1
小豆洗い-泥を喰らう-
鬼の居ぬ間に
シナリオ、タイトルと内容、表象の完全一致度、キャスティング、演出、演技、舞台美術、照明、音響どれも素晴らしかった。バランス感覚の良さ、丁寧な作り、完成度の高さで総合1位。
2
『タガタリススムの、的、な。』
舞台芸術集団 地下空港
斬新な感覚と鋭い洞察、奇抜な演出や実験性に進取の気性を見る思いがする。
3
月の岬
SPIRAL MOON
方言を用いた表現の深さと主演女優の上手さ、難しい人間関係の微妙な綾を巧みに丁寧に描いて秀逸であった。この一位から三位までは、殆ど、差が無い。
4
愛とその他
劇団東京乾電池
シナリオの良さに加えて巧みな演技、間の取り方の絶妙感、音響、照明の技術の高さなど、流石である。
5
某日快晴ワレ告白セリ
タッタタ探検組合
いつも何か新しいことをやってくれるタッタタ探検組合、喜劇で此処まで、毎回チャレンジする精神性の高さ、頭の良さ、志の高さと研究熱心にはいつも感心させられる。
6
蝦夷地別件
ピープルシアター
船戸氏自身から全作品上演許可を得ているピープルシアターらしく、舞台化不可能と言われた大部の傑作を削ぎに削いで良く纏めた。スピーディーでドラマチックな舞台に仕上がっていた。
7
六丁目金山ビル・おみまめ
劇団芝居屋
主宰、増田さんの姿勢が良い。「良い劇団は若手を育てますね」と申し上げたら、即座に「その為にやっています」とおっしゃった。実際、増田さんが舞台に上がると、場面が締まる。厳しい師匠でもあるが、愛のある厳しさである。これからも、どしどし、良い舞台人を育ててやって頂きたい。
8
サークル
劇団光希
看板女優の森下 知香さんが素晴らしい。座長の一所懸命な姿勢を劇団の皆が分かち持っている。とにかく、まじめに、熱く取り組む劇団である。
9
ハイエナ
沢井正棋プロデュース
2010年度、若手演出家コンクールで最優秀賞、観客賞のW受賞を果たした金 哲義くんのシナリオ。在日の人々の困難、苦悩が今、当に自分のアイデンティティー問題として捉えられていて、シナリオからは血が噴き出すようである。金くんは、大阪が活動の中心なので、中々、東京で公演を打つことは難しいが、彼の主宰する劇団が演じると、また一味違った味がでるだろう。ぜひ、Mayに、東京で演じてもらいたい作品もである。
10
『銀ちゃんが逝く』『熱海殺人事件』-売春捜査官-
シアターX(カイ)
これらの作品は、フィルムである。それで10位にした。但し、このうちの1本でも本舞台作品であったなら1位になる可能性がある。またフィルムでも10位に入れたのはつか こうへい理解に大切な一次資料と考えたからである。