実演鑑賞
ひつじ座(東京都)
2015/01/24 (土) ~ 2015/01/24 (土) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
https://www.facebook.com/yaritakatta
期間 | 2015/01/24 (土) ~ 2015/01/24 (土) |
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劇場 | ひつじ座 |
出演 | 木下咲希(劇団やりたかった団長)、大滝カヨ |
脚本 | かぐやまふたみち |
演出 | YammerSunshine |
料金(1枚あたり) |
1,800円 ~ 1,800円 【発売日】2015/01/01 前売、当日ともに1800円 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 1月24日(土)19:00開演 一日限りの一発勝負です。 (他団体の作品あり) |
説明 | 劇団やりたかったが贈る、本公演ではできない実験的なものをひつじ座の30分劇場でやらせて頂きます。私は下ネタじゃないと思っているのですが、団長がいうには充分に下ネタで、なおかつシュール過ぎるといわれました。好き嫌いははっきりとわかれます。特に女性は注意が必要かもしれません。団長と競演する18歳の大滝カヨさんは初めて本を読んだ時、嫌悪感をあらわにしていました。それでも私はこの作品を下ネタなどではなく男たちのユーモアあふれる会話劇だと思っています。 男性ふたりを、女性である団長木下咲希と大滝カヨが演じます。そのあたりはご期待ください。 【あらすじ】 とある工事現場での昼休み。友樹はひとりベンチでクッキーを齧っていた。そこに先輩であるひさしが声をかける。なに、クッキーだけ? 金ないんすよ、とかえす友樹。 この何気ない昼休みの始まりから会話はずれにずれ、最終的にはひさしの不器用な後輩への告白へとたどり着いてしまう。 【チケット予約】 劇団やりたかった 070-6632-4636 yaritakatta@willcom.com お名前、チケット枚数をお知らせください。 【YammerSunshineの演出日記】 12/21 今回は団長と大滝カヨの二人芝居による小品。団長には前もって台本は渡していたんだけど、大滝カヨは初めて見ることになる。この台本、一読しただけでは下ネタが強調されて奥の真意が伝わんないだろうなと思いながら19歳、初舞台の大滝カヨにひと通り読んで貰う。読んで貰うまえに、もしやりたくなかったら断っていいとも彼女に伝えておく。その時の団長の心配そうな顔は面白かった。案の定、大滝カヨは怪訝な表情を示す。断るかと思っていたが、やりますとのひと言。まあ、団長、私に囲まれているなかでは断りにくいだろうね。 それから本読み稽古を始めて、この本の真意、二人の登場人物の隠れた気持ちを伝える。そこで大滝カヨ、なんとか少しこの本に興味を持ってくれた様子。演出の仕事の最初として、まずは役者さんたちにその作品に興味を持ってもらうというのが非常に大切な仕事のように思う。 1/5 二週間以上あいた二回目の稽古。役者さんが台本を読み込める一番大切な時期。役者にとって一番大切な時期は本番前ではなく、この本を貰った直後だと思う。なので意図的に期間は開けたほうがいいと思う。 さて、団長と大滝カヨ。大滝カヨは今回は初舞台ということもあり受身の役。よく読みこめていて、そして緊張感、真剣味ともに伝わってくる。これって役者にとって大事な要素だと思う。さすが自分で歌詞を書きライブハウスで歌っているだけはある。正直あまり期待していなかったが役者資質を感じる。そして団長、木下咲希。もう気負いすぎ、自分のイメージに凝り固まって、もうへたくそ丸出し。けど、いつもこういうドンくさい役作りしていく人なのであまり心配はしていない。またそこが最終的な役の深みへと結びついてく人なので、注意はするけど、まあ必然の遠回りなのだと思ってしまう。 1/12 ニッカポッカやヘルメットなど小道具を揃えて稽古をする。冒頭にでてくる弁当やクッキーなどの小道具はマイム表現でいいと判断。これってすごくいい傾向。舞台での小道具の扱いはとても慎重になる。何かを登場させると何かしらの意味を生じさせなくてはならない。出した銃は撃たれなければならない。弁当とクッキーは真実味を出すためにあったほうがいいと思ってたんだけど、演技でカバーできるようになってきた。なんせ、今回は女性が男性を演じるという課題がある。それもリアルな男性でなければならない。男性調であってはならないのだ。冒頭の役者の仕事、もしくは台本上の欲求の示すところは、お客さんへの世界観の提示、そしてお客さんを世界に引き込み作業だ。これがうまくいかないとお客さんに無駄な時間を過ごさせることになる。団長と大滝カヨがかなり家で仕事をしてきてくれている様子なので、世界観、空気感はできつつある。しかしまだ弱い。 1/16 前の稽古で冒頭での世界観の提示が弱いってのは、台本に不備があるとわかった。女性が男性をしているだけでも、お客さんは世界観に入り込みにくいし、さらに、その男性というのは建設業をされているようなニッカポッカに鉢巻の男性男性した人物に女性がなるのだから、もう少し時間を割いて世界観をお客さんに馴染ませる必要性があると感じる。次の次の本公演の劇場の下見をしたついでに団長と追加シーンの稽古をする。大滝カヨは用事でこれなかったんだけど、今回の作品は団長の役が舞台を作って引張る役なので短い時間だったけど、いい稽古ができたと思う。面白いのは団長とその下見に劇場へ自転車で向かっているとき、ガテン系の今回の登場人物のモデルような人たちに何度も遭遇した。団長は嬉しそうに小声であれ、ほら、と俺に言うのだが、対処に困るのでやめてほしいと思った。 1/19 むむむ、団長と大滝カヨがひと皮もふた皮もむけてきた。家でしっかり仕事をしてきている。けど、ここで手を抜くのが二流や三流、さらに上を目指すのが一流。役にはなりきれてる。あとはふってきたもの、これをやれば全てを台無しにしてしまうんじゃないかと思われるアクトを何か大きなものを信じて従うだけ。それが究極のPlay、演劇、遊びなのだ。 1/23 明日を本番に迎えた今日の稽古。この前の稽古で上に書いた通り役作りとか空気感とか雰囲気はいい感じ。 けど・・・、そうは簡単にはいかないのが演劇なのかな。団長はもう一歩いいものを出そうとガテン系の人の役作りを深めてくるんだけど、ただガテン系の人を女性がやってますって感じになっちゃった。団長のやる役はひさしっていう男性なんだけど、その人がいなくなってしまった。大滝カヨも集中力の欠如なのか、友樹って言う人物のやさぐれ感が完全に抜け出ている。 特に団長は上を目指す役作りに積極的なのはいいんだけど、バラバラになってしまって、人物に統一感がなくなる。これでは受身の役の大滝カヨの役も反応できない。舞台上に人がいなくなるのだ。これは危機と、稽古終了後も追加稽古。そして本番前にすっかり迷いの森に入りこんだ団長をシンプルな考えにもっていこうと団長の新聞配達終わりを狙っての1時間の電話。 さあ、今までやった全てのことが吉とでるか凶とでるかは結果のみが教えてくれる。無責任なようだけど、ここからは役者の全責任。最終的には役者が全責任を背負わないとだめ。演出に言われたからとか、こうしろ、ああしろ言われた通りやってますってのが一分でも見えたら観客はげんなり。もうおしまい。役者として、そしてまたその役を演じて舞台に立っている必然性を観客に感じさせなくてはならない。それは劇団やりたかったでは雑念を捨て、ただ無心に役に入り込めば完成する。 1/26 終えて ゲネ、そして本番と彼女たちはベストの自分たちのものを出したと思う。男の作業員になりきっていた。けど、ここからは経験不足。観客がいる状態での演技というのはあきらかに稽古とは違う。そこが理解できればもっといいもの、観客をノックアウトできたのではと思ってしまう。欲張りなのかもしれない。観客っていうのはとても恐い。けど、敵にも味方にもなる。そのふたつは一瞬で往復しあう。 |
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