ラブピー
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
良作というか良心作というか、SF・家族の話・生死の話という3編で構成されているがそれぞれに接点アリ。そんな各編に「悪い人」は登場せず、微笑ましかったり優しかったり温かかったり。そして3編の時系列を考え「もしもあの時……」と想像を膨らませるのも一興。
およそ七人の侍
劇団S.W.A.T!
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/09/29 (水) ~ 2021/10/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
かつて大ヒットした映画「七人のお侍さん」のリメイク案を捻出するために社内の各部門から集められた七人の面々……な物語。冒頭、その面々が観ている設定で演じられるアノ映画の名場面・名台詞に胸アツ。
その後も映画の企画に関するあれこれや秘話(?)など盛りだくさんで楽しい楽しい。
暫しのおやすみ
劇団競泳水着
駅前劇場(東京都)
2021/10/02 (土) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
かつて「トレンディドラマ路線」と銘打って公演していた団体だけに、中堅女優が適応障害やパニック発作でドラマや舞台を降板する昨今を鑑みて「令和のトレンディ芝居」と言えまいか?
レプリカシグナル
たすいち
シアター711(東京都)
2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今も昔も変わらぬ「ある気持ち/想い」と現代社会だからこそ起こる(実際に起きている)ことを融合させた着想が見事。そこに笑いと切なさ、新たな気付きまで交えて娯楽性たっぷりに描くのはたすいちの真骨頂か?
30歳の制服デート
サキクサ
雑遊(東京都)
2021/10/05 (火) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
男性観客としてタケルの困惑/当惑にエラく共感しながら観ているも終盤でミナミの心情が吐露された場面で納得、というかホロリ。そして実は序盤ではっておいた伏線をきちんと回収するラスト、といかにも深谷作品。また演者お二方もお見事、アッパレ!
ユートピア
singing dog
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/01 (金) ~ 2021/10/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
専制君主……どころか独裁的だった父の入院の報で久々に集った三兄弟。題材は違えど緊張感が漂う作風はここの特徴か。それでいて終盤でいつの間にかふわりと軟着陸する方向に向かうのが巧み。
この少し前に観た吉田恵輔脚本・監督「空白」と通ずるモノがあるような気も。
ハリモトホタルと賢太の石
ノーコンタクツ
萬劇場(東京都)
2021/08/05 (木) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
専業観客として「演者は稽古で頑張ったなら本番は楽しめばイイ、その楽しさは観客に伝わるから」という無責任な信条を抱いているが、本作に限らず「大のオトナの高度なごっこ遊び」として創っている/演じている楽しさがあふれていると思う。復活公演をお待ちしております。
病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初演時にも感じたが茨城弁の会話が異様なまでに生々しい。しかもそれが「芝居的発声」ではなく、日常会話のようなトーン(初演のスタジオ空洞ならいざ知らず、この会場でも!)で発せられるので推して知るべし。
で、ふと思ったが、本作の「標準語バージョン」があったら印象がかなり異なるのではないか? 機会があったら観てみたいような観たくないような……(笑)
『無表情な日常、感情的な毎秒』7月公演
エンニュイ
CHARA DE新宿御苑(東京都)
2021/07/18 (日) ~ 2021/07/31 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
6月上演版が会場規模、出演者数、上演時間とも最大・最多・最長で一旦の「集大成」だったことを踏まえて今後のためにスクラップ&ビルドとして(ちょっと違うか?)「即興」で創る企画。全くの即興か一応の段取りはあるのかとか18日上演版から使用する部分もあるのかとか考えつつ観る。
既存の台詞からの即興は覆わぬ展開の平行世界風だったり別な部分との融合があったり(この回だけかも?)で楽しく、さらに今回生まれた部分が来月以降に使われるかも?と思うとそれもまた楽しみ♪
『無表情な日常、感情的な毎秒』6月公演
エンニュイ
北千住BUoY(東京都)
2021/06/25 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
4回目(第3変奏)にして最多人数・一番広い会場ということもあってか「拡張版」な趣き、同じネタでも新たな設定が加わったり語りだけだった部分をweb動画として演じたりな上に新ネタもあり尺も大幅増。今後の更なる発展にも期待♪
誰かの味方
こわっぱちゃん家
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2021/07/08 (木) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
コロナ禍での2度目の夏休みを迎えた中学教師たち。「講釈師、見てきたような嘘をつき」ならぬ「劇作家、見てきたような嘘を書き」(笑)で、起こることがいかにも実際にありそう。ま、あまりに集中して起こりあまりに短期間で解決するのは「芝居のウソ」ではあるが。
この会場の特徴を活かした演出や担当科目・顧問の部活を表現した教師の机(一部)の舞台美術にも感心。
貫く閃光、彼方へ
椿組
新宿花園神社境内仮設ステージ(東京都)
2021/07/07 (水) ~ 2021/07/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
併走する3つの流れのうちの1つが行く末は読めるもののそれが「どう繋がるの?」と思わせ興味を引っ張っておき終盤で明かすのが巧いし、最終場で3つの流れを「融合して見せる」のがいかにも椿組花園神社野外劇。まさしく3つの流れを「○○○が○○」(ネタバレBOXへ)構造で見事。
誰か決めて
吉祥寺GORILLA
王子小劇場(東京都)
2021/07/07 (水) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
遺品整理中の業者が見つけた日記に遺された故人の半生……日記の内容に時々現在の業者たちの場面を挟むことでメリハリをつけテンポ良く人生における出会い・別れ・再会などを描いて130分強をダレることなく見せるのが鮮やか。
D
演劇企画集団THE・ガジラ
APOCシアター(東京都)
2021/06/29 (火) ~ 2021/07/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ドラキュラ城から逃れてきたとおぼしき女性弁護士の記憶回復に取り組む医師たちという後日譚ながら「神と科学」「十九世紀の人類補完計画」にボディスナッチャー的要素、モデルとなった人物と盛り沢山。
そこに暗さと重さ……もとい控えた照明(時としてロウソク1~2本だけ)と重厚さが加わり「あ~、ガジラだな」みたいな。(笑)
これ、作家・演者の意図とは関係なく(勝手に)いろいろなものと結びつけたモン勝ちかもね。(爆)
あと、吸血鬼化を感染症とする説も出てきて「イマ」だなぁ、とも。
夜会行
鵺的(ぬえてき)
サンモールスタジオ(東京都)
2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭の少ない台詞である人物の内面を想像させ、次いでコロナ禍でのホームパーティーのお手本を示してから「ある立場」の人々の悩み……というより苛立ち・憤りを分かり易く説得力をもって描く。だもんである人物の「ダメさ」が不腹立たしいこと。そういえば「後味が悪くない」のは鵺的では珍しいかも?(笑)
走れメロス ~TOKYO20XX~
劇団肋骨蜜柑同好会
サブテレニアン(東京都)
2021/06/08 (火) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
太宰治の原典にトリビアや時事ネタ、本編考察などを加えてさらにあんな手法やそんな手法、それにあんなものやそんなものまで使って娯楽性をてんこ盛りにした80分余。内容といい尺といい万人に楽しめるのでは?
「走れメロス」のメロスはずっと走っていた訳でなく、寄り道・回り道とか想定外のことや邪魔とかが入ったようだが、本作も太宰自身のことや先述の考察などあってこれまた「寄り道・回り道」をしていると言えるのではないか。(笑)
JACROW#30『鋼の糸』
JACROW
駅前劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
現代日本経済史を踏まえ、時流に翻弄される企業ならびに人々を描いて巧み。会社員(どころか会社合併も(!))経験がある身としてそこまで極端ではないにせよ「あったあった」な出来事や「いたいた」な人物が続々出てきて身近に感じるったらありゃあしない(爆)。
それでありながらユーモアも交えて娯楽性も持たせるのはJACROWの真骨頂。
ところで時々昭和の政治家たちがいるような気がしたのはσ(^-^) だけか?(笑)
なお、当日パンフレットの登場人物の名前からピンとくるものがあったが、終演後に改めてネット検索したら事前に気付いた3人以外の名前も「ソレ」に関連しており「そういうことか♪」と得心。
獣唄2021-改訂版
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初演時に「悲劇ではあるが桟敷童子作品の中ではマイルド?」と思ったことを覚えていたが、終盤で「もしや受け取り方によっては悲劇性が強調されないか?」と気付き、しかし(忘れていた)ラストで「あ、それでそう思ったんだ」と納得。
幸せな孤独な薔薇
シアターキューブリック
浅草九劇(東京都)
2021/05/20 (木) ~ 2021/05/26 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
今一つ前に進めない人物(複数)が一歩踏み出す物語。21年前に一度観ただけなので観ていて「そういえばそうだったか」と時々思い出す程度だったが、当時よく観たやさしくあたたかい系の作品群をあれこれ思い出し、まさに記憶の虫干し状態。
超ではない能力
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
序盤で示される6人の能力の「超ではなさ」が絶妙。そしてそこで「その程度でどないすんねん!?」と思わせた(脚本・演出・演技の三位一体)ことで勝利は確実、みたいな? そんな彼らの能力が「役に立つ」クライマックスで「ブレーメンの音楽隊」を連想したりも。あと、エピローグも好きだなぁ。