じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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みのほど

みのほど

(劇)ヤリナゲ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/24 (水) 19:30

価格2,700円

少し前にまさかの手口で観客をかつぐ芝居を観ただけに「どこまでできていたの?」「劇中のアレは実在したの?」などいろんな疑問が浮かび、さらに「もしやそれが狙い?」とまで考えてしまう。
また、ある映画と併せて「観客の心理誘導」なんてことまで考える。それらの芝居・映画との相乗効果と言えよう。

なお、これからご覧になる方には当日パンフレットの「挨拶文」を開演前に読んでおくことを推奨。文中のある部分とほぼまんまの台詞があるし、それがテーマ(の1つ)と思うとワカり易いと思われるので。

ネタバレBOX

居場所不明で連絡が取れなくなった劇団主宰の部屋に残されていた創作メモ的な多数のスケッチブックを元に試行錯誤しながら芝居を創ろうとする出演予定者たち……という構成で4つの短編が演じられるために先の疑問が生じたが、終演後に伺ったところでは台本はほぼできていたらしい。

現実の主宰の体調不良と絡めて観客がそのような疑問を抱くように仕向けたのであれば、ある種の心理誘導ではないか、と考えたのは少し前に観た映画がまず「どうやって撮った?」「なんであそこはそうなる?」などと思わせておいてその後にその疑問に映像で答える構成だったことと併せてのことだろう。

そうして、物語で感動させるのでなく観客の心にナニカを生み出すのもまた芝居なのだなぁ、と改めて思う。

また、当日パンフレットの挨拶文の「何かを誰かに語らせるということ」はそんな劇中・現実を通じての出来事だけでなく創作(やら主張やら)とその表現全般についてことであり、それを演劇(ならびに挨拶文のシカケ)で見せるというのも面白く感じた。

しかし本当に「演劇を疑え」だなぁ……(笑)
ありがたみをわかりながら死ね

ありがたみをわかりながら死ね

オーストラ・マコンドー

小劇場 楽園(東京都)

2018/08/23 (木) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/23 (木) 19:30

価格3,300円

単館レイト上映の映画のような味わいの切なくも優しい物語。冒頭場面の意味に途中で思い当たった時の切なさたるや。3人の「歴史」をじっくり描いているのが響くんだな。
そこまでは「明日に向かって撃て」「冒険者たち」なども想起(←男2人に女1人という組み合わせからの連想もあろう)したのに……。
ところで、千穐楽後のバラし、大変だろうなぁ。(謎)

ネタバレBOX

入口に「装置の関係でマスクをお配りしています」との掲示があり、入場してみると演技エリアに砂が敷き詰められているので納得。しかし、その砂を掘る場面でかなり深そうなのでさらにビックリ。念のために尋ねてみたが、やはりその部分だけ深くしてあるのではなく全体がそれだけ深いとのこと。

ラストは「ロッキー」シリーズだね。男二人が(殴り合うのでなく)相撲を取ろうと組み合うところで暗転……翻案か?(笑)
シャバダバダ!

シャバダバダ!

劇団おねがいシスターズ

ひつじ座(東京都)

2018/08/22 (水) ~ 2018/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/22 (水) 19:00

価格2,800円

ズッキュン娘による吉祥寺シアターでの初演を観ているだけにまず「ひつじ座で演るの!?」、次いで「この人数で90分!?」と驚いたが、そこからの推察通り初演版を刈り込みシンプルにした分、3組の母娘関係に焦点が絞られスッキリして、これはこれでアリ。
初演は映画館での上映でこちらはテレビ放映版、みたいな?(笑)

主人公サツキ(三好右華)のウザさに映画「センセイ君主」のあゆは(浜辺美波)と通ずるモノを感じる…ってか藤吉作品に登場するウザキャラってみんなそうかも。(笑)
ただ、本作のサツキはあゆはと同じくノートを持っているもんね、より近いサケだ。(爆)

ネタバレBOX

ラストのビターさは「罪と罰」というか、「刑期をつとめあげても犯した罪は消えない」というメッセージと受け取った。
魂殻少女 〜こんがらガール〜

魂殻少女 〜こんがらガール〜

劇団東京都鈴木区

中野スタジオあくとれ(東京都)

2018/08/21 (火) ~ 2018/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/22 (水) 15:00

価格3,000円

Twitterで地下アイドルの卒業ブログが注目され、少し前には演劇界の内幕を描いた芝居が好評を博した中での地下アイドルの内幕系とはタイムリー……というよりシンクロニシティ?
そんな内容もさることながら楽曲の「地下っぽさ」や衣裳、リングをモチーフとして多用した装置などスタッフワークが印象的。
また、SNSでの会話内容を台詞(と演技)で表現するのも妙案。(装置との相乗効果アリ)
さらに、物語の構造・パターンとして主人公が所属する共同体の存在を揺るがす事態が起こるというのがあり、その行く末は紆余曲折を経て結局元の鞘に収まる場合と、あれこれ進化してその共同体が新しいものになる場合があることに今更ながら気付いた。

ミセスフィクションズ夏の振替上演・上映会

ミセスフィクションズ夏の振替上演・上映会

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2018/08/17 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/19 (日) 19:30

【短編集上演】
公演中止・延期の報が続いた時に「こういう事態のために劇団はレパートリーを持っていれば……」という意見を目にしたが、まさにそれを実証したカタチでの公演。
しかも短編をいくつもレパートリーとして持っているというのは役者の数・個性に会うものを組み合わせて構成することもできて15MinutesMadeで蓄えた財産だな、と改めて。

1編目「ウルトラマンPRADA」、リーディングで台本を持っているが、ウルトラマン関連のムックなど(各人それぞれ異なる)に台本を貼り付けているという芸の細かさ!(笑)
そして、ウルトラマンを若い女性をターゲットにして作ったという設定の劇中番組部分に、この直前に映像で観た「花柄八景」劇中のセックスピストルズを落語の形式で語る創作落語「シド&ナンシー」との共通点を見出す。喩えて言えば「異種格闘技戦」的、一見水と油のようなものを融合させているんだな。
ちなみに初演(当日パンフレットには「2011年11月」とあるが「2011年1月」が正しい)のキャストはこちら。
岡野康弘(Mrs.fiction)
志水 衿子(ろりえ)
久我 真希人(ヒンドゥー五千回)
鈴木アメリ(犬と串)

2編目「お父さんは若年性健忘症」、ラストのあの台詞が二重三重の意味を持つのが巧くお母さんの強さと愛情がステキ。あと、ラストのマグカップもイイ。

3編目「ミセスフィクションズの祭りのあと」、滑稽なところもありつつ全体的には人情噺ではないか?いや、古典落語の江戸の人情ではなく「21世紀の人情噺」として。そして、舞台となるのがTBSの深夜番組「アメージパング」で時々取り上げる「外国人の一見客が入りにくい酒場」のように東武線沿線の場末の横丁、みたいな。
ちなみに観終えての帰り道、下北沢一番街を通ったら阿波踊りの後始末をしている店があり、余韻が深まる。

4編目「まだ僕を寝かさない(嘘リーディングver.)」、中心部分は2~30分で演じられるが、実は「人生」のそれなりの期間における友人との関係を表しているのでは?と思って観ると深い。その意味ではCoda的な最終場を省略したバージョンも成り立ちそう。

ミセスフィクションズ夏の振替上演・上映会

ミセスフィクションズ夏の振替上演・上映会

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2018/08/17 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/19 (日) 17:30

【長編上映】
6年ぶりの「花柄八景」懐しや。
久我さんの師匠っぷりと岡野さんの元噺家っぷり、それに今村さんのパンクロッカーっぷりが見事だし、劇中の新作落語もスゴいし、そもそも全体に漂う落語的雰囲気が秀逸。いつかまた生で観たい。それが叶わないならせめて創作落語「シド・アンド・ンンシー」全長版が聴きたい!

蒼いラフレシアの鼓動〜The beat of blue Rafflesia〜

蒼いラフレシアの鼓動〜The beat of blue Rafflesia〜

東京ジャンクZ

王子小劇場(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/18 (土) 18:00

3時間近い長尺(休憩10分込み)で内容的にはへヴィーなのに体感的には「やや長め(2時間余?)」程度という稀有な体験。
愉しいとかアクションてんこ盛りとかで体感時間が短いのはありがちだが、重めの内容で、というのがホントに不思議。
観ていて「共犯者意識」が生じたのか?

ネタバレBOX

観ていて「探す男」「真相を知っている側」双方に(場面に応じて)心情を察したと言うか共感したと言うか、さらに場合によってはわが身のことのように感じたのが意外。それだけ(意識せずに)のめりこんでいたということか?
危ないと思いながらもそちらに引き寄せられてしまうような、あるいは取り返しのつかないことをしてしまった時の足下の地面が軟化してゆくような、はたまた探し続けていたものをやっと見つけたのに手遅れだったような、そんな感覚が妙に迫ってきたんだな。

また、戯画化されて「そんなことはなかろう・そんなヤツはいなかろう」な状況・人物ではありながら、実在の事件を元にした芝居(そういうのを観て間もなくでもあったし)のような気がしていたが、終演後に配付された「本番後記」を見てそれがアタリだったことを知ってビックリ。
レプリカに捧ぐ

レプリカに捧ぐ

牡丹茶房

王子スタジオ1(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/18 (土) 14:00

価格2,500円

亜季が気付くと覚えのない物置部屋のような場所(会場の特徴を活かした美術が巧み)に閉じ込められており、そこにはもう10日も監禁されている文香もいて……といういかにも牡丹茶房的な(偏見?)不条理な状況に始まり、DART'S?乱歩?な展開を経てアメリカ映画並みの凄絶なクライマックスへ。
某団体のように「過激な描写が苦手な方はお問い合わせの上」とか告知しなくていいのかしら?(笑) あ、牡丹茶房ファンなら問題ないのか。(爆)
しかも中盤以降は人物それぞれが首謀者に思えてきてσ(^-^) が得意な深読み・誤読のし放題(笑)、「デス・トラップ 死の罠」的な展開も考えてしまった。

また、上演時間75分(この回の実測値)にしては体感時間が長く、しかしそれは冗長とかテンポが悪いとかではなく、先の見えない不安・緊張などから時間の流れがねっとりしているように感じたことによるものではなかろうか……ってことは主人公の気持ちを共有できた(共有させられた)のか?

(ネタバレ気味なことなどはネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

観ながらメインのお二方の役が逆というのもアリではないかとも思ったが、それでは意外性が減ずるか、と気付いて納得。(←赤猫座ちこさんへの偏見だな(笑))

終盤、誰が何のためにそうしたかが明かされるが首謀者は当然バレたことを否定しようとするので観ていて誰が本当のことを言っているのか疑心暗鬼となり、「まだ別の真相があるのではないか?」と深読み・誤読に走ってしまう。
ちなみに菜々美を陥れるのが目的で実は3人がグル、なんてことも考えた。(しっかりハマったな(笑))

出だしの三場(初日・3日目・10日目)で亜季の文香への呼び方をそれぞれ変えることにより次第に心を開いていったことを表現するのと、四場以降は経過日数を見せなくすることで観客の不安を煽るのも上手い。

【勝手にキャッチコピー】
一言で表現すれば「人をくった芝居」です(爆)
あなたも知らない舞台裏

あなたも知らない舞台裏

バードランドミュージックエンタテインメント

新宿村LIVE(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/17 (金) 19:00

座席XA列2番

#あなもし
演劇界の新人プロデューサー(という名の中間管理職)の奮闘記、からの……。
憎まれ役の「悪いオトナ」たちはまるで時代劇の悪代官のようにひたすらズルく憎たらしく、対する主人公サイドはひたむき(でもないか?(爆))とハッキリ対比されてワカり易く、フィクションと割り切って観たので頬が緩むこと緩むこと。しかしこの「ワカり易い」というのはちゃんと劇中の台詞を具現化してもいて、そんなあたりが鮮やか。
台詞の具現化ということでは呉原と栗原の衣裳に「あれれ?」と思うが、これもまた終盤のとある台詞でその意図がくみ取れて納得。

また、演劇界内幕ということで、2.5次元舞台に対する偏見への反論や少し前にTwitterで話題になった話題も盛り込まれ、さらにありがちながら公演直前に起きたある出来事(当然執筆時には現実となることは予想不能だったろう)に関する部分もあり、その意味ではリアル。

あと、構造上のシカケに最近のある映画に通ずるものを感じ、全体の流れ(特に最終場)に往年の社会派サスペンス映画を思い出したが、それらのタイトルを明かすと映画のネタバレにもなりかねないのが困ったもんだ。(笑)

(ネタバレBOXには上記でぼやかした部分などをもう少し具体的に……)

ネタバレBOX

冒頭の一文で省略したのは「奮闘記からの哀歌」。

呉原の衣装(上着)、最初に一目見て裏地が出ているように見えて裏返しか?と思ってよく見たらそういうデザインでとりあえず納得。が、終盤で「人の表と裏はわかり易いものではない」的な台詞があり、そう言えば栗原のワンピースも部分的に生地が裏返しになっていて改めて納得。

Twitterで話題になったのは「集客は俳優の仕事か?」ということ。そして脚本の遅れはありがちだが、そのための公演中止(延期)が現実に起こるとはシンクロニシティ?

終盤で「仮面の栗原」が唐突に出てきて「あれは誰?」と思うが最終場にまた登場し、それがテレビの再現場面での栗原ということが明かされるのも巧み。
そしてそこまで(の一部)がテレビ番組の中のものだったというシカケは最近の某映画(タイトルはここでも明かせず)と通ずるな、と。

また、権力に楯突いて苦戦の末に勝利を収めた主人公(側)の「その後」が伝聞で明かされるのは半世紀近く前の某映画(こちらは時効かと思い改行後に記述)と共通。

あと終盤で出される人気俳優の名前(ムロヤケイジ)が楽屋落ちっぽくて愉快。











コスタ・ガヴラス監督「Z」(1969年)
パイレーツ・オブ・トレビアン2

パイレーツ・オブ・トレビアン2

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/16 (木) 19:30

座席H列7番

価格3,500円

#パイレー2
オカルト風味海洋冒険活劇のキモをきちんと踏まえた上でそこにユルさやおバカな小ネタを絶妙な比率で加えて一級の(褒めすぎか?(笑))娯楽作に仕立て上げる安定のノーコンクオリティ。
楽しみながら創り楽しんで演じているのが伝わってくるさまは「他人の鑑賞に堪える大のオトナの精緻なごっこ遊び」といったところか?(もちろん良い意味)

ネタバレBOX

終盤で大きな2つのピンチを魔法的なアイテムであっさり切り抜けてしまうのは安易な気もするが、「あるある」の積み重ねで成立する「ごっこ遊び」だからと思えばこれはこれで十分にアリ。
あと、北出さんがメイクと髪型によりまるで宇野亜喜良のイラストから抜け出てきたようだったのにはビックリ。
ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/15 (水) 19:00

価格3,800円

昭和史に残る事件に想を得た、演説会で政治家を刺殺した女子高生の取調べを中心に据えた会話劇……いや「取調劇」と言ってもいいか?
そして、政治家刺殺に至る過程を解き明かすサスペンスの中に昭和中期の世相を色濃く漂わせると同時にイマの社会への警鐘も鳴らし、さらに親子の情や兄妹愛(?)も練りこむのはいかにも吉水脚本?
ただ、タイトルにも出てくる聖書関連の部分は「何となくワカったような気がしながら実は全然ワカっていない」かも?(爆)(吉水さんは執筆にあたり聖書を勉強されたとの由)

また、本作にしてもオフィス再生「二十歳の原点」にしても当時の若者の何とオトナなことよ! 同世代どころか今の自分と較べてもオトナな感じ。しっかりしていたんだなぁ。

あと、舞台上の装置を目にしていかにも袴田さんらしい部分にニヤリ。本当に窓のモチーフがお好きなこと。(笑)

ネタバレBOX

なお、観劇後にウィキペディアで「浅沼稲次郎暗殺事件」「山口二矢」の項に目を通すことを推奨。
「天守物語」〜夜叉ケ池編2018〜

「天守物語」〜夜叉ケ池編2018〜

椿組

花園神社(東京都)

2018/07/11 (水) ~ 2018/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/07/12 (木) 19:00

入場してまず気付いたのは夏恒例の花園神社野外劇としては異例の(私見)きっちりとした装置。確かに天守閣だかの設定とはいえテント芝居には不似合いというか終盤で後方の明治通りを借景にする演出は?などと余計な心配をしてしまう。
で、中心となる天守物語は2008年10月にアサヒアートスクエアでCOLLOL、2010年7月にテアトロ・ド・ソーニョ(現・シアターノルン)で舞活道 自由童子によるものを観ていたのだが、今回も含めてその内容ゆえ(?)独特な演出が多いな、などと思いながら観ていると、しっかりした装置は罠(笑)であり、クライマックスの屋台崩しで明治通りの借景は健在、やっぱりそうでなくちゃね。(笑)

ただ、ラストの布での水の表現(それはそれで見事だったが)に「せっかくのテント芝居なのだから本水を使えば良いのに」という声があるのも理解。装置と併せてどちらかと言えば一般の劇場での上演に近かったのはちょっと残念。

なお、紀保さんの登場時に大向う(?)から「高麗屋ァ!」と声が飛ぶのは想定内だったが、田渕さんの時に「たこ焼き屋ァ!」と飛んだのは予想のはるか外でワロタ。

ナイゲン(2018年版)

ナイゲン(2018年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/08/10 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/10 (金) 20:00

価格2,000円

演を重ねられる演目というのは変わらない部分と新しくなった部分がそれぞれあり、何度も観ることに耐えうるものだ、などと思った。
今回印象的だったのはどさまわりの迫力。最上級生があれだけ強く主張したら下級生は(同学年でさえも)委縮するよなぁ……というのが如実に表れていて。発信側(どさまわり)も受信側(他の全員)もアッパレ!
ただ、もちろんそれはそれで良かったのだけれど、シアター・ミラクルにしては声のボリュームがデカく(もちろん激高して声が大きくなるのはワカる)、「静かな語り口だけれど他を圧倒するナニカがある」演出のどさまわりも面白いんじゃないか、それも観てみたいぞ、と思ったのだった。

ネタバレBOX

一件落着の後のさらなるヤマ場、音楽で言えばCodaにあたる部分での監査の「あの台詞」と3148の「あの言動」には毎度ホロリとする。議長(と3148)の「成長ぶり」もイイ。
この2018年版に限らず脚本としてなのだが、序盤であんなに弱かったのにクライマックスではランクアップした(?)ことを示す3148と議長、それに自分の立場と心情の板挟みになる監査がキャラ的にやっぱり好きなんだな。
夏祭り企画第三弾〜「夏めいろめいろめいろ」

夏祭り企画第三弾〜「夏めいろめいろめいろ」

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/09 (木) 19:30

価格3,300円

まずは劇中劇として短編が上演され、その関係者の日常(?)が本編として描かれる構造。
出だしの劇中劇部分にしてもそれに続く本編部分にしても小林光ど真ん中、な印象。特に小林光流「恋愛版・星の王子さま」、な本編は以前の恋愛監獄に続く恋愛シリーズ第2弾、的な。ただ、劇中劇パートと本編パートがさほど密接ではないようなのが惜しい。
こちらが王道的小林光作品で同じ下北沢のシアター711で期間がカブって上演されていた短編+中編は「こんなのもできますよ」といったところか。

悪い芝居vol.20.5『アイスとけるとヤバイ』

悪い芝居vol.20.5『アイスとけるとヤバイ』

オフィス上の空

ブディストホール(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/09 (木) 14:00

座席E列4番

今まで漠然と抱いていたイメージと異なり、公表された情報からの想像とも異なってコミカルだったがむしろ愉しくて満足。
で、全体的に既視感(というか具体的は浮かばないがどこかの作風に通ずる雰囲気)があったのは、関西小劇場のノリだろうか?
ところで、冒頭のシカケは好きなヤツだし、少し後ににその応用編もあるんだが、あれってヘタすると「第二の新宿眼科画廊事件」だよね。(笑)

ネタバレBOX

明らかにM0と思わせる音楽に続いて登場した女性が、開演前に2度もアナウンスしたのにまたも諸注意を告げるのか?と思わせてその後に現実と違う公演タイトルを口にするというメタ気味の導入は好きなパターン。しかも、開場から開演までに「本当の諸注意」を告げていた女性というのが巧い。
また、そうして劇中劇が始まって間もなく、遅れてきた観客が(何故か客席前方の入口から)案内されて席に向かうが私語が多いというのももちろん芝居の一部だが、アタマのカタい一般客が「遅れてきたのに私語も多いとは何事だ!」と怒ったりしないか?とニヤニヤヒヤヒヤ。(笑)
涼風至る

涼風至る

Minami Produce

ギャラリーしあん(東京都)

2018/08/04 (土) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/08/08 (水) 19:00

価格1,500円

【夏祭り編】
滑稽噺1編に人情噺2編の「立体落語」。
演じ手の江戸ことば(と言うよりは江戸弁?)と「間」が噺家ばりの完璧さで「いかにも落語の世界」を感じさせ、地の語りを演じ手が随時担当するのもイイ。
また、半間×二間(?)の緋毛氈が板間をちゃんと畳の間などに思わせるし、洋物に和物を羽織る衣装やメイクも雰囲気を出していたし、大満足♪

涼風至る

涼風至る

Minami Produce

ギャラリーしあん(東京都)

2018/08/04 (土) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/08 (水) 14:00

価格2,500円

【蝉時雨編】
太宰のテキストに演者たちの「朝起きてから稽古場に来るまで」の様子なども交えながら時に静かに時にリズミカルに進行するさまは言葉で奏でるコンチェルト・グロッソ「太宰治「女生徒」の主題による変奏とフーガ」。
南さんによると音楽を意識したそうで(カテゴリは違ったが)当たりぃ♪
客入れ時BGMがカバー曲集で、アーティストも曲もバラバラだったのだけれど、わざわざ作ったのかしら?それともそういうCDがあるのかしら?

ネタバレBOX

「星間飛行」のカバーをキッカケに調べたところでは客入れBGMは松本隆トリビュートアルバム「風街であひませう」らしい。
情熱の地図

情熱の地図

劇団ペリカン

劇場HOPE(東京都)

2018/07/26 (木) ~ 2018/07/29 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/07/27 (金) 14:00

座席E列4番

価格3,500円

前2作の青春もの系とは趣を異にした(作家も違うし)冒険ファンタジー路線。
事前情報からRPGっぽさを予期していたが、いざ観てみるとむしろ「オズの魔法使い」に近いイメージ。
もちろんアイテムを集めてゆくというRPG的な部分もあり、そのような内容ゆえ過去2作にはなかった衣装・メイクも見られ「こういうのもアリなんだ」な感じ。
そう言えばあまり「不協和音」は感じられなかったか?

最高の一揆

最高の一揆

希望の星

d-倉庫(東京都)

2018/07/12 (木) ~ 2018/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/14 (土) 14:00

価格3,000円

原因は違えど3年連続での不作に苦しむ農民たちが一揆を起こす物語。
為政者側に一揆を示唆する人物がいて農民想いかと思ったが、後から考えると主君の失脚を狙ったのかも?(笑)
で、一揆の目的は相手を殺すことではなく「人民の声を伝えること」という台詞に何となくイマの政治状況への皮肉を感じたりも。
あと、冒頭の異種格闘技戦のような殺陣も良かった。

プロポーズ難民

プロポーズ難民

ピヨピヨレボリューション

吉祥寺シアター(東京都)

2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/20 (金) 19:30

座席D列4番

婚活セミナーのとある1コマでの顛末。ピヨレボ史上最長の上演時間であることに加えピヨレボ作品では定番とも言えるイベント性パートを敢えて排し物語性に特化したことに加え、一部のキャラの成長・覚醒(?)が描かれていたり(いや、これは毎回か?)楽曲の使い方が進化していたりと、一つの完成形ではないか?と思った。
また、この回のアフターイベントであるダンスバトルもツカミはオッケーな色物系(爆)(三人祭「チュッ! 夏パ~ティ」)に始まり歌詞内容をドラマ仕立てにしたもの(山口百恵「絶体絶命」)を経て魅了のソロダンス(キアラ・セトル「This Is Me」)と半端でない内容で堪能。

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