
さらばアイドル、君の放つ光線ゆえに
劇団レトルト内閣
HEP HALL(大阪府)
2011/02/18 (金) ~ 2011/02/20 (日)公演終了

ピラカタ・ノート
ニットキャップシアター
ザ・スズナリ(東京都)
2011/04/09 (土) ~ 2011/04/11 (月)公演終了

Jのとなりのオニク
男肉 du Soleil
シアター711(東京都)
2011/04/25 (月) ~ 2011/04/26 (火)公演終了

延命
ナントカ世代
アトリエ劇研(京都府)
2011/02/18 (金) ~ 2011/02/20 (日)公演終了

こいにょうぼう
ナントカ世代
京都府立文化芸術会館(京都府)
2011/05/22 (日) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

黒田育世『おたる鳥をよぶ準備』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2011/09/27 (火) ~ 2011/09/27 (火)公演終了

パール食堂のマリア
青☆組
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/07/29 (金) ~ 2011/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
そういえば・・
観てきたんですよね。面白かったです。
潮の香りがするようで。お袋もヨコハマ生まれで昔はお嬢だったようなので(笑
よく昔話を聞かされました。そんな柔らかな風の吹く街のことを凄くステキに描いているところがまた良かったなな、と。

全 員 彼 女
TOKYO PLAYERS COLLECTION
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/01/05 (木) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
満足度★★★
・・なんだろう、全然共感できなかった・・(苦笑
年なんでしょうか、クールで・・何、考えてるの?ちょっとよく分からない主人公(男)に
全然共感できませんでした・・(苦笑
やっぱり男優が主人公演じるのなら、汗飛ばしながら勢いよく走り回って、
目から火花が飛び出るような、ムダに元気な野郎(オヤジそうだったな(苦笑)じゃないと・・
自分は入れないな、と改めて気付きました(←男装なら宝塚
観た後に「なんかスッッゲェー元気なヤツ見た!」みたいな気になって、
ジャンプして劇場から家まで走り出したくなっちゃうような(苦笑
そんな巨大なバカ(←人のこと言えない)の一人でもいないと
劇場に行った気がしないっていうか・・(←魂の(ムダな)叫び
自分自身、自分と似たようなバカ探しに劇場行っている感もあるので(苦笑
・・イヤ、ホント場違いでスミマセン(苦笑
・・どうなんだろうか?
裏切られて傷つくって、そんなに痛いかなぁ?
そういう弱い人が平気で人を傷つけてるんだよなぁ。
・・自分、いくら傷ついて血ィ流しても平気っス。
だって無敵(根拠なし)っスから、いくらでも来いや(ハリケーンディスコでそんな主人公いたな・・(笑
みたいに自信たっぷりに言い放つ不敵なバカ(男)の方が(同じ男から見ると)
千倍カッコ良いと思うけどなぁ。
やっぱり男に生まれたら、モテるモテない関係なく、
誰よりも(自分なりに)カッコ良くなりたいもんなんじゃないかなぁ(やっぱ俺ってズレてる?
最近になって特に思うのだけれど、
女性の魅力というのも男性の魅力ありで、
その逆もまたある。
どちらか片方が独立してあるというのは、特に舞台の上ではないように思う。
特に恋愛ものの場合はそれが顕著(宝塚がいい例)に見える。
最初から、脚本としての男性が魅力的に見えない・・(スミマセン(汗
場合、男優がどれだけ掘り下げても厳しい・・となると、
女性の魅力も下がってしまう・・。
今回の場合、男性があえて立つ必要があったのかな?
前回みたいに女性だけじゃ駄目だったんだろうかな?
・・難しいですね(苦笑
まぁ、そんな感じで明日は元気の塊、コースケ・ハラスメント氏の引退(涙)公演でも観て
元気注入してもらおうっと♪

紅夢漂流譚(くれないゆめひょうりゅうたん)
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2011/12/12 (月) ~ 2011/12/28 (水)公演終了
満足度★★★★★
「国枝史郎LOVE」なんで・・
・・ついさっきこりっちで時間堂の感想を書いていたら、
桟敷童子のことを思い出してしまった(笑
同じ歴史ものでも、あちらは静かな演劇、こちらは伝記もの、
あちらは歴史の波に翻弄される女性、
こちらはぶっ飛んだ男前女子野郎ども(←男表記のほうが多くなったが女性のことです(笑)
・・どちらも悪くはないけれど、
自分はやっぱり血沸き肉躍る伝奇ものの方が好きかな。
・・まぁ、男子ですから。
でも、まぁ花も好きだし・・たまにはお袋に花を買って帰ったりもします(苦笑

星の結び目
時間堂
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/12/22 (木) ~ 2012/01/02 (月)公演終了
満足度★★★★
実は好みが分かれるかも
登場人物(特に男性)は類型的です。
ただし、この物語の主眼は、多様な男性像を描くことではないのです。
むしろ、女性(や子供)の存在によって、
奥さんを思いやる言葉を覚えたり
はたまた振られて癇癪を起したり
愛人に甘えたりする
男性というものの様々な側面(作者が観察した)を描くことにあるように思われます。
男性が物語の出発点として展開する劇が好きな人には、不満が残ることでしょう・・。
また、積極的に誰かが主人公として展開する物語でもないです。
むしろ、この物語に主人公のようなものがあるのだとしたら、
それは、時代の流れとは無関係に日々うつりかわる日本の季節の美しさや、
座布団を干した時の香りや、天気雨を狐の嫁入りと表現した日本の言葉の美しさとか、
日々の生活の中に感じる喜びや瑞々しさみたいなもの
(小津安二郎的?)
・・・人間というよりは、
かつて日本にあった、美しい、人間と人間との間にあった何か。
・・コミュニケーションの形式やある種の感覚とでも言うようなものでしょうか。
(坂本竜馬的な)人間が歴史を動かしている、というような物語を好む人には、
なかなかとっつきにくい歴史劇ともいえるかな、と。
(ソウル市民に女性的な感性が混じったもの?)
(以下、ネタばれへ・・)

クラシコ・イタリアーノ
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2011/11/25 (金) ~ 2011/12/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
職人魂だけではなく・・
・・気のせいか、会場のあちこちで
「(主人公)カッコ良いけれどチャラい!」
みたいな声が耳に入ってきたんですが(苦笑
自分の見る限りでは、少なくとも新宿渋谷心斎橋なんかにいるクズたちとは
まったくの別物なのではないかな、と思ったりしました。
以下、ネタバレへ・・

ウィリアムの仇討ち
うさぎ庵
ザ・スズナリ(東京都)
2011/12/27 (火) ~ 2011/12/29 (木)公演終了
満足度★
やりたいことはよく分かった(と思う)、でも・・
やりたいことはよく分かったように思います。
物語の伏線も、役者さんたちが実に丁寧に、自然に表現していたので、
観ながら微妙に感じた違和感も、「たぶん実際にはこうなんじゃないか?」と、
注意深く推察し、予想を立てながら進んで行くと、ほぼその通りになりました。
まるで、よくできている試験(たとえばセンター試験など)の問題を解いていくようでした。
物語の展開するちょうど5分位前には大抵どうなるか見えてきました。
別に大げさではなく、それだけ構成がしっかりしているということだと思います。
そして、物語の見せ方も模範解答的とでも言うべきか。
物語の内容がまったく頭に残らず、構造ばかりが目立ってしまう、という意味では、以前に観たデスロックのようでした(最近は観てないのでよく分かりませんが)。
結局、丁寧に配置された伏線の矢印のままに進み、特に驚きもないまま、
「結末の5分くらい前に推測した通りの結末」を無事に?迎え、
観終わったあとは「(頭が)疲れたな・・」と感じてました(苦笑
正直、他に多数作り手の思いのこもった芝居が上演されている熱い年末にぶつけるには、ちょっと熱量不足・・・というか、同じ下北なら、ネコ脱出にしておけば良かったかな・・と、ちょっと後悔してしまいました・・(汗
思いが込められてさえいれば自分も文句を言うことは無いんですが、今回のように
演出ばかりで作り手の熱さが見えてこない舞台というのは、正直、観ていて辛いです・・。
演出の工夫にしても、たとえばポレシュみたいにロックで勢いがあって、
ここまでやって大丈夫なの?くらいやってれば納得します(思いもあると思いますが)。
「・・この舞台の中に、愛はある?」と観ながら何度も考えてしまいました。
出てくる気配は、ほんの少しあった(若い2人(たぶん)とか・・)のですが、スルーされて消えてしまった気配があり、そこがまた残念・・。
・構成に絞った結果、そうした表現が切り捨てられている?
・ムリにハムレットを意識するあまり、みすみす物語を膨らませる機会を失った?
↑(上記2つ)ようにも見えてしまうのですが・・(勘ぐりすぎ?

ゆく年くる年 "SHIBA⇔トン" 歳末大感謝祭
快快
M EVENT SPACE & BAR(東京都)
2011/12/27 (火) ~ 2011/12/28 (水)公演終了
満足度★★★★
ぶらっと
観に行ってきました。
ただ、電車が遅延で開演後40分遅れだったので、
結構楽しみにしてた落語がほとんど聞けなかったのが残念でした・・。
代官山で寄席みる機会なんてほとんど無いしね。
大阪なんかだと割と若い人が寄席にいるんですけど、
東京でももっと若い人、寄席に行きましょう!
ちなみに自分は寄席に行き始めて10年ちかく・・ま~だまだ、ひよっこです!(笑
おまけに、客席ぎゅうぎゅうだったので後ろのほうでずっと立ちっぱなしだったけど、
客席のすき間から役者さんたちがぞろっと出てきたり
後ろで準備をしたりするときのざわざわした感じを間近で観られたりもして、
なかなかに面白かったです。最後はちょっと疲れちゃったんですけど・・。
女体○りは・・根が筑駒の中学の頃から変わってないんで・・
自分はちょっと恥ずかしくなって外出ちゃいましたけど・・(スミマセン(汗
それ以外はガッツリ楽しめたかな・・。
最後のDJタイムは・・最近観劇ばっかりだったので、
ひさびさ(といっても1~2週間ぶりくらい)に踊れて結構楽しかったです(笑
なんか、観客の人たちとか、あんな目の前で役者たち踊ってるんだから、
体うずうずしてみんな踊るんかな・・とか思ってたら、案外踊るしと少なかったんで
ちょい、寂しかったですが、でもステキな音聞いてたら、
何も考えずに飛び跳ねてみたくなるの
自分やっぱ中学生の頃から変わってないもんで・・(笑
まぁ、自分以外にも、人と話すのはちょい苦手だけど、
体動かすのはスキって人は、帰る前にいっちょかるく踊ってみるのもイイかも、とアドバイスしてみる(笑
なんかゆるっとして、ふわっとして、カラフルな快快テイストを
ゆんわり楽しめたんで良かったです。

“Nice Kitchen No.9”
JAM BAL JAN JAN パイレート
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2011/12/22 (木) ~ 2011/12/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
年末はカオス
中野駅からぶらっと北上し、
ブロードウェーで何故かクリスチャン・ボルタンスキの作品集を見つけて
でかい本をぶら下げながらウェストエンドへ、なんていうと・・
なんだか中野って凄く国際的?
みたいな錯覚をするのは、自分だけ?
そして地下の小さいコンクリート打ちっぱなしの劇場に入ると、
ローマ時代の「遊女の対話」(ルキアノス著)か鳩山郁子か、というような
古代の衣装を現代版デザインエスタ風にアレンジしたような服とか男装で繰り広げられる
堂々めぐりの会話、現代アートへの風刺、はたまた飛んでビッグ・バン(宇宙)
途中さくっと、ズラ一家のおばぁちゃんの仏壇が超合金の基地になるくだりが
ループしていく感じといい(言葉で説明するだけでは意味不明です、スミマセン
ひとつひとつのパーツの意味は凄く良く分かる(苦笑)が、
それらがつながっていくと完全に意味不明のカオスの坩堝になっているあたり、
なかなかに素敵感が満載で、面白ブースターが2,3個付いている心地(笑
現代アートが病気かどうかは分からんけど(苦笑
例えば、戦争が無かったら、ボルタンスキみたいな圧倒的なパワーを持った
ダークなイマジネーションは生まれたんだろうかとか
足元の本をちらと見て思ったり。
ブロードウェーから歩いてすぐの劇場でこんな素敵なカオスシアターが上演されているのは、なかなかに中野っぽくていいんじゃないんでしょうか。
・・と、言いながらこれからヨシロオを観に中野のあくとれへ。
年末は中野の時代? 年の締めくくりは、やっぱカオスでしょ!
↑というか、イブという認識はあまりない(苦笑

腐れ愛しい
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2011/12/23 (金) ~ 2011/12/26 (月)公演終了
満足度★★★★
そういえば
オヤジが死ぬすこし前、お袋と病院から帰ってくると、
「お父さんは私を顔で選ばなかった、自分は美人じゃなかったから」
と、よく(嬉しそうに)言っていた。
・・その時は、意味がよく分からなかった。
そもそも自分の母親の顔を世間一般の美の尺度で測る頭が無かったから・・(まぁ、単純なんです(汗
父親の死に顔を見て、やっと分かった(気がした)。
安らかな死に顔は若いころに戻っていて、なんだか歌舞伎俳優みたいで、(わりと)男前だった(笑
仏壇に食事を出しながら、嬉しそうに話しかけるお袋の顔をみていると、
先輩である父親の選択は間違っていなかったのかな、と思う。
今回、芝居自体は楽しめたものの、
「人間(女のコ)はしょせん顔」
みたいなポツドールチックな叫びには、まったく共感できないな(スミマセン(苦笑
自分のことを「美人じゃなかった」と話すお袋の姿を見る限り、
愛とか幸せのようなものと、美人かどうかというものとには、
関係無いように、自分には感じられてしまうので。
お袋は美人ではなかったのかもしれないけれど、
いつもまじめに一生懸命働いて、人のことを考えていて。
そういえば3.11の津波の時には、宮城の方に引っ越した知り合いのことをすごく心配して、
無事の連絡を受けたら心から喜んでいた。
人間の幸せみたいなものに関係があるとしたら、
それは他人の幸せをどれだけ自分のことのように喜べるか、とか、そんなささやかな、
やさしい陽だまりみたいな気持ちがあることなんじゃないかな、と、思ったりする。
芝居自体は面白くて楽しめました。
でも、『女は顔』て言うのはちょっと古いんじゃないかなぁ?
・・・というか、「一揃い丸井(伊勢丹でも109でもいいけど)で買った服なの、カワイイでしょ」
みたいな(わかりやすい)女のコに、見かけだけでコロッと騙されてるような
若い男ばかりだとしたら、日本ももう終わりではないかと(苦笑
見た目を磨くのは悪いことではないけれど、
それには男も女もまず、心の優しさがあってのことだと思う。
男子はまず、そういったものを頑張って見極められるように
目力を鍛えなければ!(・・・って、他人事じゃないな、俺も頑張らねば・・
※モンハンの動作ばかり見極めてる♨場合じゃない↑
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ただ、顔はともかく、立ってるときの佇まいとか、目のなかの光とか・・
そういったものは、幸せと関係がある気はする・・。
あと、男性のみなさん、もっと猫(やうさぎ)を可愛がりましょう。
日本から捨て猫(や犬)がいなくなれば、もう少しマシになるのではないかと・・(苦笑

若手演出家サミット2011
アトリエ春風舎
アトリエ春風舎(東京都)
2011/12/15 (木) ~ 2011/12/25 (日)公演終了
唯一観れそうな本公演の日程が完売したので・・
結局ワークショップのみしか観れませんでした・・(確定
まぁチケット取ってても仕事終わってからなので公演に遅刻は避けられないですし、
ワークショップ参加者の役者さんたち自身も
「遅刻は信じられない」とワークショップの自己紹介のなかで
はっきり言っていたので、気を遣ったという形で。
ちなみに自分は奥山氏のワークショップ10時間分の8時間(自己紹介タイム含む)
(いったいこれだけあればモンハンでアルバトリオン何頭倒せたんだろう・・)
ほどを観てみましたが・・正直、WSたった2回だけで本公演まで
持っていくということの大変さが、非常~によく分かりました(苦笑
よく演出家のかたが書かれている、
「今までの作品を観てから来てほしい」
的なコメントの意味が非常に良く分かりました・・。
自分は元の作品を観たことがあるので、台本を観て、
わりとどこが見せ場なのか、とか、演出家が伝えたいこと・・みたいなものが
胸の中で思い起こされもしたのですが、
(それは最初に観たときから時間がたってじぶんの中で熟成されたという意味もあって)
それらをぜんぶ一から口に出して言っていかねばならないという作業の
膨大さに打ちひしがれ・・
(え、そこまで丁寧に口に出さなきゃならないのか・・というか、
役者さんたちが気づくの待ってる時間もないんだし(汗)
・・といっても、いきなりそんないっぺんに急に言われても、
全部すぐ頭に入る人間などいる訳もなく。
・・というか、WS2日目なのに、役者さんたちの何人かがまだ安易に
途中で台詞飛ばしたり間違えて、作品をつまんなくしているのを、
演出家が何度も指摘しているのをみていて、
正直、自分も大好きな作品なだけに、悲しい気持ちになったもので。
作者にとっては、わが子みたいに大事な作品なんだから、
役者さんたちも、言葉のひとつひとつを、行間を、もっともっと愛し抜いてあげなきゃ
ダメなんじゃないかな、とか自分は思うんだけどねぇ。
そして、どこまで行っても以前の本公演には遠く及ばない
・・これは、役者の力量というよりかは、時間が決定的に無いこと、
それと、2回のワークショップだけで作品を上演する以上(汗
役者さん方が演出家の以前の作品を観て肌で感じていることは、
必要条件にほぼ近いように自分には感じられること・・。
正直、ワークショップの最後に、
「え、このまま本公演行くの?」
と、冷や汗をかいたのは自分だけではない・・というか、
奥山氏自身がそんな感じのことを言ってた・・。
たぶん、それらしくしようと思えば、
いくらでも取り繕うことはできたんだろう・・けど、
自分は、今までの奥山氏の作品をわりと観ていて、
その作品に登場する人物のほとんどがバカばっかりで、
でも、作者のそいつらに対する溢れんばかりの愛みたいのを間近で観ていて、
あ~、きっとそんな中途半端にはしないんだろうな、
とは思っていたんですが、
見学しながら・・ああ、やっぱそうなんですね、妥協とかしない感じ
(というかハンパ禁止)で行くんだと、ゴールの遥かな遠さを実感するばかり・・。
まぁそんなわけで?、クリスマスの夜は、
オヤジ死んで落ち込んでるお袋と一緒に
家で七面鳥でも食べてることにしました。
ただ、皆さん、ワークショップも見学できるんだから、
もっとそっち観てから予約した方がいいんじゃ・・とか思いました。
その方が、演出家が目指していたところと実際との距離が測れて
興味深いのでは、と思ったりします。
※ちなみに本公演が素晴らしければ、
ワークショップから本公演の間に役者さんたちがそれだけ頑張った、
ということです。
是非観ている方皆さんで拍手してあげてください。
・・自分は見届けられないですが(汗

ノマ
リクウズルーム
アトリエ春風舎(東京都)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/06 (火)公演終了
満足度★★★★★
今更だけど・・
そういえば自分も観てきました。
いつも春風舎に行く前には、江古田の古本屋につい(計画的に)よってしまい、
この日も買い込んだ美術の洋書や落語やサイードの本などを抱え込んでひいひい辿り着いて、
おまけに10分遅刻してしまいましたが(汗
逆にプロットなどをきっちりと組み上げていく舞台と違い、
遅れても途中からでもすっと入れました。
・・そういう意味では、遅刻者にも優しい舞台だなと。
ストーリー自体は当日パンフに書いてあったので、ちらと見て話の流れはすぐ理解できました。
台詞そのものは直接状況を説明しているわけではなく、
コトバのいくつかが物語に引っ掛かっているだけなんですが、
そのやり取りを聴きながら、
「・・この物語にランダムにあちこちの本から文章を引き抜いてきて当てはめていくとして、
ここそこに、いま目の前に出されている文章をパッチワークして貼り付けていく様子を思い浮かべると、これはなかなかのセンスなのでわ?」
・・というような気になってきました(作者の思惑通り?
・・ほんとたとえばなんですけど、
例えば、ゼーバルトなんかが、
旅路の果てに色々な歴史・物語を標本のように本の中に組み上げていっているとしたら、
作者はそうしたなかにある必然性やセンチメンタリズムなどを一切排して、
物語に偶発的にセンテンスをつなぎ合わせていくときに現れる驚きや彩りを観客と一緒に楽しんでいるのではないかという気になってきます。
そういう意味では、なんかバロウズのライブペインティングを、目の前で
(当日パンフの物語に、目の前で、役者の口から飛び出る台詞でビシバシ彩っているという意味で・・)
やっているみたいな雰囲気にも感じられそうな・・。
・・まぁ、こういった物語、あまり肩ひじ張るとかえってとっつきにくいかもしれませんが、
ストレートな舞台だと、10分遅れただけで全くついていけない、ということが、
こういった舞台のように、物語より演出(・・というかコトバ遊び)でみせようという舞台の場合、
割とついていくのは容易・・というかたいして変わりない、というのは、
演劇作品としてはなかなかのアドバンテージだと、自分は思うんですけどね(苦笑
ちなみに、この舞台を観ていて、
物語のなかに充満している毛色の違うセンテンス群の嵐を眺めていると、
ふとなんとなく自分の足元の古本の束のセレクションに似ている気がしてきたものなので
・・ちょっと、評価が甘くなったかもしれないことをここに付け加えておきます(苦笑
・・ちなみに観劇後にジャンプを買い忘れていたことに気づきました(笑
まぁ、そんな感じで良いんじゃないかな、と、自分は思ったものですから。

死の町
劇団チャリT企画
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/12/13 (火) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
非常に演劇的
文字にすると、鋭くなったり、微妙なニュアンスが伝わらないことも、
役者の口を通して伝えると、
柔らかくなったり、伝わったり(なんとなくだけど)する。
テレビや新聞なら、まずはスポンサーのかたがたの意向をくみ取らなければならないことも、
広場みたいな舞台のうえでなら、
素直に感じたありのままを、目の前の人たちに伝えようとすることができる。
ポレシュを見るまでもなく、現代の日本というか世界では
ただばくぜんと「グローバリズム」とかと呼ばれたりする
目に見えない悪魔みたいな空気が荒れ狂っていて、
ただ、それはメディアを通しては株価の動きのようなデジタルな信号でしか伝わってこず、
そういった信号さえ、たとえば聖路加の人たち(もう引っ越しましたけど・・)によって
欲望を煽る脈動として・・億を超える資産に辿り着くための細い蜘蛛の糸として
神格化され・・
さらには信号の動きに0.1秒先んじてマウスをクリックすることが巨万の富を得る鍵のように吹聴され、励行される奇怪な世界・・。
考えてみれば
この荒れ狂う波の中、
小舟のようにたゆたうひとりひとりがすがりつく最後の場所は、
日本の(顔の見えない)ツイッターやネットゲームなどではなく、
今夜のような小さな劇場(あるいは教室)であって、
集まったお互いの正気を、笑いながら確かめ合う最後の砦なのではないかとさえ思えます。
マスコミが、まるで電気信号のように
何も咀嚼せずに食べた情報を元にヒステリックに明滅し続けるとき・・
果たして正気の人たちはそれらをどう受け止める(あるいはスルーする)べきなのか?
今夜の会(あえて舞台とは言わないです)は
そのことを指し示しているように思われました。
・・・別に劇場の中で政治に対して十分に演劇的なカリカチュアが遂行されるなら、
実際の政治の舞台の上でまで同様な乱痴気騒ぎが行われることを
誰も望みはしないだろうにな、と、思ったりしつつ。

fとゆらぎ
第0楽章
小劇場 楽園(東京都)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
雨模様
自分は、夜のFriendly Firesの前にちょっとうさぎカフェに寄ろうかと
下北に行って、ちょうどこの公演を見る時間くらいあったのに気づいて
ぶらっと当日券で入って観てきました。
自分は、振付も物語も両方とも、とても気に入りました。
最小限のセットなのに・・(以下、ネタばれへ・・)

ソウル市民五部作連続上演
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
『ソウル市民1939・恋愛二重奏』
あくまで自分の印象として・・
やりたいことは分かる気がします・・。
戦争の進展とともに繁栄している街。
サンテグジュペリがマドリッドで描いたものに似たものを
描こうとしていたのではないか・・という気もします。
ただ、そうした戦争とは裏腹の喧噪、明るさ、その中での孤独・・を描くには、
ちょっとマジメすぎる印象が拭えない気がしました。
(それは、舞台も、観客も、という意味で・・)
こうしたものこそ、もう少しラフに作り上げて欲しい気がしました。
明るく楽しく元気に!メリハリをつけて絶望や苦悩を描いたりしてくれれば、
もう少し魅力的な舞台になったのではないかなぁ・・などと思って観ていました。
役者の演技が悪かったと言ってるのではないです。
ただ、空気が堅苦しかった(全てをきっちり作りこみすぎると
逆に堅苦しく見えてしまう気が・・)せいか、
疲れて珍しくちょっと寝てしまいました・・(汗
まぁ、こういうのは好みによるものなんですけどね。