カメレオンズ・リップ【5月2日~4日大阪公演中止】 公演情報 カメレオンズ・リップ【5月2日~4日大阪公演中止】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    緊急事態宣言直前に何とか観れて嬉しい。これからまた中止ラッシュが始まるのだろうか。
    生駒里奈さんが何時の間にかこんな女優になっていたことに驚き、ファーストサマーウイカさん(元BiS)のベテラン然とした演技にも同様に驚いた。役者の才能と云うのは本人にも誰にも本当に判らないもので、だからこそ面白いところなのであろう。
    KERA版『MONSTER』的な感じで、古き欧州ホラー映画を思わせる美学。
    松下洸平氏を初めて観たが異常に人気がある訳が分かった。演技の運動神経とスタイルが抜群。
    岡本健一氏はすでに喜劇の名バイプレイヤーで、森田剛氏もいつかこうなりそう。
    自分的にMVPはシルビア・グラブさん。歌わない彼女を初めて観た。
    嘘つきの姉が失踪して八年、山奥の屋敷で姉そっくりの使用人と暮らす弟。そこに訪ねて来る姉の旦那にはある企みがあって・・・。
    宮藤官九郎を筆頭にこれぞ今一番客が入る演劇のスタイル。観客が求めているものはこれと云う感じがした。

    ネタバレBOX

    『我が家』の坪倉由幸氏は勿論好演したのだが、この微妙な空気感の中に本物のお笑い芸人が入ると、いきなりコント化してしまう。配役の難しさ。岡本健一氏の役を芸人が演っても違うだろう。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    幕が開くと、アメリカの田舎の山中の一軒家、謎の死を遂げた妹そっくりの使用人(生駒里奈)と暮らす主人公ルーファス(松下洸平)が、亡き妹は嘘が大好き、真実の中に嘘を交えてこそ、嘘の名人なのだと話しはじめる、生のピアノとレコードを使った嘘とホントのギャグ、観客はたちまち、ケラの世界に引き込まれる。
    ジャニーズ客がいなくても、かつてのようにさまざまな世代で埋まり満席(コロナ席なし)になった客席が、筋もよく掴めないナンセンス劇に笑っている。何だか懐かしい舞台を観ているような感じ。思い起こせば、コロナ騒ぎのこの一年、舞台の上も、観客も一体になって芝居に心を開く安らぎのある舞台には出会わなかったような気がする。
    ケラリーノ・サンドロヴィッチの初期の作品をいま現役の若い演出者が再演するKera Crossシリーズの第三弾。今回の演出者は河原雅彦である。
    今回の上演はケラの舞台の経験のほとんどない俳優たちが演じながら、まるで、ナイロン100℃の公演のドッペルゲンガーのようにケラの乾いたナンセンスの世界が作れたという発見が最大の見どころだろう。初参加で快演した岡本健一がパンフレットで言っているように「登場人物がそれぞれの事情を抱え自分を偽りながら現実に対して必死にあがく哀歓漂うドラマ」(まとめ方、うまい!!)を、この家に集まってくる様々な人々、亡き姉の夫(岡本健一)、元使用人(ファーストサマーウイカ)、近所に住む眼科医師(森準人)、姉の友人(野口かおる)、なくしたハンドバッグを取りに来る女社長(シルビアグラフ)近所の退役軍人(坪倉由幸)、がそれぞれに嘘をつき、騙し合い、演じていき、不条理な世界が笑いに包まれていく。
    嘘が事態を混乱させ、破綻してゆくクライムストーリーの筋を追うことはほとんど意味がない。しかし観終わってみれば、ドッペルゲンガーみたいだったこのドラマはやはり、バブル後のケラ本人の作った二十年前のナイロンの世界とは違う。いまの演出家、河原雅彦は不条理なドラマを、俳優にはナイロンの演技を踏襲させているように見えて、どこかすっきり整理している。貼り絵のようなタッチの美術(石原敬)も、井澤一葉の音楽も舞台にマッチしている。
    ケラリーノ・サンドロヴィッチと言う日本演劇界に突然現れた特殊な才能がこれからも長く生き続けられる証明にもなった上演だが、何よりも、この一年とげとげしく冷たかった劇場の空気が、ここでは温かく弾んでいたことを高く評価したい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ケラが「黒い三谷幸喜」と言われる理由が、初めてよくわかった。このケラクロスのシリーズでも、殺人が平然とこんなにたくさん起きる芝居はない。「グッドバイ」は元プレイボーイと女たちが和解するハッピーエンドだし、「フローズン・ビーチ」だって、昔の恨みで人を窓から突き落としたりしても、実際には死なないでまたでてくる。今回は、そこに行くと、乾いた悪意、ドライな犯行が後半、次々起きて、驚いた。亡霊が部屋の明かりや家具を動かすオカルト・シーンも楽しかった。
    それぞれの登場人物の関係の謎や、いくつも作った伏線を最後はきちんと回収しているのはさすがである。

    俳優たちがよくて、見ていて飽きない。黄色い声でオーバーに語る野口かおる(シャンプー)は犬山イヌコみたいにコミカルだし、芝居上手の渋い岡本健一(弁護士のナイフ)はもちろん、その愛人(?)のファーストサマーウイカ(ガラ)は、村岡希美のようおかしみがあった。姉とエレンデイラ役の生駒里奈は可憐で緒川たまきのよう。ケラのナイロンの役者にあて書きした雰囲気で演じているのかと思ったら、全く違った。この戯曲はそもそも外部向けに書かれたもので、17年前の初演メンバーも犬山がガラをやった(らしい)だけで、ほかは全然別の役者。失礼しました。

    ネタバレBOX

    コロナのこのご時世なのに、シアタークリエの大劇場が満席。女性客が多いのはもちろんだが、カーテンコールで前方席の女性たちがこぞってスタンディング・オベーションをしていた。ジャニーズでもないのに、ストレート・プレイでは珍しい。先日見たジャニーズの加藤シゲアキ主演の「モダンボーイズ」では立っての拍手はほとんどなかったので、おやっと思った。今回はそれほど、出来の良い芝居だったのだろう。

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