満足度★★★★★
いろいろ考えさせられる
ユーモラスに始まり、次第にテーマを提示してゆくのでいつの間にか引き込まれて120分弱の長さは感じず。
ほとんど事実に基づいたという「過去パート」とフィクションである「その後パート」の往き来もモーフィングの如く滑らかで、なおかつ場面が変わってすぐにどちらかワカるのが巧み。
そんなスタイルで語るのは表現の自由・言論の自由の反対側(あるいは裏?)にあるものやマスコミの意義。
表現の自由を規制する方向への動きがある昨今、色々と考える材料を与えて貰ったといおうか、観ながらあれこれ脳内を過るものアリ。
暫く前に不慮の事故で遭難したヨット救助に関する批判があったものでそんなことにも考えが向く。
そうして迎える終盤での喫茶店の対決、主人公と女性ライターとの口論は白眉。
瀬戸山主宰の演劇人宣言(←そこまで大仰なものではない)も感じられたが、深読み?
さらに幕の引き方も「画竜点睛打つ」感じで鮮やか。