オムニー3
劇団K助
野方区民ホール(東京都)
2011/08/31 (水) ~ 2011/09/04 (日)公演終了
満足度★★★
1、4、6編目が傑出
6編オムニバス。終盤で発覚する事実がパンチラインのように利く1編目、このシリーズでは異色なサスペンスの4編目、そしてハートウォーミングに締め括る6編目が傑出しており、その3編の配置によって全体が引き締まる感じ。
オーバースマイル
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/31 (水) ~ 2011/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
150分の上演時間も体感的には2時間未満
同じ人間なのに色(=主義主張、人種等)が違うだけで殺し合うことの愚かさを描いたメイン部分はもちろん、ラストの「タネ明かし」や程よい笑い、あるキャラクターの正体の「ぼかし方」など細部も上手く、150分の尺も体感的には110分程度。
なおこれはあくまで個人的な感想であり、若干の甘さや「正体のぼかし方」にひっかかりを覚える方もいらっしゃるかも知れないことを付記しておこう。
超コンデンス
少年王者舘
ザ・スズナリ(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/30 (火)公演終了
満足度★★★
心地良い酩酊?
言葉遊びや連想ゲーム的なストーリーの膨らませ方、それに時間を遡ってのリピート、生の演技に映像をかぶせる手法などを駆使して描く妄想世界に酔いそう。
が、もちろんそれは「悪酔い」ではなく「心地良い酩酊」みたいな?(笑)
ハネムーン
バカバッドギター
劇場MOMO(東京都)
2011/08/27 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤は内容・表現とも秀逸にして圧巻!
あれこれ盛り込み過ぎで中だるみ感もあったが、終盤の「落書き往復書簡」場面以降はリリコの思い出や愛情が溢れ出てくるようで(その舞台表現手法も含めて)圧巻。
また故人に対する関係者の愛情だけでなくマンガに対する(作者の?)愛情も語り、「マンガ豆知識」のパートも有意義(?)にして愉快(こちらも舞台表現を含む)。
主宰による前説も親切丁寧にして解り易く好感。
社会人劇団につき2年に3本くらいのペースとのこと、次回作が早くも待ち遠しい。
「くすり・ゆび・きり
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2011/08/21 (日) ~ 2011/08/30 (火)公演終了
満足度★★★★
ここでの公演にハズレなし
「他人の不幸は蜜の味」な笑いから「近未来的(?)」な人間関係ショーケース(笑)を経て(一応の?)ハッピーエンドに導く流れが上手い。
本当にここでの公演はハズレがない…ってか、この場所の活かし方を思い付いた時点で半分くらいは成功と言って良いのではあるまいか?
寂寥 【緊急告知!】25日(木)アフタートーク開催決定! ゲスト:土田英生氏(MONO)
セロリの会
「劇」小劇場(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
もひとつ「夏に、屋上で…」
奇しくも前夜に続いて「屋上で夏」な物語。
2組の姉妹の「込み入った」関係をややコミカルに描くことで「家族の繋がり」を浮き彫りにするのが巧み。
また、一人っ子としてそんな姉妹関係に羨望を抱いたりするが、ちょっぴり擬似体験したような気になる。
サヨナラ サイキック オーケストラ
Mrs.fictions
上野ストアハウス(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/29 (月)公演終了
満足度★★★★
千穐楽(リピート)
幸いにもコマが空いていたので予定外ながらリピート。
結末を知った上で観ると改めてワカる台詞の仕掛けなどもあり、1回目とは違った楽しみも加わる。一方、やはり彼女はアレで、地球は**か、な気がしたが、不思議な幸福感に包まれる。
サヨナラ サイキック オーケストラ
Mrs.fictions
上野ストアハウス(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/29 (月)公演終了
満足度★★★★
2日目(初回)
1シチュエーションのコメディっぽく始まりつつ、ある場面からハートウオーミング系に移行する構成が巧み。
また、複数の謎を残す終わり方は観る側の精神状態を測るようで面白い。
さらに遠景を含めて「いかにも屋上」な美術も◎。
なお、上野ストアハウスのロビーは江古田時代のソレの面影を残しているようで、どことなく懐かしさが…
【千秋楽売り止め】かいじんぐるーのはなし【台本絶賛公開中】
アメウズメ
STスポット(神奈川県)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★
擬似ドキュメンタリー的手法かと思いきや…
「かつて起きたコトの関係者を集めての公開検証会」な体で進み、擬似ドキュメンタリー的手法かと思いきやシュールな部分があったりで翻弄される。
また、舞台となる街の地図をモチーフにした装置や壁に貼られた絵などの美術もイイ。
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
初演版を還骨脱胎した感覚
元々サスペンスよりも人間ドラマに重点を置いた作品に人間喜劇的な要素とコワさを加えて振れ幅を大きく還骨脱胎した感覚。広くなった舞台に対応すべく拡げたのは装置だけでなく内容も、みたいな…(笑)
また、各登場人物の造形も多面的で◎。
客席の空調は心地良いので文句はないのだが、「昭和の夏」の雰囲気を出すためにもう少し設定温度が高めの方がより効果的だったかも、とも思った。…とはいえ、実行したら「暑かった」という苦情が殺到するんだろうなぁ。
降りそそぐ百万粒の雨さえも
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2011/08/06 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★
前2作を知らずに観ても楽しめる
三部作完結編として良く出来ているばかりでなく、前2作を知らずに観ても楽しめるのはさすがだが、逆に『風を継ぐ者』と比べると物足りなく思われるのはもともと単独作として創られたものとシリーズ化第3作との違いによる宿命的なものか?
なお、ZABADAKファンとして、時として音楽に聞き入ってしまったり時として「ここでその曲はどーよ?」と思ったりで、芝居に集中できない部分があったのは良かったのか悪かったのか?(笑)
塩ふる世界。
マームとジプシー
STスポット(神奈川県)
2011/08/17 (水) ~ 2011/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★
演技のコンチェルト・グロッソ
以前から独特の台詞回しによるリズムに音楽と通ずるモノを感じていたが今回はいわばマームとジプシー流「歌わない音楽劇」あるいは「演技の合奏協奏曲」?
ラップもどき(笑)やCoda部分の回らないミラーボールも使ったフラッシュバック的シーンも◎。
Caesiumberry Jam
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
壮絶だが美しく哀しいクライマックス
セミドキュメンタリー・タッチで序盤こそ笑いも多いが次第にシリアスに転じて更に引き付ける。
事故の影響が見え隠れしながら迎えるクライマックスは壮絶だが美しく(ちょっと違うか?)もあり同時に哀しい。
また、アレを敷き詰めた舞台美術も◎。
純真無垢のメカニズム
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★
リピートすますた
ラブコメっぽい出だしから同一時間内ループ、近未来テクノロジーものを経て「とある傾向の者(あるいは人間全般?)」への批判に転じ、含みのあるブラックユーモアで締めくくる+1版「ビューティフル・ドリーマー」、好きだなぁ。
ということで、大楽をリピート。
一千光年の引力
LIPS*S
萬劇場(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
ボーナストラック付きのロミジュリ
いわば「ボーナストラック付きのロミジュリ」。
2ヶ国の対立から起こる悲劇の後に迎える結末はロマンティックで胸キュン系だが、それによって悲劇性が薄れた感アリ。
そんなところにハッピーエンドにした『フランダースの犬』の映画を思い出したり…(笑)
これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
宝探しの如し
シュールだったりナンセンス気味だったりな内容や敢えてのわざとらしい演技(←私見)などに紛れて埋もれた(爆)名台詞や胸キュン場面などを「発掘」するのは宝探しの如し。
…が、深く埋め過ぎて途中で折れる観客もいるのではあるまいか?(笑)
Nazca -ナスカ-
劇団銀石
吉祥寺シアター(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
佐野木主宰も「野田チルドレン」!?
詩的で美しい。また現代(と言っても昭和中期)の日本と(妄想内の)古代ナスカという時間と空間を自在に往き来し、人の視点から神の視点までズーミングする見せ方、この広い会場の使い方など見どころ多し。あ、衣裳もステキ。
しかし佐野木主宰も「野田チルドレン」だったとは…。(今回初めてそれに気付いたのは、初期作品の再演だったためか?)
渚のはなし
Infinite
ザ・ポケット(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★
さすが女魂女力
女性の「そんなところまで!?」を見せてしまうのはさすが女魂女力の第2弾。また子供がコトを起こした時の反応や酔って倒れる前の表現、それに部分的にうんと細かい会話などによりグンとリアリティが増すのは上手いなぁ。最終場の経時表現も◎。
それにしても小劇場系と有名人系(?)混成の出演者ってのもスゴくね? 中では去年の日テレジェニックが思いの外(←偏見気味)演技が上手かったのが収穫か? ジャスミンだったり怨み屋だったりのK嬢やドラマでキャバ嬢役経験もあるH嬢は折り紙付きみたいなモンだし。
しかし「日テレジェニック」とか「キャバ嬢役」とか、調べもせずにデフォでアタマに入っているσ(^-^)って…(爆)
増殖にんげん
ぬいぐるみハンター
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
増殖おんな ふたたび
「おとこ」にて前回の「おんな」で観損ねた会話を確認したので今回は各会話を効率良く観るよう時には先回りして動いたりもして…(笑) いやホント、いろんな観方を自分で選び組み合わせるというのがまたイイ。
また、「おとこ」の直後につき安心して見守っている三太さんにニヤリ。
増殖にんげん
ぬいぐるみハンター
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
増殖おとこ
原典であり「基本編」的な女性版に対してこちらは「応用編」…どころか「暴走編」?(笑) ガタイの大きい男優陣が駆けずり回りやかましいやら暑苦しいやら…(爆)
そんな中、出演者が暴走し過ぎないか気をもむ三太さんが一番可笑しかったかも?