劇団やりたかった第8回公演
劇団やりたかった第8回公演
実演鑑賞
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2016/12/16 (金) ~ 2016/12/26 (月) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://yaritakatta.wixsite.com/gekidanyaritakatta
期間 | 2016/12/16 (金) ~ 2016/12/26 (月) |
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劇場 | 参宮橋TRANCE MISSION |
出演 | 木下咲希(劇団やりたかった団長)、夏海陽(エースプロダクション)、佐藤成生、古川雅達、金子正憲(スキッピーズ)、内藤沙樹(ビジョンファイブ)、中村桂輔(劣等星人)、椛田真二(エッグスター)、やまこしゆうき(劣等星人)、桂川太郎、新藤江里子(劇団八幡山ほしがりシスターズ)、上野裕子 |
脚本 | かぐやまふたみち |
演出 | YammerSunshine |
料金(1枚あたり) |
3,000円 ~ 3,500円 【発売日】2016/06/16 前売り3000円、当日3500円 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 12月16日(金)19:00 12月17日(土)14:00/19:00 12月18日(日)14:00/19:00 12月19日(月)19:00 12月20日(火)19:00 12月21日(水)19:00 12月22日(木)19:00 12月23日(祝・金)14:00/19:00 12月24日(土)14:00/19:00 12月25日(日)14:00/19:00 12月26日(月)19:00 |
説明 | ポン酢を飲む癖のあるミー、そのミーのことが好きな道夫。 真実によって滅ぼされないよう楽しくいきる技術が必要だといったのは恵子さんのおじいさん。恵子さんもしっかりその恩恵を授かっているようで、コツは?と聞くと、何事も恐れないことと答えた。 とある暮れの物語。あたたかい笑いのこもった物語。 スタンディングオベーション手前、笑う半歩てまえのもどかしいながらにもぷぷぷとなる笑いを追求してゆく劇団やりたかったの第八作目です。 ※役柄のひとつがWキャストです。 内藤沙樹(ビジョンファイブ)さん、新藤江里子(八幡山ほしがりシスターズ)さんを観においでのお客様はご注意ください。 内藤さんがN、新藤さんがSです。... 16日(金)19:00S 17日(土)14:00N、19:00S 18日(日)14:00S、19:00N 19日(月)19:00S 20日(火)19:00N 21日(水)19:00S 22日(木)19:00N 23日(祝)14:00N、19:00S 24日(土)14:00N、19:00S 25日(日)14:00S、19:00N 26日(月)19:00N 【演出日記】 9/7 七月に台本をお配りして9月になりました。 まあ、いつものように地道に週一回の稽古を繰り返してきたのですが、地道な活動がほんと大事だなとこれまたいつものように思います。いつもと違うのは電話相談窓口を開設したことくらいです。けど、もっぱら役作りに迷ってるなと思った方にこちらから電話してます(笑) というのも劇団やりたかったは役者間アドバイスが禁止なのです。 役者さんのアドバイスはその場では正解なことが多いのですが、役者魂!をみせろ的なものが多いのも事実なので、うちの場合、お客さんは別に役者魂を見に来るわけでもないので、禁止してます。 うまいヘタに関わらず、力を持つ年上とか経歴が長い役者さんがどうしても発言権を得てしまうことも多々あるので、そしてアドバイスを受けた人は聞かなくてはならないしね。そういったこともあって孤独に役作りしてくださいって言ってます。けど、アローンではなくソロって感じです。 9/14 どうしても台本があるので、予定調和な感じがでることがあります。しかし、お客さんには舞台でおこっていることを現実のこと、いま起こっている事件としてとらえてもらわなければなりません。 言うセリフもあらかじめ準備されています。しかし、その覚えたセリフを忘れているようでなければなりません。 9/21 いい作品は弛緩しない。 と、いう言葉はしっていたのですが、先日観た映画のなかで、緊張感のない役者はだめだというセリフがありました。ふたつとも同じようなことだと思います。ただ緊張感であって緊張ではないです。 よく言われることですが、笑いというのは緊張と緩和の世界なので、その大前提の緊張がないと笑いはおきないのです。 思わずプッとなるものを目指しているのでとても緊張感は大事です。 ここが笑うとこだということを理解して笑ってもらうお芝居はしたくないです。ぜひ笑わないぞときてください(笑)きっと厳しい観客は劇団を育てます。 9/28 演技するにおいて、その人物の反応は内的要因(役作りしてきたもの)と外的要因がまじりあいます。先週と今週は外的要因をイメージしてもらうための稽古でした。 同じ人間なのにお茶の飲みかたは場所によってかわってしまうでしょうし。ホテルのラウンジで飲むのと、ドトールで飲むのとでは飲み方が変わってしまうでしょうし、海外のカフェでもかわってしまう。同じお茶を飲む仕草なのに。まわりの環境をイメージする。そのイメージの訓練でした。 知り合いで映画の小道具をしている人が喜びのひとつに役者さんがある特定の小道具を手渡した瞬間に役のイメージがわいたと感謝したそうです。まあ、これも外的要因のひとつです。人間は外的要因に左右されるので演技でもそこは重要になってきます。 それを想像できる力は役者の強い味方となります。 10/6 今日から実際の舞台を想定して稽古しました。 本読みに動きが加わります。 今まで本読みだけだったので、動きがぎこちなくなりますが、(本読みだけのペースでやろうとしてしまうため)これも時間が解決してくれるでしょう。 そしてそれにともない全体像のようなものがぼんやりと見えきます。とても荒削りです。しかしこの段階では荒削りでいいと思います。ただそこには緊張感がともなっていないといけません。本番を想定した稽古をしているわけで、それを思えば緊張感はおのずとでてくるのですが、いかんせん稽古場にはお金と時間を使って観に来る厳しい目をもった人たちはいないのです。 そこも役者の想像力でまかない、厳しいことをいう演出家がいなくとも、いずれ本番では厳しい目にさらされる自分を想定しないといけません。その厳しい目のなかで自由に遊べないといけないのです。 10/12 役作りにおいて建築でいうと基礎の部分が固まってきたようです。 地道な作業ですが、この部分がしっかりしていないと、これからおこなわれる表現していく作業(役者として最も面白いと思われる部分)の表現が根底からの自信に支えられていないので、なんだか弱い、もしくは表現しきれていないものになることが多いように思います。 小説での話ですが、ヘミングウェイは氷山理論というのをもっていまして、小説で説明する部分は八分の一しか表現しなかったようです。あとの八分の七は読者の想像にまかせる。 役者での表現もこれに似ていると思います。氷山のみえる部分(本番で役者の表現するところ)は八分の一しかでてこないのですが、そのあとの八分の七のみえない部分もしっかりと把握できていないと観客にはその本質は伝わらない。 とても効率といった点ではみすぼらしいものです。しかし創作活動において効率を求めるのもどうかと思います。また得てして効率の悪い役作りをしてきた役者さんのほうが、残りの八分の七をしっかり想像できているので、やはりなんだか魅力あるものをみせるのも事実です。効率といった現代的な言葉とはまったく裏腹の、努力、気合、継続などといったことがなんとも重要になってくるのが表現の世界なのかなと思います。 10/19 どうしたらこの役者さん、人間の魅力がでるのかなと思い演出しております。お客さんの大半は役者さんを見に来るわけで、人物に魅力がないと、ボーカルの魅力のないバンドのようになります。ボーカルに魅力のないバンドがたぶん存在しないように、演劇においても役者の魅力はとても重要です。 その魅力の出し方はあてがきに始まり、稽古法や指導法につながります。人それぞれです。その役者さんのマックスの魅力を本番でだしてあげたいです。 10/26 通して稽古ができるようになってきました。 本番は12月16日からですが、11月23日が本番日だと思うように役者さんに伝えました。11月23日には観劇の注意から、客だしにいたるまで、稽古場で最大限にできうる本番に近い状況をつくりだし稽古をしていきます。もう伸びきらないとおもうところまでいって初日をむかえたいと思います。 また、初日をむかえても、お客さんのいる状況で伸びるもの、もっと面白くなるものを判断し、千秋楽までよりよい作品をもとめる状況にかわりはありません。本番が始まってからは役者にとってお祭り騒ぎでもなんでもなく、ただよりよい作品を作り続ける仕事の延長線上のものでしかありません。 11/1 ずっと気になっていたそれぞれの人物の細部のニュアンスについて話し始めました。これって稽古がはじまって最初のほうに言ってしまうと役者さんずっとそのことが気になってしまうので、大づかみな役柄、八割九割人物ができあがってきたなと思うというようにしています。演出の言葉は強いので注意が必要です。 11/9 今までしてきた役作りにまかせて通し稽古を2回しています。 役作りにまかせると、自動的になってしまうので、それはそれで自然な演技がでるのですが、お話しがまとまならくなる方向にいったり、なんか緩慢なかんじになったりしています。今はこの感じでもいいかと思っています。役作りに深みも加わりますので。 ただ、大事なのは役者さんひとりひとりが、ああ緩慢な演技になってしまったなあとか、感情が弱くて表現できてなかったなあとか、本筋からそれ過ぎたな、とか思うセルフチェック的なものがあればいいかなと思っています。 離見の見の極意とまではいかないのですが、役者さんが演出家のいいなりで舞台に立ってしまうと、どうも存在感が希薄になってしまいます。やはり最終的には舞台に存在する役者さんのひとりひとりが自分自身で全責任を負わないといけないのです。それが艶につながりますし、舞台上で存在するというのはそういうことだと思います。 11/16 馬鹿な役や、みじめな役、卑怯者、弱虫、卑屈な人間、社会的にみてだめな人間を演じるのは難しいです。特に初めて会うひとが見に来る場合。 稽古場で顔の知った仲間とやっているときは、上のような性格に難のある人物を演じるのは簡単です。みな、それを演技でしていることをしっているので、ダメな要素を強めれば強めるほど、上手い役者として皆の評価も高まります。 では、稽古場に初めての人が見に来たときはどうでしょう。 どうしても、バカだと思われたくない、という要素が働きます。仕方のないことです。人間は人にはダメな奴だと思われたくないという幼いころからの刷り込みがあります。 舞台上で人間としてバカだと思われたくないと思ってしまったら、それは、輪郭の弱い、キャラクターの弱い人物になってしまうでしょう。 役者として好かれたいなら、それは本番のことですが、キャラを強めて、その観客に好かれたいと思う気持ちと闘わなければなりません。逆説的ではあるのですが、それが、お客さんに好かれるという現象を招きます。 11/23 台本に読んだ人物がうまく納得できないことがあります。 このまま本番に出てしまうと、与えられた人物を役者自身が納得していないのでぶざまなことになります。 ただ、長い期間その役と付き合っていると、なんか納得のいく時があります。初めて会った人で最初はなんか受け入れてなかったんだけど、だんだんその人のことがわかるにつれて、いいとこも悪いとこもだんだん受け入れてくる感じです。 この腑に落ちる瞬間ともいうべきもののために役作り(台本上の人物を深くしる)ことを綿密にやっていく。そうすると、あとは表現です。どう面白く表現するかです。ただ単にうわべの面白さではなく、その人物のうちからでてくるおもしろさです。それがユーモア(humour)、がhuman(人間)につながる人間のおかしみなのです。 11/30,12/1 観客にすべてをささげる。 最後の段階の稽古です。 12/8 どうしてもこの時期になると守りにはいってしまいます。予定調和な感じになったら、お芝居で大事な、今そこで何かが起こっているという事件性が薄れます。 何度も稽古してそれが今初めておこったように演じるのは難しいですが、特に反応など、しかし、それもまた想像力です。いや、なにも考えないようにする力かもしれません。 いつもSomethingNewなのかもしれません。 |
その他注意事項 | |
スタッフ | 谷口夏美、本多克哉、有薗帆乃佳 |
とある暮れの物語。あたたかい笑いのこもった物語。
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