約3時間5分、休15分含。説明役が観客に素で話しかけ、俳優が見得を切り、人気者の殺陣はショーアップ。大衆演劇風?出演者が横一列になりがちで高さや奥行を生かせていない。怒鳴る発声と大音量のドラムなど音が苦手。名台詞大幅削除に疑問。
満足度★★★★
鑑賞日2019/02/10 (日) 13:30
座席1階E列29番
昨年、新国立で鵜山仁演出で上演された「ヘンリー五世」。今回の吉田演出では、同じ作品とは思えないスペクタクルに仕上がった。大掛かりなセットを駆使した、殺陣の応酬は見ごたえあり、かつ松坂桃李の舞台役者としての可能性を大きく開いた点では称賛に価すると思う。コーラスの吉田鋼太郎が、観客の想像を求める口上を連ねるが、その心配には及ばない。
しかし、一方で個々の重要なエピソードが浮いた感があり、作品として伝えようとするところがよく見えなかっったのも事実。ラストのキャサリンへのヘンリー五世の求愛と、イギリスとフランスとの和平のシーンは、取って付けたようで、どうも冗長、悪趣味の感もある。むしろ、ここまで脚本を改変する勇気があるのなら、もっとラストもバッサリとやってくれてもよかった気がする。だって、劇中キャサリンの役どころは、ほとんど宙に浮いた感じが否めない扱いなのだから。
終盤の河内大和の葱に関するやりとりも、ちょっとしつこい。
取っつきにくいシェイクスピアの史劇を多くの観客にできる限り
わかりやすく伝えようと苦心惨憺されたあとが随所に窺われ、
上演場所がさいたまということもあってか大衆演劇張りのご当地愛
にも溢れていた舞台作品。
ただ、ヘンリーがアジンコートでの戦いに臨む前に行う演説
(聖クリスピンの祭日の演説)の件などはほとんど...。ある意味、
清々しいといえなくもないが、それでもやはり、3時間を超える
上演時間に対して原戯曲の取捨選択というか上演台本の構成バランス
がどうも...。
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彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー五世』、色々な感想を目にするが、例の台詞、聞きたかったというか、この上演に必要だったとさえ思っている。この後だらーっと感想を呟きます。
6年弱前
彩の国さいたま芸術劇場「ヘンリー五世」終了。わかりやすくて面白いんだけど、ダイジェスト版を観てる気持ちになった。怒涛のセリフってカタルシス得られるのね。いや、とはいえ、内容がわからないのはもったいないから興味を持ってもらうためにもわかりやすいのは良いけど。
6年弱前
(評・舞台)彩の国さいたま芸術劇場「ヘンリー五世」 見たかった演説場面:朝日新聞デジタル https://t.co/yYXNAOBW62 いいところも悪いところも。楽しいところも残念なところも。
6年弱前
〈松坂が「われら少数、幸せな少数」と口にするのを楽しみにしていたのは、決して少数ではないはずだ〉(評・舞台)彩の国さいたま芸術劇場「ヘンリー五世」 見たかった演説場面:朝日新聞デジタル https://t.co/RI1RWY1UBp
6年弱前
今日の朝日新聞の夕刊に、先日観た舞台についての文章を書きました。 (評・舞台)彩の国さいたま芸術劇場「ヘンリー五世」 見たかった演説場面:朝日新聞デジタル https://t.co/hfcYHbf96E
6年弱前
彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー五世』見ている間中、新国の鵜山さんの演出はなんて面白かったのかと思っていた。作品から伝わる奥行感が全然違う。TLではアジンコートの演説の大幅カットが問題になってるけど、それ以外も客の笑わせ方とか鋼太… https://t.co/Z3c7bQruVu
6年弱前