週末たち(満員御礼で終幕。ありがとうございました。御感想お待ちしています!)
MU
BAR COREDO(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/04 (火)公演終了
満足度★★★★
構成の妙
執筆者が4人で書き下ろしあり既製の改稿ありと出自は様々ながら1編目がある日の午後、その後3編が同日夜、ラスト1編をコトの起きた後、とちゃんと同じ半日の話としてまとまる構成が巧み。
後から気付いたが、最初の挿話でちゃんと「アレ」を予報しているのも愉快。
吉田ハミガキ
しいばしあやな×あさかわちえ
王子小劇場(東京都)
2012/12/03 (月) ~ 2012/12/04 (火)公演終了
満足度★★★★
ブッ跳びー♪(笑)
シュールで実験的。猫の目のように話がコロコロ変移するが考えようによってはエッシャーの「メタモルフォーゼ」のように徐々に変わっているとも言えるか?
それでありながら最後は(殆ど忘れていた)序盤の一点に回帰するのが巧み。
ネタのブッ跳び方はワワフラミンゴに通ずるも、「あ、ここで終わりだな」とワカるところが違いかも。
ファントム・ライセンス
進戯団 夢命クラシックス
新宿シアターモリエール(東京都)
2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
アニメチックな娯楽アクション
コミカル…というよりマンガチック、アニメチックな娯楽アクション。
某怪盗もの&某スタジオ系のリスペクトネタが楽しく、おポンチさは往年の新感線に通ずる?
また、アクションのキレはもちろん、サンプリングのS.E.のタイミングが寸分たがわずピタリと合うのも見事。
みせられて
はぶ談戯
劇場HOPE(東京都)
2012/12/06 (木) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
底無し沼のように引きずり込まれる
SNSのオフ会にありがちな身近な光景で引き付けておいて次第にディープな世界に変貌、気が付くとコワい世界にどっぷりハマっているのは底無し沼の如し。
イイ話やコメディリリーフ的なキャラで緩和されてはいるもののこえーよ!(笑)
そのナマナマしさはσ(^-^)がかつてオフ猿であった(爆)ことよりも適材適所のキャストによるものが大きく、序盤では意外だった役も「あぁ、やっぱり!」だったりして妙な説得力アリ(笑)。
また、事前に目にしたいくつかの評の通り伏線とその回収が裏打ちしていると言えよう。
しかしホントに女性はコワい、いや、劇中人物ではなくこういう芝居を創る穂科さんが…(←もちろん褒めているつもりです)
カゼマチ
ゲンパビ
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2012/12/06 (木) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
手堅く着実なツクリでワカり易く好感
「罪とその償い」「消えないばかりか暴走るす被害者意識」などが心に迫り、犯した罪は赦されないのか、被害者の心はどうしたら癒されるのか、などについて考えさせられる。
また、各人物や物語の背景をじっくり語ってからクライマックスを迎えるツクリはオーソドックスながら着実で、当日パンフレットに掲載された登場人物紹介と相俟ってワカり易い。(以下ネタバレBOXへ)
The Library of Life まとめ * 図書館的人生(上)
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに「リミックス」
単に過去の短編を並べ替えて見せるのでなく複数の挿話を場単位で同時進行させ、時としてある動作が別の挿話に影響したりするのが面白い。
過去の複数の作品を組み合わせて新たな価値を与えるのはまさに「リミックス」。
テロルとそのほか
工場の出口
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/07 (金)公演終了
満足度★★★★
作劇過程がワカる演劇版四題噺
4人の役者が出したテーマにつきモノローグと短編を1編ずつ書き下ろし、それら8編を発展させて1本に仕上げるという演劇版「四題噺」、生成過程がワカるのが面白い。
当日パンフレットで事前に読んだその「作り方」は観劇中は忘れていたが、終演後に再見したらもう膝を連打!(笑)
また、独白パートと芝居パートのバランスが作り出すリズムによりメリハリがきいており、シンプルながら多彩な照明も◎。
オセロ。
y0suka
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2012/11/28 (水) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
「オセロ。」であって「オセロー」ではない
確かに「オセロ。」であって「オセロー」ではない(←当日パンフレットより)な感じ。
元ネタの基本設定だけ踏襲して異なる物語を紡ぐ手口に前年のガチゲキでの日本のラジオ「タイタス・アンドロカス」を連想したりしつつ楽しむ。
欲を言えば些細なことから形勢が逆転する部分などあればさらに「オセロ」だったのでは?(笑)
世界は僕のCUBEで造られる
ACTOR’S TRASH ASSH
吉祥寺シアター(東京都)
2012/11/20 (火) ~ 2012/11/26 (月)公演終了
満足度★★★★
大幅グレードアップ
2年前にブラッツで上演した作品の大幅グレードアップ。
「当世人気者」な若手俳優やアイドルを多数招いた中、4人のASSHメンバーが要所要所を締めてメリハリを付けているのがさすが。
2年前と比較するとエンターテイメント性が大幅にアップした分「自分の中の多面性」的な主題が薄れた気がしないでもないが、いわば素描と極彩色(むしろサイケ調?(笑))に塗った絵画との違い、的な?
ただ、ゲスト陣のファンへのサービス的なシーンは千穐楽ということもあってか冗長感アリ。
その結果、上演時間が10分間の休憩を含み3時間というのは行き過ぎでは?(面白いことは面白いんだが)
朝にならない
チタキヨ
新宿歌舞伎町 ATTIC(東京都)
2012/11/23 (金) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
今のその年齢を最大限に活かす
同年齢の作家・女優によるユニットだけに「今のその年齢」を活かし各人物も「それなりの人生経験」を積んだ設定で、ライブバーという会場ももちろん作中に取り込み「ありそでなさそで」なハナシを笑いもたっぷりな中に語って鮮やか。
吉岡再生
コーヒーカップオーケストラ
シアター711(東京都)
2012/11/28 (水) ~ 2012/12/03 (月)公演終了
満足度★★★★
同窓会系ホロ苦コメディ
一言で言えば「同窓会系ホロ苦コメディ」か。
知らなきゃ良かった、なコトを知って落ち込む吉岡に古傷が痒く(←「疼く」ほどではない)なったり?(笑)
ちょっとしたことで違う箇所を表現できたりギミックを仕込んだりな舞台美術も〇。
MIYAZAWA
殿様ランチ
新宿眼科画廊(東京都)
2012/11/23 (金) ~ 2012/11/28 (水)公演終了
満足度★★★★
大人から子供まで愉しめる仕上がり
未読であった2編も直前に青空文庫で目を通し、既知のものも含めてどのように表現するのかと思って臨んだがメイク・衣装や影絵による動物たち(←元々擬人化されているし)を含めてかなり原典に忠実で大人から子供まで愉しめる仕上がりなことに感服。
明るい家族、楽しいプロレス!
小松台東
高田馬場ラビネスト(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/11/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
終わるのが惜しいほど
まさに昭和のホームドラマ。
小学生の啓太の言動を筆頭にあちこちに共感できる部分があり郷愁をそそられる。
たまに流れる家族内の気まずささえ懐かしい、みたいな。
もちろん家族・近所付き合いのあたたかさも満載で終わって欲しくなかった。
ぱれえど
浮世企画
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/11/27 (火)公演終了
満足度★★★★
地方都市感満載
どこか夢の中のようだった前作に対してなかなかに現実的で各人物やストーリーには「地方都市感」満載、ゆえに舞台となる土地の気候から雰囲気まで浮かぶよう。
そんな中に1人だけ現実離れした人物を配することで生まれる独特の風合いがまたイイ。
ファミリー(仮)
and Me
OFF OFFシアター(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/11/27 (火)公演終了
満足度★★★★
完成度高し
女性作家ならではの視点で描く既婚・未婚(微妙に違うが非婚よりはこちら)それぞれの心情(ホンネ?)とDV被害者の心痛、ズシリと心に響く。ホント「男でゴメンなさい、お気楽でゴメンなさい」な気分。
これ、女性観客はもっとずっとイタかったろうな。
また、終盤の二場の緊張感とそれを緩和して着地させる落とし方も巧みで、完成度高し。
エピローグ前の場のラストの「笑み」のサイコホラー的なコワさも特筆モノ(女性ってコワい…)。
さて、次回作はどうなる?
あ、日曜ソワレは、あるだけでも有り難いのに、割引まであるというのも嬉しい。
THIRTY
リブレセン 劇団離風霊船
テアトルBONBON(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
伊東編
大橋編を見ての予想と異なり同じ装置ながら設定が違い一部の動作・台詞がカブるだけかと思っていると次第にリンクの度合いが深まり、本編の作家(役)が登場するメタフィクションに発展して、さらに代表作(複数)の一部まで取り込む凝ったツクリ。
乱暴な言い方をすれば大橋編をマクラに使った「これぞ30周年記念作」な感じでそのシカケにニヤリ。
なので観る順番もこれで良かったと思ったが、逆の場合はまた違った印象になるとの声も耳にして、それも試してみたかった気も…。
THIRTY
リブレセン 劇団離風霊船
テアトルBONBON(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
大橋編
結婚式場のエレベーターホールとエレベーター内で起こる「少し不思議」系のハナシ。
短編二連作かと思いきや終盤で一つに繋がる構造で、作品自体は悪くないが「30周年記念作」としてはいささかの物足りなさを感じないでもない。
オシャレ紳士と梅棒のシャレード・ビフォア・クリスマス
男衆ver.2.0 おしゃれ紳士
青山円形劇場(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/11/21 (水)公演終了
満足度★★★★
ブラボー♪♪♪
よくまぁ1曲の中にドラマを創ること!
歌詞のある「歌」を使い、中のフレーズをキめ台詞的に使ったり、内容から膨らませて創ったドラマを言葉ではなく身体表現で語る上に巧みに笑いも織り込むなんてステキ。
他に某大物アーティストのライブのMCを流して「あて振り」でなりきるネタ(?)などのアイデアもイイし、何より演じている側も思いっきり楽しそうなのがイイ。
ブラボー♪♪♪
地響き立てて嘘をつく
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/11/21 (水)公演終了
満足度★★★
3000年を駆け抜ける家族!?
「90分でワカる日本民族の来し方」(笑)。
序盤こそやや戸惑ったが「時代を駆け抜ける家族」なスタイルがワカった以降はそれぞれの時代の描き方にニヤニヤ。
ラストには「A吉K美子かっっ!!!」と心の声でツッ込んだが、あの名言(迷言?)、舘さんは世代的にご存知なかったそうで…(爆)
忍ぶ阿呆に 死ぬ阿呆
企画演劇集団ボクラ団義
SPACE107(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/12 (月)公演終了
満足度★★★★
『髑髏城の七人』超え?
本能寺の変・秘話を史実に沿って辿りながら描いた娯楽時代活劇。
忍(しのび)たちが使う様々な策術(←荒唐無稽なものでなく、心理トリックなどリアリティのあるもの)を前半で見せておき、最後の大落ちでそれらを組み合わせて使うのが巧み。
信長秘話ということでは劇団☆新感線の『髑髏城の七人』と同傾向だが、「ありそう」という観点からすればこちらの方が上か?