
群青カーニバル
バッカスカッパ
劇場HOPE(東京都)
2012/07/12 (木) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
往年の松竹映画の平成版リメイク的味わいがステキ
古き佳き時代の人情喜劇に家族ものがうまい具合に絡み、往年の松竹(あるいは東宝?)映画の平成版リメイクのような味わいがステキ。
リアルな日本間での時にコミカル、時にしみじみな演技合戦も見どころ。

なぞらえ屋~開闢九重千曳~
La・Moon
前進座劇場(東京都)
2012/07/06 (金) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
スケールの大きい伝奇アクションロマン
民間伝承、日本神話に加えて海外の童話までもネタ元にして語るスケールの大きい伝奇アクションロマン。
物語の構成要素は多いが、あちこちに降った雨が1本の川に集まりやがて海に注ぐように無理なく結末に向かう構成が巧み。
また、善悪双方、役割分担の決まったプロ的集団でありつつも、クライマックスの対決をそれぞれマンツーマンにもって行く設定も上手い。
さらにシリーズものの1編でありながらもオープニングエピソードで「なぞらえ屋」の仕事(?)を無理なく説明して今回初めて観る観客にもワカり易くする工夫も◎。
あと、アクション一辺倒でなく、両陣営の秘密兵器的ポジションにダンサーを起用してバトルをダンス風味で見せたのも妙案。

記憶、或いは辺境
風琴工房
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
折に触れて演を重ねて欲しい
優しく温かく時にはユーモラスでさえある中に「知らなくてはならないこと」「忘れてはならないこと」が包み込まれていて心に深く染み込む感覚。
その語り口に井上ひさし作品(「闇に咲く花」「煌めく星座」など)を連想。
折に触れて演を重ねて欲しい珠玉の作品。
先日の劇団競泳水着にしても風琴工房にしても、「劇空間の居心地の良さ」はピカイチ。

狐狗狸狐狸九九二錠の1/2
mimimal
新宿眼科画廊(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/27 (水)公演終了
満足度★★★★
ぶっ跳びー!
「シュール」とか「よくワカんない」とかの事前情報から戦々恐々で臨んだら、なんだ面白いじゃん!みたいな。
「ダークなお伽話」的なストーリーを芯に据えてのブッ跳びなので十分について行けるし。
主宰は元々美術の方だそうで、町並みや家のミニチュア(小道具収納も兼ねるとは!)、「アレ」の被りものとか、映像とのシンクロなども◎。
とはいえ、110分はチョイ長かもなぁ。
個人的には好きだけれど、むやみやたらに勧めることはできない模様…(爆)。

血みどろ君
踊れ場
ひつじ座(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
STEP1コンプリート♪
ゾンビものコメディにてテンポ良く終盤にひとひねりある(メタフィクション気味な冒頭は伏線?)のが巧み。
これにてSTEP1コンプリート、3編それぞれ味わいが違って面白く、STEP2も是非!的な。

脱兎のごとく
踊れ場
ひつじ座(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤の夜の場面が秀逸
服役囚たちの日常をテンポ良く…と言うよりリズミカルに(実際、ラップやリズム・パフォーマンスもある)見せて楽しい。
また、途中で面会に訪れた恋人や家族を二役で演じたことを応用した終盤の夜の場面が秀逸。
さらに挿し挟まれる「音楽的」な部分(前述)や脱走用の穴の「見立て」も良いので、「ソレでイイのか?」な結末でも文句はナシ(笑)。

宇宙家族ヤマザキ
宇宙食堂
吉祥寺シアター(東京都)
2012/06/29 (金) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★
宇宙冒険もの的な味わい
原作ものだし、「special menu」と銘打っているし、宇宙食堂史最も近い未来が舞台だし、という前提で観たら原作の実録部分を基に10年ほど先の未来を描いたフィクションで、全くと言ってイイほど「宇宙食堂味」。
この「子供のころ胸とときめかせて読んだジュヴナイル系小説」にも通ずる「宇宙冒険もの的な味わい」は独特だよなぁ。ホント「世代を問わず楽しめる」感じ。

Goodnight
劇団競泳水着
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
劇空間としての「居心地」の良さ
とにかく劇空間の「居心地」の良いことと言ったら! 客席にいて舞台上で起こることを観ているだけでシアワセな気分になれる、的な。
なので敢えてどこがどう良かったとか理屈での分析はせず、その旨のみにとどめる。
抽象的な表現になるが、「口当たりが非常に良い酒」のようかも?
何の抵抗もなく、すいすい受け入れることができて、いつの間にかすっかり酔っている、的な?
しかもそれでいて悪酔いはしない、みたいな。(笑)

サモン
ブルーノプロデュース
サブテレニアン(東京都)
2012/06/20 (水) ~ 2012/06/25 (月)公演終了
満足度★★★★
演劇版「4分33秒」
いわば演劇版「4分33秒」、観客のイマジネーションを喚起するために演者によるモノローグや動作がある、みたいな?
そういえば前回は「言葉による交響詩」のような印象を受けたし、ここの作品って極めて音楽的なのではあるまいか?

ゴドーを待たせつつ
踊れ場
ひつじ座(東京都)
2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
いずれ元ネタも観なくては
原典は未見だが「あのあたりは原典だろう」などと思いながら観るのもまた楽しからずや。
また、他にも「待つ人」がいたり、メインの2人が冒頭と立場が入れ代わったところで終わったりするのは創作か原典準拠かなどと思いを巡らせながら楽しむ。
いずれ元ネタも観なくちゃなぁ…。

真夏の夜の夢
㈱メディアゲート舞台制作部
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/07/04 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了
満足度★★★
前作には及ばず
沙翁の原典からはパックと惚れ薬を持ち込んだ程度の引用で、あとは副題に重点を置いたほぼオリジナル。
「迷いの森」での有名キャラ達による複数のBL騒動を女性アイドル(とその予備軍?)で演ずるという二重倒錯がキモで、アニメの名台詞引用は楽しい。
がしかし、小川・上田演出が前作『ハムレッツ!』と比べてオーソドックスだったのは残念。
また、演者も前作の方が概して巧みだったような…。

首吊り台から歌ってみせる
メガロザ
OFF OFFシアター(東京都)
2012/07/04 (水) ~ 2012/07/09 (月)公演終了
満足度★★★★
「変テコリン」な芝居
うまい具合に力が抜けている感じ?
所謂「脱力系」ではなく程よい抜け具合で、それでいて終盤にさり気なく…どころか無造作に(!)イイ場面や台詞(ネタバレBOX参照)を置いて、良い意味で(好みによっては悪い意味にもなるかも?)「変テコリン」な芝居。
賛否は両極端かと思われるので、初心者は避けた方がイイかもなぁ…どころか誰にでも勧めるワケには行かないなぁ(爆)。
あと、歌詞や有名フレーズがチョコチョコ引用されているのも好み。
![DART’S & smokers [VS]ベンチャースクール](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/266/stage26613_1.gif?765097)
DART’S & smokers [VS]ベンチャースクール
エビス駅前バープロデュース
新宿ライブハウス&イベントスペースLEFKADA(レフカダ)(東京都)
2012/05/29 (火) ~ 2012/06/04 (月)公演終了
満足度★★★★
smokersバージョン
同状況でのコメディ編…とは言いながらも社長は本当に記憶障害なのか?などの謎も含ませつつ展開するのは広瀬脚本の真骨頂。
そんな中で「家族のあり方」的なものを語って見事。
![DART’S & smokers [VS]ベンチャースクール](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/266/stage26613_1.gif?766420)
DART’S & smokers [VS]ベンチャースクール
エビス駅前バープロデュース
新宿ライブハウス&イベントスペースLEFKADA(レフカダ)(東京都)
2012/05/29 (火) ~ 2012/06/04 (月)公演終了
満足度★★★★
DART'Sバージョン
大のオトナが砂場で遊ぶという共通点を持つ2本のうちのサスペンス編。
序盤は従来のDART'Sとは趣を異にするので「おやおや?」と思っていたら途中で「あ、やっぱり!」となりウケる。
安心させてのオチもやはり…的な。(笑)

ドロン荒野郷鉄線
白昼夢
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
おヌシ、やるな…
一見おバカ大行進(爆)に見えるが、対になったオープニングとエンディング、クライマックス前の「溜め」、1人の役者にだけ複数の役を演じさせるシカケ(?)など、実はしっかりと演劇的手法を駆使している「知能犯」。
おヌシ、やるな…。

THE ICEBREAKER ~その凍てつきし場所で~
ネオゼネレイター・プロジェクト
「劇」小劇場(東京都)
2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
「巨匠による原作をB級作品に仕立てた」印象
毎度のB級SFホラーではあるが、今回は「SFの巨匠による原作を(敢えて)B級作品に仕立てた」ような印象。
人類の次世代への進化の途上の出来事を描いており、哲学的な部分もあるのがその要因かと思われる。
また、程よいユーモアも緊張を緩和するのに有効。

陛下に届け
ポップンマッシュルームチキン野郎
Geki地下Liberty(東京都)
2011/10/07 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了
満足度★★★★
実はイイ話
今回も「実はイイ話」を不謹慎気味な笑いやシモ系のネタでコーティングする「照れ隠し」的作劇。一歩間違うと木に竹を継いだようになりかねないところを紙一重の際どさですり抜けるサジ加減はさすが。
ただ、夢の中のシーンが回想と見分けにくいのと、場面の「時期」が即座に判らない部分があるのは惜しい。
あと、たまたま皇室をネタにした芝居をちょっと前に観た(またもやカブりだ)こともあり、もう少し毒があっても良かったような気もしたりしなかったり。

お裁縫とセックス
海ガメのゴサン
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/09/14 (水) ~ 2011/09/18 (日)公演終了
満足度★★★★
それにつけても女性のコワさよ
3人の作家による短編オムニバス。
全体タイトルの元となった1編を分割してプロローグとエピローグ的にしたツクリや、事前にチェックせずとも誰がどれを書いたかワカるほど作家の特色が如実に出た各編が楽しい。
それにつけても女性のコワさよ…(笑)

『白キ肌ノケモノ』
ACTOR’S TRASH ASSH
新宿シアターモリエール(東京都)
2011/08/03 (水) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
「悲劇の系譜」を感じる
正編である『刻め…』も含めギリシャや沙翁に通ずる「悲劇の系譜」を感じる。今まではラストの痛快さに惑わされていたのか?(笑)
また「死ぬというのは身体の死だけを言うのではなく身体は生きていても心が死んでいる【死】もある」的な台詞が心にしみる。

学生服を脱がさないで
KENプロデュース
アイピット目白(東京都)
2011/08/06 (土) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
120分を楽しく過ごす
学園もののお約束満載な上に「成井豊先生、今日もよろしくお願いします」「演劇部に参加しているとバレたら校内の笑い者になる」などの台詞、80年代後半(?)のあれやこれやや愛知訛りなどにツボを突かれて120分を楽しく過ごす。