じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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ふうふうの神様

ふうふうの神様

劇団桟敷童子

ザ・スズナリ(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

「神隠し」をベースに「人隠し」のコワさも
息子が神隠しに遭ったのは幼い頃に神隠しに遭うも5年後に戻ることができた自分のせいではないかと考えた女性が、息子の身代わりになろうと幼少時住んでいた山奥の村に帰り…というところから始まる物語。
民間伝承、民俗信仰、土着宗教的な「神隠し」をベースにしながら神隠しならぬ「人隠し」(戦争、犯罪、失踪などによる人為的な人間消失)のコワさにも触れ、「胡蝶の夢」(ありゃま、またカブり:でもこのネタ、大好きなのでむしろ歓迎!)的要素まで絡ませ、子を喪った(←「亡くした」とは限らない)親の哀しみをもクローズアップして描いて見事。

アンジェラ

アンジェラ

BB団

ウッディシアター中目黒(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★

ポップで若々しく生まれ変わった感じ
Z団による初演(05年11月、@SPACE107)をコンパクトに刈り込んで、ポップで若々しく(!?)生まれ変わった感じ。
また、今回のアンジェラ役の森林永理奈も決して悪くはないのだが、初演時にZ団メンバーのサポートを受けつつ、ストーリーをグイグイ引っ張っていた柳沢なな(当時18歳・初舞台)の力量は大したモノだったなと今さらながら気付く。
さらに、他のキャストに関して初演版を思い出したり思い出せなかったり(爆)もしつつ、「記憶の虫干し」的な楽しみ方もする。

『鯖男にイカの目女』

『鯖男にイカの目女』

リボルブ方式

シアター711(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

ケラに通ずるセンス
タイトル通りシュール…なんて書き出しを用意していたら、確かにシュールではあるけれど、タイトルから予測していた想定の範囲内にとどまっており、むしろすっトボけた会話のズレ具合や壮大なホラ話に発展するというケラリーノ・サンドロヴィッチに通ずるセンスの印象が上回っており…。
で、終演後に降りてきた主宰はナイロン100℃のTシャツを着ていて「あ~、やっぱりぃ!」みたいな。(笑)
また、冒頭の「スポットライトを浴びない側」であるという独白をする主人公が中央のスポットライトから外れた上手に立っており「暗転中の板付き位置を間違えたわけではありません」とか舞台上に落ちた紙を拾って「舞台中央を示すものでしょうか、いやそうではありません」とか言うメタフィクション系あるいは楽屋落ち気味の台詞も楽しいし、オープニングクレジット映像の終わりのイカだらけの画像でスクリーンを下半分だけにして生の演技と組み合わせてイカの大漁シーンを見せるアイデアもナイス。
あと、ヒロイン・スルメの無表情っぽい台詞回しには前日マチネに観た作品を連想。

ホーンテッドアパート

ホーンテッドアパート

Swanky Rider

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

あたたかくて後味も◎
あと1ヵ月ほどで結婚1周年を迎える夫婦の住んでいるアパートには以前亡くなった若い女性の霊が幸せそうな若夫婦に嫉妬して祟るという噂があり…な物語、一見ホラー系ながら実は堤泰之の『煙が目にしみる』や柳美里の「雨と夢のあとに」などと同系統の「逝った者がこの世に遺した想い」がテーマなハートウォーミングストーリー。
前述の2作はもちろん、このテの作品が大好きで観慣れて(読み慣れて)いる当然の結果として高くなっていたハードルも楽々クリア、的な?
インチキ霊媒師(『押入れのちよ』にも出てきたな、霊媒師と偽って儲けようとするオバサン)に「声」が聞こえてしまうあたりは『煙…』などこのテの作品でのお約束とはいえやはり楽しいし、(消息不明となっている)夫の「(妻の)わがままの受け止め方がわからず受け流していた」なんて台詞は上手いし、エピローグでの主人公の姉・兄の思いやりがあたたかくて後味も◎。

『LUXOR』『読後感』

『LUXOR』『読後感』

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

『読後感』
『LUXSOR』が理系丸出しだったのに対してこちらはいかにも文系な理屈っぽさ満載(笑)、道に喩えれば理路整然とした京都の街と曲がりくねった山道(獣道?)くらい対照的。
内容的にも「ココロの故障」を片や科学的に内面から、片や言葉によって外面から治そうするハナシだし、装置も白が基調の『LUXSOR』に対してこちらは黒が基調と何から何まで逆というのが面白い。
当初『LUXSOR』のみの予定だったところ「記憶」というキーワードが共通で、初演は2ステージのみであった『読後感』を「歌あわせ」的に組み合わせて交互上演にしたという企画、大成功。

芍麗鳥(シャックリ)

芍麗鳥(シャックリ)

乞局

駅前劇場(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/22 (月)公演終了

満足度★★★

Don't think, feeeel!
名を捨て身分を捨てて自分たちの理想郷を「建国」して暮らす人々を描いた物語、シュールさとオフビート感覚のブレンド具合が独特にして絶妙。
シュールと言えば屋外(公園らしき場所)なのに上手奥には襖、中央と下手奥には金色の額縁があるという美術もシュールレアリスム(=ルネ・マグリットとか)の絵画を思わせる。
また、第*章・第*節で区切られていることには箱庭円舞曲(アッチは当日パンフに書いてあるだけで劇中で表示したりしないけれど)、公衆便所で暮らしている人物がいるのにはMUの作品を連想。
で、何の比喩であるかとか教訓はあるのかとか、そういったことは読み取ろうとせずひたすら感じるままに観る。だって、「Don't think, feeeel!」系でしょ?(笑)
とかいいつつ、4人に増殖(分裂?)した「女」には「民衆から神と崇められたアノ人」などを連想したが、それは深読み…ってか誤読?(爆)

『LUXOR』『読後感』

『LUXOR』『読後感』

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

『LUXSOR』
一言で表現すれば「新感覚SFホラーミステリー」、論理パズルをヒントと解法を与えられながら解いてゆく感覚が「アタマのタイソウ」な前半、「異人たちとの夏」的世界を理系の作家が書くとこうなりますよ、な終盤、ともに従来の SPIRAL MOON にはなかったようなツクリなのに全体に流れるやわらかな空気は変わらず。
また、映画で言えばワイプのように、暗転せずに次の場にスイッチする手法も面白い。後から聞いた話では台本では暗転になっているそうで、こうすることによってブツ切れになる印象が薄ると同時に上演時間短縮にもつながる、的な。

ハニーハント、プーさんの

ハニーハント、プーさんの

鹿と猿のシステム

劇場バイタス(東京都)

2009/06/14 (日) ~ 2009/06/15 (月)公演終了

満足度★★★

バラエティに富んで面白い
出演人数的にも6人全員が基本ながら何編かは3人だけや1人だけ、内容的にもブラック、シュール、ベタ気味、コントよりもむしろ時間ものショートストーリー、などバラエティに富んで面白い。
さらに、某テーマパークにおいてもその数日後の無人島でのサバイバル(!)においても展開がほぼ同じもの、脚本担当者が違うのに連作になっているもの、他の話と共通のキーワードがあるものなどアイデアも凝らされているのがミソ。

裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ブッ跳んだ発想力に脱帽
出だしはお得意の「妙なリアリティのあるナンセンスコメディ」ながら、その後、地獄を乗っ取ろうと企む魔界の者たち、なんてサスペンス(なのか?(笑))に転じ、「(人は)変われないことなんてない」的な名台詞もちりばめつつ、「裁くことの重み・責任」や「どんな理由があろうと犯した罪は償わなければならない」などにも触れ、最終的には人情系の大岡裁きで締める、と様々な要素をバランス良く取り入れて完成度高し。かつブッ跳んだ発想力に脱帽。
また、いつものことながら出演陣もそれぞれのキャラになりきっており、それが「妙なリアリティ」の正体か?

ありふれた惑星

ありふれた惑星

てがみ座

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

通常のオムニバス+α
静的な二人芝居「カシオペア」と動的な通常の芝居「鉄屑の空」の2編連作(各70分、転換・休憩10分)で、その対照的な組み合わせによって通常のオムニバスより+αがあると言うかおトク感があると言うかそんな感じ?(もちろん2編はリンクしている)
離婚することになった夫婦が共有物の分配にあたりクジで決めることにし、当たった方はその代わりに秘密を1つ打ち明けるという「カシオペア」は、その「秘密」の中からその夫婦の過去やそれぞれの心の内が浮かび上がってくるのが巧み。
それにしてもあのクジを引く場面、しかるべき側が当たりを引くのにはいかなるシカケが? まさかどちらが当たっても対応できるマルチな脚本というワケではあるまいな。
その夫婦(というか夫)の反射望遠鏡を修理のために預かっていた(←エピローグでそれが明かされる)町工場が取引先の勝手な事情によりあわや経営危機に…な「鉄屑の空」はどこか懐かしく(昭和のニオイがするような?(笑))、工員たちのキャラクターや会話がリアル。
また、2編とも明確なハッピーエンドではないのだが、ふんわりと包み込むような優しさでしめくくるのは心地好く、「奇蹟の星」とすることが多い地球を「ありふれた惑星」とするエピローグは斬新かも。
あと、チラシなどの事前情報から同じ部屋で時を隔てた2編かと思っていたらさに非ず別の場所での物語で、10分の休憩中に壁が展開したり一部が裏返ったり階段が出てきたりで転換するのも見モノ。

ココロコロガシ[12日金曜日完売]

ココロコロガシ[12日金曜日完売]

カプセル兵団

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

吉久主宰、ホントに好きねぇ(笑)
宇宙から来た「精神生命体」の「捕り物」に巻き込まれ、正義の生命体に身体を貸す(共存する)ことになった主人公の物語、過去に2度雨宮慶太作品を舞台化した縁から今回は雨宮慶太書き下ろしのオリジナル脚本で、それに吉久主宰の演出(とおそらく脚色も)と日替わりゲストが加わって三位一体な感じ…でもないか?(爆)
中盤以降はほとんど精神世界(と言うより「心の中」の方が的確か)で展開され、「心の強さ」がキーポイントになったりもするが、現実界でのゲーマーが「想像力」によって力の使い方にすぐ慣れるとか、性同一性障害の人物がいたりとかするのは上手い。
しかも、そういう世界の中で自在に変化(へんげ)する表現はここのお手のものだし。
もちろん「いつものあのネタ」もディケイドまで含めてあり、他にヤマトまで見せるとは、吉久主宰ってば、ホントに好きねぇ。(笑)

雨の起源 ~天皇ごっこ~

雨の起源 ~天皇ごっこ~

劇団再生

DRESS AKIBA HALL(東京都)

2009/06/12 (金) ~ 2009/06/12 (金)公演終了

満足度★★★★

持ち味を十分に発揮
新右翼活動家であり服役中に小説・評論を著した見沢知廉を描いたシリーズの書き下ろし最新版。出演者3人、上演時間30分と人数的にも時間的にもコンパクトサイズなので通常よりもストレートでわかりやすい一方で、やはり再生の持ち味を十分に発揮しており、「あ、なるほどぉ」と大いに納得。

なお、対劇団のバナ学のアイドルメドレーのイキオイには「なるほど中屋敷脚本を演ずる面々だ」とこれまた大いに納得。(笑)

逆鱗に唇を

逆鱗に唇を

地球割project

タイニイアリス(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

SFオマージュながらモチーフは…
かなり先の未来、地下の「現代遺跡」発掘に携わる「モグラ」の一員である主人公が「逆鱗」という鎧(的なもの)を身につけた暗殺者に抜擢(?)されて…な物語。
その内容にはかつてあらすじだけ聞いた(もしくは読んだ)「荒廃した地球で遺跡から宇宙船を見つけて旅立つ主人公」なSF、「モグラ」には映画『猿の惑星』における人類(「ニワトリ」「カモメ」は猿)を連想。
また、「20mの(人間搭乗型)ロボット」「60mの(地球上では3分間しか活動できない)巨人」「(人口冬眠中の人間の)腹に卵を産む宇宙生物」などのオマージュにもニヤリ。
さらに、後半には「玉青(たまお)」に関するくだりがあり、前回公演(初見)とリンクしていたりするのは嬉しい。
で、SFを装っていながら実はモチーフは人斬り以蔵だというハナシを終演後に高橋主宰から伺い、観ながら何か脳裏をかすめたものはそれか(2週間前に以蔵モノも観ていたし)と膝ポン。
なお、「土から離れたモグラは竜となって空に駆け上がる」なんて野田秀樹チックな言葉遊び(笑)なども思いつく。(…ってかそれも意図していたのか?)
あと、文字通りのプロセニアムと言おうか、額縁を思わせる縁取りでステージを囲った美術も面白い。時としてそこから役者が出て来る(ハミ出す?)のには、ある騙し絵を思い出したりもして。

ナナシ

ナナシ

30-DELUX

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

さらに磨きがかかったアクション
家康の前に彼の命を狙う「四神無双」を斬ったという男「ナナシ」が現れ…というアクション時代劇。
それでなくともアクションには定評があるのに、今回は Action Club Mix ということでさらに磨きがかかった感じで一枚岩ではない「四神無双」とか「ナナシ」の正体とか意外性もたっぷりで先が全く読めない服部半蔵秘話、これまた少年社中とはかなり異なった毛利亘宏の作・演出も含めてお見事。

チキュウノミカタ

チキュウノミカタ

劇団†勇壮淑女

ウッディシアター中目黒(東京都)

2009/06/09 (火) ~ 2009/06/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

怪人が絶滅種指定!?
昭和58年の法改正により民営化(!)が可能となったため正義の味方が増えすぎて、もはや怪人が絶滅種指定(笑)されそうという「もう一つの日本」を舞台にした物語。
ヒーローもののパロディのフリをした(←ダブルミーニング気味)王道コメディ(レイ・クーニーなどが得意とする「でまかせの嘘でその場をしのいだツケが回って大慌て」のアレ)な前半から、「非戦」がテーマになる後半とσ(^-^) 好みのパターン2点盛りなのが「ギュウカレ」的。(笑)(女優系としては3点盛りで「ギュウカレ焼きそば」か?(爆))
が、オチのつけ方が異星からの侵略に対してヒーロー、怪人の双方が手を組むというもので、これには「非戦じゃねーのかよ!」なツッコミを憶えないでもない…(笑)
とは言え、棒遣い人形を使った回想シーンもペンダントを首にかけたり流れ星を見せたりなんて細かい技を含めてイイし、「無理という言葉で自分を縛ってはいけない…(中略)…大事なのは、信じること」なんて名台詞はあるし、モロモロで満足度かなり高し。

ハナウタ日和

ハナウタ日和

IOH

シアター711(東京都)

2009/05/27 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★

新境地か?
清掃業を自営する父と息子2人・娘1人の4人家族のもとに娘の交際相手が訪れる日、永年家を出ていた母が突然戻り、娘のことを想っている従業員も巻き込んだ騒動を描いたホームコメディ系、ドタバタ気味に始まりながらも家族の秘められた部分が明かされるあたりからは優しさや温もりが漂い、100分程度の上演時間が短く感じられる。
以前の家族シリーズに比べて笑いも多く、しかし家族の絆もしっかり描かれている(←これは従来通り)のは新境地か、それともσ(^-^) がこういう系統を見逃していただけか?

当選確率 0%

当選確率 0%

TEAM JAPAN SPEC.

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

カタそうな題材をドラマチックに
とある地方都市で、外部からも指摘されるほどの市政の弱点を改善しようと、在職20年を超える現職市長に対抗して市長選に立候補することにした若き(元)教師と彼の高校時代の同級生たちを中心とした激闘の1年間を描いた物語、前回公演『カイシャ』に引き続き「身近ではありながらとっつきにくいあるいは堅苦しそう」に思われる題材を取り上げながらもたとえばスポーツもののようにドラマチックに見せてしまうのが独特で面白い。(そういえばここって、スポーツもの(野球、フットボール、陸上など)も得意としていたっけ)
また、上演時間を2時間程度(この日のマチネはちょうど120分)とするために元の脚本をかなり削ったとのことで、確かに総集編っぽいというかダイジェストっぽいというかな部分はありつつ、1年という期間をテンポ良く見せることになって結果オーライ?
さらにネタがネタだけに選挙に関するトリビア(公示前に「候補」の文字を使ってはならないとか、演説会ポスターは2人の顔を載せなければならないとか)までまぶしてあって、勉強になる…とまではいかないけれど「そういうことなのかぁ」と納得。
で、主人公がアラサーだけにそのかつての同級生たちも広告代理店勤務から家業を継いだ者、主婦、バツイチなど様々だし、彼らの恩師で立候補を決めるまでは主人公の同僚でもあった人物や市民運動のリーダー的存在から現職市長や衆議院議員まで登場し、そういう多彩かつ個性的なキャラクターと演者がピタリとハマっているのも◎。

パイレーツ・オブ・トレビアン

パイレーツ・オブ・トレビアン

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

得意ワザを封印しての挑戦作
従来の「想像力刺激演劇」的手法は控え目に、装置もキッチリ建て込んで、どちらかと言えば表現手法としてはオーソドックス寄りでパロディも少なめという、得意ワザを封印気味にしての挑戦作。
その分キャラクター勝負でもあり、「とんでもない」あるいは「跳んだ」キャラなども配しての三つ巴状態から共通の敵に力を合わせて挑む海賊たちの物語、「こんな芝居も打てるんですよ」な感じ?
その意味では舞台中央を三角に客席に突き出させて船の前部甲板に見立てた装置と照明、音響によって荒れた海などをちゃんと見せていたのも挑戦と言えるか?
いやしかし、こういう一般的な芝居だと「実験的」と思われてしまうのが、ここの特徴をよくあわらしている、みたいな?(笑)
次回公演は「あのRPGゲーム」がネタのようだけれど、はたしてどんな世界を見せてくれるのかしら?

流れ星

流れ星

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

あの幕切れはズルい(笑)
一種「逆バック・トゥ・ザ・フューチャー」な物語、06年5月のザ・ポケットにおける初演時は夏子の身勝手さが気になったのに今回そうでもなかったのは一度観ていたからか、それともここ3年の間にオトナになった…もとい、トシをとったからか?(爆) そういう事例も少なからずありそうな現実を知ったからってところか。
また、今回はマリー役の山田まりやが良かった。今までも何度か観てきたけれど、ホントにイイ女優になったモンだ。

ネタバレBOX

しかし、謙作が亡くなるというのがわかっていてのあの幕切れは何度観てもズルい(巧いともゆー)。(笑)
高き霧の壁

高き霧の壁

理想現実

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

観た甲斐アリ
少人数で出航せざるを得なくなる出だしからテンポ良くサスペンスフルにストーリーを進め、もちろん潜水艦ものではお約束の酸素不足ネタもある一方、こういう事態が発生した時の各国家のエゴなども描き、何度かのドンデン返しを経て最後は個人と個人の信頼によって締めくくるという、娯楽性、テーマ性ともたっぷりでスケールも大きい作品、観た甲斐アリ。

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