が再婚するようだと耳にして、なハートウォーミングコメディ。
終盤、それまで蓄積されてきた継母に対する正負両感情を爆発させる長男と、それを経ての大団円を筆頭に物語・演出ともに「昭和のホームドラマ」に通ずるあたたかさがあり懐かしかった。

奇譚 地獄たられば

奇譚 地獄たられば

グワィニャオン

萬劇場(東京都)

2025/05/16 (金) ~ 2025/05/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/18 (日) 14:00

一言で表現すれば「今様(もしくはグワィ版)地獄八景亡者戯」、
命を落とした者たちの地獄での処遇や地獄での「システム」を朗読劇で面白おかしく表現。
そして「朗読劇」には「ラヴ・レターズ」のように二人がソファに座ったままあるいはアニメのアテレコのように出演者が舞台後方の椅子に腰かけていて出番だけ舞台前面に出て台本を読む「静的なもの」と出演者が動いたり出ハケしたりしつつ台本を読む「動的なもの」があるが、本作は後者。さらに小道具に台本を貼って立ち回りをしながら朗読とは!(笑)
実はこれに近いスタイルはみきかせworks主催の中編朗読劇対バン企画「みきかせプロジェクト」(2010年~2013年)で観ており懐かしさを感じたが、立ち回りはさすがに初めて見た(驚)。
あと、バックステージ風味があるのもいかにもグワィニャオンらしい。

最終兵器ピノキオ〜蜃気楼の向こう側〜

最終兵器ピノキオ〜蜃気楼の向こう側〜

X-QUEST

すみだパークシアター倉(東京都)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/13 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ピノキオ(とシンデレラも少々)をモチーフに人類を絶滅させることができる最終兵器であるピノキオを鹵獲/破壊しようとする勢力も描いたSFバトルファンタジーアクションロマン(←なげーよ!(笑))。
得意の便利棒を使ったアクションは言わずもがな冒頭の自由落下しながらの空中戦場面で時折浮遊感を感じさせる演者たちのしなやかな動きが絶品。それに新旧ネタのパロディ/オマージュや詩的な台詞が加わり「トクナガ作品ど真ん中」な感じ。
また、イントレで組んだシンプルながら高低差のある装置やそれぞれの個性を表現した衣装など舞台美術も見事。
いやぁ、いいモン観たなぁ♪
衣装と言えばピノキオが「初號機カラー」なのにニヤリ。

音響劇『ドグラ・マグラ』

音響劇『ドグラ・マグラ』

半畳の宇宙

本妙院(東京都)

2025/05/03 (土) ~ 2025/05/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/06 (火) 14:00

日本探偵小説三大奇書の1つを地の文の語り・役になっての演技、ムーブメントに歌/ラップなど様々な手法を使い、その場での墨流し映像を背後に投射して主に打楽器的な効果音も加えるというあの手この手、至れり尽くせりで原作に忠実な……というより整理し(当日パンフレットには相関図まである!)分かり易くしての(私見)演劇化。
それを池上本門寺の子院の本堂で三方囲み客席で上演するので雰囲気も絶妙。
この「奇蹟」の場に立ち会うことができて幸甚。
で、これ、「モダン・アングラ」あるいは「ネオ・アングラ」と呼称して良いですか?
いや、気分的には「シン・アングラ」が一番なんだが……(笑)
(「シン・」は一連の庵野秀明監督作から既成のものを尊重しつつイマの要素を加えた温故知新系の作品名に冠する接頭辞的なものと認識)

ネタバレBOX

欲を言えば終幕は「…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………」であって欲しかったが、観客を入院患者に見立てた本作もアリと思ったので文句ナシ。
いつかの日の

いつかの日の

こわっぱちゃん家

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2025/05/01 (木) ~ 2025/05/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/05 (月) 13:00

東京都下の2つの市の合併を背景に市役所職員を中心に同性婚を望む市民らも描いた物語……というのは事前情報で知っていたが後半で「そんな要素」も取り入れるとは!
そしてそれはテーマとしてはありがちではあるが、その切り口/描き方が斬新で感服。
また、市役所の受付カウンターを外食チェーンのように(笑)U字型に張り出させた装置、その工夫によって例えば割烹のテーブルなど複数の箇所として使って転換をスピーディーにするのもいつもながら巧み。

ネタバレBOX

市民の出兵届を処理する(=戦地に送り出す)市役所職員を描くことで反戦/厭戦を主張するのが稀有にして見事。時勢が時勢だけに生々しく本当に「ヤだなぁ」と思った。
お歌とお芝居 「髑髏沼の女」

お歌とお芝居 「髑髏沼の女」

たすいち

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2025/04/30 (水) ~ 2025/05/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/02 (金) 13:00

幼い頃に父を亡くした主人公が失踪した母を探すことから始まる「マンガチックなアドベンチャー」。
(初演を観ていたからとは別の意味での)既視感満載なのは漂いまくる「昭和感」ゆえか?(大友克洋「AKIRA」っぽさもあったし)
そして配役と衣装が特筆モノな素晴らしさ。荒唐無稽な物語に妙な(演劇的)説得力を与えているんだよなぁ。
なお、前述の如く初演を観ていたが記憶に残っていたのはいかにも「あの3人組」っぽい楽曲のみ(爆)。ま、11年も前のことだしね。

あるアルル

あるアルル

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2025/04/30 (水) ~ 2025/05/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/01 (木) 14:00

特殊能力を持つ男と歴史的遺物(?)をめぐる「奇譚」。
しかしよくもまぁこんなブッ跳んだ話を思いつくもんだ。
思うに笠浦さんはまず「あるある」から「アルル(地名)」を発想してその関連事項も加えて物語を練り上げたのではあるまいか?
なので観劇中に気になった事項(地名とか画家とか)をネット検索するのもまた楽しからずや。

ネタバレBOX

終演後にネット検索した項目は
・アルル(地名)
・フィンセント・ファン・ゴッホ
・ゴッホの切り落とした耳の行方
トワイライト2〜不思議な世界の短編集~

トワイライト2〜不思議な世界の短編集~

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2025/04/29 (火) ~ 2025/05/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/30 (水) 14:00

往年の米TVドラマリスペクト的企画第二弾は昨年上演した作品の再演と新作の2本立て。
「冥界裁判」(再演)は法廷ものの面白さに終盤で明かされる裁判長・弁護人・検察官の「素性」が「画竜点睛を打つ」感じ。
2編目の「被疑者X」は「逆BTTF」的時間もの?と思わせておいての……(ネタバレBOXへ)
とにかく好みのタイプ2本、面白かった♪

オリーブのたね

オリーブのたね

teamキーチェーン

吉祥寺シアター(東京都)

2025/04/19 (土) ~ 2025/04/29 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/29 (火) 15:00

大きな震災で偶々避難所に集った人々が織りなす物語。
状況が状況だけにエゴを露わにする者やヘイト発言をする者、さらに自分が起こした交通事故の被害者遺児への謝罪に訪れた者までいてしばしば空気がはりつめるが、そんな中から意思の疎通においての大切なことを教わった気がする。
そしてそれゆえ終盤で歌われるブルーハーツの「青空」が沁みるのかも。
あと、窃盗グループが「もう使わないから」と懐中電灯を避難所に残すとか、避難所を出た3人が共に住む地が「府中」であるとかによっての暗示も巧い。

あさがきて

あさがきて

杜菜摘プロデュース

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/27 (日) 12:30

一言で表現すれば「丁寧なツクリの演劇」。描かれる内容はもちろん、会話や演技も「真摯」な感じ。
素舞台に随時座卓や座布団を配置するだけという極めてシンプルな舞台美術なのにその場がありありと感じられるのはその「丁寧さ」ゆえか?
また、ある部分に「煙が目にしみる(堤康之)・ハードバージョン」か?と思ったりも(笑)。
あと、よく存じているお三方の「意外な顔合わせ(私見)」もおトク感があった。(笑)

楽屋より愛をこめて2025

楽屋より愛をこめて2025

劇団S.W.A.T!

「劇」小劇場(東京都)

2025/04/17 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/26 (土)

26日の昼・夜で両楽屋を観劇。
とある演劇公演の初日・中日・千穐楽のハプニング(トラブル?)をその劇場の楽屋を舞台に描いたコメディ。
もちろん誇張/戯画化されているが、そこまで極端でなくとも似たようなことは実際にありそうで虚実の狭間を描いているのが愉しい。
さらに舞台役者であれば避けられないであろうことも描いて鮮やか。
あと、ルーキー楽屋Ver.とベテラン楽屋Ver.、2つ3つの固有名詞の違いといくつかの立ち位置の違いだけで同じ筈なのに役者の違いでかなり異なった印象なのもダブルキャストの醍醐味。

逆光が聞こえる

逆光が聞こえる

かるがも団地

新宿シアタートップス(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/25 (金) 14:00

人気の若手作/演出家の芝居に高校時代のサッカー部仲間の一人が観に来たことから旧交を温める彼らだったが……な物語。
モブ役をその場に登場しない役の演者が演じ一部の演者は複数の役を演ずる手法などは従来通りだが今回はパワーハラスメントやセクシャルハラスメント、学校でのいじめなどシリアスな題材を扱うのが新機軸。
そしてそれを演劇界を中心に描いているので観劇好きな身として身近に感じて引き込まれるし、旧知の友人が起こしたトラブルがかつて自分が彼に対してしていたことの再現というのはいじめに関する根本問題を呈示しているようで巧いなぁ、とも。
今後も楽しみ♪

家族病3篇

家族病3篇

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2025/04/21 (月) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/24 (木) 16:30

「顔のない家族」
勤務先の近くで一人暮らしをしている女性が特に行事のためとかではなく連絡もせずに訪れた実家で体験する不可解な事態。
その状況から某有名/人気推理劇(?)を想起したが、こちらはそれが複数だしそもそもそれで描く主題が異なる。
そして途中に「これは原因に関するヒントでは?」な台詞があったり終盤で真相を匂わせる場面があったりするが明確に真相を示さずに終わるもどかしさよ!(笑)
それにしても観客に主人公と同じ不安さを味わわせる語り口の巧みさたるや!

ネタバレBOX

「家族の中で自分だけ顔が違うのでは?」と常々不安を感じていた主人公が事故(?)により昏睡状態になっていた間に観た悪夢?
その状況に漠然と「これって時々夢で見るコワい状況では?」と思ったのもこの解釈のヒントかな。
(クリーニング店での異変で「パラレルワールド説」もよぎった)
あと、「きさらぎ駅」に通ずる感覚もあるような気がした。「現実と地続きなのにどこか何かが違う世界に入り込んでしまった」的な。
なお、某有名/人気推理劇とはロベール・トマの「罠」。
家族病3篇

家族病3篇

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2025/04/21 (月) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/23 (水) 16:30

「本物」
短編で時々あった林さんの一人語りから本編に入る形式の拡大/応用版かつ「林流ドグラ・マグラ」。
30分近い一人語りから「作品を作るところを見せる芝居」となるが随時一人語りに戻り、その語りの部分に相手役が登場したりと変幻自在。
そして「ハロー、レビー!!」の原案?と思われるものを含む内容・形式とも「虚実混淆」あるいは「虚実の融合」で観ているうちにどんどん「術中にはまる」のが快感。これも典型的なオイスケール作品と言えよう。
ところで最も「ドグラ・マグラらしさ」を感じた「4階から見える対岸の公演の桜の樹の下のベンチにて」は帰ってから気付いたが以前短編集にあったのではないか?

家族病3篇

家族病3篇

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2025/04/21 (月) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/21 (月) 14:00

「ハロー、レビー!!」
一昨年の初演は未見で今回初見。認知症の父の暮らす故郷の北海道に帰った男を中心としたまさに「家族」の物語。
控えめな照明の中で交わされるリアルな会話、そして劇中での実在が不確かな人物などオイスケール 風味満載。
3篇の最初にこれを観るのは「まず基本形から」的な?

はなしづか

はなしづか

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/04/16 (水) ~ 2025/04/23 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/22 (火) 14:00

3人の噺家が住んでいる長屋を舞台に長屋の人々やその関係者たちの戦中から戦後にかけての物語。
喜劇でありながらも厭戦/反戦を唱える内容に井上ひさし作品(「きらめく星座」「闇に咲く花」など)に通ずるものを感じ、特に終盤の空襲の場の「哀しさ」と終戦1年後(だっけ?)を描く最終場の「こんなことは二度とあって欲しくない」という台詞が心に染みる。
また、噺家役の御三方と鈴木主宰のアフタートークでの芝居と落語(とコント)の違いなども興味深かった。

ぬいぐるみおじさんと夢みる鏡

ぬいぐるみおじさんと夢みる鏡

レティクル座

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2025/04/18 (金) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/20 (日) 13:00

5度目の再演という短編と新作中編のカップリング。
パセリ(どころかエビフライやハンバーグまで!)を擬人化するにとどまらず人間と会話までさせてしまうとかおじさんがぬいぐるみになって想う相手を見守るとかどちらも発想がブッ跳んでいるがそれぞれきちんとテーマがあるファンタジーとして成立しておりただの(自称しているところの)「ナンセンスコメディ」に終わらないのがレティクル座のレティクル座たる所以ではなかろうか?(私見)
また、パセリ、エビフライ、ハンバーグの衣装・メイクやハーフミラーを表現したフレームの使い方など舞台美術面にも感心。

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