超天晴!福島旅行 公演情報 超天晴!福島旅行」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    笑いとシリアス部分のバランス配分が絶妙
    修学旅行の行く先に関する高校教師たちの数日間にわたる議論。
    基本的には娯楽作品の体であるが、原発事故被災者の複雑な心境や放射線関連の科学的データがごく自然に織り込まれているバランス配分が見事。
    また、「ダークツーリズム」の是非も問われるが、この作品自体がそれを体現しているようなところが巧み。
    ただ、劇中で日が替わる度に前日の様子を語るのは親切ではあるが、ややくどいかも?

  • 満足度★★★★

    フクシマの扱いづらさを扱った野心的コメディ/約105分
    ぶっちゃけ、今の日本でフクシマのことはとても扱いづらい。
    その扱いづらさそのものを、会議劇の形を借りて真っ向から扱ったチャレンジングな一作。

    しかも意気込み倒れには終わっておらず、論戦を通してフクシマの扱いづらさを分かりやすく表現するかたわら、単調になりがちな会議劇に派閥抗争劇や男女のドラマを織り混ぜたストーリーは役者勢の力演・熱演も手伝って吸引力大。

    コメディとしても風刺的なネタ、ドタバタギャグ、ニッチな小ネタ、アゴラグループをいじくる楽屋オチなど種々の笑いが詰まっていて面白く、役者勢のメリハリの効いた演技が可笑しみに拍車をかける。

    あひるなんちゃらがベスト劇団の私にとってどストライクな作風ではなかったものの、かなり楽しませてもらったので★は4つ。

    あの名曲のパロディソングも、詞・曲ともに出来がよいうえ、歌い手の女優さんの歌唱力もグンバツで、堪能!


    原発問題への斬り込みがやや浅いかな?って気はしたが、あまり深く斬り込みすぎると話が重くなりそうだし、コメディとして成り立たせるにはあれくらいで丁度良かったのではないだろうか?

    ネタバレBOX

    修学旅行の行き先を例年通り北海道にするか、副校長らの提案する福島にするかで教師達が激しくやり合う会議劇。

    そんな中、ただひとりブルガリア行きを主張する天然女教師に扮した楠海緒さんに引きつけられた。

    彼女のホンワカしかキャラクターは、全体的にハイテンションでアッパー系なこの劇の良い中和剤になっていたと思う。
  • 満足度★★★★

    フクシマと女
    面白い。110分。

    ネタバレBOX

    滋賀の私立高校で、校長らOB派と外部登用の副校長ら外様派で、修学旅行先を北海道にするかフクシマにするかで揉める。右往左往しつつも、副校長派が勝ちフクシマ行きをもぎ取るが、地方紙にリークされ原発反対派の理事に反対されてしまう。そこでリークしたのが副校長に二股かけられてた美術教師・珠美(中村彩乃)とわかる…。

    学校内の政争と男女のもつれ、フクシマという「被災地」に対する想いを織り合わせて、いい感じに笑える舞台になってた。笑いと問題提起のバランス感覚が上手い。珠美のリークの動機をぼやけさせたのも○。

    珠美を演じた中村が安定した演技をみせてくれたのも大きいかなと。聞き取りにくいとこも全体にあったし演技力的に微妙な方もいたが、ここがしっかりしてて作品を支えていたと思う。歌のときの表情も良かった。平清盛だけど。

    開演前のムービーと解説もあって良かった。
  • 満足度★★★★★

    時事ネタ満載
    笑いっぱなし、面白かったです。

    ネタバレBOX

    福島への修学旅行案を巡る何回かの職員会議の様子を、過去の時事ネタを織り交ぜながら描いた話。

    旅行業者との癒着から従来の北海道を推す先生、学内での地位を守るため目新しさを出そうと考えた先生、出身地の福島を知ってほしいと思う先生、どうでもいい先生、被災者の気落ちを逆なでしてはいけないと考える先生など各自の思惑が交錯していました。

    時事ネタ満載の会議は、一番差し障りのある究極のメニューと至高のメニューの対決ネタで始まり、修学旅行で現地ガイドに暴言を吐いたネタによって出禁となり今の北海道に決まった経緯が指摘され一旦は北海道に決定しましたが、バスの手配を忘れた旅行業者ネタ、半沢直樹の土下座ネタがあって福島行きに決まりました。しかし、鼻血ネタで反対する理事がいて、物理の先生が科学的に説明はしたものの理事会で覆りそうな気配です。

    各自の思惑は色々あろうとも、福島の現状を自分の目で見ること、お金を福島に落とすことは大事なことです。フェリーから福島原発が見えることは初めて知りました。

    そうこうしている内に福島出身の先生がライバル校へ移って福島行きの修学旅行を実現させようとしていることが明らかになると、先進性を見せるためにライバル校に負けじと、むしろ今までとは逆に福島を推すために理事を説得しようと全員が一丸となって動き始めるのでした。

    浜通りを歌った聞いたことのあるようなオリジナル歌謡曲も素敵でした。

    笑いの内閣にはがなり立てる系の役者陣が多かっただけに、初っ端の男か女か分からない口語なんちゃらの小さな人ネタは後から考えると挑発的で強烈なコメントでした。口語演劇でも見てみたい気持ちもありますが、シリアスな内容だけにコント風の口調のままでも良いのかもしれません。
  • 満足度★★★★

    前説、上演、トーク、物販までで1つの作品
    とても面白かった。ゲンロンの書籍「福島第一原発観光地化計画」が題材だが、舞台は滋賀県の私立高校の会議室。放射能汚染等のとても難しい問題を踏まえつつ“人間のエゴイズム”で一気通貫するのが潔い。作・演出の高間響さんが時事問題を卑近な日常に落とし込むのが好きだ。色々拙いところはあるが、今回もロビーで戯曲を購入。

    笑の内閣は京都が拠点の劇団で「CoRich舞台芸術まつり!2014春」の準グランプリ受賞団体。http://stage.corich.jp/festival2014/grand_prix.php#c
    受賞作の講評。
    http://stage.corich.jp/festival2014/grand_prix01.php

    ネタバレBOX

    いつもどぎつい下ネタがあるのは反骨精神のあらわれなのでしょうかw
  • 満足度★★

    一応「社会派」?
    タイトルに惹かれて観てきました。
    過去作品をみると、「クラブ規制」に取り組んでいたり、社会派の集団なんでしょうか…。
    演劇を観るというより、彼等に触発されに行くというのが適当かと思います。
    芝居は…下手です!なっていません!校長役の松田さんだけがまあ役者レベルです。

    ただ、演劇が内包すべき<問題意識>を持った取り組みには賛同します。

    これからだろうけどの大人の分別を持って観てあげましょう。

    ネタバレBOX

    福島の何を表現したかったのでしょう?
    或いは、人間の日和見を笑いたかったのでしょうか?
    多分、後者が先に在って、題材が福島物になったというところでしょう。

    登場人物に筋が通っていません。
    作者の色々な思いの断片が散らばって構成されているので、人物には思い入れが必要ないのでしょう。
    しかし、演劇の体を取る以上、思いの断片だけでは薄っぺらいし、観客を110分引っ張り続けられません。

    物理(化学のほうがよかったのでは?)教師の「被災を軽く見るな」的な発言は終始一貫していません。
    作者が自分の観方に固執するあまり、立ち位置の不確定さを暴露してしまっています。

    マスコミ報道で踊らされている我々を笑うのなら、もっとそれを物語にしっかりと書き込むべきです。
    「同情」「放射能汚染」「助け合い精神」「危険回避」
    福島に対する反応の支離滅裂さは、政治家、マスコミから一般人に至るまで例外なく滑稽なほどコロコロ踊っているのが現実です。
    それを突くなら、裏金等の小道具の使い方は箇所を間違えています。
    福島に直結するような使い方をしなければ効果がありません。

    職員会議で福島に対する「建前」と「本音」を混在させて、反対派と賛成派の議論にするとかのより踏み込んだしつらえが欲しかったです。
    それには、もっと<人>を描く力が必要ですが…。

    役者は下手すぎます。言語道断です。
    観ていられるのは松田さんだけ。興味を持てるのは坂東さんがぎりぎり。
    あとの方々は素人同然で、これは客に失礼です。(金取るな!レベル)

    前説の気持ち悪さや、原発=東京電力という浅はかな発言はこの作品の中途半端さの原因を如実に表していて、まあ、この程度のレベルかなと…。

    発想は良いし、扱う題材も良いのですから(センスは悪くない)、作者も役者も訓練したら面白い存在なのに、残念。
  • 満足度★★★★★

    二転三転、楽しかった
    若い観客の方(学生さん?)が多く、平日なのに予約完売。何とか当日券で観劇できました。
    ストーリはOB派と外様派の攻防(+男女関係)を中心に、決着が着いたと思ったら、二転三転。
    若い観客さんをどっと笑わせる会話劇。
    途中挟み込まれるカラオケ風の劇中歌、芸能ニュース風の演出。
    とっても面白かったです。
    さて修学旅行の行先は……? 福島観光の意義は……?

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