満足度★★★★★
衝撃の舞台
演出と体当たりの演技に衝撃を受けた… と言うのが全てになってしまうのかもしれない。舞台装置とかも印象的で緊張感溢れる舞台でした。
醒めてくると、色々意味を考え始めてしまうのだが、そう言えば、作中で「意味付け」全否定する台詞があったな、とか思い出して自制www
パンフでの作演さんの言葉、「他生物に比して、人間は変な事・物・思考に捉われる。そんな多彩な奇行に魅力を感じる。(I元超意訳)」やアフタートークでの言動を見てると、作品通じての意味付けと言うよりは、「人の多彩で魅力的名な業を他意無く示す」ことに意図があるような気がしてくるのでした。
祝・黄金山アタック復活
5年ぶりの本公演でしたが、描きたい世界観は変わらない(と感じました)ものの、描き方には少し変化があったように思いました。
私は変化後の方が好きでした。
テクニカルの部分がとにかくすばらしく、作品をしっかり支えていました。
まだ演じている方も迷いがあるのかなと感じる部分もありましたので、三重公演に向けてさらなるブラッシュアップを期待したいです。
満足度★★★★
妙な懐かしさ。。。
ジブンだけかもしんないけど、
観てるうちに、妙な懐かしさを感じたんですよね。
懐かしい心地良さというか。
生理的に好きです、この舞台。
初日に観たのですけど、
個人的には全体の雰囲気から、なんか浮いてるような個所も
ポツリ感じられ、それが変わるのか変わらないのか・・・、
三重公演も興味あるんですけどね。
ブラッシュアップもするんでしょうし。。
柳沼さんは目とか表情が面白く、
梶田さんはゆるゆるな感じが良くて、
芦田さんは樹木希林なみの存在感で・・・。
中島さんを観てると、ダンスをやってるからこそ、
他のひととは何か違う伝えられるものがあるんやろな・・・
って思ってしまいます。
「初心者にお薦め!」っていうマークを付けてるものの、
決して分かりやすいということではなく、一度観て欲しい・・・
という思いです。
硬質・耽美な印象の作品
姉弟の住む部屋に一人の男が住むようになる。
舞台の始まりは二人の女性。どうやら、二人はその男の恋敵になるようだ、、、
というところから話は始まる。
硬質・耽美な印象の作品。最初の5分の静寂な緊張感、ラスト5分の美しい絵作りが記憶に残る。
作演の世界観やイメージを具体化したような舞台のつくり。
受け取れるか受け取れないかの要素が強い作品だと思う。受け取れた人には素晴らしい舞台になるが、そうじゃなかったら難解な作品と映るかもしれない。
だけど、カンパニーとしてやりたいことがあってそれは8分通りやれているように見えた。
上質なテクニカルの仕事に支えられている。
他地域公演に向けて、完成度を上げていく余地はまだあるようにみえた。より多くのお客さんに「届く」作品となるようなブラッシュアップを期待したい。
80分。
満足度★★★★
傑作がまたひとつ生まれました
5年ぶりの本公演に、5年分のタメを感じました。
人物、空間、美術とあかり、どれもがしっくりくる、クオリティ高い舞台になっていて、とても面白く拝見しました。次回作にも期待!
満足度★★★★
地方演劇のクォリティを超えている
とにかく舞台がキレイ。演者を想定した最小限で鋭敏な美しさは杉山至氏の面目躍如たるところか。そこに演者の身体性がフィットし、前半から息を飲むような暗がりの美しさを創出。
作家の文体はともすると自己満足に陥りがちな面が見られつつも、登場人物の行き場のなさを表現しながら、特に後半、客演の柳沼昭徳(烏丸ストロークロック)の静謐な存在感とダンサーでもある中島由美子の凛々しい立ち振る舞いが見事に噛み合い、沼地にズブズブと沈み込んでいくような人間たちのどうしようもなさを描いていて秀逸。
社会背景描写がほとんどないため、観念的に収束してしまっている感はあるものの、物語というより人間の存在そのものによる奇妙な会話劇という感じで面白い。
『逆しら』というタイトルに集約される人間という生き物の地球における存在矛盾を描いたというより、女性が女性たるゆえんの従属性、それこそ頭を沼に突っ込んで、淫らな下半身だけを表にさらしながら、泥水をすすり続ける(=男を欲する)女の醜い愛おしさを女性目線で描いた作品にも思えた。
舞台芸術としてのクォリティは、近年の広島の演劇としては出色であるが、広島という地においては異質ともいえるこの舞台が、他地域でどのように受け止められ評価されるか、大変興味深い。